特別編集委員・山中季広
2016年1月16日22時58分
音楽番組のキャスターとしておなじみのピーター・バラカンさん(64)から先日、意外な話を聞いた。
昨秋、東京都心の広尾から六本木へ歩いていたところ、2人の警官に呼び止められたという。
「どこかへ抗議に行かれる予定ですか」。え? 「あなたの服に9条と書いてありますので」
No9 NO WAR
LOVE & PEACE
シャツの胸にそうプリントされていた。これで僕に質問ですか? 「抗議活動があれば事前に把握したいので」
安保法が強引に可決されて一月もたたない金曜日の昼下がりのことだ。
「それにしても」とバラカンさんは余憤を隠さない。「日本に40年住んでいますが、こんなことは一度もなかった。広尾や六本木は仕事や子どもの学校で親しんだ街。驚きました」
FM局へ収録に向かう途中だった。シャツに憲法という文字はなかった。
「9の字が見えたらだれでも警官が呼び止めるのでしょうか。仮に僕がデモに行く途中だったとしても、それはそれでとんでもない話。日本は何だか危ない方向へ行ってませんか」
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