2016年最初の「ダーウィンが来た!」遅ればせながら今年も…。
(2人)よろしくお願いします!今年はさる年ということで私たちが来ているのは…ここには1,500匹ほどの野生のニホンザルが暮らしていまして観光客の方が間近でサルを観察できる。
それにしても近いですね!ねえ。
いや〜おサルさんかわいいですなぁ。
おっヒゲじい!今年もよろしくお願いします。
いや〜こちらこそよろしくお願いします。
私もねおサルさん大好きなんです。
今日は今年の主役サルを大特集します。
まず最初は…。
(鐘の音)アフリカから飛び込んできた日本人の常識を覆す大ニュースをご紹介します。
「犬猿の仲」という言葉があるくらいサルにとって犬は仲が悪いとされる相手。
ところが…イヌと仲よくし「犬猿の仲」を解消したサルが見つかったんです。
舞台はエチオピアの高山地帯。
ここに暮らすサルの仲間ゲラダヒヒの驚きの行動が目撃されました。
来た!来た!来た!来ましたこれ。
なんとイヌの仲間エチオピアンウルフと仲よく一緒に過ごすというんです。
今回世界で初めてその決定的な瞬間を撮影することに成功しました。
(ヒゲじい)ほう!そりゃすごい!楽しみですな。
(和久田)さらにここ高崎山からは心温まるニホンザルの物語。
育児放棄された赤ちゃんと自分の子どもを一緒に育てる1匹のお母さんザルに密着しました。
今日は驚きと感動がいっぱい!サルの大特集です。
う〜ん早く見た〜い!
(テーマ音楽)それではまずはアフリカから飛び込んできました「犬猿の仲解消」という大ニュースからお伝えしましょう。
はい。
サルとイヌの間に生まれた不思議な協力関係。
その秘密を中山アナウンサーが調べてくれました。
アフリカ東部のエチオピアの首都アディスアベバにやって参りました。
本当にね人が多くて街はエネルギッシュそのものです。
何だかここにいるだけでもねワクワクしてくるんですけれどもこのエチオピアにイヌとの犬猿の仲を解消したというサルがいるということなんですよ。
その秘密を探りに今から私現場へ行って参ります。
では!首都のアディスアベバから現場までは車で6時間ほど。
いくつもの村を通ってさらに悪路を進んでゆくと徐々に視界が開けてきました。
やってきたのは標高3,000メートルを超える高地です。
ここねホントでも…そして…辺りには見渡す限り草原が広がっていました。
ここに暮らすサルの仲間ゲラダヒヒとイヌの仲間エチオピアンウルフ。
この両者が犬猿の仲を解消し仲よく過ごすといいます。
一体どういうことなんでしょう?ハロー!まず訪ねたのはここでエチオピアンウルフを15年にわたって研究しているザラレム・タファラ博士。
ナイストゥーミートユー。
博士たちは去年ゲラダヒヒとエチオピアンウルフが一緒に過ごす行動を初めて発表。
世界中から注目を集めました。
オーケー!博士の案内でまずはヒヒの群れを探します。
その道中思いがけないライバルに遭遇しました。
アメリカのテレビ局の取材班。
彼らもヒヒとウルフが一緒にいるところを狙っているというんです。
う〜んこれは負けるわけにはいきません!100メートルほど先にお目当てのヒヒの群れを見つけました。
貫禄たっぷりのこちらはオス。
頭からお尻まで70センチほどです。
やや小ぶりのこちらはメス。
ゲラダヒヒの主食は草です。
数十匹の群れを作り草原を移動しながら暮らしています。
でも肝心のウルフの姿はどこにも見当たりません。
博士の案内で近くを探すと…。
えここ?遠くの丘にウルフがいるようなんですが…。
目を皿にしてよ〜く探してみると…。
いました!エチオピアンウルフです。
体長は1メートルほど。
世界にわずか450匹しかいない絶滅危惧種。
エチオピアの高地だけに暮らすイヌの仲間です。
しきりに何かを気にしています。
次の瞬間。
何かを捕まえました。
ネズミです。
エチオピアンウルフの主食はネズミなんです。
ネズミ専門のハンターエチオピアンウルフ。
その狩りの方法は独特です。
姿勢を低くして忍び寄りネズミのすぐそばでフリーズ。
隙をついて一気に飛びかかってしとめます。
こうして1日に10匹ものネズミを捕まえるんです。
