20世紀初頭イギリスの貴族クローリー家が住む館ダウントン・アビー。
家督を継ぐはずの相続人を失った伯爵一家
(マシュー)共に歩もう。
長女メアリーは新たな後継者となったマシューと結婚します
(メアリー)編集者の印象は?
(イーディス)とてもすてきよ。
次女イーディスは妻のいる編集者グレッグソンと恋に落ちます。
身分の違いを乗り越え運転手ブランソンと結婚した三女シビル。
しかし…
(ロバート)どうしてこんな事に。
悲しみに暮れるダウントン
(ブランソン)僕が領地の管理人になってもいいんですか?
伯爵とマシューはブランソンを誘いダウントンの再建に乗り出します
一方使用人たちの間ではアンナとベイツが結婚します
結託して嫌がらせをするオブライエンとトーマスですが…
(ベイツ)君の秘密をバラすことになる。
(トーマス)どこまで欲深いんだ?
オブライエンは次第に孤立していきます
跡取り息子に挨拶して。
はじめましてかわいい坊や。
待望の後継者誕生で幸せに包まれるメアリーとマシュー。
そんな矢先…
・
(赤ん坊の泣き声)
(ベルの音)
(アンナ)行かないと。
(カーソン)ああそうだな行きなさい。
アアッ…でも誰がこの手紙を奥様に渡す?
(ヒューズ)ああ…それは任せて。
朝食の用意とお着替えも今日は私が。
とはいえ毎日というわけにはいかないわ。
だったら私が。
次が決まるまで。
メアリー様に話します。
ハァ…。
(トーマス)どうしたんだ?オブライエンさんがいなくなったの。
ウソだろ。
ジミー。
ジミーオブライエンさんが消えたぞ。
(ジミー)えっ?でもどこへ?知るかよ。
(アイビー)マッジ。
オブライエンさんが消えた。
(メイド1)ねえ聞いた?
(メイド2)何を?オブライエンさんがいなくなったって。
いなくなった?出てったのよ。
ウソ!?荷物もないの。
(コーラ)こんなの信じられないわ。
(ロバート)そうか?夜中にこっそり出ていくなんてオブライエンらしいと思うが…。
信じられないのはスーザンが侍女を引き抜いたことよ。
(ヒューズ)オブライエンさんが話してました。
「スコットランドでレディー・フリントシャーに目をかけていただいた」と。
ええそうみたいね。
「レディー・フリントシャーがインド行きを手配してくださいました。
この機会を逃したくはありません」。
予兆はなかったのか?今考えてみると昨日電報が届いていました。
恐らくあれが…。
これからどうなるの?今日は私がお世話します。
明日以降後任が決まるまではアンナが引き継ぎます。
本当に何も聞いていなかったのか?
(アルフレッド)ええこんな事するなんて僕にはひと言も。
怪しいものだがな。
オォ…おいだからって何も聞かされてないよ。
(パットモア)そう何度も言うと余計怪しいよ。
おばとはいえ何考えてるのかさっぱり…。
ハハッ。
それにはみんな同じ意見だよ。
(デイジー)彼かわいそう。
(イーディス)スーザンがお母様の侍女を盗んだそうね。
娘をうちに預けておきながら。
(ブランソン)「盗んだ」は人聞きが悪い。
なんて言おうと恩を仇で返したのは事実でしょ?
(ドアを開ける音)
(ローズ)いいのよ。
マッジから聞いたわ。
ちっともよくないぞ。
何か知ってたんじゃない?いいえ何も。
ただ母はオブライエンが整える髪をすごく気に入ってたわ。
それと2人で旅の話をしてた。
何?いつ?ダンイーグルにいた時。
それは報告すべきだったな。
あしたロンドンへ行くから雑誌に求人広告を出すわ。
頼む。
でも雑誌が出るのを待ってたらいつになるか分からないわ。
しかたがないでしょう。
会合は11時だぞ。
(ブランソン)では現地で。
その前に農場を見てきます。
メアリーにも来てもらえないかと。
いやそれはいかん。
まだ立ち直っていない。
本当に何も知らなかったの?まさか本気とは思わなくて。
(アンナ)お散歩でしたらこちらをどうぞ。
外を歩くには冷えますので。
(メアリー)黒のショールは?
(ノック)
(ドアを開ける音)
(ジョージの声)
(ウエスト)今からジョージお坊ちゃまのお散歩なんですがよろしかったらご一緒にいかがです?遠慮しておくわ。
ありがとう。
独りぼっちね。
(キスの音)ご苦労さま。
(ジョージの声)
(アンナ)「独りぼっち」だなんてお坊ちゃまにはお母さんがいます。
あの子には財産もあるしね。
あの…奥様のお世話をしてもかまいませんか?好きにしなさい。
旅に出る予定もないし。
(バイオレット)モールズリーさん。
トラビス牧師を見かけなかった?バザーの件で彼に話があるのだけど。
(ビル)あいにく見てませんが。
ならいいの。
悲しい事故でした。
悲しみの極みよ。
もう墓石を置く時期なのね。
あれから半年。
半年もたてば土が落ち着きますから。
ところで息子さんの働き口は決まった?いえまだです。
今もご厚意でお屋敷に置いて頂いてますがずっとというわけにも…。
何より給金を頂かないと。
彼は立派な従者よ。
執事にだってなれる。
だといいのですが。
(はなをすする音)世の中変わりましたからね。
それは身にしみているわ。
(シビーの声)やあお帰り。
外を歩き回るのが楽しみだね。
お嬢様。
私の許可なく子供たちを触らないでいただける?はい?私には乳母としての責任があるの。
俺はあんたと違ってこの子の母親を知ってる。
あんた知らないだろ?そんなことは関係ないでしょう。
いいやある。
大ありだ。
そう。
でもあなたと言い争ってる暇はないわ。
お子様たちの食事を30分後に運ぶようパットモアさんに伝えて。
そんなことは自分で頼めよ。
(ベイツ)奥様はガッカリしてました?それはもう。
代わりの侍女を探すのには時間がかかりそうよ。
それにしてもオブライエンさんは勝手すぎますよ。
何言ってんだい?今更。
(ジミー)冒険に出たいって気持ちは分かるな。
そう怒らなくても…。
だからって突然消えるなんて迷惑もいいとこだよ。
みんなの手前怒ったふりをしてるのか?
