厚生労働省の先進医療会議は14日、医療費の一部で保険適用が認められる先進医療のがん粒子線治療について、小児がんの陽子線治療と手術が難しい骨のがんの重粒子線治療は有効性が示されたとして、全額の保険適用が適当だとの意見をまとめた。
対象の粒子線治療は、中央社会保険医療協議会(中医協)の議論を経て4月から保険適用となる見通し。粒子線の照射には平均300万円前後かかっており、保険適用で患者負担が軽減する。
日本放射線腫瘍学会は昨年12月、頭頸部がんや大きさが5センチ以上の大きな肝がん、手術が難しい肺がんについても、全額を保険適用にするよう求めていたが、先進医療会議は有効性が明確ではないとして見送った。
これらを含め保険適用されないがんについては、学会が作成した治療方針の下で先進医療として継続する。厚労省によると、これまで治療を受けられた患者の大部分は、引き続き先進医療の対象となる。
同会議は、白血病などを除いた小児の固形がんの陽子線治療を「有効性と安全性が既存のエックス線治療を上回る」と評価。骨のがんの重粒子線治療も有効性を認めた。厚労省は今後、保険適用の詳細な条件を詰める。〔共同〕
厚労省、厚生労働省、粒子線治療、保険適用、がん