(AD)すみません下がってください下がってください!はいすみません。
間もなく中継来ます。
10秒前!皆さんよろしくお願いします。
5秒前432…。
(取材アナウンサー)本日は東京・中野で今大人気の手作りおにぎりをワゴン販売されている小野寺みどりさんにお話を伺います。
小野寺さんこんにちは。
こんにちは。
よろしくお願いいたします。
(取材アナウンサー)よろしくどうぞ。
そうですかご主人を亡くされてて。
はい娘が生まれる前に主人が亡くなりまして女手一つで今日までこうやって頑張ってまいりました。
それは大変なご苦労があったでしょうね。
大したことはないんですけれどもね。
あっ!今その娘のさゆみが…ははっ明東大の建築科の4年生で就活中なんです。
さゆみ見てますかねぇ?今日お昼ねお母さんテレビ出るからって言うてましたんでね。
さゆみ見てる?頑張ってる?
(学生)よろしくお願いします。
(試験官)ありがとうございました。
見られるわけないじゃん面接なんだし。
(試験官)はい?あっいえ…。
(取材アナウンサー)そのヒョウ柄のバンダナなんですが小野寺さんのトレードマークと伺いましたけど。
あなたよう聞いてくれはりました私勝負のときはねヒョウ柄なんです。
ヒョウ柄を身に着けてましたらなんて言うんですかぐぅ〜っと力が湧いてくるんですね。
ヒョウ柄で力がぐぅ〜っと。
分かりませんか?私あなたの分もちゃんと用意してまいりました。
一度試してみてください。
どうぞどうぞ。
はいヒョウ柄のバンダナでございます。
力がぐぅ〜っと湧いてくるんです。
さゆみ見たでしょ?ヒョウ柄は力が出るのよ。
ヒョウ柄は力満載よ!
(学生)志望いたしました。
よろしくお願いします。
(試験官)ありがとうございました。
それでは小野寺さん。
あっ!は…はい。
ああ〜。
(試験官)どうしました?
(学生)あっ落ちましたよこれ。
どうぞ。
はっ!あっ…。
(試験官)パ…パ…。
(学生)あっ…あっ失礼。
あははっ…。
(試験官)パ…あははっ!夜は居酒屋お昼はこのとおりおにぎりです。
見たでしょ?ヒョウ柄は力が出るのよ。
ヒョウ柄は力満載よ!
(和田)あはははっ!ねえみどりちゃんあのさ音下げてもう一回見よもう一回。
はいはい。
けど何べん見たら気ぃ済むのよ。
(和田)よいしょ。
ああ〜でもさすがみどりちゃんだねぇ。
テレビ映りはいいし受け答えは気が利いてるし…。
あははっ!ほれ直したな俺は。
えっわーちゃん私にほれてくれてたん?今初めて知ったわ。
あははっ。
(ケン)うぃ〜っすまいど!「まいど」やあらへんあんたいっつも遅い遅いなさかいに。
(ケン)すみません。
(安達)これちゃんと冷えてっか?けどほれてくれてるなんて言うてくれんの世界中でわーちゃんだけやね。
(和田)あははっ。
でもさ前から思ってたんだけどみどりちゃんって松坂慶子に似てない?松坂?慶子?
(和田)ほらこの目元とかさ口元とか…。
(取材アナウンサー)おいしかったです。
あっどうも。
もちろん似てるよ。
ああ〜まあこの辺の輪郭とかね。
(星野)うり二つ。
(和田)でしょ?肩のラインもこのヒップラインも似てんだよな。
私もねこの年になってやっとほんとの自分が見えてきたのよ。
(星野・みどり)・これも愛
(星野・和田・みどり・安達)・あれも愛たぶん愛きっと愛
(星野)あははっ想像しちゃったよ。
・ガラガラ…ガン!
(戸の音)お母さん!さゆみおかえり〜!試験どやった?あっちょうどええわ。
あんたこっち来なさい。
お母さん昼間テレビ出てたやろ?もう録画したやつあんたわーちゃん何べんも何べんも見るさかいに。
(和田)松坂慶子にさそっくり。
ん?これ私のスーツのポケットの中に入れたでしょ?嫌やわ〜私どないしよ?娘にハンケチと間違うてパンツ渡してしもた〜。
(一同)あははっ!
(ケン)うそ!さゆみちゃんヒョウ柄のパンツはいてんの?やめてよ!もう!みんなに笑われて大恥かいたんだからね!落ちたらお母さんのせいなんだから!最後なんだから!もうあとがないんだから!お母さんには分からないかもしれないけど私があの事務所受けるのにどれだけ苦労したか!何日徹夜して論文書いたと思ってんのよ!甘ったれんのもええかげんにしぃやあんたヒョウ柄のパンツで落ちたんやったらあんたの実力その程度のもんやないの!あんたがハンケチとパンツ間違うたから悪いのと違うか?もういっぺん言うといてあげるわよう覚えときや。
タンスのいちばん上がハンケチパンツ靴下やねん。
あんたが間違うてハンケチのところにそのパンツ入れたからこんなんなったんと違うの?もう一回言うといてあげるわ。
タンスのいちばん上がハンケチパンツ靴下!ハンケチ…。
ああ〜〜!そのさハンケチっていう言い方やめてくんない?ハンケチじゃなくてハンカチ!タンスじゃなくてチェスト!魔法瓶じゃなくてポット!ティッシュのことちり紙とか言わないでよね!たまにうっかりして言いそうになっちゃうじゃないの。
だいたいねお母さんはねいっつも注意力が足りないのよ!ああ〜いつだったか私のパソコンのデータ勝手に消しちゃってさ「は〜いお茶だよ」っつっておいこぼすなよパソコンの上に!はあ〜もうそういうことが何度あったか!お母さんはね…ねえお母さん聞いてんの!?あんたようベラベラベラベラベラベラしゃべるなぁ嫁入り前の娘が下品なことにあんた。
相手なくなるで。
汗拭きなさいよこのズロースで。
ああ〜!落ちたらお母さんのせいなんだからね!ああ〜もう!さゆみ。
ちょっとなんちゅう物の言い方!ブラジャー乳バンドって言うねんほんまに!グッドラック。
あぁ〜あ…また振り出しに戻っちゃったよ。
(淳平)まだ分かんないじゃん受かるかもしれないし。
無理無理無理無理。
絶対無理。
そんなことないって。
きっと大丈夫だよ。
淳平君は自分が内定取ったからそんなこと言えるんだよ。
ん〜いいなぁ。
親のコネだけどね。
コネがある親が羨ましい。
そんな家に生まれてきたかったよ。
こんだけ書けるんだから認めてもらえると思うけどね。
そんなに甘くないと思うけど…。
でもさ意外にそのヒョウ柄パンツのおちゃめ感で好感度アップして好評博して見事合格。
まさにヒョウ柄からコマ。
ははっ。
ふふっありがとう。
うん。
(メール着信音)事務所からだ。
(淳平)さゆみちゃん。
帰る。
ごめんね急に呼び出しちゃって。
さゆみちゃんお母さんのせいにしちゃだめだよ。
お母さんはさゆみちゃんのためを思って…。
分かってる。
はぁはぁ…。
はぁ…。
(回想)じゃあ行ってきますあんた携帯持った?持ったあんたちり紙にハンケチは?あっハンカチ忘れた今日はな勝負の日やさかいにヒョウ柄でいこうヒョウ柄で。
落ち着くんやではいはい行ってらっしゃいけど普通間違えないよパンツとハンカチ。
はぁ…。
・ザァー
(雨音)ザァー…降ってきちゃったねぇ。
ああ…。
みどりちゃんコップ!ちょっと見てこの絶妙なバランスわーちゃん!いやいや…危ないよ。
あれでしょ?さゆみちゃんのこと気にしてんでしょ?今度ばかり就職のことやからね。
あの子建築家になるのが目標やってず〜っと言うてたから。
珍しいよねぇ今どきの若者は夢とか目標がないとかっていうのにさ。
うん。
(和田)お父さんに似たのかな?えっ?だからここ。
だって小さいときから成績もよかったし特に理科系ってとこがさ。
さゆみは私似やで?あんた知らんのか?私めっちゃくちゃそろばん得意やねんさかい。
ああ〜これね。
そう…。
俺トイレ行ってくる。
ほんとに…。
(和田)そうかそろばん…みどりちゃんあれだったもんな。
・ガラガラあっすんません今日もうお店おしまいにしてしもたんです…。
(修一)あっ小野寺みどりさん?あっ修一です。
木谷修一。
はい…。
昼間テレビ見てて驚いてたまたま今夜近くまで来たもんだから。
そうなんですか。
(修一)少しだけいいかな?いや〜久しぶりだなぁ。
何年ぶりだろ?20年?いや…。
22年です。
(修一)あっ…。
みどりちゃんちっとも変わらないなぁ。
・
(和田)そろばんの名人だもんな。
・バタン
(ドアの音)木谷さん!
