おみやさん6 2016.01.11


(氷川冴子)亜紀…あいつまたいる。
(篠原亜紀)頭くるわもう!冴子大丈夫だから私の後ろから来な。
あんたさいい加減にしなさいよね!彼女あんたのことなんて何とも思ってないんだから付きまとわないでよ!亜紀もういいよ。
行こう。
気持ち悪いんだよ。
(男)気持ち悪い?
(亜紀)どきなさいよ!
(男)うわっ!
(刺す音)何するのよ…。
ああ…亜紀!亜紀!
(鳥居勘三郎)
14年前医大生篠原亜紀が殺害された
ストーカーのように付きまとう男から親友の氷川冴子を守ろうとした結果の悲劇だった
手掛かりは現場に残された足跡と狙われた氷川冴子の目撃談だけだった
(篠原公一郎)あんた達はどういうつもりなんだ!彼女に付きまとう男がいるから調べてくれと何度も頼みに行っただろう!少しでも捜査してくれればあの男は怖がって冴子さんの前には二度と姿を見せなかったかもしれない。
そうすれば娘は殺されずに済んだんだ!
(刑事達)申し訳ございません!警察は誰かが殺されるまでただ黙って眺めているだけなのか!?ごめんなさい。
私が亜紀に助けを求めたりしたから…。
私のせいです。
お父さんごめんなさい…。
冴子…。
帰ってくれ!二度と来るな。
だが犯人を逮捕できぬまま事件は迷宮入りし時効まであと3日に迫っていた
そして…
(田島麻衣子)キャー!
(麻衣子)やめて…!キャー!
(七尾洋子)おたまさん?どうしたんだろうね?いつもは早めに用意して早く早くって言う人が…。
ホント。
おたまさんもう行きますよ!
(おたま)今日はね寒いからお家でおみかんでも食べてのんびりしております。
おたまさん東寺の弘法市楽しみにしてたんじゃないの?
(おたま)あっ…。
あっ…じゃあおたまさんに似合う古着があったら買ってくるね。
(おたま)私が古着でもお似合いだとでもおっしゃりたいの?違いますよ!おたまさんは今私のお母さんみたいな人だから喜んでもらいたいと思ってるんじゃない。
お母さん…?そうよ。
いつもお世話になってるんだし。
洋子さん…あなたいつも私のことそういうふうに思っててくださるの?いつだって感謝感謝でいっぱいなんだから〜!
(2人の泣き声)おお〜いろんなものがいっぱーい!おっこれかわいい〜!ちょっとおたまさんには若すぎるんじゃないの?ううん私の〜。
ちょっと失礼。
えっまさかそれおみやさんが着ようっていうんじゃないでしょうね。
君いくつ?
(阿部亮介)歳?うん。
30ですけど…。
これいくら?1万円です。
ちょっとおみやさんマジで買うの?ええ〜?
(会沢桂子)わあ!おみやさ〜ん!
(兵藤兵吾)おみやさん今日は日曜なのに。
事件?
(吉川新平)はい。
愛染倉の竹林で女子高生の他殺死体が発見されたんです。
(村井信治)何をやってるんだ!早く行かないか!
(一同)はい!何だね?家にいても暇でしょうがないってことかね。
忙しいんで後ほど。
えっいや…。
失礼します。
えっ…。
あったあったあった…これだ。
「北山医大生ストーカー刺殺事件」あらっ?見返り美人のGジャン?やっぱりこれだ。
どういうことですか?14年前医大生がストーカーに付け回され親友に助けを求めたんだが不幸なことにその親友がストーカーに刺し殺されるというヤマが発生した。
親友を助けようとした友達が…。
この医大生はホシはGジャンにジーンズ姿だったと証言。
それをもとに捜査は進められ…現場近くの駐車場の防犯カメラの映像がこれ。
じゃあこの男がホシなの?いやそれはわかんないよ。
でもこれを着てただけで容疑者にするって強引じゃないんですか?たくさん出てるだろうし。
いやこのGジャンはビンテージもので販売された枚数も少なかった。
販売ルートは追ったんですか?だけど購入者全員を特定はできなかった。
ふーん…。
あれ?このヤマ日付が14年前の…。
明後日の午前0時時効が成立する。
時効…あと35時間!?洋子このGジャンを売ってた青年にどこで手に入れたか訊いて。
僕病院行ってくる。
病院?
