今年1月5日マグロの初競り。
最高値は1本1400万円。
200キロの本マグロだ。
このマグロが獲れたのは…。
厳寒の津軽海峡で男たちは命をかける!狙うは海のダイヤモンド日本近海で獲れる本マグロは2つの暖流に乗って北上。
寒さが厳しさを増す冬津軽海峡へとやってきたマグロは荒海にもまれ極上の脂を身に纏う。
大間ではマグロの値段が跳ね上がる11月からが本格シーズン。
そんな大間の海に私たちが14年にわたり追い続ける漁師がいる。
かつて3年もマグロが釣れなかった悲運の漁師この冬息子の剛史さんがついに漁師になった!しかし…。
過酷な現実に直面する!そして父は…。
親父としてマグロ漁師の意地を見せる!荒れ狂う大間の海。
ここにも厳しい北の漁場に己の人生をかけた男がいる。
漁師歴は20年に及ぶが一本釣りは始めてまだ2年。
実はこの船もローンを組んで買ったばかり。
子供を育てるためにどうしてもマグロを釣って稼がなければならない。
良彦さん自身もマグロ漁師の父に育てられた。
その父とは…。
いつも妻の形見のスカーフを纏いマグロと闘った元気いいな。
チクショウ。
良吉さんもまた私たちが14年追い続けた一本釣り漁師だ。
大間の海でマグロを仕留めて子供たちを育ててきた。
良吉さんといえばモリ打ちの名人。
マグロの魚影が見えればもう獲ったも同然。
素早い身のこなしでとどめを刺す!迷いなく打ち込むモリは常に一撃でマグロの急所を射抜いていた。
だが良吉さんは4年前病に倒れ船を降りた。
その良吉さんの漁師魂は今息子の良彦さんが受け継いでいる。
良彦さんが使っているエサはマグロが一年を通して好むといわれるイカ。
船を操りながらマグロを探す。
海中のマグロを探す武器はソナーとは海中にいる魚を音波を利用して広範囲で探し出す装置だ。
時速100キロ近いスピードで泳ぐといわれるマグロだがソナーを使って位置をつかめば群れの先に回り込む事が出来る。
ソナーでマグロを探しながら船を走らせる。
すると…。
船の後方にマグロの反応が現れた。
良彦さんが動く。
生きたイカを1匹すくい上げ針をかけて海に流す。
マグロの群れに対し絶好のポジションにいる。
さあこい!しかし手応えがない。
良彦さんがエサを回収し始める。
その時だった。
一体どうしたのか?もしやマグロが…。
糸が一気に持っていかれる!なんとエサの回収中にマグロが食いついた!良彦さんとマグロの格闘が始まる。
頃合いを見て闘いの場を船の中央へと移す。
ずっしりとしたマグロの重みを手に感じる。
船を巧みに操りながら糸を手繰る。
親父が得意だったとどめのモリを用意する。
良彦さん懸命に糸を引くが…。
一転今度は糸を持っていかれる。
一進一退の攻防。
手応えからかなりの大物のようだ。
かつて親父がマグロと格闘した大間の海で…。
今息子がマグロに賭けている。
なんとか堪える。
マグロも必死なのだ。
糸を切られないように慎重に引く。
子供のためにも自分のためにもそして病に倒れた親父のためにも逃がすわけにはいかない。
マグロも抵抗するが一瞬糸が緩んだ!一気に手繰り寄せる!食いついたのは一体どんなやつなのか?渾身の力を込めてマグロを引き寄せる。
懸命に糸を手繰ると勝負の大きな分かれ目25メートルの繋ぎ目がきた。
だがまた持っていかれる。
相手の力は一向に弱まらない。
慎重に慎重に糸を手繰り寄せる。
再びマグロまで25メートルの繋ぎ目がきた。
ここで良彦さんはある道具を用意する。
この電気ショッカー金具を糸に通してマグロに向かって落とす。
スイッチを入れると電気が走りマグロを一時的に失神させる事が出来る。
電気ショッカー投入!金具がマグロに向かって落ちていく。
めいっぱいコードを伸ばす。
そして…。
スイッチを入れた。
(電気ショッカーの作動音)ベルの音が電気が流れている合図だ。
コードを足で踏む。
マグロに金具が届いたようだ。
マグロはまだ見えない。
糸はずしりと重い。
一気に手繰り寄せる。
すると…。
魚影が見えた。
良彦さんとどめのモリを打つ!親父譲りの見事な腕。
一撃でマグロの急所に突き立てた。
それはかつて親父が見せた一撃必殺の姿と重なる。
良彦さんカギをマグロのエラから入れて口へと通す。
勝負あった!ウインチで引き揚げると巨大なマグロが姿を現した。
ついにマグロを仕留めた。
安堵の笑顔がこぼれる。
親父も褒めてくれるに違いない。
照れ屋の息子はこんな事を。
そんな息子が荒海で釣り上げたマグロの大きさは…。
74キロだった。
大間の夜の盛り場。
カラオケを楽しむ若者がいる。
ともすればホストにも見える。
このマグロ漁師を覚えているだろうか?昼間は荒海に船を出す。
大間一本釣り漁師として独り立ちし3年目のシーズンを迎えた。
だが大間ではまだまだ新米。
ひよっこだ。
マグロ漁は需要の高まる正月に向け争奪戦が激しさを増す。
ベテラン揃いの船団に交じり健志さんも果敢にマグロを追う。