(修一)あっ…和田さん?
(和田)はい。
(修一)あっこう…ああ〜!
(和田)お久しぶりです。
(修一)ははっ。
あっまさか二人…。
(2人)いえいえいえいえただの友達です相変わらずの。
(修一)あははっ!そう…ははっ。
・お母さん雨降ってんのに傘忘れてたよ。
さゆみ…。
ん?
(和田)さゆみちゃん。
(修一)君のお嬢さん?テレビで言ってた。
はあ…。
そうか〜。
君がみどりさんの?すみませんもう今日ほんまにお店おしまいなんでまた今度にしていただけますか?せっかく来ていただいたのに申し訳ございませんです。
すみません。
ああ…うん。
じゃあこれ僕の連絡先。
あっ…。
また出直すよ。
じゃあ。
(和田)どうも。
・ガラガラ誰?さっきの人。
ははっ「誰?」ってあんたただの知り合いや。
いいの?追い返しちゃって。
ええねん。
お母さんあんまり覚えてないねん。
お母さんのテレビ見てな懐かしゅうて勝手に訪ねてきはったんやから。
ふ〜ん。
傘なんかよかったのにお店にかていくらでも置いてあるんやし。
分かってたけどなんとなく迎えに来たくなって。
あらもう上がってるやん。
ほれ!お月さん見えてる。
あっ…ほんとだ。
うんはははっ。
落ちちゃった。
えっ?いやだから建築事務所不採用。
もう連絡来たの?早いな。
ごめんなぁお母さんがパンツとハンケチ間違うてしもたから。
違うよ。
お母さんの言うとおり私の力不足。
ハンケチのせいなんかじゃない。
はぁ…。
なんもあんた泣くことないやないの。
だって…うぅ…なんかもう自分が情けなくて。
うぅ…もうなんでだろう?はぁ…ああ〜もうなんでこんなうまくいかないんだろ?はいハンカチ。
ハンケチでしょ。
はぁ…うぅ…。
・ようこそここへクッククック・わたしの青い鳥・恋をした心に・とまりますふふふっ何?急に。
・そよ風吹いてクッククック・便りがとどけられ・誰よりもしあわせ・感じますってそうかてあんた赤ちゃんときからこの歌歌たら泣きやんだから。
ふふっえっ?ふふっ。
ほれ泣きやんだやんほれ。
はははっだっていきなり…。
なんやねんなもう!会社落ちたぐらいのことで。
はぁ…。
お母さんなんか数え切れへんぐらいいろんなことがあったけどこうやって元気に生きてます。
お母さん…。
いざとなったら人間なんかないくらでも力湧いてくんねん。
あんたまだ大変な目に遭うてないだけや。
そやから底力っちゅうのを出してへんだけやないの。
私にとってあんたは幸せの青い鳥や。
青い鳥は羽ばたかないかんねん。
地球は広〜いねん。
どこぞにあんたの生きていく場所はある。
地球やないひょっとしたらほれあのお月さんかも分からへんで。
えっ?いやこのうちの娘かぐや姫なんや。
お月さんやったらかぐや姫やんか。
いやかなわんわうちの娘かぐや姫や。
思い出したら私生んでない。
迎えに来はるわもうそろそろ。
べっぴんさんやから迎えに来はるわ。
かなわんわ。
かぐや姫から迎えに来んねや。
思い出したら私生んでない。
竹からポッコ〜ンと生まれたんや。
迎えに来んといて。
迎えに来んといて。
(淳平)さゆみちゃん。
あっ待っててくれたんだ。
うん。
なんだって?先生。
就職先が見つからないようだったら留学もありじゃないかって。
行くなら推薦状書いてくれるって。
どうなの?さゆみちゃん的には。
無理だよACスクールなんて。
授業料が高いので有名じゃん。
うん…。
はいいつもありがとうね。
(OLたち)ありがとうございます。
(OL)あっテレビ見ましたよ。
見てくれた?ありがとう。
(OL)また来ま〜す。
は〜い。
・真っ赤なリンゴをほおばる・ネイビー…
(金子)あの…あっ小野寺みどりさんでいらっしゃいますか?あっそうですけど…。
あっ…。
フランチャイズ?うちのおにぎり屋をですか?先日のテレビを見ましてまあなんと言いますか小野寺さんの生き方に感銘を受けまして。
いや…なんでそんな大層な…。
いやいやそんな全然大層じゃありません。
まあシングルマザーで頑張ってる方も私とおんなじように勇気をもらったと思いますよ。
実を言いますと私4年前まで食品会社の営業をしてたんですけども独立して小さな会社を立ち上げたんです。
おかげさまで会社の方も軌道に乗ってまいりまして何か新規事業を始められないかと考えていたところだったんですよ。
あの…言うときますけど私お金ありませんよ。
ああ〜いや小野寺さんに金銭的負担をかけるつもりはまったくありません。
小野寺さんにはおいしいおにぎりの作り方を皆さんに教えていただくだけで結構なんです。
これをちょっと…。
ああ…。
(金子)子供を持つ女性が働くというのは大変なことだと思うんですよ。
ですが資本金を少なくして手軽にお店を持てるようにすればそれも可能になります。
まあ一人でお店を持てない方には資本金を募って何人かでお店のオーナーになっていただきます。
今のおにぎり販売の売り上げは月額どれぐらいになります?金子さんって言わはりましたよね?はい。
私がここまでやってこれたのはなんでやと思わはります?自分の身の丈に合うた商売をやってきたからです。
はあ…。
人も使わず借金もせず地道に小さくコツコツと…。
あははっいや〜とてもとてももうこんな冒険はできません。
フランチャイズで全国展開すれば少なく見積もっても今の売り上げの10倍…いや20倍は見込めると思うんですよ。
えっ?ボリボリ…
(キュウリをかむ音)なあ。
ん?どないしたん?何が?いつもようしゃべんのにお通夜みたいにシ〜ンとして。
別に。
お母さんこそどないしたん?別に。
ボリボリ…ちょっとなんかあんたしゃべりながら食べてぇな。
あんたのキュウリかむ音気になってかなわへんねやもう。
ん〜。
じゃあ言うけどさ…。
うん。
こないだお店に来た男の人いるじゃんあの背が高い木谷って人。
うん…。
あの人誰?「誰?」ってあんたただの知り合いや。
変なこと聞かれたんだけど。
変なことってどんなこと?いや学校まで来て待っててなんか話がしたいってそれでなんかいろいろ…。
いろいろってどんなこと言われたん?「お父さんはいないの?」とか「どんな人だったの?」とか。
であんたなんて答えたん?いやだから「父は死にました」っつったけど「ろくでもない男で酔っ払って川に落ちて死んじゃった」って。
もしかしてさ…。
元彼?ん?元彼?うん。
あんたよう親に向かってそんなアホなこと言えんなほんまに。
アホちゃうかあんた。
だってなんかお母さんふわふわふわふわしてんだもん最近。
ふわふわなんかしてへんやないのどこがふわふわしてんねんな。
おはよう。
おはよう。
(館内BGM)けどこのほうれい線ちゅうのは消えへんもんやなこれ。
いっか。
よし。
きついかなこれ。
ちょうどやってんけどな。
これでいけるか。
よっしゃ!ビリッ!何?この音。
・
(修一)みどりちゃん。
木谷さん私あなたにひと言言いに来たんです。
