北朝鮮が4回目の核実験を強行した直後、大統領府など韓国政府の主要機関を名乗る所から電子メールが大量に送付され、関係する政府部処(省庁)が緊急の対応に乗り出した。国家サイバー安全センターと警察は問題の電子メールについて「北朝鮮が全面的なサイバーテロを終日仕掛けているため」とにらんでいる。韓国軍による拡声器放送再開や国連安保理による制裁決議推進に対抗するためとみられる。
警察庁の関係者は14日「最近になって大統領府国家安全保障室や外交安保主席室、外交部(省に相当)政策総括担当官室、統一政策室などを名乗る所から悪性のコンピューターウイルスがばらまかれている」「北朝鮮がサイバーテロを仕掛けている可能性を念頭に捜査を進めている」などと明らかにした。問題の電子メールは北朝鮮が4回目の核実験を行った今月6日以降、公共機関の関係者などに集中的にばらまかれているという。電子メールの題目には「【国家安保室】北朝鮮による4回目の核実験への対応策に向けた意見の募集」「大統領府外交安保室です」「北朝鮮による4回目の核実験に関する書面の諮問要請」などとなっている。
この電子メールから北朝鮮で作られたとみられる悪質なコンピューターウイルスも発見された。これら問題の電子メールを開封、あるいは添付ファイルを実行すると、そのパソコンはウイルスに感染し、北朝鮮にハッキングされる恐れがある。そのため専門家はこの種の電子メールを受信した場合、絶対に開かず直ちに削除するよう呼び掛けている。またパソコンのウイルス対策ソフトを最新のものにアップデートする必要もある。関係当局は問題の電子メールについて「北朝鮮がこれまで核実験後に行ってきたサイバー攻撃と同じようなもの」とにらんでいる。北朝鮮は2009年5月に2回目の核実験を行った直後に分散型サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)、また13年2月の3回目の核実験後には3月と6月にサイバー攻撃を仕掛けてきた。
国家情報院国家サイバー安全センターは8日の核実験後、サイバー攻撃に対する警告をすでに発している。警告のレベルは「関心」と呼ばれるもので、これはサイバー攻撃が発生する可能性が高く、監視活動を強化するときに下されるものだ。政府機関やセキュリティー管制センターも緊急体制に突入している。韓国インターネット振興院もセキュリティーに関する緊急事態を発令し、関係する政府機関などに対し、別の政府機関を名乗る電子メールを警戒するよう呼び掛けている。警察の関係者は「電子メールのアカウントやアドレスなどから発信地を追跡する計画だ」と明らかにした。
コンピューターセキュリティーに詳しい専門家は「北朝鮮が4回目の核実験を行った直後の今月7日と8日、北朝鮮で作られたウイルスソフトが韓国国内で数多く発見されている。このウイルスはマイクロソフトのアウトルックモジュール、インテルのドライバー、ハンコムオフィスのアップデートモジュールなど、さまざまなプログラムを装ってコンピューターに入り込もうとしている」と説明した。