とっても警戒心の強いエチオピアンウルフ。
私たちに気が付いたのか食事を終えるとすぐに姿を消してしまいました。
ふだん別々に暮らすゲラダヒヒとエチオピアンウルフ。
ザラレム博士の観察によるとウルフのほうからヒヒの群れに近づいてくるといいます。
その瞬間を狙うべくヒヒの群れのそばで待つことにしました。
しかし待てど暮らせどウルフは現れません。
決定的瞬間を撮れないまま時間だけが過ぎていきました。
夕方4時のことでした。
向かいの丘にいたガイドさんが何かを指さしています。
エチオピアンウルフがすぐそばに来ているというんですが…。
ついにヒヒの群れのそばにウルフが姿を現しました!ヒヒとの距離はわずか70メートルほど。
ゆっくりとヒヒの群れに近づいていきます。
興奮を抑えて見守っているとウルフはさらに近づいてきました。
もう両者の距離は30メートルを切っています。
そしてまっすぐにヒヒの群れの中に入っていきます。
エチオピアンウルフがすぐそばに現れてもゲラダヒヒのほうはまったく気にするそぶりは見せません。
確かに犬猿の仲とは思えない近さです。
テレビカメラが世界で初めて捉えた犬猿の仲解消の決定的瞬間です!ウルフは30分ほどヒヒの群れの中を歩き回り去っていきました。
日本人の常識が覆される瞬間に立ち会えもう本当に興奮してしまいました。
ちょっと待った!やっぱり来ちゃいましたか。
そりゃそうですよ。
これってたまたまウルフが通り過ぎただけなんじゃないですか?痛いところ突いてきますね。
今回正直申しましてヒヒとウルフが一緒にいるところしか撮れませんでした。
が博士たちの研究から両者の驚くべき関係明らかになっております。
えどんな?実はですよヒヒのそばにいることでウルフはネズミをとりやすくなるんです。
どういうこと?ネズミは草食のヒヒをあまり警戒しません。
そこでウルフはヒヒの陰に隠れて近づくことでネズミを捕まえやすくなるんです。
観察では狩りの成功率は4割も高くなることが分かっているんですよ。
そうなんだ。
でも相手はオオカミですよね。
ヒヒが食べられたりしないの?その心配はございません。
体の大きなヒヒはウルフの獲物にはならないようなんです。
う〜ん。
でもゲラダヒヒはエチオピアンウルフに利用されているだけってことですかねえ?いえいえウルフがネズミをとることはヒヒにとってもメリットがあるとザラレム博士は考えています。
つまりヒヒにとってネズミは同じ草を食べるライバル。
そのライバルをヒヒはウルフのおかげで減らすことができるというわけなんです。
肉食動物と草食動物のこうした関係は世界でも極めて珍しいことなんだそうですよ。
う〜ん。
持ちつ持たれつの両者の関係イヌとサルだけに「ワン」ダフルでご「ザル」なんてね。
サルの仲間は世界におよそ200種類。
その中から飛びっ切りユニークなサルたちをご紹介しましょう。
こちらは南米ブラジルの山の中に暮らすフサオマキザル。
大きな石を持ち上げたたきつけています。
実は石を使って硬いヤシの実を割っているんです。
お見事〜!石を道具にしてしまうなんて賢いですね〜。
こちらはアフリカマダガスカルにすむ原始的なサルの仲間ベローシファカです。
暮らしているのはなんとトゲだらけの木の上。
えっトゲの上でジャンプ!?痛そう!でもご安心を。
シファカの後ろ足は皮膚が分厚くトゲが刺さることはないんです。
ジャンプの時よく見るとちゃんと後ろ足で幹をつかんでいます。
このトゲだらけの木の上にいれば天敵が近寄らず安全なんです。
極め付きはこちら。
タイ中部の遺跡の町に暮らすカニクイザルです。
狙いを定めて…女性に飛びかかりました!髪の毛をくわえて引っ張っています。
サルたちのお目当ては長い髪の毛。
女性から離れたサルが奇妙な動きを始めましたよ。
これは歯の掃除。
髪の毛を歯の隙間に通して動かし食べかすを取り除いているんです。
念入りな歯のお手入れ。
この地域のサルたちの遊びの一つなんだそうです。
個性豊かなサルの仲間たち。
そのユニークな行動にはホント驚かされますね。
続いてはここ大分県の高崎山から心温まるニホンザルの親子の話題です。
今多くの人々の注目を集めている1匹のお母さんザルがいるんです。