うちの娘に変なこと言うのやめてもらえませんでしょうか?変なこと?言わはりましたでしょ?学校にまで会いに行って父親がどうのこうのって。
何考えてはるんですか?捜したんだよあのあと。
おふくろが君とのつきあいに反対して君が急にいなくなって…。
おふくろが君に何を言ったのか知らないけど…。
木谷さんと私は初めから釣り合わへんかったんです。
はぁ…。
今はおやじの病院を継いでいるんだ。
名刺に書いてありましたよね院長先生って。
うん…。
あのあと結婚はしたよ2回。
2回?うん…。
最初は親の勧めで見合い結婚したけどうまくいかなくて40過ぎてようやく今の妻と知り合った。
けどどちらにも子供はいない。
(修一)あの子さゆみちゃん…僕の子じゃないの?違います。
今大学4年生でもうすぐ22歳…。
勝手な想像はやめてください。
もしもあの子が僕の子だったら君に苦労をかけてしまったことを謝らなければならないしあの子にしてやれることがあったらなんでもしてやりたい。
できればちゃんと父親として僕を紹介してほしいんだ。
さゆみに二度と近づかないでください。
失礼いたします。
(館内BGM)
(和田)じゃあ違うって言い通したんだ?うん。
そうかてさゆみにはずっとお父さんはいてない死んだって言うてきてんねんで。
今更お父さんがいてるなんて言えるわけないやないの。
そりゃそうだよね。
わーちゃん向こうに奥さんがいてんねんで。
これバレたら隠し子騒動やで。
もうえらいことなんの目に見えてるやないの。
そういうことにさゆみを巻き込みたくないねん。
だからわーちゃんさゆみにどんなことを聞かれても絶対にほんまのこと言うたらあかんねんで。
私の周りでこのこと知ってんのわーちゃんだけなんやさかいにな。
何?絶対ほんまのこと言わへんって指切りして!ああ〜。
(2人)・指切りげんまんうそついたら・針千本飲ます・ガラガラ
(淳平)あっすみません。
(和田)いやいやいや違うよ。
淳平君どないしたん?ちょっとお話ししたいことが。
(淳平)お母さんさゆみちゃんに留学の話が来てることをご存じですか?えっ!何?それ実は前からうちの教授がさゆみちゃんにイギリスの建築学校に留学を勧めててでもさゆみちゃん就職したいからって断っていたんです
(淳平)イギリスのACスクールっていう有名な学校で世界的な建築家が大勢出てるところです。
うちの教授は厳しい人だから可能性がある学生にしか留学なんて勧めないんです
(淳平)お母さんさゆみちゃんを留学させてあげるわけにはいかないでしょうか?こんなチャンス二度とないと思うんです「420」…。
えっ!?はぁ…。
あっ…。
(和田)ねえみどりちゃんフランチャイズなんてやったらさ今よりもっと忙しくなっちゃうんだよ?そうじゃなくたって夜遅くまで仕事して朝から仕込みして…。
しかもみどりちゃんは人に任せられないタイプなんだから。
ふふっわーちゃんそれが違うねんなぁ。
えっ?今度ばっかりは任せようと思ってんねん。
私その人と一緒に会社を立ち上げてな経営はその金子さんにみ〜んな任せんねん。
私はおいしいおにぎりの作り方教えるだけでそんでええねんて。
けど登録する人がどんどんどんどん増えたら月々お金もちゃ〜んと入ってくるし何より今よりもっとたくさんの人におにぎり喜んでもらえるのがうれしいやん。
あの人めっちゃくちゃ真面目で苦労人やねん。
母一人子一人で育ってきはったんやて。
(和田)へえ〜。
あっほら来はった。
(金子)どうも遅くなりましてすみません。
いえ…。
金子さんこちら私の大親友で商店街で食品スーパーしてはります和田さんです。
(金子)金子と申します。
おうわさはかねがね…。
(和田)和田です。
よろしくお願いいたします。
わーちゃんこれから契約するから立ち会うてな。
えっもう契約?そのために来てもうたんやないの。
ふふっ金子さん始めましょうか。
(金子)ああ〜そうですね。
あっここで…はい。
新しくパンフレットが出来上がりまして。
いや〜!
(金子)小野寺さんきれいに撮れてます。
あははっわあ〜ほんま。
それではこれからもお世話になります金子さんをご紹介したいと思います。
(星野)よっ!
(金子)ただいまご紹介にあずかりました金子と申します。
この度みどりさんのお力をお借りしましてフランチャイズ会社「K&Mフランチャイズカンパニー」を無事設立することができましたことをここにご報告させていただきます。
わあ〜!
(金子)ありがとうございます。
いや〜私これ驚いてるんですけどもまだ会社を立ち上げたばかりだというのにあちこちからたくさんの問い合わせの電話が来ております。
そうなんやて。
(安達)いやいやいやすごいね。
(淳平)すごいっすねぇ。
(金子)いや私の見る目に狂いはなかったです。
(星野)金子さん金子さん話それぐらいにして早く飲ませてよ。
(安達)もう腹減っちゃった俺。
ほな乾杯しましょう。
(星野)そうそう。
ほんまにここまで来れましたのも今日までお店を支えてくださいました皆様方のおかげです。
はい。
わーちゃん乾杯の音頭。
俺?そうよ。
(和田)ええ〜それではみどりちゃんの会社がどんどん発展していきますように。
乾杯!
(一同)乾杯!・緑の中を走り抜けてく真紅なポルシェ
(一同)イエ〜イ!
(ケン)みどりさ〜ん!・ひとり旅なの私気ままにハンドル切るのすごいねさゆみちゃんのお母さん。
えっはははっ見たことなかったっけ?うん歌は初めて。
ああ〜絶好調になるとやるのよ。
へえ〜。
・馬鹿にしないでよ
(淳平)ねえ。
ん?お母さんから聞いた?えっ何を?あっ聞いてないならいいや。
うん…。
・今の言葉はい!
(金子)・PlayBack,PlayBack18点!カ〜ン!
(一同)あははっ!
(安達)イエ〜イ。
わーちゃんあんたが盛り上がらんでどないすんのよ?金子さんこの和田さんってね私20代の頃から知り合いでもうず〜っと世話になってんの。
さゆみが生まれたときわーちゃんのお母さん面倒見てくれてそらどんな助かったか。
(星野)なんで結婚しなかったの?
(安達)そうなんだよね。
それ不思議なんだよね。
なんで?親友や。
親友と一緒になってどないすんねんな。
いや僕はしてもよかったんだけどね。
(ケン)これ告白!?
(安達)フゥフゥ〜!「・ちょっと待って」。
ちょっとタイプではありませんでした。
(一同)あははっ!
(安達)そっか〜!
(星野)みどりちゃんお酒。
はいはい。
ちょっと淳平君あんた何辛気くさい顔してんねんな。
若いねんさかいにもっと飲んで食べなさい。
そやから草食級男子って言われんねやないの。
(淳平)草食系です。
草食系男子か。
はい飲みなさい。
(淳平)僕あんまり飲めないんで。
飲めないの?もう…。
さゆみあんた代わりに飲んで食べてあげなさい。
ほれ。
ええやないの今日お母さんのめでたい日なんやさかいに。
ふふっ。
はい。
なあ…。
ん?留学の話あんねんてな。
えっ?聞いたんや淳平君から。
やだ…なんで?