(アンナ)そんな言い方ないでしょ。
俺は素直にオブライエンさんを応援するよ。
メアリー様のご様子は?相変わらずよ。
いつかは立ち直ってくださるといいけど。
何よりジョージお坊ちゃまのためにね。
ホントにそう。
今はウエストさんに任せっきりだもの。
私に乳母は無理。
どうして?子供嫌いなの?好きだけど。
乳母ってご家族でもなければ私たちの仲間でもないから。
何の話だ?乳母になると孤独な生活が待ってるってデイジーが…。
フム…。
それは分からないがあのウエストって乳母はとんだくせ者だぞ。
(アルフレッド)なんで?何かされた?いい人に見えるけど。
この俺に命令しようとした。
君を使用人扱いしたのか?だって使用人でしょ?
(ベイツ)それを言うな。
ほらショックを受けてるぞ。
フッ…。
(メイドたちの笑い声)
(ブランソン)それじゃマーシュさん。
何とか分かってもらえたな。
ホントに計画を断念するんですか?やむをえんだろう。
再建計画のためにはばく大な相続税を工面せねば。
そうですがメアリーの意見も聞いてみないと。
その必要はない。
メアリーはマシューの不動産の3分の1の生涯権と3分の1の財産を得るだけであとはジョージが相続する。
妻にはそれだけですか?遺言がなくてはな。
でもジョージの後見人として彼女にも意見を言う権利が。
それはどうかな?資産の半分を所有する当主の私が後継者の資産も管理すべきだろう。
それにだ失意のどん底にいる今のメアリーに金の話などしたくない。
分かります。
でもそれじゃいつまでも…。
君も見ただろ?フォークを自分の口に運ぶ力もないのだぞ。
夫を愛してた。
最愛の伴侶を失った悲しみはいかばかりか。
知ってます。
そうだったな。
すまない。
そろそろ戻ろう。
昼食に遅れる。
(モールズリー)仕事が欲しいと広告は出したんですよ。
いい働き口が無かったのかね?返事が無かったんです。
いえ1つありましたが手紙を書いてもなしのつぶてで。
それじゃ私にもどうしようもないな。
このままここにとどまるわけには?モールズリーさん。
我々も薄情だと思われたくないのだが…。
やっぱり無理ですか?旦那様のご厚意に甘えてもう半年になるのだよ。
では実家に帰って身の振り方を考えます。
・
(パットモア)全部並べて。
ああそれがいい。
お昼の用意ができましたよ。
ありがとうパットモアさん。
ちょっと元気出しなよ。
モールズリーさん。
暗い顔しないでフン…。
暗い気分なんだ。
昼食のあとサースクへ行くけど一緒にどう?
(イーディス)今日はイザベルの様子を見に村へ行こうと思うの。
孫の顔を見たくなったり誰かと一緒に居たくなったらいつでもここへ来るよう伝えてくれ。
分かったわ。
私も一緒に行く。
2人で押しかけたらイザベルも迷惑だと思うわ。
村まで行くだけよ。
ねえあしたロンドンへ行くんでしょう?ちょっとお使いを頼めるかしら?実はマイケル・グレッグソンに会うの。
彼会いたがってるでしょうね。
パーティーを開くそうよ。
私をお友達に紹介するって。
(コーラ)まあすてき!ねぇあなた。
(車の走る音)
(ベルの音)あの表の掲示板にカードを貼らせてもらえる?
(郵便局員)カードですか?求人票よ。
人を雇いたいの。
どのようなお仕事ですか?いちいち説明しなきゃ駄目?いえそういうわけでは。
フン…じゃお願いね。
あのおいくらかしら?ああ6ペンスです。
(イーディス)ジョージに会いにいらして。
(イザベル)かわいそうな子。
大変な重荷よね。
母親に代わって赤ん坊が領地を背負うなんて。
それが法律よ。
だけど不思議だわ。
マシューなら手だてを考えてるかと。
自分が亡くなるのはまだ先だと思ってたのよ。
それがこんなに早く。
私で力になれることがあれば何でもおっしゃって。
ありがとう。
一人息子を失った私は…もう「母親」じゃないの。
もう何者でもない。
その現実に慣れないと。
孫が居るでしょ。
きっといいおばあ様になれるわ。
(ノック)午後の郵便です。
ああありがとう。
アァまたか。
しつこいな。
何です?フーン…いいや何でもない。
椅子張り職人が来たら呼んでくれ。
作業を指示するとき私も一緒にいたい。
いいですけど私1人でできます。
高級な生地を乱暴に扱って傷でも付けられたらかなわんからな。
しっかり念を押さなくては。
私には任せられないって言うんですか?・
(パットモア)この前あそこで買ったパンがえらいかたくてね。
・歯が欠けるかと思ったよ。
・
(メイドたちの笑い声)
(ベルの音)
(郵便局員)今日はもう閉めたよ。
(エドナ)侍女を募集してるのがどこの家か知りたいんだけど。
ダウントンで侍女が必要な家なんて決まってるでしょ。
アビーってこと?前に働いてたわよね?ええ。
辞めて修業してたの。
修業って?侍女になるための。
マッジから聞きましたがイーディス様がクローリー夫人を訪ねたそうですね。
ご様子は?かなり沈んでいるみたい。
無理もありません。
夫を亡くして一人息子まで…。
奥様でしたらお慰めできると思います。
そうかしら?シビルが一人娘だったらあとを追っていたわ。
いいえ。
奥様はお孫さんのために生きたはずです。
夫人もそうでないと。
(ドアの開閉音)フン…今日はご苦労さま。
ヒューズさん。
おやすみなさい。
おやすみなさいませ。
失礼します。
どうかした?ジョージの資産を誰が管理するのか決めなくてはならないがメアリーをせかしたくない。
今の状態では。
何を決めるの?ジョージの後見人はメアリーよ。
もちろんそうだ。
だが領地に関して決定権があるのはこの私だ。
なぜ?アハッ。
なぜって私とジョージでダウントンの6分の5を所有してる。
取り分の少ないメアリーはたとえ望んだとしても口は出せない。
頭が痛いのは相続税の問題だ。
対策を講じなくては。
メアリーを差し置いて?もともとメアリーには関係のない事だ。