隣の先輩漁師がエサを入れた。
…とそれを見て健志さんはいけすへ。
イカを船のへりに引っかけておいた針にかけ海に投げ入れた。
アタリはくるか?すると投げ入れたイカの近くでマグロが跳ねた。
しかし…。
昨シーズン。
私たちは健志さんの快進撃を目の当たりにした。
なんと1日に4本も釣り上げる離れ業をやってのけたのだ。
さらに大物も。
145キロの巨大マグロを仕留めてみせた。
だが今シーズンは…。
ため息の日々が続いていた。
健志さんは10月から丸1カ月間マグロを獲っていない。
今シーズンあるプレッシャーから大スランプに陥っていた。
それは…。
なんと健志さんは結婚していた。
お相手の瑠奈さんは10歳年下の19歳。
8月に入籍はしたものの結婚式や同居はこれからだという。
左手の指輪は安物のイミテーション。
マグロシーズンが終わったら新妻をみんなにお披露目したい。
そのために100キロ以上の大物をバンバン釣り上げ結婚式や新婚生活の資金を稼ぎたかった。
そんな思いが天に通じたのか…。
健志さんとマグロの闘いが始まった。
一方悲運の漁師山本さん。
その息子がこの冬漁師になった。
2人は過酷な現実に直面する。
結婚資金のプレッシャーを感じながらマグロに賭ける泉健志さん。
この日漁を進めていると健志さんの船はいつの間にか先輩漁師たちに囲まれていた。
周りでは先輩たちが一斉にエサを投げ入れている。
だが健志さんに動きはない。
一体どうしたのか?ついには自ら戦線離脱。
どうやっても。
怖いもの知らずだった昨シーズンとは違い先輩たちのプレッシャーそして結婚資金のプレッシャーに押し潰されそうになっていた。
焦れば焦るほどマグロは獲れない。
なんとかスランプ脱出の糸口が欲しい。
そこでこの日健志さんは漁に出る前缶コーヒーを持って先輩たちのもとへ。
とにかく針を投げ入れろ。
先輩の言葉を胸にいざ出陣。
1人で一本釣りをする漁師としては大間最年少の健志さん。
この日も周りには先輩たちの船がいる。
ソナーにマグロの反応が現れた。
船の真後ろにいる。
その時…。
隣の先輩が合図をくれた。
健志さんすかさずいけすへ。
撒き餌のイカを投げ入れ続いて針をかけたイカを入れた。
エサをマグロのいる船の後方へと送り出す。
果たして…。
反応はない。
諦めて針の回収を始めた。
先輩たちの船も回収していた。
とその時…。
ついにマグロが食らいついた。
糸を引くと同時に船を急発進させマグロの口に針を食い込ませる。
1カ月ぶりのこの感触。
巻き上げ機のスイッチを入れ糸を引き始める。
巻き上げ機がある船の中央へ場所を移しまた糸を引く。
先輩がくれたチャンス!逃したくはない。
ピンクの糸との繋ぎ目はマグロまで125メートルの印。
それにしてもこのマグロかなり引きが強い。
大物の手応え。
透明なてぐすとの繋ぎ目が見えた。
少しずつだが近づいている。
1カ月ぶりのマグロはどんな顔をしているのか?すると…。
なんとあと一歩のところでマグロをバラしてしまった。
どれぐらいの手応えだったのか?マグロと一緒に結婚資金も消えた。
現在健志さんは実家で親と暮らしている。
16歳で漁師となった健志さんに漁のイロハを教えてくれたのはマグロ漁師だった父千里さん。
今は健志さんに船を譲り引退している。
父が釣った巨大マグロを初めて見たのは健志さんが小学校4年生の時。
以来父は憧れの存在となった。
大間の海の男。
腕一本で妻と子供を養ってきた。
今はまだ離れて暮らす新妻のためにもとにかく1本マグロを獲りたい。
連日沖に出る健志さん。
ソナーにマグロの反応が出た。
数本だけのわずかな反応だったが…。
健志さん思い切っていけすに走った。
1匹のイカで勝負をかける!すると…。
マグロが食った!逃げるマグロの口に針を食い込ます。
その直後絡まった糸が海に持っていかれた。
構わず糸を引き始める。
船の向きを変え巻き上げ機の前で糸が引けるようにする。
すると絡まった糸が海中から出てきた。
このままでは巻き上げ機が使えない。
絡まった糸をほどく。
しかしなかなかほどけない。
早くしないとまたマグロをバラしてしまう。
健志さんこのチャンスをものに出来るのか!?マグロが食った勢いで糸が絡んだ。
早くほどかないとマグロをバラしてしまう。
巻き上げ機も使えない。
手間取っている間にマグロが後方に逃げていった。
糸はまだほどけない。
ようやく糸がほどけた。
これで巻き上げ機が使える。
透明なてぐすとの繋ぎ目がきた。
ここから75メートル先にマグロがいる。
形勢は一気に逆転した。
巻き取るペースを上げてどんどん引いていく!アクシデントにも落ち着いて対処した健志さん。
てぐすのもう1カ所の繋ぎ目が現れた。
勝負の大きな分かれ目。
マグロまで25メートルの目印だ。
25メートルの距離まで引くと電気ショッカーが使える。
投入!スイッチオン!
