「勤務態勢に不備ない」＝バスツアー企画の会社社長

　スキーバス転落事故で、ツアーを企画した旅行会社「キースツアー」の福田万吉社長（38）が東京都渋谷区の事務所前で報道陣の取材に応じ、「運転手の勤務態勢に不備はなく、万全を期していた。法令違反や無理な運行をしたことはなかった」と述べた。
　
　福田社長は「企画したツアーで事故を起こしてしまい、申し訳ない。乗客の家族や遺族には誠意をもって対応する」と謝罪。「バス会社と連携してしかるべき責任を取る」と述べた。
　社長によると、事故を起こしたバスの乗客は学生らが中心で18～32歳。14日に東京・原宿を出発し、長野県飯山市の斑尾高原のスキー場に向かう予定だった。「運転手とはまだ話していない。心配している親御さんがたくさんいて、電話対応に追われている。必死に安否を確認している最中だ」と憔悴（しょうすい）した様子で語った。
　一方で、料金などツアーの詳細については「答えられる状況にない」と話すにとどめた。15日以降に予定していた同社企画のバスツアーは中止を検討しているという。
　渋谷区宇田川町の繁華街のビル一室にある会社の事務所前には、早朝から30人以上の報道陣が殺到。社長が事務所に戻った後も、扉越しに絶え間なく電話のコール音が鳴り続けた。同社のバスツアーに14日から参加した息子（18）と連絡が取れないことを心配した女性が事務所に押し掛け、事故を起こしたバスに乗っていないことを確認し安堵（あんど）する場面もあった。