(相田澄子)先生…。
(冴子)手術は無事終了しました。
もう大丈夫ですよ。
(澄子)ありがとうございます。
エリカちゃんは?院長先生が。
ああそう…。
「おや?いろんな音がするよ。
聞いててごらん」「あひるの…」エリカちゃん院長先生に絵本を読んでもらってるの?
(相田エリカ)うん!いいわね〜。
どう?はい無事終了しました。
そう。
ご苦労さん。
エリカちゃんパパの手術終わったそうだからパパに会いに行こう。
なっ。
ああ鳥居さん。
しばらくです。
どうもご無沙汰してます。
いやいや。
(冴子)こんにちは。
(公一郎)あっ君エリカちゃんをパパとママのところに連れて行ってくれ。
(河合明日香)はい。
エリカちゃん行こう。
院長先生また遊ぼうね!ははは…ありがとうね。
今日は何か?実は見ていただきたいものがありまして。
これなんですが。
当時もお話ししたんですけど私あの男の後ろ姿を見てないんです。
ですからどんな模様のジャンパーだったかわからないんです。
そうですか…。
鳥居さんどちらでこれを?東寺の弘法市です。
東寺の弘法市?しかしあれからもう15年も経とうというのにずっと捜査をしていただいているとは本当にありがたいことです。
今まで犯人を検挙できず申し訳ありませんでした。
いやあれからねこの冴子さんが私のそばにいてくれるお陰で本当に私は癒やされました。
まるで死んだ亜紀がそばにいてくれるような気がしましてね。
まるで本物の姉妹のようでしょう。
きれいだね。
ふふふ…。
きれい。
私?もみじ。
おい亜紀冴子ちゃん動くなよ。
(2人)は〜い。
ホントに仲がよかったんですね。
ご存じかと思いますが明日で事件発生から15年になります。
亜紀の15回目の命日…。
事件の時効が成立するということですな。
はい。
(阿部)川西の住宅街のゴミ置き場で拾ったんですが紙袋に入ってて。
紙袋に入ってた?ええ。
あっ…ええっと確か…。
この紙袋です。
はあこの中に?ええ。
(桂子)ああひどい…。
(兵藤)まったくだ。
(茅野太一)兵さんバッグの中に学生証がありました。
鴨川東高等学校田島麻衣子…。
(星野康夫)桂子さん所見で死亡推定時刻どうですか?そうですね…昨日の午後5時前後じゃないでしょうか。
高岡。
(高岡俊介)はい。
靴が片方脱げてるが発見したか?
(高岡)それがさっきから探してるんですけど見つからないんですよ。
(兵藤)ふーん…。
(吉川)兵藤さん!
(兵藤)うん?ちょっとこれ見てください。
ガイシャの携帯なんですけど。

(桂子)彼女がホシから逃げながら撮った動画?この後殺されたのかと思うとたまりませんね。
兵さん目撃者捜し行ってきます。
(兵藤)おう。
(茅野)頼みます。
(上岡健司)あいつだ…。
(吉川)あいつというと?ストーカーみたいな男に付きまとわれてるって言ってたんです。
(兵藤)ストーカーってどんな?帰り道とかジャージー着てニットの帽子かぶった男に付け回されて気持ち悪いって…。
この男ですかね?
(上岡)これじゃあちょっとわかりにくいですね…。
(足音)あっおみやさん。
東寺の弘法市の阿部さんです。
阿部さんこのGジャンはこのゴミ置き場でこの紙袋ごと拾ったんですよね?ここで?はい。
紙袋ごとここで。
洋子このゴミ置き場使ってる家庭あんまり多くないだろう。
手分けして捜そう。
わかりました。
じゃあ私こっち行きますんでおみやさんあっちお願いします。
レンタルビデオの会員券?いやぁ…気づきませんでした。
洋子こっちが先。
わかりました。
ありがとうございました。
いえ。
お気をつけて。
しかし寒いのによくやりますね。
あのな高岡ちゃん暑かろうが寒かろうが…なっ?こういうのを引っ込めるために何だってやってるんだよ。
何だってやったほうがいいですね。
(茅野)何でもやってるんだ俺は。
(木村浩美)キャーッ誰か!!茅野さん!おう!