マシューが亡くなり今は息子のジョージが共同所有者だ。
私が支えなくては。
ウン。
(郵便配達人)郵便です。
どうも。
(ヒューズ)火曜日にしては郵便が多いわ。
みんなよく週の初めから手紙を書く暇があるわね。
今日はバレンタインデーだからな。
まあ。
カーソンさんが覚えてて私が忘れてるなんて。
こんなことがあるとはね。
私がロマンスとは無縁だとでも言いたそうだがそんなことはないぞ。
今は無縁かもしれないがかつては違った。
おっとこれは。
請求書に紛れてた。
デイジー。
君宛だった。
(トーマス)デイジーに?一体誰から?からかわないであげて。
誰からのカード?さあね名前が書いてない。
私のもだ。
隠れた崇拝者が居るらしい。
お互い居てもおかしくないわ。
(キスの音)今はここまでよ。
仕事しなきゃ。
なあに?それ。
何でもない。
ああ今日はバレンタインデーだったわね。
いつロンドンにたつの?10時の列車で行くわ。
荷造りしないと。
楽しんできて。
(男性)先週までここに居た眼鏡の男死んじまったらしいぞ。
(せき)
(男性)寝床で冷たくなってたって。
この寒さじゃな。
グリッグさん?
(グリッグ)どちらさん?ダウントン・アビーのカーソンに手紙を書きました?一緒に働いてる者です。
ああ…やつの使いか?いえ。
使いというか…まあそんなところね。
(せきこみ)それで…やつは何だって?助けてくれるって?カーソンさんは忙しいので私が代わりに様子を見に来たんです。
でもきっと何とかしてくれるはずですよ。
ああやっぱりな。
最後に会った時はつれなかった。
でも俺とチャーリーは古いつきあいだ。
何があろうとも芸人仲間ってのは絆で結ばれてる。
(せきこみ)ええ。
そうでしょうね。
(せきこみ)
(駅員)切符を。
どうも。
わざわざ来てくださったの?お仕事は大丈夫?おば様の車で送るわ。
(グレッグソン)会いたかった。
ずっと君のことを考えてたよ。
今はここに居る。
気持ちが高ぶってしかたがない。
実はニュースが…。
いや「ニュース」というよりも「計画」がある。
どんな?調べたら世界にはこの国とは事情の違う国があるんだよ。
それは驚きね。
いやつまり心を病んだ妻と離婚できる国だよ。
ポルトガルギリシャそれにドイツも。
でもそこに住む必要があるでしょ?もちろんその辺は調べてみるよ。
もし僕がドイツに住むなら一緒に来る?アァ…どうもバーンズ。
ロザムンドおば様の運転手よ。
(バーンズ)こんにちはお嬢様。
アァ…。
送っていくわ。
いやタクシーを拾うよ。
逆方向だから。
それじゃまた今夜。
(ジョージの声)
(ウエスト)あら早すぎました?いいえお茶が遅かったのよ。
おやまあ。
大丈夫ですか?手伝います?結構ですよ。
ウエストさん。
(ブランソン)さあおいでシビー。
やあお姫さま。
フフッ。
さあ!こちらはかわいい王子様ですよ。
(ジョージの声)
(ウエスト)きれいなお母様に会えてうれしそうだこと。
よかったわね。
どうもありがとう。
生きがいをなくしたと言うけれどまだジョージが居るでしょ?孫がかわいくないの?かわいいわ。
でもあまり口を出すと迷惑になるでしょう?あら口を出すのは祖母の務めよ。
(呼び鈴の音)ああモールズリーだわ。
折り入って話したいことがあるとかで。
あら私が居てもいいの?あいびきなんて事はないわよね?アァ…!これは…。
お話し中お邪魔してすみません。
それで何の用?またここで働かせていただけないかと…。
アッ…アッごめんなさいね。
個人的な話に立ち入ってしまって。
外すわ。
いえお気になさらず。
皆さんご存じです。
私は職を失いました。
その…理由は言うまでもありません。
ハァ…それでこちらへ。
問題は執事が必要ないってことなの。
トレーで食事をする孤独な女の家にはね。
そうですか。
いくら孤独だからってトレーで食事するなんてどうかと思うわ。
あなたと私は違う。
それは紛れもない事実ね。
お邪魔しました。
ねえもしいい働き口があったらどこに連絡すればいい?今日から父の家におりますので。
ウン。
(ドアの開閉音)ウン。
(笑い声)
(部屋に流れる音楽)
(男性客)じゃあまたあとで。
(女性客)ええ。
昼間僕が言ったこと考えてくれた?罪な逃避行の話?離婚さえすれば何の罪もなくなるよ。
僕と一緒に居たくない?もちろん居たいわ。
心から望んでる。
(ウエイター)あのジンの買い置きはまだありますか?そろそろなくなりそうですが。
あああるはずだ。
見てみよう。
(ビル)こりゃ驚いた。
どうも伯爵夫人。
息子さんに伝えてくれる?レディー・シャクルトンを招いて昼食会を開くから手伝いに来てほしいと。
でもお宅の執事は?もちろんスプラットも居るわ。
だけどモールズリーにも活躍してもらいたいのよ。
話によるとレディー・シャクルトンの執事が辞めるらしいわ。
でも代わりの執事を手配してるのでは?そう。
そこなのよ。
代わりを雇うかどうか考え中らしいの。
だからモールズリーの腕を彼女が気に入れば…。
スプラットさんはご承知ですか?彼のことは気にしなくていいわ。
ああそうですか。
ありがとうございます。
感謝します。
どういうことだ?私が丸めて捨てた手紙をゴミ箱から勝手に拾って読むなんて。
手紙を見て怒ってたから気になって。
そうか。
なるほど。
だが私がなんで怒ろうと君の出る幕ではないとは思わなかったのか?とにかく手紙を読んで彼に会いに行きました。
どんな様子だったか知りたくない?知りたかったらあいつの手紙に返事を書いているよ。
カーソンさん。
彼は救貧院に居るのよ。
一応報告しておきますけどディケンズの小説に出てくるのと同じくらいひどい所よ。
救貧院は閉鎖したのでは?いいえ。
してません全部はね。
まあ屋根があるだけましだろう。
そうは言いますけどひどくカビ臭くて息苦しい所よ。
