日馬富士“画伯”の深~い悩み
2016年01月16日 11時05分
大相撲初場所6日目(15日、東京・両国国技館)、横綱日馬富士(31=伊勢ヶ浜)が幕内旭秀鵬(27=友綱)を寄り切って1敗をキープ。初顔の相手を一蹴し「落ち着いて相撲を取ることができた。一番一番、集中できている」と綱の貫禄を示した。この日から大関照ノ富士(24=伊勢ヶ浜)が右鎖骨骨折で休場。「早くケガを治して頑張ってくれると思う。本人が一番つらい」と弟弟子を気遣った。
今場所前には「角界の画伯」としても注目を集めた。趣味の油絵はプロ級の腕前。昨年12月下旬には東京・銀座の日動画廊で初の個展を5日間にわたって開催した。一日あたり数百人が鑑賞に訪れるなど大盛況に終わり、販売された十数点の作品はすべて完売。中には100万円以上の高値がついたものもあるという。すべての収益は慈善活動にあてられた。
ただ、横綱と画伯の両立は難しい側面もあるようだ。日馬富士は「(気持ちが)悲しいときや暗いときのほうが色がハッキリと出る」と芸術家らしい感性をのぞかせる一方で「ボクはよく負けるので、たくさん描いてます…」とポツリ。画伯としての「良作」は横綱らしい結果を残せない“副産物”でもあったのだ。
先の九州場所では2年ぶりに賜杯を奪回したとはいえ、千秋楽に負けて優勝が決まるなどモヤモヤ感が残った。本業の横綱で、今度こそ存在感を発揮できるか。
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