(電気ショッカーの作動音)魚影が見えてきた。
(電気ショッカーの作動音)カギをかけて船内に引き揚げる。
1カ月ぶりにマグロをあげた!ハハハハ…。
その大きさは19キロ。
本音を言えば物足りない。
これでは結婚資金どころか燃料代の足しにしかならない。
1カ月ぶりにマグロを釣り上げた翌日。
健志さんはいつものように先輩たちにあいさつをして漁をスタートさせた。
まもなくして…。
船の後ろにマグロの反応が出た。
大きな群れだ。
これはビッグチャンス!タイミングさえ合えば食らいつくはず!2日連続となるか?すると隣の先輩の船から黒煙が上がった。
マグロが食ったのは隣の船のイカだった。
惜しい!タイミングは合ってきた。
次のチャンスを狙う!船団が全速力でマグロの群れを追いかける。
健志さんも負けてはいない。
ソナーにはまたマグロの反応が出ている。
それを確認した健志さんイカのいけすへ。
今度はどうだ?2日連続でヒット!1年前のツキが戻ってきたか?糸を引き船を急発進させてマグロの口に針を食い込ませる。
引く糸がピンクに変わり手応えは昨日のマグロの比ではない!着実に糸を手繰っていく。
75メートルの繋ぎ目がきた!だがマグロも必死に抵抗してくる。
いつもより早めに電気ショッカーを準備した。
マグロの引きが強くなる。
ここで無理は出来ない。
だがマグロが逃げる!じわじわと糸を引いていくと…。
ついに25メートルの印が見えた。
その瞬間!電気ショッカー投入!スイッチオン!
(電気ショッカーの作動音)電気ショッカーよ効いてくれ!果たしてマグロは!?泉健志さんは食らいついたマグロに向かって電気ショッカーを投入した。
電気ショッカーが届いた。
コードを足で踏む。
一気に引き揚げる。
(電気ショッカーの作動音)魚影が見えた。
電気を浴び失神しているようだ。
(電気ショッカーの作動音)スイッチを切った。
カギを食い込ませこれで万全と思いきやなんとマグロが暴れ出した。
もう一度電気を流す。
(電気ショッカーの作動音)するとマグロは動かなくなった。
この大きさになるとウインチを使わないと引き揚げられない。
仕留めたマグロが姿を現した。
丸々と太った上物。
2日続けてマグロを獲った。
昨日の3倍以上。
74キロのマグロだった。
大漁となったこの日の夜。
港に戻るとすぐに電話をかけた。
相手は妻の瑠奈さん。
今はここから車で4時間ほど離れた実家で暮らしている。
うん。
フフフ…。
妻はおめでとうと言ってくれた。
とりあえず。
うん。
もっと稼いで胸を張って妻を迎えに行きたい。
大間はこれからが冬本番。
時化で船が出せない日が多くなる。
だがマグロの水揚げが少なければ値段も跳ね上がる。
海のダイヤモンドがさらに輝きを増す。
愛する妻との結婚資金マグロで稼いでこそ大間の男!『北の漁場』「いのち温めて酔いながら」「酒をまわし飲む」「明日の稼ぎを夢に見て」「腹に晒し巻く」「海の男にゃヨ凍る波しぶき」「北の漁場はヨ男の仕事場サ」この日大間沖は珍しく静かだった。
出港から1時間。
健志さんマグロの反応が出るやいなやいけすへと走った。
撒き餌に続いて針をかけたイカを投入。
無駄のない動き。
船団はまばらでライバルは少ない。
すると…。
アタリがきた!マグロとの格闘が始まる。
マグロが逃げていく。
そして止まった。
ここから健志さんが糸を引き始める。
この冬一番の手応え!格闘の場を巻き上げ機がある船の中央へ移す。
今度はマグロが反撃!125メートルの印が持っていかれた。
踏ん張ってまた糸を引き戻す。
抵抗が少し弱まる。
その隙にぐいぐいと糸を手繰り寄せる。
再び125メートルまで引き戻した。
さらに糸を引きマグロとの距離を詰めていく。
透明なてぐすとの繋ぎ目が見えた。
あと75メートル。
ここからが正念場!送り出したり引いたり…。
マグロの動きを感じながら糸を手繰る。
普通ならここで電気ショッカーを入れるタイミングだ。
どうした?泉健志さんがマグロと格闘していた。
あと25メートルの繋ぎ目。
普段ならここで電気ショッカーを入れるタイミングだ。
しかしマグロは海面近くまで浮上している。
この角度では電気ショッカーが途中で止まってしまいマグロまで届かない。
すると今度は全力で逃げ始めた。
なんというやつだ。
一気に100メートル糸を持っていかれた。
ここからまた仕切り直し。
長期戦を覚悟する。
3度目の125メートル。
マグロとの根比べが続く。
さらに手繰り寄せていく。
ついに25メートルの繋ぎ目が見えた。
ここで電気ショッカーを入れたい。
…が健志さんの動きが止まった。
マグロが船の底に逃げようとしている。
一体どんなやつが海の中で暴れているのか。
今度はマグロが船の後ろへと逃げ始めた。
相手も必死に抵抗している。
だがここで獲物を逃がすわけにはいかない。
堪える。
波が次第に高くなってきた。
油断すれば体ごと海に持っていかれる。
まさに命をかけた闘いだ。
電気ショッカーが届く距離にいる。
電気ショッカーを投入しようとした時…!マグロは危険を察したかのように船の底深くへ再び潜り込もうとする。
それを渾身の力で持ちこたえる。
船体に糸がこすれて切れる事もある。
そしてタイミングを計り電気ショッカー投入!スイッチ…オン!