彼は共に歌って踊った相棒でしょ?なんにも感じないの?あいつの力にはなれない。
無理だ。
それと頼むから昔の話を持ち出すのはやめてくれないか。
過去は忘れたいんだ。
・
(パットモア)そんなもの必要かね?泡立て器ですよ。
これで卵やクリームを混ぜるの。
そりゃあんたたちの仕事だろ。
そう。
おかげさまでうんと楽になります。
イーディス様が買ってくださったの?ああ奥様に言われてね。
(デイジー)私たちへの気遣いよ。
なんにも分かってないね。
近い将来奥様は私たち料理人をお払い箱にするかもしれないよ。
トースターだの泡立て器だの使えば誰だって料理できちゃうだろ。
でも使いたい。
ああそう。
勝手にしな。
カード気に入った?気になる?さあどうかな。
相手にするな。
からかってるんだ。
ほらほら邪魔しないでおくれ。
忙しいんだから。
ジミーがカードを送ったのかしら?からかわれただけだって。
でもホントにジミーが送ったんならあなたのは誰が?ウフフフッ。
ウーン…。
トーマス?「バローさん」と呼びたまえ。
パットモアさんに伝えて。
「シビー様のお茶に卵は付けないで」って。
この階段を下りていって自分で伝えたらどうだ?いいからお願い。
お子様たちの所に戻らないと。
(イーディス)これじゃ私がわざわざロンドンへ行った意味がないじゃない。
自分の用で行ったんでしょ?だからってローズが勝手に求人票を出していいことにはならないわ。
(ローズ)私はただ地元で探した方が早く見つかるかと思ったの。
責任を感じて。
それで応募はあったの?3人いたわ。
その中の有望な人とリポンで面接するの。
どうしてここへ来ないの?おばさんの看病があるから出てこられないって。
(ブランソン)日常を取り戻して。
どうすればいいの?関心の持てる物を探すんだ。
文学とか工芸品とか歴史帽子。
ジョージに関心を持つわ。
ホントに?持てるはず。
今日は何をしてたの?え〜と今日は修繕業者の所へ行って…。
トム退屈な話を聞かせるな。
私が聞いたのよ。
だとしてもだ。
今は何にも煩わされず心の回復に専念しろ。
バレンタインのカードを送った?まあね。
アイビーに?関係ないだろ。
(トーマス)ホントはアイビーに送ったんじゃないんだろ?どうですかね?前の雇い主に送ったんです。
フランスから帰国したって聞いたからまた世話になるかも。
ちょっとずうずうしくないか?彼女は気にしないから。
正直に言わせてもらうと私には関係のないことだわ。
そのようなお言葉を聞くとは思いませんでした。
貧しくて不幸な男性が救いを求めているんです。
彼が頼ったのはカーソンでしょ。
私にどうしろと言うの?クローリー夫人。
彼をここに置いていただけません?ここに?私たちが彼の保証人になってあげればあの場所から救い出すことができるんです。
でもなぜお屋敷じゃなくうちなの?カーソンが面倒を見るのが筋でしょう?それが残念ながらカーソンさんは古い友人を見捨てたんです。
そうなの。
じゃあなたはカーソンに背いてもグリッグさんを救うと言うのね?ホントに哀れな人なんです。
でもまともな仕事とまともな暮らしを手に入れる権利はあるはずです。
ああ…だけど今の私に人を助ける力なんてとても…。
ちゃんとありますよ。
悲しみに暮れるのはもうやめにして人助けに力を尽くすんです。
(ノック)ブランソンさん。
カーソンさん。
道理に反するかもしれないがあなたの力をお借りしたいんです。
私の力?伯爵と意見が合わなくてほかに頼れる人がいないんです。
メアリーは…その…レディー・メアリーはふさぎ込んでる。
悲劇に見舞われたせいです。
そうです。
だけどもう半年たつ。
それなのに立ち直る兆しも見えない。
彼女が外の世界に目を向けるためにも領地の運営に携わってほしいんです。
旦那様のお考えは?伯爵は自分が全てを仕切ることでメアリーと息子を守ろうとしています。
そしてあなたの意見には耳を貸さない?伯爵は過保護だ。
彼女をいたいけな子供のように扱ってる。
たとえ私があなたと同じ意見だとしてもどうすればいいんです?あなたの助言なら彼女は聞く。
どうしてそう言えるんです?彼女に信頼されているから。
今夜パブへ行くぞ。
いつ?夕食のあとだ。
うんと羽を伸ばしたい。
(アルフレッド)パブへ行くなら許可を取らなきゃ駄目だ。
(ジミー)ただの散歩だよ。
(泡立て器の音)私にはできないわ。
何よ臆病ね。
(アイビー)だって何だか感電死しそうなんだもの。
頑張って。
無理よ。
勇気がない。
酔えば勇気が出るぞ。
一緒にパブへ行こう。
私が?パブへ行くの?許可もなしに?正気じゃないわ。
どうして?冒険したくないのか?でも何時に戻るの?ちょっとまさか行くつもり?さあね。
規則を破った事ないから。
何を破ったって?別に。
ちょっとデイジー何やってるんだい?今夜のムース作りです。
まあなんてこったい。
念のためスープも用意しておこう。
機械は信用できないからね。
フン。
(時計の時報)俺に用か?頼んでも無駄でしょ?何だって?どうして卵についての指示をパットモアさんに伝えなかったの?気が向かなかったからだ。
第一なんでシビー様に卵をあげないんだ?あなたにいちいち説明する必要はないわ。
使用人なら使用人らしくおとなしく私の指示に従ってちょうだい。
あんただって使用人だろ。
立場が違うわ。
それじゃ上の階で仕事があるので。
(ノック)・入ってもよろしいでしょうか?カーソン?どうぞ。
(ドアを開ける音)
(アンナ)私は失礼します。
何の用かしら?まず何からお話しすればいいのか…。
まあとにかく出過ぎたマネをするようですがお嬢様のためを思って申し上げるのです。
何だか怖いんだけど。
(足音)あの奥様…よろしいですか?なあに?バロー。
実は気になることがありまして。
もう見過ごせません。
何?どうしたの?ウエストさんがどうやらお子様たちをほったらかしにしているようなんです。
