今野忍、太田成美
2016年1月16日01時22分
大阪市議会は15日、全国初となるヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)の抑止条例案など、橋下徹前市長時代からの懸案だった3議案を可決し、閉会した。ほかの二つはマンションの空き部屋などを旅行者に有料で宿泊させる「民泊」の条例案と、大阪府立大と大阪市立大の統合の準備を進める議案。いずれも慎重だった公明党が賛成に転じた。背景には二つの「ダブル選」があった。
公明市議団は先週まで、「議論が不十分」などと継続審議を主張。吉村洋文市長が政調会長を務める大阪維新の会は市議会で過半数に届かず、自民市議団も公明と足並みをそろえ、成立は難しい状況だった。
大学統合や民泊は大阪府議会では公明も賛成して可決されていたが、昨年5月の大阪都構想の住民投票で大阪維新と激しく対立した公明市議団は慎重な姿勢を崩さなかった。大学統合は「二重行政」解消、民泊は「規制緩和」と直結する大阪維新の主要施策。代表の松井一郎大阪府知事は今月8日、公明府本部の幹部に「何とかならないか。今後の関係に影響が出る」と市議団への説得を要請した。
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