(電気ショッカーの作動音)コードが届けばいいが…。
踏んだ!電気ショッカーが届いた。
マグロの重みを感じながら引き揚げていく。
魚影が見えてきた!カギをがっちりかけて…勝った!勝負はついた!肉づきがよく丸々と太っている。
極上の大トロをその腹にまとっているに違いない!マグロを船内に慎重に下ろしていく。
この冬一番の大きさだ!マグロをクーラーボックスにしまおうとしたが…。
急遽港に戻り水揚げする事に。
果たしてこのマグロ何キロあるのか?100キロには届かなかったが堂々たる大マグロだった。
だが結婚資金にはまだ足りない。
今度こそ100キロ超えだ!健志さん再び荒海に船を出した!その大間の海に私たちが14年にわたって追い続けているマグロ一本釣り漁師がいる。
本格シーズンに入ってまだマグロを1本も釣り上げていない。
なんとか1本獲りたいと燃えていた。
山本さんは自分の目とソナーでマグロを探し続ける。
すると…。
船の真後ろにマグロの反応が。
チャンスだ。
針を持っていけすに走った。
活きイカに針をかけ撒き餌と一緒に海に投げ入れる。
マグロの動きに合わせて船の速度を落とす。
エサに食いつくか?あとは運を天に任せて待つ。
その時…!山本さんにこの冬初のアタリがきた!糸を引きマグロの口にがっちりと針をかける。
いよいよ山本さんとマグロの格闘が始まる。
巻き上げ機のスイッチを入れる。
すると…。
(巻き上げ機の作動音)年季の入った巻き上げ機がうなりを上げる!まずは足場を整える。
巻き上げ機の力も借りてマグロをぐんぐん引き寄せる。
そしてマグロの抵抗に合わせて糸を繰り出したら再び引く。
マグロとの駆け引きだ。
懸命に糸を引く。
本格シーズン初のマグロは一体どんな奴なのか。
マグロまで25メートルの目印だ。
確実に近づいている。
獲物は近い。
すると…海の中に光るマグロの魚影が見えてきた。
慎重に糸をたぐり寄せる。
マグロはもうすぐそこだ!きた!タモ入れ失敗!だが…まだマグロは繋がっている。
逃がすわけにはいかない!姿がはっきりと見える。
その時。
アハハハ…。
山本さんがタモ網を手に取った一瞬の隙にマグロは身をよじって針を外した。
本格シーズン初のマグロが海に消えた。
この日2度目のアタリはこなかった。
山本さんは妻と離婚。
男手一つで2人の子供を育ててきた。
かつての住まいは家賃3000円の町営住宅。
母親代わりを務めながらマグロ漁に出ていたが…。
3年もマグロが釣れなかった。
しかしついに3年ぶりの大物を釣り上げた。
そのマグロは山本さんを引きずるほどの怪力だった!息子たちを育てた町営住宅は4年前に取り壊され今はなくなっている。
現在山本さんが暮らしているのは生まれ育った実家。
だがそこにいつも支えてくれていた父と母の姿はない。
4年前に母が他界。
そのひと月後あとを追うように父も亡くなった。
以来山本さんが実家を守っている。
息子と2人で暮らしているが晩ご飯はほとんど1人で食べている。
一緒に住んでいるのは大間の港でアルバイトに励む大間で1年中獲れるサメ。
そのサメ漁で使った仕掛けの片付けや次の漁の準備が浩貴さんの仕事。
アルバイトとはいえ作業は夜遅くまで続く。
以前は兄の剛史さんもここで働いていたが今はいない。
夜の津軽海峡でマグロ漁をする大型船。
そこに1人の新米漁師がいる。
山本さんの子供の頃からマグロ漁師に憧れ続けてきた剛史さん。
今シーズン念願叶いついに漁師になった。
しかし…。
思い描いた夢と過酷な現実のギャップ。
漁師の世界は半端じゃあなかった。
待っていたのは…地獄。
剛史さんは試練の中にいた。
大間沖では日が落ちると一本釣りに代わりマグロはえ縄漁が始まる。
漁の仕方は一本釣りと全く違う。
まず電波発信装置を付けたブイを投入。
ブイと繋がる1本の縄に針とイカがついた糸を次々と仕掛けていく。
仕掛けを流し終えたら最後のブイを投入しマグロがかかるのを待つ。
うまくマグロの群れが通れば一度に何本も獲れる可能性がある。
剛史さんの役割は針にエサのイカをかけていく作業。
剛史さんが付けたエサのイカを先輩が海に投げ入れ縄に仕掛ける。
仕掛けの数はおよそ100本。
剛史さん懸命に作業を続けるが…。
声をかけたのは早く仕掛けを投げ終えなければ狙ったポイントから外れてしまう。
40分かけて100匹のイカを針に付けて流し終えた。
休む間もなくすぐに縄の先頭に向かい回収を始める。
マグロはかかっているのか?巻き上げ機で縄を巻き取っていく。
マグロがかかっていない糸は船頭が縄から取り外し乗組員に手渡す。
この船は船頭1人乗組員2人の3人体制。
マグロがかかっていない糸を一本一本整理するのは乗組員の仕事。
糸をまとめるのは意外と難しい。
剛史さんなかなかうまくいかない。
先輩乗組員は漁師になって4年目。
スピードが速い上に正確だ。
剛史さんはなんとかうまくまとめようと手元に集中する。
すると船べりで動きが…。
マグロが食った!しかし…。