えぇ!?面倒を見ていないって事?告げ口などしたくないのですがこのままではお子様たちに何かあるんじゃないかと心配で。
詳しく聞かせてちょうだい。
一体どういうことなの?私がいけないのね。
はい?このような無礼を働いても許されるとあなたに誤解させたようだわ。
主である伯爵の決断を執事が批判するなんてもってのほかよ。
そんな批判だなどと…。
私が夫を亡くしてどれだけ絶望しているかあなたには分からないの?領地の運営なんてとてもじゃないけど無理よ。
ですがブランソン様はお嬢様の力を信じて必要とされているのです。
彼はマシューが考えた改革案をお父様が白紙に戻そうとしているので不安なのよ。
旦那様が?白紙に戻すのは反対?いずれにせよ意見できる立場ではないことを肝に銘じておくのね。
はい。
あなたは友人よ。
さっきも言ったように今回の過ちの責任は私にもあるわ。
この話はこれっきりにしましょう。
もういいかしら?下へ行くわ。
いつまで絶望しておられるのです?この発言も「過ち」でしたらお許しください。
でも誰かが言わねば…。
(ドアの開閉音)小作人との昼食会の件はどうなってる?順調だろ?トム。
バーンズ以外は全員出席の予定です。
彼には結婚式があるとかで。
それではしかたないな。
(コーラ)申し訳ないけど私も予定があるの。
土曜日だったわよね?かまわんよ。
夫婦同伴ではないしイーディスに出てもらう。
悪いけど無理よ。
ロンドンへ行くの。
メアリーは?私?ジョージが領地の共同所有者だとしたら後見人として出るべきでしょ?私は…。
無理を言わないで下さい。
みんなも会いたがってる。
そうでしょうけど…。
(バイオレット)万が一ロバートに何かあればあなたが当主よ。
ジョージが成人するまでかそれ以上か。
もういいかげんにして。
どうしてみんなでそう勝手なことばかり。
私の夫は死んだのよ。
それがどういうことか分からない?戦争を生き延びたのにつまらない自動車事故なんかで!マシューは寿命より50年も早くこの世を去ったの!私にどうしろって言うの?もうかまわないで!
(ドアの開閉音)これを恐れていたのだ。
メアリーは悪夢の中にいる。
自分で何とかするのを我々はただ見守るしかないんだ。
そうでしょう?母上。
(バイオレット)やめて。
この話はあとにしましょ。
今日のムースは絶品ね。
カーソン。
パットモアさんが作ったのかしら?買ってきたんじゃないわよね?はいそれは違うと思います奥様。
我々が褒めていたと伝えてちょうだい。
ハァ…。
おいどうしたんだ?具合でも悪いのか?そんなんじゃないよ。
ただ何て言うか…ハァ…ここ最近自分の進む道が見えなくなってて。
ショックを受けてるんだ。
無理もないさ。
マシュー様にお仕えしてやがては執事になるという夢が一瞬にしてついえたんだからな。
収入もろともに。
彼はいい方だった。
私のような使用人相手にも礼儀正しく寛大で。
それはよかった。
彼以上の主人は居ないんだ。
今更どこかの老婦人を紹介されても仕えることなんて。
なあいいか。
最高を求めるならまずは自分自身が最高のレベルに上り詰めることだ。
目の前の仕事をコツコツやっていれば自分の目指すべき道が見えてくる。
ナハハッ…。
(ドアを開ける音)もう帰るわ。
(ドアを閉める音)その前におやすみを言いたくて。
さっきはひどい態度だったって叱りに来たんでしょ?メアリー。
あなたがどんな態度を取ろうと私は気にしないわ。
そう?そうよ。
私は家庭教師ではなく祖母だもの。
どこが違うの?祖母は孫を…愛してる。
そうよね。
ごめんなさい。
メアリー。
あなたの苦しみは計り知れない。
でも我が子のことを思い出して。
あの子にはあなたが必要よ。
分かってる。
でも正直いい母親にはなれそうにないわ。
どうして?マシューと共に消えてしまったの。
彼だけが見つけてくれた私の中の優しさが跡形もなく。
もともと彼の幻想だったのかもしれない。
いいこと?よき母親像はいろいろあるわ。
とにかく今あなたの前には2つの選択肢がある。
選びなさい。
このまま死ぬか生きるか。
生きるしかないってことね。
うん。
ハァ…。
チャーリー・グリッグがクローリー・ハウスに引き取られるって?ええ。
当局の許可が下りたので金曜に私が迎えに行きます。
夫人はなぜ承諾したのだ?親切な方だからよ。
困ってる人を見過ごせないの。
それにしても君はよくそんなやっかい事を押しつけるものだな。
悲しみに暮れているあの方に。
悲しみに暮れている今だからこそお願いしたんです。
理解に苦しむよ。
ええ。
そうでしょうね。
メアリーを許してください。
もちろん許すわ。
ボロボロになったあの子を我々が外の世界から守ってやらねば。
違うわロバート。
現実世界に戻してやるのが我々の務めよ。
いやあ私にはそうは思えません。
あらそう?ではこれだけは言っておくわ。
メアリーの過ちなら大目に見てあげてもいいけどあなたのは見逃せないわ。
おやすみ。
ああイーディスイーディス。
金曜の昼食会に来て。
ああ…。
お願いよ。
うまくやるためにはあなたの協力が必要なの。
うまくやるって何を?レディー・シャクルトンにモールズリーを売り込むのよ。
使用人として?いいえ。
洗濯業者としてよ。
(ドアを閉める音)
(足音)・
(ジミー)1人か?よかった。
手を貸してくれ。
(足音)アッ…。
ねえ何の騒ぎ?さあね。
とにかく行って見てくるよ。
(せき)おいおい何だよ何やってんだ。
パブで少し酔ったんだ。
少しじゃないだろ。
ベロベロだ。
ジミーに飲まされたの。
何する気だったんだ?別に。
彼女弱すぎんだよ。
(アルフレッド)しっかり。
どうしたの?アイビーの具合が…。
かなり悪そうね。
早く中へ運んで。
アァ…ウン。
(蛇口をひねる音)パットモアさんはもう寝てます?ああよかった。
助かった。
一体何のつもり?
