2016年1月16日(土)
【デスク日誌】これでは信用されない
九州電力が昨年末、川内原発の免震重要棟新設計画を撤回した。原子力規制委員会の田中俊一委員長は「(九電は)設置を前提として再稼働の許可を得ている。基本的に(約束を)守ってもらわないといけない」と述べ、不快感を示したという
▼免震棟は、東京電力福島第1原発事故で現地の事故対策拠点として注目された。過酷事故発生時の「最後の砦(とりで)」となる施設で、重要度は極めて高いはずだ
▼川内原発は新規制基準に基づく規制委の審査に全国で初めて「合格」し、1、2号機が昨年、相次いで再稼働。約束違反はその直後のことだ
▼政府は新規制基準を「世界で最も厳しい」として再稼働を後押しする。だが、電力会社が合格した途端に無視するのでは意味がない。これが電力会社のやり方なら、信用されるわけがない。(報道部・川崎勉)