(台北 15日 中央社)台湾の元慰安婦・鄭陳桃さん(93)が11日、南部・屏東県の病院で死去したのを受けて、馬英九総統は15日、嗚咽(おえつ)交じりに「日本人の謝罪を待たずに亡くなってしまった」と語り、我々が彼女たちの代わりに名誉を回復しなければならないとした。
馬総統は、鄭陳さんは18、19歳の時、登校中に日本人警察官に騙されて車に乗り、無理やり慰安婦にさせられたと指摘。したいと思っていた勉強をすることもできず、(亡くなるまでの)約70年間、非常に辛い思いをしたと述べた。
また、台湾の元慰安婦は約1200人で韓国には遠く及ばないが、これは人数ではなく人道の問題だと強調し、台湾の被害者は韓国と同様に、強制的に慰安婦の仕事に従事させられたと指摘。彼女たちは(当時)日本の国民であり、国家が自国の女性をこのように扱うべきではないと批判した。
外交部は14日、深い遺憾と哀悼の意を示すとともに、わずか3人となった被害者が存命中に尊厳と正義を取り戻せるよう、日本側が歴史を正視し、誠実にこの問題に取り組むことを望むとした。
(謝佳珍、唐佩君/編集:杉野浩司)