(ジミー)別に何も。
よく言うよ。
(アンナ)さあ。
気分はどう?さっきよりはまし。
無責任もいいとこだぞ。
(アンナ)一緒に来なさい。
だけどベイツさんは?寂しがってるんじゃない?
(アンナ)ベイツさんは待たせておきましょう。
(ジミー)悪かったよアイビー。
このことは誰にも言わないで。
もちろん。
さあ。
悪気はなかったんだ。
僕への当てつけで彼女を誘ったんだろ?カードを送ったのは自分じゃないって言えよ!
(足音)おはようございますクローリー夫人。
いらしたんですか。
アルフレッドが入れてくれた。
ジョージに会いに来たんだけどウエストさんに「今は困る」と断られてしまって。
あのクローリー夫人。
グリッグ氏をお宅に引き取られると聞いたんですが。
ええ。
今日の午後着くわ。
私のせいでそのようなご迷惑をおかけするのは心苦しい。
彼は十分1人で生きていく能力がありますから。
だけど結局救貧院へ行くことになったわ。
どうかあのような者のために気力や親切心を無駄に使わないでいただきたい。
このようなおつらい時に。
どうもありがとう。
でもねカーソン。
気力や親切心が残ってると気付けたのよ。
それってすばらしいことよ。
なんでわざわざリポンへ?さあね。
雑誌の発売を待たずに面接か?奥様はとにかく早く採用したいみたい。
調子はどう?アイビー。
よくありません。
ウッフフッ。
フン…。
若い頃を思い出すわね。
(ベイツ)ああ。
でも君はまだ若い。
私と違って。
フン…。
(コーラ)失礼だけど前にもどこかで会っているような気がするわ。
はい。
実はそうなんです。
以前ダウントン・アビーで働いていましたがすぐに辞めました。
どうして?以前はメイドだったんですがもっと上を目指すべきだと思ったんです。
なるほど。
裁縫はやっていましたので髪結いの勉強をしました。
侍女としての実務経験は?あります。
と言ってもほんの数か月だけですが。
雇い主が亡くなってしまったので。
まあお気の毒に。
まだまだ経験不足だとお思いでしょうが一生懸命働きますし技術も磨いています。
そうね。
うちで働いたことがあるならヒューズさんにも聞いてみないと。
でしたら辞めるときにすばらしい推薦状をくださいました。
あらそれは心強いわ。
彼女を採用しましょうよ。
本気で働きたいのね?ええもちろんです。
ダウントンはすばらしいお屋敷でした。
侍女として働ければ本望です。
それでいつから働ける?もうすぐにでも働けます。
おば様のことはどうするの?おばですか?看病があるからここを離れられないんじゃ?ああそうでした。
私ったら興奮して頭が真っ白に。
あのおばの事は何とかしますのでどうぞご心配なく。
では決まりね。
ウフッ…。
(スプラット)たった3人の昼食会など1人で仕切れる。
何しに来た?レディー・シャクルトンに私を紹介してくださるようだ。
自分でそうしむけたのか?もしかして本当はこのお屋敷に潜り込んで奥様に取り入る魂胆じゃ?そんな…とんでもない。
レディー・シャクルトンは関係なく私の地位を狙ってるんだろ?違うよ。
本当にそうか?
(はなをすする音)お食事を始める時間だ。
おかしなマネはするなよ。
(シャクルトン)息子の話では農業への助成金を廃止するという決定が国じゅうの地主に打撃を与えたそうよ。
ロイド・ジョージは最悪ね。
同感だわ。
時々彼の正体はイギリス人ではなくドイツ人じゃないかって思うの。
アァ…来てくれてうれしいわ。
モールズリー。
モールズリーにはいつも家族が助けられているのよ。
あらそうなの。
ええホントに。
彼ほど頼れる人はいないってよくおばあ様と話してるんです。
そうなの。
おい危ない!
(モールズリー)おお。
あら。
大丈夫?モールズリー。
(モールズリー)はい奥様。
フッ…。
ところでイーディスロンドンへは何しに行くの?
(イーディス)ああ…向こうでは人と会うのよ。
何もしてないのにあんなに大声出すことないだろ。
容器を落としそうだったから注意しただけだ。
そんなことはない!そうか。
ほらこれを運んで。
フッ!フーッハハハハッフー。
モールズリー?すみません。
奥様あの…。
器が思いのほか熱くて。
(シャクルトン)かわいそうに。
仕事に慣れてないのね。
(イーディス)そうかしら?