(淳平)ちょっと俺も歌ってこようっと。
あははっ…。
行きたかったら行ったらええやん。
別にお母さん反対なんかせぇへん。
むしろ積極的に賛成…あっ激しく同意っちゅうやつかな。
でも…。
留学の費用やったらお母さんなんとかするから。
あんた私の青い鳥や。
青い鳥は大き〜く羽ばたかなあかんねん。
お母さん…。
飲みなさいよはよ。
めでたい日やねんから。
(星野)みどりちゃ〜ん!は〜い!
(安達)あれやってよ「別れても好きな人」。
何を言うてんの。
覚えといてよ。
「別れたら次の人」よ〜。
あははっ!ほな金子さん歌いましょう。
歌いましょうはよ。
(安達)どうぞどうぞ。
歌いま〜す!
(星野)はい並んで並んで!ありがとうございます。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
あははっ。
・
(星野)・旅立ちます・イエ〜イ!
(和田)・おふくろさんよ・おふくろさんみどりちゃ〜ん。
和田さん大丈夫?ははっははっ。
ああ〜ノリノリだね今日のみどりちゃん。
俺も飲み過ぎた。
ふふっ。
はぁ〜。
お母さんに留学しなさいって言われた。
そうか。
やっぱりね。
あっ知ってたの?どうしたの?行きたかったんじゃないの?うん…ああ…。
お母さんが会社始めたのってさもしかして私の留学のため?はぁ…。
なんでそんなことするんだろ?そこまでしなくたってさ…。
そんなこと言うもんじゃないよ。
えっ?みどりちゃんはさゆみちゃんが生きがいなんだからお母さんの気持ち受け止めてあげなきゃ。
それも親孝行のうちだよ。
なんたって今まで女手一つでさゆみちゃんをここまで育ててきたんだからさ。
ねえ和田さん聞きたいことがあるんだけど。
えっ?何?ほんとのことを教えてほしいの。
私のお父さんのこと。
お母さんは死んだって言ったけど…ろくでもない男だったって言ったけど…。
ねえほんとは生きてるんじゃないの?なのになんでお母さん私を一人で?さゆみちゃんなんか聞いたの?修一さんから。
「修一さん」?ねえ…えっ?えっ?やっぱりそうなの?ねえ誰なの?あの人。
ちょっとなんで隠してんの?ねえ和田さん!ねえねえ!ん〜…。
ん…あっ。
ああ〜よう寝てしもた。
こんな時間やて。
ああ〜今日店休みや。
はぁ…わあっ!おはよう。
おはよう。
どないしたん?う…うん…。
俺針千本飲むよ。
なんのこと?
(和田)言っちゃった。
はあ?だから修一さんのこと「お父はぁんなぁの〜」って。
何言うてるか分からへんやん。
(和田)だから「お父さんだと思う」って…「いやほんとのお父さんだ」って。
うぅ〜うぅ…。
うそやん!
(和田)言っちゃった言っちゃった。
あんたようそんなことしてくれたなぁ!さゆみは?さゆみどこ行ってんな?確かめに行くって。
誰に?だから修一さんに。
タコ!!
(和田)木谷修一さんはさゆみちゃんの本当のお父さんなんだ
(理沙)あの…何か?あっ…。
(理沙)何か?
(修一)そう…そう言ったのか僕が君のお父さんだって。
教えてほしいことがあるんです。
もしもあなたが…あなたが私の父親だとしたら…。
なぜ母はそのことを黙っていたんですか?父親は死んだなんてうそをついて私を一人で育てたんですか?お母さんをあなたは…。
捨てたんですか?いやそうじゃない。
そういうことじゃないんだ。
22年前お母さんは急に僕の前からいなくなってしまったんだよ。
だから僕も知らなかったんだ君がこの世にいることをついこないだまで。
だけどこれだけは言えるんだけど僕は僕に娘がいたというそのことがうれしかった。
えっ?とってもうれしかったんだよ君に会えて。
それが今の正直な気持ちだ。
・
(修一)理沙。
はい。
・
(修一)こっち来てくれる?
(修一)紹介するよ。
(修一)妻の理沙です。
小野寺さゆみさん。
(理沙)こんにちは。
あなたのことは主人から聞いています。
(修一)妻はインテリアデザインの仕事をしていたことがあってねもしも興味があるなら話を聞くといい。
(着信メロディー)
(着信メロディー)あっもしもし?もしもし?さゆみ?あんたちょっとどこにいてんねやな?いや家の前だけど。
えっ?あのさ今木谷さんと一緒なんだけど連れてってもいい?ちょっとちょっとちょっと…ちょっと待ってちょっと。
入るよ。
あかんって!ちょっとちょっと待ってちょっと…。
ねえお母さん答えて。
そうや。
あんたのお父さんや。
(修一)はぁ…。
(修一)みどりさんお願いがあるんだ。
これから先さゆみちゃんと会うことを許してもらえないかな?父親としてさゆみちゃんを見守らせてほしいんだ。
はぁ〜。
ん〜…。
どないしたん?一緒に寝ていい?うん。
ちょっと…。
だってやなあんた。
ちょっと何?冷たい。
いかり肩嫌いやねんそやから私あんたもう。
ん〜。
窮屈やわこの人ほんまに。
ふふふっ。
ふぅ〜。
ふふっいや…もう信じらんない。
何がやな?ん?お母さんとあの人がつきあってたなんて。
ふふっねえ病院で会ったってほんと?ふふっ。
木谷さんがな西新宿の大学病院に勤めてはった頃や。
お母さん急におなか夜中に痛なってしもうてなで救急車で運ばれたんや。
盲腸やってん。
えっ盲腸?うん。
でその盲腸の手術してくれたんがあの木谷さんや。
なんの縁もないのになあの人毎日毎日お母さんの病室訪ねてきはんねや。
ほんで私に「あなたが目の前にいてくれますとねホッとしますね」って。
あんた病人目の前にホッとしますねって…。
ふふふっ。
こっちはあんた盲腸で痛い痛い痛い痛いっちゅうてんのに。
まあそんな出会いやな。
ふ〜ん。
でお母さんほれてなぁもうそら好きで好きでたまらんようなってしもうてな。
ほなななんと向こうもおんなじやってん。
もうそら信じられへんかったで。
へえ〜。
じゃあなんで別れたの?ん〜なんでかなぁ。
夢はいつか覚めると思ったからかなぁ。
ふふっ何?それ。
意味分かんない。
考えてもみなさいな。
うん…。
お母さんと木谷さん一緒になってみぃなあんたお母さんとあの人あんた釣り合うわけあらへんやないの。
(母親)修一には幸せな結婚をしてもらいたいと思っているんですよ。
いいお嬢さんと結婚して子供もつくって幸せな家庭を築いてもらいたいとそやから…。
うん。
夢が覚めないうちに逃げた。
ふふっ。
ふふふっ。
ほんでそのあとになあんたができたって分かったんや。
な〜んでそんな昭和の女みたいなことしたの?自分からこう身を引くみたいなさ。
だって昭和の女やもん。
ああ…。
会うたらええ。
会うていろいろ話したらええねや木谷さんと。
いいの?しゃあないやんあんたあんなふうに言われたんやもん。
なあ…。
ん?恨んでないか?何を?お母さんうそついてたこと。
ふふっいや恨む恨まないとかそういうことよりん〜ほんとは私もちょっとうれしかった。
ん?お父さんがいたってことがさ。
いやだって死んだと思ってた人が生きてたんだから。
なあ。
ん?ごめんなうそついてて。
許ちてぇ〜。
ぷっ!はははっ。
さゆみちゃ〜んさゆみちゃ〜ん。
何?それ。
ちょっともうこっち狭いんだから。
狭い…。
ねえ。
ねえ。
えっ?これおかしくない?こんな格好で大丈夫かなぁ?なんか高級フレンチみたいだからさ星いっぱい付いてたし。
大丈夫大丈夫。
あんた若いんやさかい何着てもよう似合うって。
それよりちょっとさゆみお母ちゃんこれどっち似合う?大きいちっちゃいどっち?答えになってないし。
なあそれよりなぁ…。
ん?なんで急に四人でご飯食べよう言わはんねやろな。
お母さんにはさっぱり分からんわ。
う〜ん…なんとなく分かる。
ん?木谷さんじゃなくてあの奥さんがそうやって言ったような気がする。
奥さんってどんな人なん?う〜ん若くてきれいですら〜っとして背が高かったよ。
年いくつぐらい?う〜ん40代ぐらいかなぁ。
あっそう!インテリアデザインの仕事してたんだって昔。
インテリアデザイン?うん。
だから家のセンスめっちゃよかった。
もう勉強になるぐらい。
ねえちょっとこれちっちゃい方にしようか?あっあかん!お母さん今日金子さんと約束してたん忘れてた。
はあ?悪いねんけどあんた一人で行ってくれる?いやいや無理だよ。
お母さんの分も予約してもらってんだからさ。
困った困った。
これはダブルブッキングや。
あんた悪いけど一人で行って。
ごめんな。
頼むわ。
ありがとう。
ふぅ…。
(和田)下着泥棒が頻発してるからね奥さんのパンツ1階に干さない方がいいよ。
ねっ。
みどりちゃん。
えっどうしたの?あれ?なんだかすてき…。
痛っ!あれ?今日あれじゃないの?例の会食の日じゃん。
わーちゃんラーメンでも食べへん?おごるわ。
じゃあやっぱりあのおうち丹波忠雄先生の設計なんですか?
