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書店5人失踪 深まる謎 中国政府は黙殺、捜査進まず

産経新聞 1月15日(金)7時55分配信
 【北京=矢板明夫】香港で中国政府に批判的な書籍を出版、販売する書店「銅鑼湾書店」の株主で作家の李波氏ら5人の関係者が昨年10月から12月にかけて相次いで失踪した事件で、香港の警察は本格的な捜査に乗り出しているが、14日までに進展はほとんどなかったもよう。状況証拠から中国の治安当局に拘束されたとの見方が有力だが、中国政府は黙殺したままだ。香港市民の間で、中国に対する不満が高まっている。

 香港の梁振英行政長官は13日夜に出演したテレビ番組で、失踪事件について「警察が捜査している段階なのでコメントを差し控えたい」と述べるにとどまった。

 この件を取材している香港メディア関係者は、「香港市民は真相の解明と5人の早期釈放を強く求めているのに対し、中国当局は市民の反発を早く抑えてほしいと圧力をかけている。梁長官は今、板挟みの状態だ」と話している。

 香港の民主派団体は10日、「言論の自由を守ろう」と呼びかけ、6千人規模の抗議デモを主催した。今月中にさらなる大規模なデモを計画。事件が長期化すれば、2014年9月から12月にかけて香港中心部で行われた道路占拠(雨傘運動)が再来する可能性もある。

 中国当局も火消しに動き出している。1月になってから、拘束しているとみられる書店関係者の香港の家族らに「調査に協力しているだけだ。騒がないでほしい」などと電話やファクシミリで連絡させた。

 また今月上旬、親中派立法会(議会)議員が「未確認情報」として「5人は中国本土で買春したため治安当局に拘束された」と議会で発言した。通常の刑事事件として拘束され言論弾圧と関係ないことを示そうとしたが、「仲間が次々と拘束されている中、パスポートを家に置き密入国して買春する人はいるはずがない」などと民主派や知識人らが猛反発している。

 失踪した5人のうち、1人は英国国籍、1人はスウェーデン国籍を所有していることも判明した。5日に訪中したハモンド英外相が中国政府に対し、情報提供を求めるなど事態は外交問題に発展しつつある。
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最終更新:1月15日(金)8時21分
産経新聞
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