剛史さんまだ糸がまとまらない。
先輩たちはすでにマグロと格闘している。
電気ショッカー投入!ようやく糸をまとめ終えた。
先輩がスイッチオン。
剛史さんやっと合流。
すると…。
マグロがいる。
焦る。
カギをかけろと言われたが実は剛史さんマグロを引き揚げるのはこれが初めて。
必死で引き揚げようとするが…。
マグロを船べりにこすりつけてしまった。
これは御法度!傷がつけばマグロの商品価値は下がってしまう。
それでも剛史さんついに念願のマグロを自分の手で引き揚げた。
夢にまで見たマグロ。
だが…。
まだ仕事は終わっていない。
100本ある仕掛けを次々と回収しなくてはならない。
マグロが釣れた事を喜ぶゆとりなどない。
さらに…。
またマグロがかかっている。
はえ縄漁では獲物は一本とは限らないのだ。
そしてまた来た。
マグロを引き揚げる時には魚体を傷つけないようにする。
大間の漁師なら誰もが知る常識だ。
剛史さん今までそんな事さえ知らなかった。
マグロはただ獲ればいいわけではない。
漁師の扱い方一つでその価値が左右される。
次々と引き揚げられるマグロ。
このポイントに仕掛けを流した船頭の読みが見事的中!さすがだ。
漁を終えてみると…。
釣り上げたマグロは7本合計265キロの大漁だった。
だが剛史さんの表情は険しい。
自分は役に立っているのか漁師としてやっていけるのか…。
すでに気持ちが揺らいでいた。
剛史さんは幼い頃から父に憧れマグロ漁師になる事を夢見てきた。
しかし高校を卒業後は東京の運送会社に就職。
その後結婚し仕事を転々としていたが昨シーズン30歳を前に一念発起した。
抱き続けた漁師への思いを初めて父に打ち明けた。
父には反対された。
それでも船に乗せてもらい2人でマグロ漁へ。
すると…。
剛史さんに人生初のマグロのアタリがきた。
父が代わってマグロを引き揚げる。
しかし…。
それは昨シーズンのマグロ漁最終日の事。
マグロの手応えに夢が膨らんでいた。
しかし今シーズン憧れていた漁師になりマグロ漁の厳しい現実を身をもって知った。
しかも30歳にして初めて覚える事ばかり。
実は剛史さんに今の船をすすめたのは父だった。
親子船でマグロ漁をするわけにはいかなかった。
親子船で一本釣りをしても息子家族の分まで稼げるあてはなかった。
剛史さんが働く船の名は泉宝丸。
を持つ大間一厳しいといわれる船だ。
操縦席に陣取るのは風速30メートルの荒海でマグロを獲ってきた事もある。
海が時化ても休まないと決めている。
泉さんマグロを獲るためならどんな苦労もいとわない。
大間ではえ縄漁が出来るのは夜。
日没から夜明けまでだ。
しかし泉さんは夜の漁に備えて昼間から船を出す。
潮の流れや風を読みマグロの動きを予測するためだ。
出来る努力は怠らない。
だから泉宝丸は一日のほとんどを海で過ごす。
それが大間一厳しい船といわれるゆえんだ。
全てはマグロの動き次第。
剛史さんもいつ家に帰れるかわからない。
食事をするのも船の上。
時間のある時に済ませておく。
この日のメニューはレトルトハンバーグのぶっかけご飯と焼き鮭。
畳2帖ほどの仮眠室でかき込んで闘いの時を待つ。
船頭の泉さんが動いたのは夜明け前だった。
気になるポイントを見つけた。
はえ縄漁が始まった!泉さんは舵を取りながらモニターで乗組員の安全を確認する。
剛史さんは深呼吸。
はえ縄漁は夜明けまでに仕掛けを投げ終えるのがルール。
この日の針は160本。
まもなく夜が明ける。
急がなければ…!次々とイカに針をかけていく。
だがスムーズとは言い難い…。
なんとか仕掛けを入れ終えた。
すぐにはえ縄の先頭へ向かい回収に入る。
ライバルたちはすでにはえ縄の回収を進めていた。
果たしてマグロはかかっているのか?縄の巻き上げが始まった。
剛史さんはマグロがかかっていない糸を次々とまとめていく。
すると…。
マグロが食っていた。
しかし様子がおかしい…。
何本もの糸が激しく絡まり合っている。
一体どうしたのか?マグロがかかった糸が隣の船のはえ縄と絡んでしまった。
糸が絡んだままでは巻き上げ機が使えない。
剛史さん船頭の指示を待つ。
タコとは巻き上げ機のリールの事。
巻き上げ機のリールを交換しろと言う。
マグロが食っている。
一刻を争う!絡んだ糸からマグロがかかった糸だけを残す。
そして交換した新たなリールにつけ直す。
こうしてマグロを引き揚げるというのだ。
剛史さん突発的な事態に焦る。
リール交換に手間取った。
果たしてマグロは…。
マグロはいる!剛史さん言われる前に電気ショッカーを準備した。
電気ショッカー投入!次の準備だ。
マグロにかけるカギを用意する。
電気ショッカーのスイッチを切るために待機。
でもカギを持って船頭のそばにいた方がいいのか迷う剛史さん。
魚影が見えた。
ああ…確かにでかい!やっぱりこっちで待機しとくべきだった。
剛史さんがスイッチを切った瞬間モリがマグロに命中。
そうだ。
次はウインチだった。