(理沙)ええ。
ふふふっ。
(修一)祖父の代に建てた家なんだけどね祖父は丹波先生と懇意にしていたんだよ。
ふふっ。
興味があるならまたゆっくり遊びに来たらいいわ。
ねえ。
うん。
ぜひいらっしゃい。
ありがとうございます。
(理沙)ふふっ。
さゆみさんは卒業したらどうするの?あっ一応イギリスに留学を考えてまして願書を出したところなんです。
(理沙)あらイギリスに?はい。
(理沙)ふふふっ。
(修一)この人もねロンドンに住んでたことがあるんだよ。
えっ?そうなんですか?
(理沙)ええ。
20代のときに3年間デザインの勉強をしに。
えっ?どこの学校?ロンドンのACスクールです。
あっ名門校じゃない。
いい所よロンドンは。
ウェストミンスターに住んでたんだけどあの辺りは歴史的な建物も多くてね…。
(和田)なんで行かないのよ?三ツ星レストランもったいないよ。
私はここのラーメンが世界でいちばん好きやねん。
なあおっちゃん。
(店員)ありがとう。
(マナーモード)
(和田)ん?さゆみちゃんじゃない?ちょっとごめんな。
(マナーモード)うん。
金子さんや。
(和田)ん?はいもしもし。
いつもお世話になってます。
あっいえいえどうも。
はい。
そんなに人が?
(和田)ん?50組も!?分かりました。
ほなすぐ私もそっち行かしていただきますので。
よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
はい。
わーちゃん一大事やわ。
えっ?私の動画をなネットで流したら希望者がどんどんどんどん増えて急きょ説明会開くようにしたって。
(和田)ほんと?やったね。
なんか運が回ってきたのかなぁ。
うん。
今までコツコツコツコツやってきた分ようやく花開いたかもしれん。
ふふっ。
(金子)お店を構える。
オーナーになるというのは大変なことだと考える方も多いと思います。
ですが私どもの会社ではここにおります小野寺みどり社長と一緒になるべく少ない資本金で女性でもお店を持てるシステムを考えました。
あっ社長お願いします。
小野寺みどりでございます。
よろしくお願いいたします。
(拍手)どうもありがとうございました。
私もお願いいたします。
(マナーモード)ちょっとお待ちください。
ごめんなさい。
すみません。
(マナーモード)あっ。
もしもし?さゆみどないした?お母さん私合格した。
イギリスへ行けるって。
そう。
よかったおめでとう。
ようやったやん。
うん。
うん。
お母さんもっともっと頑張らなあかんな。
うん分かった。
うんほなね。
はいはいはい。
ああ〜。
金子さん…金子さん!ありがとうございます。
娘のイギリス留学が決まりました。
(金子)ああ〜それはよかった。
ありがとうございます。
もうよかった。
うれしいて。
ありがとうございますどうも。
(理沙・修一・さゆみ)ふふふっ。
(修一)そんなことあったんだ。
(理沙)ねえ。
あっそれでねこれがウェストミンスターでこれがビッグ・ベン。
へえ〜これが?うわ〜すご〜い。
(理沙)さゆみちゃんちょっと来てくれる?ああ…はい。
(理沙)さゆみちゃんに私たちからプレゼント。
気に入ってくれるかどうか分からないけど。
ねっ留学のお祝いに。
ありがとうございます。
開けてもいいですか?
(理沙)もちろん。
ふふふっ。
うわ〜。
ええ〜!うわ〜!すてきこれ。
(修一)この人の見立てだよ。
(理沙)向こうへ行ったらパーティーに出る機会もあるでしょうから。
ありがとうございます。
(理沙)よかった。
おめでとう。
(修一)おめでとう。
ありがとうございます。
・そよ風吹いてクッククック・バタン・さゆみお母さんな・店行く前にちょっとなんか食べていくけどもあんたもなんか食べ…。
うわっちょっと…びっくりした。
いきなり開けないでよ。
きれいな。
あんたそれどないしたん?プレゼントしてもらったの木谷さんと理沙さんから。
へえ〜お嬢様風やな。
雑誌から出てきたみたいや。
ふふっなあ肉じゃが食べる?おなかいっぱいだから大丈夫。
鮭は?いいいいいい。
ちゃんと食べて肉付けて体力つけへんかったらイギリス行く前に倒れてしまうで。
いや大丈夫ですから。
ははははっ。
倒れませんから。
えっ?あっ!あっもしもし。
先日は遅くまですみませんでした。
いえつい長居しちゃって。
はい。
あっいえいえとんでもないです。
はい。
はい。
・あっサイズですか?あっ全然大丈夫です。
・ぴったりでした。
ふふふっ。
はい。
・いやもうこんなすてきな服ありがとうございました。
(理沙)ううん。
あっそれでね急なんだけどロンドンシティ・フィルの演奏会のチケットが手に入りそうなの。
さゆみちゃん一緒に行かない?・えっ!?いいんですか?・クラシックの演奏会なんて行ったことないです。
(理沙)いいのよ。
修一さんだってあなたと会えるって言えば飛んでくるし。
ふふっ最近おかしくって。
あなたと会えるって言うとまるで恋人にでも会うみたいにウキウキしちゃって。
ええっ?・やだ〜。
そんな…。
・ふふっはい。
えっ?・ええ〜!それ大げさですよ。
・ふふふっ。
・はい。
えっ?・あの…理沙さん。
(理沙)何?ありがとうございます・いつも優しくしてもらっちゃって。
(理沙)何言ってるの。
私はさゆみちゃんのことが好きだしかわいいし応援したい。
それだけ。
だって気が合うじゃない?私たち。
あっそうなんですよ。
・ふふっ私も理沙さんのこと尊敬してますし・ほんと好きです。
・ふふふっ。
はぁ…。
・それはどうですかね?・ふふふっ。
ええ〜!はぁ…。
・はい。
あっ分かりました。
はい。
よいしょ。
・コンサート楽しみにしてます。
はい。
失礼しま〜す。
うわっまだいたんだ。
あっさゆみ。
ん?あんたもうじきお誕生日やろ?ああ…。
ほなお誕生日会やろうか?えっ…お誕生日会なんてどうしたの?急に。
来年イギリスやし一緒にお誕生日祝えるかどうか分からへんやん。
うん。
留学の祝いも兼ねてやろうやろうやろうやろうやろう。
なあお母さんがお祝いしてあげる。
ふふっ。
えっ?さゆみお誕生日おめでとう!
