(テーマ音楽)日本で一番大きな湖琵琶湖。
その北西部に冬鳥の集まる湖畔があります。
岸辺から沖合まで多い時には1万7,000羽ほどの姿が見られます。
植物を食べる鳥魚を食べる鳥が同じ岸辺に集います。
雪の日にもさまざまな鳥が姿を現します。
本格的な冬。
琵琶湖畔で鳥たちの営みを見つめました。
琵琶湖の北西部滋賀県高島市。
北と西から高い山が迫る湖畔にヨシ原の広がる入り江があります。
里山田んぼヨシ原と連なる豊かな自然環境が保たれた湖畔です。
天気は目まぐるしく変わります。
一日に何回も晴れ間と時雨が繰り返されます。
ヨシが茂る岸辺に大陸から渡ってきた冬鳥たちが集まってきました。
風の具合で沖に離れる事もありますがヨシ原の近くは波が穏やか。
さまざまな種類のカモが羽を休めます。
大陸から渡ってくる冬鳥の中で琵琶湖で最も身近な鳥がマガモです。
マガモは水草や水面を漂う植物の種を食べます。
天敵から身を隠せるヨシ原。
マガモは安心して食べ物を探す事ができます。
羽の色が黒くずんぐりとした体つきの鳥オオバンです。
泳ぎながら水面に浮かぶ草の葉や茎などを食べます。
時々水に潜って水草を取る事もあります。
ヨシ原は身を隠すだけでなく食べ物を探すための格好の場所でもあるのです。
琵琶湖の北西部。
その沖合は湖で最も水深が深い場所です。
周囲の川から流れ込む栄養分も豊かです。
水草もよく茂り冬でもモロコやコアユが集まります。
その魚を求めて鳥たちが集まります。
大陸から日本に渡ってくるカイツブリの仲間では最も大きく体長はほぼ56cmもあります。
水に潜って魚を探します。
カンムリカイツブリは長くて1分ほど水に潜る事ができます。
1羽のオスが変わったしぐさをしました。
求愛行動の一種です。
左がオス。
水草をはね上げるようにして右のメスに水を飛ばしました。
このオスは春の繁殖期に向けてはやばやと相手を探し始めたようです。
入り江のはるか上空を舞う鳥が。
魚を狙うタカの仲間…上空を旋回し魚を見つけると羽を畳んで急降下します。
岸辺のくいの上に止まり羽を休めました。
琵琶湖の湖畔にはところどころに小さな湖があります。
内湖と呼ばれています。
琵琶湖とは細い水路でつながっています。
その1つにコハクチョウのねぐらがあります。
この冬この内湖には130羽のコハクチョウがやって来ました。
湖畔と同じようにヨシの茂る内湖。
コハクチョウも安心して休む事ができます。
コハクチョウが逆立ちをするようにして長い首を水の中に入れました。
内湖は水深2mほどと浅く水底から生える水草をこうして食べる事ができるのです。
コハクチョウが飛び立ち始めました。
内湖には食べ物となる水草がありますがより多くの食べ物を求めて近くの田んぼなどに移動します。
冬の琵琶湖畔。
日本海からの季節風の影響で吹雪く日もあります。
雪の降りしきる田んぼでコハクチョウが食べ物を探します。
この日この田んぼには65羽のコハクチョウが集まりました。
コハクチョウは落ち穂や刈り取りの終わった稲の株から新たに伸びてくる新芽を好んで食べます。
体の色が灰色に見えるのは半年前の夏大陸で生まれた子供です。
コハクチョウは家族の結び付きが強くいくつかの家族がグループを作って行動します。
強い寒波が訪れ湖畔は雪に覆われました。
薄氷の張る湖畔にハクセキレイが姿を現しました。
日の出とともに岸辺に出てミミズやゴカイをついばみます。
(鳴き声)湖畔の里山に住む鳥も姿を現しました。
雪が解ける時にはい出してくる虫を狙っているようです。
しきりに枝先を飛び渡る鳥がいます。
何かを見つけたようです。
探し当てたのは枝の裏側にいた虫。
里山には豊かな森が広がり真冬でも鳥たちの姿を間近に見る事ができます。
湖畔から少し山あいに入った所にある里山です。
竹やぶのくいの上にタカの仲間が姿を現しました。
地面の近くを飛び田んぼに現れるネズミなどを狙います。
獲物が見つからない時上昇気流に乗るように舞い上がり移動します。
くいや電柱などいくつか場所を定め時には2時間近くじっと止まって獲物が現れるのを待ちます。
スズメくらいの大きさの鳥…やぶに出てしきりに食べ物を探しています。
アオジも渡り鳥です。
もう間もなく大陸へと旅立ちます。
コハクチョウの子供も親鳥と変わらない大きさに成長しました。
家族の絆もより一層深まったようです。
岸辺のヨシが芽吹く春が訪れるまで琵琶湖畔はたくさんの鳥たちの声で満たされます。
修学旅行生や観光客でにぎわう京都駅。
2016/01/10(日) 07:45〜08:00
NHK総合1・神戸
さわやか自然百景「琵琶湖畔 冬」[字]
冬の琵琶湖西岸の水辺には様々な鳥が集まる。近くの里山にはノスリなどの猛禽(きん)類も姿を現し、コハクチョウの家族も飛来する。琵琶湖西岸の冬の自然を見つめる。
詳細情報
番組内容
日本最大の湖・琵琶湖。その西岸にはヨシ原や水草が茂る水辺が広がる。周囲から注ぎ込む川の栄養分も豊かで、多くの魚が生息する。冬、この一帯にはさまざまな鳥が飛来する。水面の水草などを食べるカモたち、小魚を狙うカイツブリやミサゴ。湖岸近くの里山ではアオジロが冬芽を探して飛び回り、ノスリなどの猛きん類も姿を現す。雪景色が広がる12月末になると、コハクチョウの家族も飛来する。琵琶湖西岸の冬の自然を見つめる。
出演者
【語り】望月豊
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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