二十日鼠と人間の昼休み
おっさんの歩き方
おっさんの映画評論
そういえば、と彼が珍しく最新の映画の話を振ってきました。
「スターウォーズ7を観に行きましたよ、言っときますけど、そんなに好きじゃないんです、スンマセン」
「そうですか、で、どうでした?」
「ハリソン・フォード(ハン・ソロ)の娘が主人公で、あと息子が敵で…ウンタラカンタラ…まぁそんなんですワ」
「何がアカンのですか?」
「色々出てくるだけで、中身がない。誰と誰の息子がどうで、とかずっと見てないからわからんし、あとアレなんですの?シスの暗黒面とか、訳わからん。あと、関係ないけどハリー・ポッターも嫌いやからね」
「でもジョジョ(ジョジョの奇妙な冒険)好きでしょ、アレと何がどう違いますのん?」
「マァ……確かに」
「じゃあどんな映画が好きなんですか?」
「ゴッドファーザーとか」
「それスターウォーズと…」
「どう違うんやっちゅう話やね、そやね」
「そうそう、みだりに批判すると自分に返ってきますからね」
「…ワカリマシタ」
二十日鼠と人間
それからひとしきり昔の映画の話になりました。この会話、どっちがどっちかわかりますかね?一応、交互に話している形式にしてます。
彼には千日とっておきの映画をおすすめしました。
「『二十日鼠と人間』って知ってます?」
「いや、観たことない」
「いいっすよ、ぜひ一回観てみてください、お勧めです」
彼は『ほおそれはぜひ』と言ってスマホで検索し始めました。
「ほお、もともとは小説ですか。ジョン・スタインベック…色々放浪する系ですか?」
「ええまあ、ゲイリー・シニーズが監督兼主演です、あの、ひょっとして『ネタバレ』的なヤツ見てます?」
「エエまあ『…弾丸が…後頭部を貫いた』ナルホド」
「まあいいですけどね、それで観たとは言わないでくださいね」
何気ない言葉がおっさんを貫いた
今日の彼は珍しくスーツに皺がありませんでした。濃紺のジャケットがいつになくパリッと仕上がっています。
「そういえば、スーツ新調したんですか?」
「いえ、半年くらい前に買ったやつですよ、青山とかの吊りのスーツです。1着2万円くらいだったかな」
「いつになくパリッとしてますね」
「そうですか?いつもはヨレヨレですからね…」
「そうですね」
と何気なく私が言うと、彼は目を白黒させてさらに繰り返しました。
「そうです。いつもヨレヨレですから…」
「ひょっとして『そんなことないですよ』なんて言ってもらえると思ってたんですか?」
「そうです、そうなんです、いつもヨレヨレなんです…」
「分かってますって」
彼が、喜んでいると思う私は間違っているでしょうか?
以上、千日のブログでした。
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二十日鼠と人間はこのブログのレベルとは全く次元の違う素晴らしい映画です。彼は多分観ないのでせめて説明だけでも見てみて下さい。
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