(一同)イエ〜イ!ありがとうございます。
パン!パン!ふふふっ。
(一同)イエ〜イ!
(星野)さゆみちゃんも留学か〜。
彼氏も大変だなぁ。
超遠距離恋愛ってか?ええっ?
(淳平)ああ〜いえ…。
(安達)・恋人よぼくは旅立つ何を言ってんの。
(星野)さゆみちゃんもなんか最近きれいになっちゃってな。
(和田)色っぽいよ。
ちょっと待って。
ろうそく…ろうそく火つけて。
22本立ちますでしょうか?
(和田)立つ立つ立つ立つ。
(ケン)やってみせましょう。
ねえねえお母さん。
(一同)・誕生日に
(一同)・22本のローソク今日ちょっと呼んでる人がいるんだけど。
誰?うん。
もうちょっとしたら来ると思うんだけど。
・ガラガラあっ来た来た。
(修一)こんばんは。
こんばんは。
(理沙)こんばんは。
ありがとうございますわざわざ。
(理沙)はじめまして。
理沙さん。
母です。
いつもさゆみがお世話になりましてありがとうございます。
(理沙)いえ私の方こそ。
まあすてきなお店。
ふふふっ。
狭いんですけども。
あっよかったらどうぞ木谷さんも。
(修一)これさゆみちゃんに。
おめでとう。
あっすみません。
うわ〜ありがとうございます。
(理沙)それとこれ。
えっ?
(理沙)あら重なっちゃったかしら。
でも皆さんで召し上がっていただければ…。
ありがとうございます。
あっここに置いてください。
(理沙)うん。
あっ着てくれてるのね。
どうもありがとう。
はいすみません。
ありがとうございます。
もうぴったりですサイズ。
(理沙)うん。
ほんと靴も似合うね。
(一同)・ハッピーバースデートゥユーパチパチ…
(拍手)わあ〜!ふぅ〜。
ふぅ〜。
(一同)わあ〜!パチパチパチ…
(和田)最高だねぇ。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
いや〜こんなすごい誕生日初めて。
わあ〜。
ほんとにありがとうございます。
ありがとう。
(和田)おめでとう。
(理沙)やださゆみちゃん彼がいるなんてひと言も言わないんだもの。
ええっ?彼っていうか…彼?
(淳平)あっさゆみちゃんが認めてくれれば一応…。
(修一)えっ?
(理沙)優しいわね今どきの若い男の子は。
優しいっていうか頼りないっていうか…。
なんだよ?それ。
はははっ。
(和田)みどりちゃんお皿お皿。
あっはい。
(安達)みどりちゃんこれ高いケーキうまいわこれ。
はいはいはい。
はいお待ちどおさん。
そっち回して。
ちょっとスパゲティぐらい入れてぇな。
(安達)ほらほらほらほら。
(和田)回せケンちゃん。
どうぞ。
(理沙)ありがとう。
ありがとう。
あっあらさゆみちゃん何か付いてる。
あっちょっと待って。
取ってあげるから。
すみません。
(和田)うまいわこれ。
ああ〜すみません。
(理沙)これでいいわ。
ありがとうございます。
飲ましたらあかんって。
血圧が高いからって…。
(和田)大丈夫大丈夫。
大丈夫なことないからもう。
(和田)がん食いだなあーちゃんケーキがん食い。
(安達)よいしょ!どうも。
へい。
(ケン)みどりさん…。
(和田)えっ?
(和田)みどりちゃんそんなに飲まない方がいいよ。
別にいつもとおんなじペースやけど?
(星野)ちょっとみどりちゃんいつものあれやってよあれ。
だからみどりちゃんの歌がないとなんかさみしいよな。
(安達)よっ三波春夫「チャンチキおけさ」。
・小皿叩いてチャンチキおけさだめです。
皆様にご迷惑がかかりますので静かにしてください。
(星野)「静かに」って…ねえ。
ねえねえお母さんあっち行こうよ。
お母さんここがいちばん落ち着くねん。
ここがええねん。
だってせっかく木谷さんと理沙さん来てくれてんだからさ。
聖子ちゃん歌いま〜す!
(一同)よいしょ〜!あっ待ってください。
聖子ちゃんの前に前座でわーちゃんが歌いま〜す。
森進一で〜す。
(和田)十八番「おふくろさん」。
理沙さんもお母さんとしゃべりたいって言ってる…。
だからなんでお母さんがあの人としゃべらなあかんの?お母さんあの人となんにも関係ないの。
ええからあんたが行ってなさい。
いいから行こうって。
あんたがしゃべってなさい。
(修一)どうしたの?いやいやあっちょっと酔っ払っちゃったみたいで…大丈夫です。
(淳平)大丈夫ですか?
(理沙)どうしたの?ご気分でもお悪いの?いや大丈夫なんですけどもなんか急にこのあたりが気分悪ぅなってムカムカムカムカしてまいりましてね。
(理沙)あら大変。
お水とか…。
あっ結構です。
そういうムカムカムカムカムカムカしてんのやないんでね。
はぁ…。
木谷さんあなたに言いたいことがあるんです。
(修一)はあ。
もうさゆみと会うのやめてもらえませんか?お二人がさゆみのことかわいがってくれてはんのほんまにありがたいなと思っております。
けどこの子の母親は私なんです。
この子に親はふた組いらんのんです。
ねえお母さん…。
(理沙)みどりさん…さゆみさんはほんとにすてきなお嬢さんです。
建築の才能もあります。
何度か図面を見せてもらいましたけどどれもすばらしかった。
感心しました。
さゆみさんをここまで育て上げたみどりさんはほんとに立派です。
(修一)さあそろそろおいとましようか。
なあ。
じゃあそろそろ…。
はいありがとうございます。
すみませんでした。
なんかごめんなさい。
すみませんでした。
さゆみあんた謝ることないねんあんたが。
えらい奥さんすんませんでしたお忙しいのにわざわざお越しくださいまして。
こっち来ときなさい。
(理沙)さゆみさんを私どもの養女にさせていただくわけにはいかないでしょうか?えっ?
(理沙)さゆみさんが娘になってくれたらどんなにうれしいかと…。
(修一)理沙やめなさい。
なあ帰ろう。
(理沙)私どもには子供がおりません。
授かりませんでした。
もし養女がだめなら2年間の留学費用だけでも私どもに援助させていただけないでしょうか?
(修一)理沙!あんた何ふざけたこと言うてんねんな。
お母さん…。
あんた私をただの飲み屋のおばはんや思ってバカにしてるやろ。
私はな今日までこの子を自分の力でここまで育ててきたんや!
(修一)みどりちゃんごめん。
お母さんよして…。
黙っときぃな。
私今ねフランチャイズの会社を立ち上げて社長やってますねん。
そやから娘一人ぐらい留学さすだけのお金はあるんです!お母さん!黙っときぃなあんたは。
もうお願いですから二度とふざけたこと言わんといてくださいよ。
もう一回最後に言うときます。
この子の母親はこの私なんです。
分かったら帰ってください。
もう二度と会わんといてください。
分かったら帰ってぇな。
帰ってぇな!顔も見たないわ。
ううっ…。
今日はありがとう。
さゆみちゃん…。
じゃあ…。
なあわーちゃん私間違うたこと言うてへんよな?
(和田)うん。
(安達)何言ってんの。
父親っつったってささゆみちゃんを産んでだよここまで育てたのはみどりちゃんなんだからさ。
(星野)そのとおりだよ。
向こうに渡してたまるかってんだよ。
なあ?
(安達)ふざけんなっつぅんだよほんとに。
(和田)みどりちゃんがさずっと苦労してここまでさゆみちゃんを育ててきたの見てるしさ。
なっ?
