下院で北朝鮮追加制裁案 金第1書記ら口座凍結など
【ワシントン和田浩明】米下院は12日、北朝鮮が行った4回目の核実験への対抗措置として追加制裁法案を採決する。同法案を主導した野党共和党のロイス外交委員会委員長が11日発表した。同法案には与党民主党も賛意を表明しており可決される見通し。追加制裁実施には同種法案の上院での可決とオバマ大統領による署名が必要となる。
法案は、北朝鮮の大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発、ドル札の偽造などに関与した個人や団体を標的にする。金正恩(キム・ジョンウン)政権がこうした活動をしにくくなるよう、金融取引の阻止を図る。金第1書記や政権幹部が外国の銀行口座に保有している資産も凍結する。
かつて北朝鮮が対外取引などに使用していたマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」の口座を凍結し国際金融システムから切り離したことが効果を発揮しており、同趣旨の制裁を含む内容だ。
ロイス議員は11日、「北朝鮮は小型化した核弾頭を信頼性の高いミサイルに搭載し、潜水艦発射能力の開発も進めている」と指摘、こうした動きは米国への安全保障上の脅威であり阻止しなければならないと主張した。また、オバマ政権の北朝鮮対応は生ぬるいと批判。2014年に北朝鮮によるソニー米子会社のサイバー攻撃が行われた後も、限定的な制裁しか実施していないと指摘した。
アーネスト米大統領報道官は11日の定例会見で、北朝鮮への対応については日本や韓国などの同盟国などと連携し、国連安全保障理事会を通じて進めていく意向を強調した。日米韓3カ国は16日に東京で次官協議を行い対策を検討する。