AはBに土地を賃貸する代理権を与えたが、BはCにその土地を売ってしまった。
Cがこの代理権について善意無過失の場合、この売買契約の効果はAに帰属するか? ↓
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答え : 帰属する。
権限外行為の表見代理(民法第110条) ってヤツですね。
Aは賃貸契約の代理権を代理人Bに与えたのに、代理人Bは善意無過失のBと売買契約を結んでしまった。
本人Aには申し訳ないけれど、そんな代理人を選んだアナタが悪い、そして善意無過失のCを保護しましょう、ってことで、この売買契約の効果は本人に帰属してしまうわけね。
その他の表見代理として、、、
■代理権授与表示による表見代理(民法第109条)本人Aは、Bに代理権を与えていないんだけれど、与えたかのようなことをCに表示した。
それを信じたCは、Bと売買契約を結んだ。
Bは代理権を与えてもらっていないので無権代理人なんだけれども、この売買契約の効果は本人Aに帰属する。
そりゃそーだ。
だって本人Aが自分でそう言っちゃったんだもんね。
で、大切なのは、代理権授与表示、ってのは代理権を与えたことを表示してるってことではなく、代理権を与えたかのような表示をしてること、を言うんだよね。
■代理権消滅後の表見代理(民法第112条)
本人Aは、代理人Bに売買契約の代理権を与えていたが、その代理権はすでに消滅している。
にもかかわらず、モト代理人(無権代理人)Bは、善意無過失のBと売買契約を結んだ。
この場合も、相手方の保護ということで売買契約の効果は本人に帰属する。
以上、表見代理の3つ。
覚えておかないとね。
■民法第109条(代理権授与表示による表見代理)
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為についてその責任を負う。ただし、第三者がその他人が代理権を与えられていなかったことを知り、または過失によって知らなかったときは、この限りでない。
■民法第110条(権限外行為の表見代理)
前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
■民法第112条(代理権消滅後の表見代理)
代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってそのその事実を知らなかったときには、この限りではない。