(星野)うん。
だいたいなんだよ金持ちぶってこんなケーキとか持ってきちゃってよ。
(安達)これな高いケーキな。
うまくもなんともねぇんだこれ。
(星野)お前死ぬほど食ってたじゃねぇかよ。
(安達)無理してたんだよこれ。
(和田)たゆまなく食ってたじゃねぇか。
(安達)胸やけしてるっつぅの。
いやそれよりさ俺はねみどりちゃんの作ったさイカの煮付け。
俺ねこれね100倍好きだよ。
(和田)うんうん。
(星野)心配しなくてもささゆみちゃんはお母さんがいちばんなんだからさ。
皆さんほんとにありがとうございます。
(和田)大丈夫だよ。
俺たちは味方だからいつまでも。
・ガラガラ
(和田)ん?
(上川)小野寺みどりさんはおられますか?はい。
私ですけど…。
(柴田)中野東署の柴田です。
(上川)上川です。
あの…何か?金子さんの件でお話をお伺いしたいのですが署までご同行願えますか?なんのお話でしょう?
(修一)ありがとう。
ごめんなさい修一さんみどりさんをあんなに怒らせてしまって…。
それにこのままだとあなたも私もさゆみちゃんに会うことも…。
ちょっと…これ見てくれないか?えっ?どういうことだ?来たぞ!小野寺さん!小野寺さん!小野寺さん!自分のしたこと分かってるんですか?フランチャイズ詐欺いうのはほんとですかね?警察ではどんなことを聞かれたんですか?ちょっと!
(和田)落ち着いて!ごめんなさい。
落ち着いて。
いやいや落ち着いて。
(女性)お金返して!
(男性)あっ小野寺みどりさん!
(男性)小野寺みどりさん!ちょっと!どうなってるのよ!どうなってんのよ!どうなってんのよ!
(和田)だから待って…。
私は何がなんやら分からへんのんです。
どうして分かんないのよ!金子さんは連絡が取れないんで私もいっこも分からへんのです。
(和田)今ね警察でも…警察でもあの男を捜してますから。
・ドンドン…
(戸をたたく音)
(修一)持ち逃げされた?会社の資金を全部?金の管理はどうしていたの?お金のことは金子さんに任せてたから。
フランチャイズのオーナーたちが申し込んだお金…その総額が2000万円ってことか。
金子さん詐欺の常習犯やったみたいでその金子っていう名前も偽名で前にもおんなじような事件起こしたことがあるって。
盗られたのは会社の資金だけ?個人のお金も預けたりしてないだろうね。
会社の登記費用とか最初に掛かる準備資金を立て替えてほしいって言われて…。
渡したのか?えらいことしてしもた…。
(修一)はぁ…。
とにかくすぐに弁護士を手配しよう。
君はだましたんじゃなくてだまされたんだ。
これでもうさゆみの留学があかんようになってしまう。
(修一)僕は君の味方だよ。
修一さん…。
どんなことをしても君とさゆみちゃん守るから。
はぁ…。
・ドンドン…はぁ…。
・お金返しなさいよ!ああ〜。
ただいま。
あっおかえり。
なんやぼう〜っとしてしもてな。
あらまあこんな時間や。
ご飯の用意せないかんな。
そうだよ。
ああ〜もうおなかすいた。
チチチチッボッ…
(ガスコンロをつける音)よっ。
はい。
ねえお母さん。
ん?はいちょっと待ってや。
私…。
はいはい。
あの…私留学やめる。
えっ?いや…こんなときにお母さんを置いてイギリスへなんか行けないよ。
何を言うてんの。
せっかく決まった留学やないの。
ねえお母さん。
ん?これ使って。
ん?あっ…ちょっとだけだけどさ。
ほらもうお金ないんでしょ。
ふっ…そんなん受け取れるかいな。
あんたがちまちまちまちまためたお金なんか屁の突っ張りにもならへんわ。
はよご飯食べましょ。
もうなんでそんないつも強がるわけ?ねえ。
ん?私がさ使ってっつってんだからさっさと使えばいいじゃん。
もう親子なんだからもうさっさと使ってよ。
ねっ。
あんた親バカにすんのもええかげんにしぃや。
心の中で笑てんねやろ?詐欺師なんかにだまされて調子に乗って広告塔になって挙句の果てにすっからかんになってしもてほんまにバカな母親やって。
いや…何言ってんの?お母さん。
いやそんなこと思ってるわけないじゃん。
そうですよ。
私もともとから大バカ者ですよ。
頭悪いし教養ないしおまけに品はないし。
私最低の母親やもう。
あんたほんまは…。
あっちのうちの方がええんやろ?あんた心の中で思ってんのんちゃうの?木谷のうちに生まれてきたかったなぁって。
そ…そんなこと思ってるわけないじゃん!あんた思ってんのんちゃうの?よりによって詐欺にだまされるようなバカな母親となんで私は一緒に暮らさなあかんねやろうなぁって。
ひどいよお母さん。
ねえ…。
ねえなんでそんなこと言うのよ!私がどれだけお母さんのこと心配してるか。
ねえ!どれだけお母さんのこと大好きか!知ってんの!?ほっといてぇな。
ほんまにもうええからお母ちゃんのことほっといてぇなって。
もう今はそっとしといてってもう。
お母さんなさゆみのことがな…。
ガチャン!うっとうしいねん!うぅ…。
うっ…。
行きぃな。
あんたなんかお父さんのとこ行ったらええねん。
行っといではよ!ううっ…。
うっ…うぅ…。
うっ…。
はぁ…。
分かった。
分かった。
出てく。
はぁ…。
お父さんのところに…。
私行くから。
・ガチャバタン
(ドアの音)・ん〜んん〜
(鼻歌)はぁ…。
(修一)それじゃおそらく書類送検だけで?ありがとうございます。
では。
(理沙)なんですって?高梨先生。
(修一)おそらく事実関係が更にはっきりすれば起訴は免れるだろうって。
(修一)金子には詐欺の前科があるしお母さんはオーナーたちを故意にだましたんじゃなくて何も知らないで勧誘し被害にも遭ってる。
十分に不起訴に持っていけるだろうって。
だからさゆみちゃん君は君が決めたとおりイギリスへ行きなさい。
えっ?僕は君の父親だ。
今まで何もしてやれなかったんだ。
せめてそれぐらいのことはさせてほしい。
・ようこそここへクッククック・わたしの青い鳥・恋をした…お母さん…。
・
(安達)おおいたいた。
・
(星野)ほらいたいたいた!和田さん!和田さんこれ見た?見た?見た?見た見た。
(安達)ようやく捕まったよ。
(星野)これでみどりちゃんも助かったよね。
(和田)みどりちゃんいねぇんだよ。
(星野)えっ?
(和田)みどりちゃん。
(安達)何?これ。
(和田)こんなの初めてだよ。
(理沙)いいの?見送りに行かなくて。
はい。
(修一)お母さんとは会っていかないのかい?はい。
(修一)それじゃ体に気をつけて。
(理沙)きっと遊びに行くわ。
はい。
いってきます。
(理沙)いってらっしゃい。
ガチャ
(和田)みどりちゃん…。
あれ?おいもぬけの殻だよ。
(理沙)ふふっ何緊張してるの?
(修一)落ち着かないね。
(理沙)ドキドキする。
よろしいでしょうか?・はい。
はい失礼いたしま〜す。
(理沙)あっ…すてきよ。
あっやっぱりこれに決めましょ。
はい。
(理沙)ねえ。
(修一)ああ。
いいねぇなかなか。
(淳平)すみません遅くなって仕事なかなか抜けられなくて。
(理沙)ううん。
ねえきれいでしょう?はい…。
(理沙)お母さんに見せてあげたいわね。
(修一)うん。
若山君なんやねんなその腰つきは。
汚れ落ちるかいなそんなもん。
もうええわ。
向こう行け。
(若山)えっ?向こう。
ええから向こう行って。
ええから。
(若山)人使い荒いっすよ。
偉そうに口ばっかり…。
やっと見つけたヒョウ柄のバンダナ。
(和田)うんごちそうさま。
へえ〜ほな決まったんや結婚。
(和田)うん。
淳平君と?