(バイオレット)アッアァでもそういうところこそがモールズリーの長所なの。
いつも何にでも果敢に挑戦するのよ。
チャンスをあげるなんてあなたも寛大ね。
ええまあ何とか力になりたくて。
近頃はホントに厳しい世の中よね。
向いていない仕事に就いてる人は大勢いるわ。
あなたも早く本来の仕事に戻れるといいわね。
・
(グリッグのせきこみ)ああ…。
入って。
グリッグさん。
ヒューズさんから話は聞いてるわ。
ありがとうございます。
(せき)ああ…。
(せき)てっきりアァ…チャーリーが居るのかと。
チャーリー・カーソンが。
いいえ。
カーソンさんは忙しくて。
でも無事に着いたと伝えておきますね。
けどここに居ることは知ってる?アァ…。
昨日伝えたわ。
まずはお風呂へどうぞ。
とりあえず着られそうな服を用意しておいたからちゃんとしたのを買いに行くまでそれを着ておいて。
(メイド)こちらへどうぞ。
ご親切に。
いいのよ。
これくらい何でもないわ。
・
(せきこみ)厨房に行って彼が着いたことを伝えて。
フィールドさんに食事はトレーで出すように言ってね。
とりあえず今日のところはベッドで休ませるわ。
本当に親切なお方。
いいえ。
できる事をしてるだけよ。
(ボーイ)グレッグソン様はあちらです。
やあ。
今日は一段ときれいだ。
頑張っておめかししたの。
うれしいよ。
ワインを頼んでおいた。
(イーディス)何だか贅沢な気分。
すてきなお店ね。
信じられないわ。
レストランで男性とお酒や食事を楽しむなんて。
まさかこんな世の中が来るなんて5年前なら考えられなかった。
戦争で変わった。
前は外食といえば自分が泊まっていたホテルでしか食事できなかった。
時々母がこっそりリッツに連れてってくれたわ。
アッハッ。
愛してるよ。
ホントに?うん。
うれしいわ。
ウフッ。
ところで何のお祝い?ああ実は進展があったんだ。
ようやくリジーと離婚できる。
ドイツで国籍を取得すれば可能なんだ。
つまりあなたがドイツ人になるってこと?私のためにそこまで?君と結婚できるなら何でもする。
でもドイツ人よ?私のために4年も戦ってきた敵国の市民になるって言うの?キスしてもいい?ここで?人が居るよ。
かまわないわ。
キスして。
今すぐ。
「エドナがお屋敷に戻ってくる」と?まずは相談するべきだったけどあなたの推薦状を見て即決したの。
ええ。
ですがあれは…。
確かによく働いていたので推薦状を書きましたが侍女に向いているとは思えません。
せめて雑誌の広告に応募が来るまで待ってはいただけなかったのですか?驚いたわヒューズさん。
意欲のある女性に手を差し伸べるのを反対するなんて。
(ため息)やっぱりアイビーにカードを書いたのはジミーかも。
そんなの分からないだろ。
きっとそうよ。
フン…。
だとしたら私のはアルフレッドからってことになる。
ウン…。
(パットモア)アルフレッドちょっと来て。
なんで?いいから早くおいで。
(アンナ)モールズリーさん。
何か要ります?お茶でいい?いやいや結構だよ。
昼食会のことイーディス様から聞きましたよ。
ウーン…それは始まる前?終わったあと?前だけど。
ならその話はやめておこう。
(起立する音)ヒューズさんが捜してたって。
今はお部屋に居ます。
呼びます?いやいい。
(アルフレッド)ごめんよ。
初めに言わなくて。
僕がアイビーに送った。
でも…じゃジミーは…。
送ってない。
少なくともここの使用人には。
おやすみなさい。
(ため息)でもそれじゃ誰が私にカードを?気になって眠れない。
ああもうまったく…。
送ったのは私だよ。
ウソ!?ホントさ。
アルフレッドはどうせアイビーに送るだろうからそれじゃあんたが気の毒だろうと思ってね。
余計なことしてごめんよ。
謝らないで。
友達として気遣ってくれてうれしい。
フン。
おやすみなさい。
何も言えなかったわ。
推薦状を書いたのは事実だもの。
僕が頼んだから。
奥様に話した方がよかったですか?彼女が辞めた理由を。
僕が話すよ。
そもそも僕が悪いんだ。
いけません。
奥様は娘と義理の息子を失った。
その上シビル様の夫がほかの女にたぶらかされたと知るのはあまりに酷だ。
だからといってハッ…彼女を雇えないわ。
やむをえん。
厳しく指導して根性をたたき直すしかない。
直らないかも。
我々がしっかり目を光らせるんだ。
どうかあなたも今後はエドナにつけいる隙など与えないように。
もちろん。
聞けばきちんとした修業を積んだらしい。
それはウソではなかろう。
もしかしたら既に心を入れ替えたかもしれんぞ。
ああ…何だか時限爆弾を抱える気分よ。
・
(ウエスト)はいはい。
泣かない。
泣かない。
いい子ね〜。
・
(赤ん坊の声)・
(ウエスト)ほ〜ら。
よ〜しよ〜し。
かわいいかわいいお坊ちゃま。
間違っても運転手の娘になんかたぶらかされちゃ駄目ですよ〜。
ほ〜ら。
お前はさっさと寝な。
身分の卑しい汚れた子。
まあ奥様。
気付きませんで。
ええそのようね。
今のはただの…ただのシビー様とのお遊びなんですよ。
今夜荷物をまとめて朝一番に出ていって。
でも奥様…。
ジョージをベッドに戻してちょうだい。
2度と子供たちに触らないで。
あら。
てっきりウエストさんに呼ばれたかと。
いいえウエストさんは朝一番に出ていきます。
彼女に寝床を用意してメイドを1人この部屋に寄こして。
ただふざけていただけなんです。
やめて。
言い訳は聞きたくないわ。
あなたのような人をこの家には置いておけません。
(すすり泣き)それじゃヒューズさん。
荷造りが終わるまでここに居ます。
寝床を用意してメイドを呼んで。
分かった?あの人を子供たちに近づけないで。
いいわね?イーディスはまたロンドンか。
最近向こうへ行ってばかりだな。
編集者と会っているのよ。