別府湾に面した高崎山。
高さ628メートルの傾斜の急な山です。
辺りはニホンザルの生息地として国の天然記念物に指定されおよそ1,500匹のサルが暮らしています。
ふもとでは餌付けを行っていて誰でも間近で野生のサルを観察することができます。
去年1匹のサルが注目を集めました。
「カラオケ」と名付けられた若いメスです。
生まれて2日で育児放棄された子どもを拾い上げ自分の子と一緒に育て始めたんです。
ニホンザルは一度に1匹の子どもしか育てません。
ほかのサルの子どもを育てるのは極めて珍しくほとんどの場合うまく育てられないといいます。
そんな人々の心配をよそにカラオケは2匹の子どもを立派に育ててきました。
生まれて5か月がたち子どもたちはやんちゃ盛り。
カラオケの奮闘の日々に密着しました。
朝7時。
山の中腹で夜を明かした群れが移動を始めました。
カラオケも歩きだしました。
おなかに2匹を抱えています。
合わせておよそ1.5キロ。
重たそうですね。
急な斜面が多い高崎山。
よいしょ。
2匹を抱えての移動はかなりの負担です。
移動中子どもたちは勝手にどこかに行ってしまうことがあります。
カラオケは子どもを待ちながら進むため群れからは遅れがちです。
ようやく群れに追いつきました。
でもほかのサルはすでに食事を終えのんびりと休憩中。
カラオケは急いで食べ始めます。
2匹を育てるためにはいっぱい食べて体力をつけたくさんのお乳を出さなければなりません。
ところがすぐに群れは移動を始めてしまいました。
休む間もなくあとを追います。
お昼過ぎ。
山からサルたちが次々に下りてきました。
遅れてカラオケ親子です。
これからサルたちがお目当てにしているイベントが始まります。
それがこちら。
毎日餌付けのために大量のサツマイモがまかれるんです。
激しい奪い合いが始まりました。
カラオケも子どもを抱えたまま飛び出しました。
あっという間にもみくちゃです。
いました。
カラオケです。
イモは取れたんでしょうか?なんと大きなイモを3つも取っています。
なかなかの成果ですねぇ。
実はカラオケイモ取りの名人なんです。
カラオケの動きをもう一度見てみましょう。
まずは落ちているイモへまっしぐら。
集団が前へ移動しても最後尾をキープ。
落ちているイモを目ざとく見つけて片っ端から拾います。
若いのに冷静です。
取ったイモは横取りされないよう大急ぎで口へ運びます。
のんびりお食事…というわけにはいかないんですね。
おなかがいっぱいになったあとはお乳の時間。
カラオケは2匹を分け隔てなく育てています。
そのためどちらが拾われた子かはわかりません。
でも2匹の性格はずいぶん違います。
あっ1匹がカラオケから離れました。
鎖に乗って遊び始めましたよ。
とっても活発で好奇心旺盛です。
こちらの子ザルを「イチロー」と呼ぶことにしましょう。
もう一匹は片ときもカラオケから離れようとしません。
引っ込み思案なこちらは「ジロー」と呼ぶことにしましょう。
ジローはとっても甘えん坊。
体のどこかがお母さんに触れていないと不安なようです。
夕暮れが近づいてきました。
そろそろ山に帰る時間です。
何だか落ち着かない様子のカラオケ。
活発なほうのイチローがいないんです。
こちらではケンカが勃発。
餌付け場には多くのサルが集まるためこうしたケンカがよく起こるんです。
(鳴き声)子育て中なのに巻き込まれてケガでもしたら一大事です。
早く山に戻りたいカラオケ。
でもイチローが帰ってきません。
(鳴き声)そうしている間に不幸にもカラオケが標的になってしまいました。
攻撃は突然でした。
危ない!カラオケ大ピンチです!どんどん追い詰められていきます。
(鳴き声)隙をついて逃げ出しました。
すると不思議なことに追いかけてきたサルたちが突然攻撃をやめて去っていきました。
よかった〜。
どうやら無事難を逃れました。
危ないところでしたね。
そうですねヒゲじい。
でもちょっと待った。
どうしてサルたちは攻撃をやめたんですか?あ〜やっぱり気になりますよね。
ではもう一度ご覧下さい。
はいはい。
カラオケの奥にいるオスにご注目。