状況に合わせて次の準備をしなくてはならないが常に一歩遅れてしまう。
左手にウインチのスイッチ右手にウインチのカギを持ち船頭に渡せるように待機する。
今度は準備万端のはず。
ところが…。
自分がカギをかけるとは思っていなかった。
身を乗り出して手を伸ばすが片手では狙いが定まらない。
両手に持ち替えアゴの隙間にウインチのカギを挿す。
ウインチのカギはうまく挿せたが持ち替えるために一瞬カギを手放してしまった。
マグロを手放すなどあってはならない。
でかい!船べりで魚体を傷つけないようマグロを押す。
剛史さんがかけたウインチのカギがしっかりと巨大なマグロをつり上げている。
3人がかりで船に引き込む。
ついに巨大マグロを手に入れた。
船頭の泉さんも自然と顔がほころぶ。
一体何キロあるのか…。
だが剛史さんに笑顔はない。
今日も失敗の連続だった。
無理もない。
この日泉宝丸が釣り上げたマグロの大きさは…。
そして…。
剛史さんは漁が始まる前糸をまとめる練習を始めた。
一日でも早く戦力になりたかった。
剛史さんはいつ家に帰れるかわからない。
帰ってもすぐまた漁に出る。
漁師になって家族と過ごす時間はほとんどなくなった。
子供たちは寂しい思いをしている。
妻の奈津子さんはどう思っているのか?夫の夢のために妻も耐えている。
今シーズン憧れの漁師になった剛史さん。
父として夫としてこのままでは終われない!一方父山本秀勝さんもまた失意の中にいた。
100キロ超えの大物からはもう3年も見放されている。
跳ねるマグロがどこかにいないか海を見渡していたその時。
ソナーにマグロの反応が現れた。
タイミングを計ってエサのいけすへ急ぐ。
イカに針をかけ撒き餌と一緒に海に入れる。
果たしてマグロは食らいつくか…。
その時…。
山本さんに待望のアタリがきた!この冬まだマグロを一本も釣っていない山本さん。
アタリはくるか?すると海面に変化が!マグロが海面すれすれに泳いでいるため独特な輪が出来たのだ。
ソナーにも反応がある。
くるか?マグロだ!流したイカのそばにいる。
まだマグロはいる。
食いつけ!マグロはエサを食わずに姿を消した。
山本さんは諦めずにマグロの反応を探し続けたがこの日もマグロは釣れなかった。
海が時化た。
こんな日は船を出せない。
山本さんは1人祈るようにある仕掛けを作っていた。
死んだサンマを生きて泳いでいるように見せる鉛の仕掛け。
山本さんが漁師仲間にも見せない秘密の道具。
絶対の自信作だ。
大間の海にマグロの大好物サンマの大群が到来した。
こうなるとマグロはサンマに夢中。
秘密の仕掛けが威力を発揮する!仕留めたマグロはしかもこれだけでは終わらなかった。
山本さんにこの日2本目のアタリが。
生まれて初めて100キロ超えのマグロを1日2本釣り上げた。
2本目のマグロはなんと190キロだった!だが今大間にサンマは来ていない。
この仕掛けはサンマの群れに紛れ込ませるもの。
サンマが来ないと使えない。
サンマがこのまま来なければ山本さん絶体絶命のピンチ。
深夜山本さんはマグロのエサを獲るために船を出した。
そこに待ち望むサンマの姿はない。
もうダメなのか?ところがどういうわけかこの日はマグロ漁のエサに使うイカが次々に獲れる。
イカを使ったソナー漁法は決して得意ではない。
でも今マグロはイカに食いついている。
たとえサンマがこなくても得意の仕掛けを使えなくても自分で獲ったこのイカで勝負するしかない。
そしてこの日…。
見れば…。
マグロが跳ねている。
船を操り跳ねるマグロに近づける。
ソナーを見ると…。
船の間近にマグロの反応が出た。
いけすへ急ぎあらかじめ針をかけておいたイカを投げ入れる。
すると…。
山本さんも驚いた。
海面で巨大なマグロの群れがうごめいて渦のようになっている。
そのマグロの群れが山本さんのイカに近づいてくる。
さあ食らいつけ!不思議な現象。
山本さんも驚いた。
海面で巨大なマグロの群れがうごめいて渦のようになっている。
その群れが流してあるイカの仕掛けに近づいていた。
食うか…?マグロの巨大な群れが押し寄せてくる。
慎重に船の速度を調整する。
さあこい。
もう少しだ。
その時…。
なんとマグロの群れの手前で海鳥がエサをつついている。
これではマグロの群れまでエサが届かない。
急いで回収すると…。
エサのイカが傷だらけ。
だが山本さんは諦めない。
再びソナーでマグロの反応を捉えた。
船の後ろにいる。
今がチャンスだ。
いけすに向かう。
イカに針をかけて投げ入れる。
マグロの反応に合わせて船を操る。
今度こそ食うか?その時…。
マグロが食った!闘いが始まる。
しかし…。
手応えが一瞬で消えた。
回収してみると…。
エサのイカだけ持っていかれていた。
この日もマグロは釣れなかった。
時化で漁を休んだ山本さんを夜のマグロ漁から戻ったばかりの長男剛史さんが訪ねてきた。
剛史さんが乗るはえ縄船は時化た今日も漁に出るという。
