〜やっぱり、才能っていうのかなぁ……〜 Written by 更井雄三 |
日本のポピュラー音楽といえば、パクリがつきもの。たとえ新司といえども例外ではありません。ここでは、そんな新司の知られざるパクリの側面にスポットを当ててみたいと思います……o(%)○ ジューワッチ! | ||
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まずは小手調べから。歌のメロディラインのパクリではなく、イントロ、リフ、楽器のフレーズなど、サウンド面でのパクリを挙げてみました。これは本人ではなく編曲家(アレンジャー)のほうに問題がある、と言えるようです(本人は他人の音楽は聴かない(^_^)3……、と言っていることですし)。あと、パロディは、パクリではなくあくまでも「パロディ」ですのでお間違えのないように。 | ||
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喝采 | ★★ |
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これはパクリというよりも「パロディ」の部類に入るのではないでしょうか。だって、原曲を知っているヒトだったら誰が見ても「ああ、あれね!」となるくらい誇張しているから。あの「アアッ、アア〜ン」という、よがったような感じの歌い方はプラターズの歌い方をそのままパロッてます。歌詞にもモロに「オンリー・ユー」と出てきていますし。 プラターズは日本では人気のあるグループで、この〈オンリー・ユー〉はオールディーズ・バラードの定番として位置づけられています。他にも〈煙が目にしみる〉(Smoke Gets in your Eyes)などのヒットでも知られていますよね。 |
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22歳 | ★★★★ |
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スティクスといえば「ドモアリガット ミスター・ロボット〜」で有名ですね。メンバーも<Girls
with Guns>や<What If>のややヒット(笑)とダム・ヤンキーズのメンバーにもなったことで知られるトミー・ショウや、日本でもヒットした<デザート・ムーン>を歌っていたデニス・デ・ヤングなどが在籍していました。彼らの音楽は、ジャンル的にはアメリカン・ロックになるのでしょうが、この<ボート・オン・ザ・リヴァー>はメロ的にも、サウンド的にも異なる「ロシア民謡風」な曲です。調性はマイナーキーで貫かれており、マンドリンがそこはかとなく寂しげな旋律を奏でています。 この曲だけが彼らの基調をなすサウンドとは違う、というのはプログレバンド、カンサスの大ヒット<すべては風の中に(Dust In The Wind)>(アルバムではバリバリのプログレ曲に混じって、これだけがなぜかフォーキーでした)を彷彿とさせますね。 さて、肝心の新司の<22歳>との関連ですが、まずイントロのマンドリンの旋律が「ウンチャカ、ウンチャカ」と同じように使われています。しかし、これだけでは同じ様な弾き方もあるのでパクリとは断定できませんね。しか〜し! それだけではなく、「光る海」の後のアコーディオンの旋律が全く同じなのです! これは確信犯といわずして何と言えましょう! <ボート・オン・ザ・リヴァー>は米国よりも日本で人気が高く、日本盤のベストアルバムには収録されていますが、輸入盤には収録されていません。この曲を聴くには日本でリリースされたベストアルバムを買うか、オリジナルアルバム『コーナーストーン』を購入して聴いて下さいね。 試しに<ボート・オン・ザ・リヴァー>を聴いてみたい、という方はこちらをクリック!(MIDI) |
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愛の誓い | ★★★★ |
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オリヴィアといえばこれ、といわれるくらい有名な曲です。杏里の初期のヒット作<オリヴィアを聴きながら>のオリヴィアは、彼女のことでした。後期のヒットにはエアロビクスを取り入れた<フィジカル>なんかがありましたね。70年代には人気、実力ともに優れた歌手で、カーペンターズのようにカントリー・ソングも数多く吹き込んでいます。 新司はこの曲の「リフ」をパクッてます。<そよ風の誘惑(Have you Never Been Mellow?)>のイントロ部分のストリングスを使い、さわやかな感じを出そうとした痕跡(?)が見受けられるのですが、それが逆に濃い世界を大いに強調する結果になってしまった、というパラドクスは禁じ得ません。まるでスイカにかける塩のように、さわやかさを使ったらもともとあった濃厚な風味をさらに引き出してしまった、という感じですね(笑)。 |
