企業が直面する問題として「世界的な景気の不確実性」「核心となる技術力の不備」に加え、朴政権の「不安定な政策」を問題視する声もあった。
こうした懸念を反映するかのように、市場では年明けから「韓国売り」が出た。中国株の暴落に加え、北朝鮮が、本家の終末時計の針も進めさせるかのような「水爆」と主張する核実験を実施すると、約5年半ぶりのウォン安と約4年ぶりの株安に見舞われた。
ウォン安は、輸出産業に偏重している韓国にとっては好材料という側面もあるが、米国の利上げや新興国経済への懸念による投資マネーの流出という側面もあり、素直に喜べる状況ではない。
最大の輸出先である中国経済が失速しているため、単純に輸出を伸ばすことも難しい。ウォン安は中国の人民元安と連動する形で生じているため、中国に技術力で猛烈に追い上げられている韓国の製造業にとっては、価格競争力で差を縮められない構図だ。
中東情勢も韓国経済には痛手だ。韓国の国土交通省によると、昨年の韓国の中東地域での建設受注額は165億ドル(約1兆9430億円)で、前年の313億5000万ドル(約3兆6930億円)から半分近く減った。韓国の建設産業にとって中東諸国は主要な取引先だが、原油価格の下落で中東諸国の財政が悪化し、発注が減少したという。イランとサウジアラビアの断交問題が緊迫すれば、さらなる打撃となりそうだ。