しかも針の数を増やすと言われて悩んでいた。
すると剛史さんが…。
やってやってやらねば…。
それは山本さんの人生そのものだった。
これまで息子たちを育てるために幾度もマグロに挑んできた。
男手一つ母親代わりを務めながら漁に出るのは並大抵の事ではなかった。
今思えば無骨な子育てだった。
数え切れない失敗と敗北感を味わってきた。
でもやってやってやり続けたからこそ忘れられない一本を仕留める事が出来た。
マグロを獲る。
そのために漁に出る。
(拍手)意気込みはあの頃と少しも変わらない。
『北の漁場』「いのち温めて酔いながら」「酒をまわし飲む」「明日の稼ぎを夢に見て」「腹に晒し巻く」「海の男にゃヨ凍る波しぶき」「北の漁場はヨ男の仕事場サ」やってやってやらねば!山本さん諦めずに今日も大間の海でマグロを追い続ける。
すると…。
船の後ろにわずかなマグロの反応が。
山本さん落ち着いていけすへ急ぐ。
イカに針をかけ海に投げ入れる。
マグロは食うか?流したイカの周りでマグロが跳ねる。
食らいつくか?闘いが始まる。
さあマグロよ!食らいつけ!アタリがきた!糸を引き針をマグロの口に食い込ませる。
しかし…。
山本さんの動きがおかしい。
一体どうしたというのか?巻き上げ機は動いていない。
実はこの時山本さんは痛恨のミスを犯していた。
それは糸の通し方。
通常糸は船尾の柱の外側を通している。
こうしておけばマグロを釣り上げる時船尾の柱をよけて巻き上げ機を使う事が出来るからだ。
しかし…。
なぜか山本さんは糸を船尾の柱の内側に通していた。
このままだと柱が邪魔になり巻き上げ機を使う事が出来ない。
強引に使えば糸が切れてしまう。
めったにやらないミスが肝心な時に起きた。
このままでは巻き上げ機が使えない。
山本さんどうする?すると山本さん船の速度を落とした。
わざと糸にたるみを持たせる。
愚痴りながらも何やら糸を持ち直し改めて手繰り始めた。
実はこの時船尾の柱の外側から糸をつかみ自力でマグロの糸を引き始めたのだ。
これでは巻き上げ機は使えない。
山本さん大丈夫なのか?しかし昔は巻き上げ機などなかった。
ソナーも電気ショッカーもなかった。
自分の腕だけでマグロを釣り上げてきたのだ。
機械の力を借りずに吐き出した糸を自分の腕だけで手繰り寄せていく。
周りに助けてくれる人もいない。
船の中央へ移動し釣り上げに備えて足場を整える。
マグロは船の下に潜り込んだ。
あと25メートル。
マグロは近い!ところが…。
山本さん!山本さん逃げようとするマグロを自分の力だけで引きずり揚げる!しかしマグロも逃げる。
釣り上げに備え早めにカギを準備した。
しかし…。
マグロがまた逃げていく。
この冬まだ一度もマグロを釣り上げていない。
やっと食わせたこのマグロ…。
逃がすわけにはいかない!だがマグロは船の底に逃げていく。
その姿はまだ見えない。
マグロも必死の抵抗を続ける!巻き上げ機は使えない!細い糸を通してマグロの動きが伝わってくる。
その時…!マグロだ!姿が見えた瞬間マグロが逃げる力で糸を持つ右手の軍手が脱げて海に落ちた!山本さん今はマグロよりも軍手の方が先だ。
素手で糸を引くとマグロの力で手が切れる。
左手で糸をつかんだまま右手の軍手を口ではめる。
なんとか体勢を立て直した。
だが…マグロがまた逃げようとする。
まだ糸は繋がっている!仕留められるか?タモ網に入れた!ついに…!マグロを獲った!山本さんがこの冬初めて釣り上げたマグロだ!その口には針がしっかりとかかっていた。
マグロを保管しておくクーラーボックスの氷は寒さで凍てついていた。
血抜きをしたマグロをクーラーボックスへ。
そして海水をかけて冷やしておく。
トラブルを乗り越えて釣り上げた大事なマグロだ。
果たして何キロなのか?山本さんはすぐに船を出した。
本番はこれから!やってやって…やり続ける!息子よ!これが漁師の生き様だ!今シーズン憧れの漁師になった山本さんのはえ縄漁を始めて2週間が経った。
自分は漁師としてやっていけるのか?自問自答しながらもがいている。
しかしやり続けるうちに剛史さんに少しずつ変化が…。
最初は苦手だった糸をまとめる作業。
次第に手早くなってきた。
その時…。
マグロがかかった!指示と同時に電気ショッカーを用意する。
タイミングを合わせ投入。
そしてスイッチを入れる。
(電気ショッカーの作動音)マグロの魚影が見えてきた。
指示と同時にスイッチを切り素早く船頭のそばに戻る。
剛史さん作業の手順が見えてきた。
マグロが船べりにぶつかって傷つかないように押し戻す。
(巻き上げ機の作動音)慎重にマグロを船内へ。
マットの上にあるホースに気づき先にどける。
足引っ張ってな上げろ!よいしょ。
この日はすでに2本目。
さらに次のマグロが。
船頭と呼吸を合わせ…。
電気ショッカー投入!すぐにスイッチを入れる。
(電気ショッカーの作動音)マグロが揚がってくる。
剛史さんが入れた電気ショッカーが効いた。