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花 束─最後の汽笛─ | ★★★ |
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工事中 | ||
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「これはないだろ〜!」、という怒りや笑いを誘うパクリを集めてみました。 | ||
天 狼 | ★★★★★ |
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自分の曲をほとんど丸ごとパクッてしまった、というとんでもない曲。おまけに、<昴>と同じくスーパーニッカのCMにもなってしまったというからまさしく驚愕のシングルと言えるでしょう。よくこんな曲をCMソングにしたものです(謎)。しかも<昴>の次のシングルとして発売されているので、まさに<昴>のヒットにあやかった二番煎じ、という印象を誰もが持ったのも事実です。 しかし新司よりも「リスナーの耳の方が肥えていた」、と言うべきでしょうか(笑)、<天狼>は当時の<昴>の売上げ枚数の約1/20以下という、3万枚程度のヒットにとどまりました(数字はオリコン調べ)。<昴>の次に<群青>を持ってくれば、<群青>ももっとヒットしたのに、と個人的には思うのですが。当時発売されていたLPの帯には、「ヒット曲<天狼>収録」などと<群青>、ひいては<愛><花束>といった佳曲に関するコメントが一切ないのが不思議でなりません。 結局、<天狼>といえば見事にコケた曲の代表格となってしまい、新司の「汚点」というシミが更にまた一つ増えてしまったのでした(笑)。他のグループに例えれば、チャゲ&アスカの<Yah Yah Yah>に対する<Heart>、サザン・オールスターズの<愛の言霊>に対する<Paradise>などがその典型的な例といえるでしょう。 |
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都忘れ New! | ★★★★★ |
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一見しただけでは分からないようなパクリを紹介しています。これが分かった人はエライ! | ||
青年の樹 | ★★★★★ |
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おおっ、これは意外や意外! なんと、<およげ!たいやきくん>までパクッていたとは! 恐るべし、新司の音楽センス(笑)。 <およげ!たいやきくん>はフジテレビ系の「ひらけ!ポンキッキ」で使われていた曲で、<ホネホネロック>や<パタパタママ>などの一連のヒット曲の中でも傑出していました。日本のシングル売上げ約475万枚という未曾有の記録を打ち立て、キャニオンレコード(現ポニーキャニオン)は自社ビルを建ててしまった、という逸話があります。歌っていたのは「科学忍者隊ガッチャマン」「UFO戦士ダイアポロン」「仮面ライダー」などを歌っていた子門真人氏でしたが、そのときは音楽出版社の社員だったので印税契約ではなく、たったの5万円しかもらえなかった、というエピソードは有名です。ちなみに、このB面はなぎらけんいちが歌う<いっぽんでもにんじん>でした。1999年に流行した「だんご三兄弟」も同社がリリースしており、歌手も印税契約ではないのでレコード会社が丸儲け、という図式は全然変わっていません。かくいう新司もポリスターを離れた後、このレコード会社と契約したという因果な関係も浮き彫りにされてきます。フジテレビのバラエティによく出演する、1999年5月に発売された<アウラ>がフジテレビ系アニメ「ターンAガンダム」のエンディングテーマになった、という理由もここから判明してきます。 話がそれました。それでは、この曲のどこをパクっているのでしょうか。それは、「青年の樹よ〜」から「私の〜」までの間のフレーズです。この部分に、<およげ!たいやきくん>の「桃色さんごが〜」のフレーズをはめ込んでみましょう。どうです、見事にハマッたでしょう! 一見、全然関係なさそうな曲ですが、思わぬつながりがあったんですね。また、「青年の樹よ〜」の後のベースラインの下降フレーズも、<およげ!たいやきくん>に続いていくという予感を与えています。 |
(Y)o\o(Y) フォッフォッフォッフォ... |
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