コーヒーとデザートが運ばれてきた。心愛さんは食べていいですかと言わんばかりの顔でこちらを見てきた。目があったのでどうぞどうぞと勧める。

しばらくの沈黙。こちらは心愛さんのいいところと悪いところを整理している。一方で心愛さんは何を考えているのだろう。とりあえず無心で目の前のデザートに舌鼓といったところか。

「なかなかおいしいですよ!もりおさんも一口食べますか?」

「いえいえ、ありがとうございます。気持ちだけいただいておきますよ。僕に気にせず食べて下さいね。」

こういうとき、いい歳をして、あーんとでもすればよかったのか。他の人もいる手前さすがにできるわけがないのだが。

心愛さんは再び食べ始め、自分はコーヒーに口をつける。お互い目を合わせるのは間違っているような気がして、このリアクションでよかったの?というやや重い空気が漂っている。

現時点では確実に嫌われてはいないだろう。むしろ好意を持たれているのほうにバランスがあると思う。自分の方はと言うと五分五分だ。

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