剛史止めろ。
マグロを手で押し船から離す。
そして慎重に船の中へと引き込んだ。
どのマグロも剛史さんの身の丈ほどある。
この日仕留めたまたもや大漁となった!剛史さん少しずつだがはえ縄漁に慣れてきた。
でも頑張るほどに感じる事がある。
この船に自分がいなくてもマグロは獲れる。
自分が必要とされる日は来るのだろうか?俺はマグロ漁師だと胸を張って言える日は来るのだろうか?妻は夫の帰りを待っていた。
今日も戻らないかもしれないと思いながら夫の好きな食事を用意して…。
妻や子供たちに寂しい思いをさせてまで自分の道を選んだ。
選んだからにはやるしかない!『北の漁場』その日は大間に低気圧が接近。
時化だった。
沖では20メートル近い風。
体感温度は氷点下。
沖に出る船はほとんどない。
こんな日に一本獲れば高値がつく!「いのち温めて酔いながら」「酒をまわし飲む」「明日の稼ぎを夢に見て」「腹に晒し巻く」「海の男にゃヨ凍る波しぶき」「北の漁場はヨ男の仕事場サ」はえ縄漁を始めて1カ月。
糸をまとめる作業もかなり上達した。
時化の海ではえ縄の回収が続く。
その時…。
マグロが食った!剛史さんマグロを引き揚げるためカギを準備して待つ。
しかし…船頭たちの様子がおかしい。
姿を現したマグロに戸惑っている。
剛史さんも異様な状態に気がついた。
時化の海に現れたのは…。
しっぽに糸を絡ませたマグロ。
その上見た事もないほどでかい!絡んだ糸が切れ荒波に流されそうだ。
急いで先輩がモリを打つ!刺した!だが安心は出来ない。
糸が切れそうだ。
剛史さんすぐにウインチのカギを持ってくる。
一刻も早くこのカギをかけなければマグロをバラしてしまう!しかし波が荒い。
マグロに届くのか?時化の海に身を乗り出す。
ウインチのカギがかかった。
ついに巨大マグロを引き揚げる!剛史さんみんなと一緒に巨大マグロを体で押す。
船のへりにぶつけてはならない。
それにしてもでかい!時化の荒海でついに大物を手に入れた!剛史さんがみんなと一緒に仕留めたのだ。
このマグロ一体何キロあるのか?時化の津軽海峡で剛史さんたちが釣り上げた巨大マグロ。
その大きさは…。
堂々の171キロ!剛史さんにとって忘れられないマグロになった。
漁のあと船頭の泉さんは剛史さんにこんな事を伝えていた。
自分が必要とされている事を知った剛史さん。
へこたれてたまるか!やってやってやり続ける!剛史さんは親父の背中を追いながら大間の海で生きていく!2016/01/10(日) 20:58〜23:10
ABCテレビ1
マグロに賭けた男たち2016〜悲運の親子漁師…極寒の死闘スペシャル〜[字]
冬、青森・大間——“息子よ、これがマグロ漁師の生き様だ”山本秀勝さんの長男・剛史さんが、ついに漁師に!悲運の親子漁師vs巨大マグロの「命がけ」の戦いが始まった…
詳細情報
◇番組内容
冬の津軽海峡では、本マグロ漁の本格シーズンに突入!!
14年にわたり番組が追い続けてきた“悲運の漁師”山本秀勝さんと憧れの漁師となった息子・剛史さん…“結婚資金を獲得せよ”大間最年少の一本釣り漁師・泉健志さん…モリ突き名人であった父の「漁師魂」を受け継ぎ一本釣りに挑む・渡辺良彦さん…「大間の荒海に生きる男たちvs巨大マグロ」壮絶な極寒の死闘に密着します!
◇番組内容2
●悲運の漁師・山本秀勝さん(62歳)
私たちが14年に渡って追い続けているマグロ一本釣り漁師・山本秀勝さん。この2年、100キロ超えの大物マグロを1本も釣っていない。だが、サンマの大群さえ来れば、大物マグロを釣り上げる自信がある。山本さんが最も得意とするマグロ漁の仕掛けは、サンマの仕掛けなのだ。サンマの大群を待ちわびる山本さん、3年越しの大物を釣り上げられるのか。
◇番組内容3
●憧れの漁師になった息子・山本剛史さん(30歳)
幼い頃からマグロ漁師に憧れて続けてきた剛史さん。今シーズン、あるマグロ漁船で乗組員として働き始めた。しかし、その船は「大間一厳しい」と言われるマグロはえ縄船だった。2〜3時間しか陸に戻らない事もある過酷な毎日。そんな剛史さんの前に現れたのは、170キロ超のモンスター級マグロだった…
◇出演者
◆悲運の漁師 山本秀勝さん(62歳)
◆憧れの漁師になった息子 山本剛史さん(30歳)
◆大間最年少一本釣り漁師 泉健志さん(29歳)
◆モリ突き名人の父の「漁師魂」を継ぐ男 渡辺良彦さん(42歳)
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/tuna_clipper/
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
バラエティ – その他
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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