(茅野)どうしました!?
(浩美)あの人が…!ジャージーにニット帽…!おい待て!待て!
(茅野)署で事情を聞かせてもらうぞ!
(時計の音)
(ため息)おみやさん!わかりました。
(チャイム)宮村さんですか?
(宮村里香子)はい。
鴨川東署の鳥居っていいます。
刑事さん…?いえ資料課です。
ああ…。
ちょっとお尋ねしたいんですが実はこれ昨日東寺の弘法市で売りに出てたんですがこれ宮村さんのものじゃないですか?一緒にビデオ屋さんのカードが入っていたので宮村一樹さんのものに間違いないと思うんですが。
あっそうですか…。
じゃあそうなのかもしれません。
…とおっしゃいますと?あの…来月引っ越しするんで荷物の整理をしていてもう着ない服とかいろいろ捨てたんでその中に交じっていたのかもしれません。
ご主人ご在宅ですか?いえ主人はもう仕事に…。
どちらへ?学校です。
学校?高校の教師なんです。
(宮村一樹)宮村ですが。
鴨川東署の鳥居っていいます。
実はこのGジャンなんですけど…。
随分派手ですね。
僕はこんなものは着ませんが。
えっ?奥さんに伺ったら引っ越しのために荷物を整理しててこれが出てきたんで捨てたとおっしゃってましたが。
妻が?はい。
そうですか…。
それじゃあもしかして昔こんなの着てたのかな。
このGジャンが何か?ある殺人事件にかかわってることなんです。
殺人事件ですか…。
はい。
おみやさん…。
ホントに歯切れ悪い。
こんな派手なGジャン着てたら絶対覚えてるはずなのに適当なこと言ってるし。
洋子経歴調べてくれる?できたら顔写真も。
15年前の。
やってみます。
どうしたの?おかえりなさい。
昨日捕まえたストーカー男竹林の女子高生殺しのホシとはちょっと違う感じなんですって。
何だって?家宅捜索したらね女性ものの下着とかは山ほど出てきたらしいんだけど肝心の靴が出てこないって。
靴?あっ昨日殺害された高校生靴が片方どうしても現場で見つからなくていろいろ調べたらあの付近で女性の片方の靴だけがなくなるっていうヤマが頻発してるらしいんです。
どうしたんですか?桂子さん。
はい。
うっ…ええっ!?
(前島耕司)だからこんな子知らないって言ってるじゃないですか!
(ドアの開く音)
(吉川)あっおみやさん。
ジャージーにニット帽の男が犯人だっていう証拠があるんだよ!ジョギングしてるように見せかけて女物色してたんだろ!
(前島)そんなニット帽の奴なんか他にもいたよ。
いた?そうだよ。
ジャージーにニット帽で夜なのにサングラスなんかして走ってる気持ち悪い奴。
君靴は集めないの?靴?何でそんなもん…。
うん?