カラオケはこちらのオスに助けを求めたんです。
ほらオスを追いかけていますよね。
(ヒゲじい)おお〜あ確かにね。
このオスの名は「マクレーン」。
群れのナンバー2の実力者です。
(ヒゲじい)お〜そりゃ強そうですなぁ。
マクレーンが歩くとほかのサルが道をあけるほどなんですよ。
(ヒゲじい)う〜ん?ああホントだ。
高崎山のサルは階級社会。
実力者が近くでにらみをきかせることでケンカが収まることも多いんです。
(ヒゲじい)う〜ん。
どうしてマクレーンはカラオケを守ってくれたんですかね?実はカラオケとマクレーンはもともと大の仲よしです。
マクレーンは2匹の子ザルを育てているカラオケを気遣ってかケンカが起きると決まって助けてくれるようなんです。
こうした仲間の手助けもあってカラオケは2匹の子どもを無事に育てることができているんです。
(ヒゲじい)う〜んあそういうことですか。
頼れるオスマクレーン。
これからもカラオケ親子とうマクレーン携して守ってあげて下さいね。
なんちゃって。
がんばれよ!マクレーンのおかげで難を逃れたカラオケ。
そこに駆け寄ってきたのは迷子になっていたイチローです。
よかったですねぇ。
2匹の子どもを育てるカラオケ。
苦労は絶えません。
イチローもジローも生まれて半年近くたち自分の足で歩くことが増えてきました。
ある日のこと。
2匹はカラオケから離れ一緒に遊び始めました。
カラオケはというと1匹でのんびりとお食事。
つかの間の息抜きです。
しばらくするとイチローはジローを残しほかのところに遊びに行ってしまいました。
1匹だけになった甘えん坊のジロー。
切り株で遊んでいます。
突然ほかのサルに突き飛ばされてしまいました。
1匹だけでいるのが急に心細くなったのかカラオケの姿を探しているようです。
(鳴き声)大きな声で鳴き始めました。
(鳴き声)駆けつけたのはイチローです。
心配そうにジローを抱きかかえます。
(鳴き声)食事をしていたカラオケもやってきました。
ちゃんと見守っていたようです。
母親から離れ1匹だけで動き回るようになった子どもたち。
でもまだまだ手がかかるんですね。
そんなある日のこと。
カラオケがうずくまり群れの仲間が毛繕いを始めた時のことです。
なんとイチローとジローもカラオケに毛繕い。
サルが群れで生きていくために毛繕いは欠かせない行動です。
まだまだまねごとですが大きな成長の証しです。
「お母さんありがとう」。
そう言っているのかもしれませんね。
冬の始まりを迎えた高崎山。
子どもたちはカラオケに見守られて厳しい季節を乗り切っていくことでしょう。
お母さんもうひとふんばりがんばって下さいね!いや〜カラオケ頑張ってますな。
ホントに感動しました。
(和久田)そうですよね。
元気をもらいました。
本当ですね。
今年も「ダーウィンが来た!」は驚きと感動に満ちた動物たちの物語をお伝えしていきます。
どうぞ…。
(一同)よろしくお願いします!2016/01/10(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「今年の主役“サル”大特集!」[字]
2016年の主役、サルを大特集!アフリカから「犬猿の仲」解消というニュースを紹介。大分・高崎山では、ニホンザルの感動子育てに密着!世界の超個性的サルも続々登場。
詳細情報
番組内容
2016年は「さる年」。サルにまつわる驚きと感動のエピソードを大特集!アフリカからは「犬猿の仲」解消という大ニュース。仲が悪いものの代表とされるサルとイヌだが、エチオピアでは仲良く一緒に過ごすという。さらに大分・高崎山からは前代未聞、育児放棄された子どもとわが子の2匹の子ザルを育てる母さんニホンザルの感動ドラマ。これまで番組で紹介した世界中のサルたちのとっておきのスクープ映像も大公開!歌:平原綾香
出演者
【語り】近田雄一,和久田麻由子,中山準之助,龍田直樹,豊嶋真千子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
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