(和田)そうだよ。
すごいよね愛を貫いたよあの草食系。
そう。
そうなんや。
はい。
何?見れば分かるでしょ招待状。
私に?そう。
ずっと捜してたんだよ修一さんみどりちゃんのこと。
どうしても結婚式には出てほしいからって。
僕んとこまで来て心当たりないかって。
いろいろ思いはあると思うけど行ってあげなよ。
さゆみちゃんだって来てほしいに決まってるさ。
それであの子元気にやってんの?
(和田)うん。
すごくいい成績で学校を卒業してそれで今はほらあんとき落ちた建築事務所でバリバリ働いてるよ。
そう。
ええことずくめやな。
うん。
よかった。
ほんまによかった。
私感謝せなあかんな修一さんと理沙さんに。
留学させてもうて嫁にまで出してもうて…。
ありがとう。
もうそれ聞かせてもうただけで十分や。
えっ?みどりちゃん…。
ははっあんた行けるわけないやないの。
第一着ていく服があらへん。
ふっ。
(和田)えっ?そうやわーちゃん私と会うたこと絶対誰にも言うたらあかんで。
えっ?また指切り?針二千本やで。
(和田)痛い痛い痛い…。
赤くなってる。
(神父)ただいまよりご新婦様とお父様が入場いたします。
皆様どうぞご起立ください。
(場内BGMローエングリン「結婚行進曲」)
(場内BGM)
(神父)それでは結婚指輪の交換をいたします。
ご新郎様からご新婦様ヘ。
(場内BGM)あぁ…。
(神父)ご新婦様からご新郎様ヘ。
(場内BGM)あっ…。
(神父)Congratulationstoyouboth.ベール開いてウエディングキスしてください。
(場内BGM)ああ〜ふふふっ。
パチパチパチ…
(拍手)
(神父)温かい拍手で祝福しましょう。
(拍手)さゆみねえちゃん格好いい!ふふふっ。
おめでとう!わあ〜!ふふふっ。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
(淳平)ありがとうございます。
わあ〜ありがとうございます。
(淳平)あっお義父さんお義母さんさゆみちゃんと三人で写真撮りましょう。
ぜひこっちへせっかくなんで。
(理沙)ありがとう。
私真ん中。
(淳平)お願いします。
お父さんこっち…。
(淳平)三人のショットを撮ってほしい。
(理沙)ありがとうありがとう。
うわ〜。
うれしい〜。
(淳平)こっちからもお願いします。
(理沙)ありがとうございます。
さゆみちゃんきれいよ〜。
うわ〜うれしい。
ふふふっ。
(理沙)ありがとうございま〜す。
さゆみちゃんおめでとう!
(理沙)ありがとうございます。
(淳平)真ん中もお願いします。
さゆみちゃんおめでとう!
(理沙)ありがとうございま〜す。
ふふふっ。
(拍手)わ〜いありがとうございま〜す。
ふふふっ。
ああ〜!ううっ…。
うれしい!ううっ…うう〜…。
うう〜!うう〜…。
うぅ…。
みどりちゃん…。
ああ〜ありがとう。
(淳平)ありがとうございます。
あっいきま〜す。
いくよ。
はいチーズ!
(司会者)ええ〜皆様宴もたけなわではございますがここで最後に新郎新婦ご両親様へこれまでの感謝を込めての花束贈呈へと移らせていただきたいと思います。
(和田)すみませんちょっと待ってください。
もう一人お祝いを言っていただきたい方がいるんです。
どうか少しだけお時間を頂けないでしょうか?
(一同どよめき)お母さん…。
ああ…。
(和田)みどりちゃん…。
はい。
ありがとうございます。
(和田)さあさあさあ…。
あっすんません。
(和田)早く早く。
はい。
あっ。
(和田)みどりちゃん頑張れ!んん…。
・ようこそここへクッククック・わたしの青い鳥・恋をしたお母さん…。
・心にとまります・そよ風吹いてクッククック・便りがとどけられ・誰よりもしあわせ・感じます・どうぞ行かないで・このままずっと・わたしのこの胸で・しあわせ歌っていてね・クッククッククッククック・青い鳥
(さゆみ・みどり)・ようこそここへクッククック
(2人)・わたしの青い鳥パンパン…
(手拍子)
(2人)・夢のような心に
(2人)・誘います
(みどり・さゆみ)・くちづけされたクッククック
(みどり・さゆみ)・木の実のなる下は
(2人)・天国の花園の
(2人)・香りです
(2人)・どうぞとばないでこのてのひらで
(2人)・幸せ抱きしめて
(2人)・わたしを見つめていてね
(2人)・クッククッククッククック
(2人)・青い鳥
(拍手)ごちそうさまでした。
(和田)いらっしゃ〜い。
いらっしゃいませ〜。
(星野)4名様。
よろしくどうぞ。
ちょっとお待ちください。
すみません。
オープン記念なんですよ。
はいどうぞ。
ありがとうございます。
またお越しくださいませ。
また来ます。
(和田)焦げちゃう焦げちゃう…。
はいはいはいはい。
(和田)焦げちゃう。
よいしょ。
皆さ〜ん!本日オープン記念で焼き鳥食べ物飲み物みんな半額でございます〜!いやいやいやいや焼き鳥うまいがな。
かみさん大喜びや。
あははは〜!
(客)あのね誕生日いつ?2月30日なんです。
俺とおんなじや。
えっ?ははは〜!
(客)こんばんは〜。
いらっしゃいませ〜。
(安達・星野)ヒョウ柄…。
今日全部半額なの?そうなんです全品半額なんです。
(客)あっほんとに?どうぞカウンターの方に。
どうぞどうぞ。
ようお越しくださいました。
ほんまに今日はねオープン記念でお客さん全品半額なんです。
どうぞ〜。
どうもありがとう。
あの…何しはりますか?えっとね…焼き鳥20本!20本。
それからポテトサラダの大盛りを1個と…。
(安達)あれ一人で食えんのかね?
(和田)軽く食うよ有名なんだから。
(客)何?何やってんの?お客さんヒョウ柄ですか?ヒョウ柄。
見てください。
ちょっとこれ私もヒョウ柄なんです。
ほんとだ。
ヒョウ柄は縁起がええんですよ。
へえ〜。
ヒョウ柄はね幸せになれるんです。
へえ〜。
せやからお客さん私ね今最高に幸せなんです。
2016/01/10(日) 21:00〜22:48
MBS毎日放送
新春ドラマ特別企画「最高のオヤコ」[解][字]
喜劇の女王・藤山直美×仲里依紗!★母娘の最高の愛情物語★オヤコの絆は、1日にしてならず!笑って泣いて…圧巻!!奇跡のラストシーンへ!下町の感動物語を贈ります!
詳細情報
番組内容
シングルマザーとして明るく力強く生きてきた母・みどり(藤山直美)と自慢の娘・さゆみ(仲里依紗)。双方勝気な母娘はケンカもするが心は深い愛情で結ばれているーー。
昼はおにぎり屋台、夜は下町の居酒屋、と娘のためにせっせと働くみどり(藤山)だったが、さゆみ(仲)が将来を考え始めたその頃、22年前にみどりの方から身をひいた男・修一(榎木孝明)とその妻・理沙(賀来千香子)が現れ、母娘の関係にも変化が訪れる…。
出演者
藤山直美
仲里依紗
賀来千香子(特別出演)
榎木孝明
六平直政 市川知宏 小倉久寛 菅原大吉 大谷亮介 水田航生
ほかサプライズゲスト!
音楽
【メインテーマ】
lecca「ねがい」(cutting edge)
スタッフ
【脚本】吉田紀子
【プロデューサー】志村彰 関川友理
【演出・プロデュース】竹園元
公式HP
【番組HP】
http://www.mbs.jp/saiko-oyako/
制作
【制作】The icon
【製作著作】MBS
お知らせ
【解説放送あり】
おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 音声解説
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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