(桂子)おみやさーん。
プチブレーク。
はいどうぞ愛のコーヒー。
いやコーヒーよりかシミ見て。
うん?シミ?これ血痕じゃない?血痕?大至急調べてくれる?えっ…もしこのシミが血痕で15年前のヤマのガイシャ…ええと…。
篠原亜紀。
…の血痕だったらこのGジャンの持ち主がホシってことになりますよね?時効直前の土壇場で逆転逮捕できるかもってことですか?大至急頼む。
はい!大至急やってきます。
あっおみやさん宮村一樹の写真手に入りました。
高校の卒業生を捜して卒業アルバムから手に入れたものなんですけど。
あっそれから宮村一樹の経歴なんですが生まれは滋賀県の守山市三宅町で長浜大学を卒業後教員になっていくつかの高校を回って京栄高校に入ったのは8年前です。
15年前は?教員試験に失敗して浪人中だったんですが守山市の実家に住んでいたようです。
守山市…。
あと13時間…。
(時計の音)この男なんですが…。
冴子どうだ?似てます。
似てる?この方どちらの方なんですか?いやそれはまだ申し上げられません。
(ノック)失礼します。
先生305号室の河原さんが点滴は嫌だと。
(冴子)わかったすぐ行く。
いや僕が行こう。
河原さん話し相手が欲しいだけなんだ。
じゃあ鳥居さん…。
(冴子)すいませんお父さん。
お忙しいところありがとうございました。
院長先生を「お父さん」ってお呼びになってるんですね。
ええ。
私は院長を本当のお父さんだと思ってます。
私医大に入ってすぐ両親を交通事故で亡くしたんです。
医大を諦めなきゃならないと思った時亜紀とお父さんが…。
冴子ちゃんうちに住まないか?うん?ここから医大に通えばいいじゃないか。
もちろん学費の心配はいらないよ。
お父さん…。
いや亜紀はね3歳で母親を失ってからずっと私と2人っきりなんだ。
冴子ちゃんがここに住んでくれれば亜紀もきっと喜ぶよ。
なっ?ぜひそうしなさい。
本当にうれしかった。
あれからずっとお父さんの世話になって何もかも…。
医者になれたのもお父さんのお陰なんです。
恩返ししてもしきれないくらい。
そうなんですか。
それなのに私のせいで亜紀があんなことになってしまって…。
それでもお父さん私のことを一度も責めないのがかえってつらくて…。
院長先生あなたのせいだなんて思ってないからですよ。
これか…。
ねえ。
ただいま。
おかえりなさい。
おみやさんあのねビンテージもののGジャンはあんまり洗わないんですって。
それが幸いしました。
このシミやっぱり血痕だった。
ありがとう。
で血液型はA型です。
15年前のガイシャ篠原亜紀さんと一緒。
でもまだこれだけじゃ断定できませんから京都府警の科捜研へ大至急DNA調べてもらえるように頼んできました。
あっこのGジャンはもうサンプル取りましたのでお返ししておきます。
サンキュー!いいえ。
高くつきますから覚悟しておいてください。
ええ…。
イー!ふふふ…。
(電話)はい資料課です。
鳥居ですか?少々お待ちください。
おみやさん氷川冴子さんから。
はい鳥居です。
もしよかったら写真の人に会わせてもらえませんか?実際に見たらわかるかもしれませんので。
わかりました。
ありがとうございます。
さようなら。
寄り道するなよ!
(生徒)さようなら。
さようなら。
(宮村)気をつけてな。
(生徒達)はい。
寄り道するなよ。
さようなら。
冴子先生どうです?似てます…。
あんな感じの人でした。
でもはっきりあの人だとは断定できないわ。
もう冴子を解放してやってくれませんか?鳥居さんが警察の人間として犯人を逮捕しなければならない気持ちはよくわかります。
しかし冴子にしてみれば一番思い出したくないことなんですよ。
私は冴子のお陰で本当に救われました。
亜紀があんなことになった当座は犯人を憎んでました。
自分の手ででも犯人を追い詰めて切り刻んでやりたい…。
鬼畜のような心になっていたんです。
それを救ってくれたのが冴子でした。

(公一郎の声)冴子は私の心を癒やしてくれた。
あの子の中に亜紀がいる…。
冴子と亜紀は一緒に生きて私のそばにい続けることで私を懸命に支えてくれたんです。
もういいんですよ鳥居さん。
あの事件から冴子を解放してやりたいんです。
結果が出たらすぐにここに連絡くれるよう頼んであります。
聞きましたよ。
あと4時間か…。

(男)うわっ!
(刺す音)何するのよ…。
あの男だったのか?
