「冷凍ロース、メンチカツも購入」
製麺業「みのりフーズ」実質的経営者が証言
「カレーハウスCoCo壱番屋」が廃棄を委託したカツの不正転売事件で、産廃業者「ダイコー」(愛知県稲沢市)から冷凍ビーフ、チキンカツを購入していた岐阜県羽島市の製麺業「みのりフーズ」の実質的経営者の男性(78)が15日、取材に応じ、他に冷凍ロース、メンチカツも買っていたと証言した。ほとんどを愛知県春日井市の業者などに転売していたという。みのりフーズは愛知、岐阜県のこれまでの調査でビーフ、チキンカツを転売していたことが判明していた。
男性は「壱番屋の廃棄物が出るたびにダイコーから連絡があった。ほとんど自分が購入し、転売した」と認めた。さらに「最初はチキンカツを無償で5〜10ケース譲り受けていた。そのうち量が多くなって買うようになり、1取引で200ケース購入していた」と説明。また取引の際、ダイコーから「帳簿に残すな」と言われたとも話した。
男性はこれまで「転売はビーフカツだけ」と説明していたが、問題発覚後、ダイコーの会長から電話で「ビーフ以外は黙っておけ」と指示され、従っていたという。また「ダイコーに壱番屋のカツがある経緯は気になったが追及しなかった。廃棄物とは知らなかった」と釈明した。
男性は、約3年前にダイコーの会長と知り合い、2014年ごろから取引を始めたとしている。
また壱番屋(愛知県一宮市)は15日、冷凍ビーフ、チキンカツ以外にも、ロースカツやナポリタンソースなどが横流しされた可能性があると発表した。廃棄を委託したダイコーの横流しが判明したため、過去1年に廃棄品として引き渡した製品の公表を決めた。
いずれも冷凍で、ロースカツ約6500枚▽メンチカツ約1000枚▽ナポリタンソース約680袋▽ラーメンスープ約240袋−−の4種類。
壱番屋はホームページで製品の外装を公表、手元にあっても食べないよう呼びかけている。【野村阿悠子、林奈緒美】