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【大相撲】

琴奨菊6連勝 マサさんの教えを胸に白星街道

2016年1月16日 紙面から

琴奨菊(左)が押し出しで松鳳山を下す=両国国技館で(安藤由華撮影)

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◇初場所<6日目>

(15日・両国国技館)

 大関琴奨菊(31)=佐渡ケ嶽=が松鳳山を押し出し、6戦全勝。昨季限りで現役を引退した元中日・山本昌広さん(50)の“金言”を胸に、白星街道を突き進む。横綱白鵬(30)=宮城野=と高安(25)=田子ノ浦=も全勝を守った。白鵬は北の湖を抜き単独史上4位の通算952勝目となった。横綱日馬富士は旭秀鵬を寄り切り5勝目。横綱鶴竜は碧山を寄り倒し、4勝2敗とした。

 レジェンドの教えで最古参大関が無傷の6連勝だ。琴奨菊は2014年名古屋場所以来、9場所ぶりの対戦となった松鳳山を迎えた。相手のはたきに乗じて一気に前へ。電車道で押し出した。

 「しっかり踏み込めたし、しっかり対策を練ったのがよかったですね。体の準備だったり、心の準備だったり。一つ成長したね」。先場所は初日から5連勝も6日目に土。成長を実感しながら言葉を並べた。

 準備、対策。今場所の琴奨菊がよく口にする言葉だ。その参考になる“先生”がいる。昨季限りで現役を引退した元中日の山本昌広さんだ。12日に開かれたプロ野球12球団の新人研修会で講演した山本さん。その報道に感銘を受けた琴奨菊が部屋に新聞記事を張った。

 悪い中で結果を出すのがプロ。抜き方を覚えた方がいい。32年間の現役生活から導かれた数々の“金言”に、琴奨菊は「全部(いい)」と大感激した。個人で戦う大相撲とチームプレーの野球。競技は違っても通じるものがあると思った。

 自らの考えを“マサ先生”の言葉と照らし合わせて深める反復練習が、白星を手にするための予行演習になっている。「考え方や気持ちの持っていき方、あと抜き方。稽古で手を抜くわけじゃないけど。すごい選手だからどうとかじゃなくて、自分の考えに合っているか。方向性は間違っていないと思える」

 場所後に32歳になる琴奨菊はさらなる成長を続けようと貪欲だ。その姿は最年長記録を樹立し続けた山本さんと重なるようにも見える。「いろんな話とかに向き合えば向き合うほど、伸びしろを見つけて相撲に向き合える。しっかりこの気持ちを持続していきたいですね」と琴奨菊。球史に残るレジェンドの言葉を胸に、ベテラン大関が連勝街道をひた走る。 (永井響太)

 

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