真剣なのか?まあ見た目は悪くないし今のところ生きてる。
適齢期の男性の中ではましなほうだからね。
どうもいい相手のようには思えないのだが彼のことを知ってるのか?あんまり。
ダンイーグルでマシューと話してたけど。
もう寝なさい。
疲れてるようだ。
あしたの昼食会に出た方がいい?いや。
出る必要はない。
私のためだとは思うけど…。
領地の運営は私に任せてくれ。
それが一番だ。
私に考えがあるの。
マシューと練った改革案が…。
メアリー。
私に任せなさい。
(キスの音)もう休んで。
(ノック)
(ドアを開ける音)お嬢様。
夜遅くにごめんなさい。
でもどうしても伝えたくて。
謝りに来たの。
その必要はございません。
私が立場をわきまえず出過ぎたマネを。
おばあ様もあなたと同じ意見だったわ。
まあそれは驚きません。
「生きる者の世界」へ戻られる決心がついたのでしょうか?もしそうなら喜ばしい。
気付いたのよ。
「死せる者の世界」に長居しすぎたと。
我々もみんなマシュー様を愛していました。
みんなです。
ハァ…。
私…ハァ…ハッ…。
(すすり泣き)
(すすり泣き)お泣きなさい。
思い切りお泣きなさい。
今はそれが必要です。
(すすり泣き)準備ができたら仕事にかかるのです。
あなたは強いお方だ。
アァ…。
それができる強いお方です。
ホントにそうかしら?お父様はそうは思っていないみたい。
お嬢様がマシュー様の遺志を継がなくては。
あの方の改革を推し進めてダウントンを正しい方向へ導くのです。
迷った時はいつもあなたが自信を与えてくれて支えてくれる。
これからもいつでもここに居ます。
おやすみカーソン。
おやすみなさい。
(ドアの開閉音)・
(物が割れる音)・
(パットモア)ああもういやだ。
(ため息)あらあら一体どうしたの?どうやら設定を間違えたみたいでね。
ええそのようね。
ああ…。
フーッ…。
今日はさんざんな日だったわ。
なんで?乳母のウエストさんがクビになったの。
ああ!だからあしたは大騒ぎよ。
こんなとこ見られたらあたしもクビだよ。
あしたデイジーとアイビーに片づけさせて。
それじゃ機械が使えないってバレるじゃないか。
それが何?何って!あたしが役立たずの古い人間だって思われるよ。
分かんない?フン…。
もう…エプロンを貸して。
一緒に片づけるわ。
いいのかい?いいわよ。
寝なくたって平気。
ありがとう。
ああ…やれやれ。
実はあの人嫌いだったんだ。
ウエストさん?うん。
私が言うことじゃないんだけどここだけの話ね…。
ゆうべはどこに行ってたんだ?寝床に入った時は居なくてけさは遅くまで寝ていたようだが。
寝たのがだいぶ遅かったのよ。
いい所で会えたわ。
話したいことがあるの。
私たち救われたのよ。
このバローにね。
ウエストさんは乳母にふさわしくないから今日で辞めるわ。
何?またか。
詳しく話したいけどもう行かないと。
バロー。
あなたには本当に感謝してる。
私も安心しました。
彼女はどうも怪しいという勘が働きまして。
(テイラー)新しく機械を買うと言ってもそう簡単にはいきませんよ。
確かに大きな賭けだ。
おっしゃるとおりです。
大体どんな機械かも分からず失敗したら大ごとだ。
最初にテストをすれば問題ありません。
(参加者の話し声)
(起立する音)遅くなって申し訳ありません。
(テイラー)かまいませんよ。
食事はまだです。
ここに座って。
いいえ。
一番端でいいわ。
カーソン椅子を用意して。
いいやここに座って。
僕が端に行く。
君の場所だ。
本当に大丈夫なのか?もちろん。
この時を待っていたの。
そういえばテイラーさん羊を手放すと伺ったんですけど?それがお嬢様そう単純な話じゃないんですよ。
私だって本当なら牧畜を続けたいのはやまやまなんですがそうもいかない状況でして。
と言いますと?モールズリーさん?職を失って以来村じゅうに借金をして回っている。
だけどあなたならきっと…。
分からないか。
もうどん底なんだ。
中身は何でしょう?メアリー様宛の荷物だからあとでご本人に伺うといい。
侍女になったからバローさんが嫌がらせしてくるかもしれない。
メアリー様を悲しませるような物かも。
どうしよう?怒られる。
俺にいい考えがある。
2016/01/10(日) 23:05〜00:17
NHK総合1・神戸
ダウントン・アビー4 華麗なる英国貴族の館(1)[新]<全10回>動き出す時間[二][字][デ]
20世紀初め、貴族と使用人が繰り広げる愛憎劇。大ヒット英国ドラマの第4章。夫の死から半年、絶望のあまり生きる気力を失っていた伯爵家の長女メアリーは…。
詳細情報
番組内容
夫マシューが突然の事故で亡くなってから半年。メアリーは悲しみから立ち直れずにいた。生まれたばかりの息子の世話も乳母に任せきり。周囲の人々の慰めや励ましの言葉も届かない。そんなメアリーに祖母が語りかける。一方、侍女のひとりが突然、館を去り、使用人は大騒ぎになる。
出演者
【出演】ヒュー・ボネヴィル…玉野井直樹,エリザベス・マクガヴァン…片貝薫,ミシェル・ドッカリー…甲斐田裕子,ローラ・カーマイケル…坂井恭子,アレン・リーチ…星野健一,マギー・スミス…一城みゆ希ほか
原作・脚本
【脚本】ジュリアン・フェローズ
監督・演出
【演出】デビッド・エバンス
制作
〜イギリス カーニバル・フィルムズ/アメリカ マスターピース制作〜
ジャンル :
ドラマ – 海外ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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2/0モード(ステレオ)
英語
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