軽井沢でスキーツアーバス転落14人死亡

2016年1月15日16時4分  スポーツ報知
  • ガードレールを突き破って転落、横転したスキーバス(共同通信社ヘリから)

 15日午前1時55分ごろ、長野県軽井沢町の国道18号碓氷バイパスの入山峠付近で、スキー客39人を乗せ満員状態の大型バスがガードレールを突き破り道路脇の斜面に転落、大破した。県警によると、運転手2人を含む男性9人、女性5人の計14人が死亡、大学生ら27人が重軽傷を負った。

 旅行会社「キースツアー」(東京都渋谷区)が企画したスキーツアーの客で、バスは「イーエスピー」(東京都羽村市)が運行。14日夜に東京・原宿を出発、長野県北部のスキー場に向かっていた。事故現場は事前の行程表のルートには入っていなかった。

 長野県警は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いでイーエスピー関係者を任意聴取。同社を家宅捜索した。現場に目立ったブレーキ痕はなかった。死傷者の多くが事故発生時、シートベルトを着用していなかった疑いがある。

 県警によると、乗員の2人は東京都青梅市のイーエスピー社員・勝原恵造運転手(57)と、同市の同社契約社員・土屋広運転手(65)で、当時は土屋運転手が運転していた。キースツアーの福田万吉社長(38)は取材に応じ謝罪。運行管理上の問題はなかったと釈明した。

 死亡した乗客12人のうち8人は東京都、川崎市、千葉県市川市、さいたま市の19~22歳の大学生と判明した。

 イーエスピーは運転手に健康診断を受けさせていなかったなどとして13日に国土交通省関東運輸局から行政処分を受けていた。東京労働局も労働関係法令の違反がないか両社を立ち入り調査した。国交省もイーエスピーに対し、道路運送法に基づく特別監査を実施し、山本順三国交副大臣を現地に派遣した。

 バスには18~38歳の乗客39人と運転手2人の計41人が乗車。複数の乗客によると、シートベルトの着用を指示するアナウンスはなかったといい、事故の衝撃で多くの人は車外に放り出され、バスの下敷きになった人もいた。死者は大半が即死状態だったという。

 現場はJR軽井沢駅から南に約2キロ離れた長野と群馬の県境付近で、緩やかな左カーブの下り坂。バスは群馬から長野方向に走行中、対向車線へはみ出し、ガードレールに衝突して道路右側に転落。数メートル下の斜面で横倒しになり、大破した。

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