(冴子)今さら逮捕されたって…!やめろ!だって…許せない!もういいんだよ。
いや…いいんだもう。
俺はね冴子に犯人のことなんかもう忘れてほしいんだよ。
そんなことより医者として患者さんを救うことに専念してもらいたい。
そのほうがずっとうれしいんだ。
亜紀だってそう考えているはずだよ。
だからもう…もういいんだよ。
犯人のことは警察に任せておきなさい。
お父さん…。
(冴子の泣き声)
(時計の音)15年目時効直前の逮捕か…。
ああ…早く早く早く…。
DNAさえ一致すれば逮捕できる…。
いつでも飛び出せるようにしておけ。
はい。
(携帯電話)きた!はい会沢です。
どうでした?DNA。
はい。
…はい。
ありがとうございました。
桂子さん…。
どうでした?Gジャンに付着していた血痕15年前のガイシャ篠原亜紀さんのDNAと違うものでした。
違う?何で?もう…!宮村がホシに決まってるのに何で逮捕できないの!?何が時効よ!
(ため息)ごめんなさいこんな遅くから。
(小池仁美)いいえ。
今夜は朝まででもよろしおすえ。
(福島重夫)付き合いますよ。
ありがとうございます。
おみやさんどうぞ。
(ため息)15年ね…。
長いようだけど被害者とか被害者の遺族には昨日のことと同じなのよね。
悲しみが癒えることはないですよね。
犯人も同じだ。
時効なんかない。
何年経ったって罪が消えることはない。

(公一郎)そんなに動いたらほら…描けないだろう。
(2人)は〜い。
でもお父さん幸せ者よね。
こんな美人の娘が2人いて。
キャー!力及ばず申し訳ありませんでした。
時効ですか…。
成立したんですね。
時間のけじめはついても心のそれは…。
私が家族を守ってやるべきでした。
(携帯電話)失礼。
はいもしもし。
そうです。
ええ。
わかりました。
すぐ戻ります。
病院か?ええ。
緊急のオペを要する患者さんが搬送されてくるらしいのですぐ戻ります。
うん。
(明日香)石段から転落して意識を失っているそうです。

(吉川)あっおみやさん!どうした吉川。
いや今朝若い女性が昨日の夜ジャージーにニット帽の男に襲われかけたという通報がありまして。
ジャージーにニット帽?これなんですが…。
それで念のために現場に行ってみたらついさっきその男がこの病院に運ばれたと聞いて来たんです。
名前は割れたのか?
(吉川)おみやさんはどうして?一昨日殺害された高校生靴が片方なくなってたんだよね?ええ。
最初は逃げている時にどこかで脱げてしまったのかと思ったのですが付近で頻発している女性の靴を盗む癖のある男の犯行ではないかと考えているのですが…。
吉川15年前この病院の娘さんが殺されるっていうヤマがあった。
その時犯人と思われるストーカーが付け回したのが外科医氷川冴子さん。
当時彼女も靴を片方盗まれている。
殺された女子高生の田島麻衣子も確か靴が片方…。
おみやさんそれって15年前のホシと同じかもしれないってことですか?冴子。
先生脳には異常なかったんですが今吐血しました。
吐血?柴田先生はどこか内臓破裂したんじゃないかとおっしゃってます。
すぐ来てもらえますか?
(公一郎)冴子すぐに行きなさい。
内臓破裂して出血をしていれば一刻を争う。
でもお父さんあの男は亜紀を…。
いいから行きなさい。
患者を救うのがお前の役目だ。
私にはできません。
無理です。
いいから患者を助けるんだ。
宮村の家内です。
あっ院長の篠原です。
ご主人は今手術をしておりますからあちらでお待ちになってください。
あの…主人は助かるんでしょうか?後で担当の医者から説明があります。
(足音)冴子先生血圧が90を切りました。
急いでください!冴子!今行かなければ君が後悔する。
ずーっと苛まれることになるんだよ。
構いません!亜紀は私を助けるために殺されたんです。
そのことで私が苦しんだって当然です!冴子…誰一人として君のせいだなんて思っている者はいない。
あの男は亜紀を殺したんですよ。
しかも時効になって罪にも問われないんですよ。
そのことはもういいんだよ。
君が立派な医者になることが私には一番の希望なんだ。
お父さん…。
そういう気持ちにさせてくれたのは冴子お前のお陰だ。
頼む。
あんな男のために道を踏み外すな。
医は仁術だ。
医者としての道をまっとうしなさい。
冴子さん我々は必ず犯罪を暴きます。
犯罪者を罰します。
あなたは必ず患者を救ってください。
患者の命を守ってください。
我々のやっていることは反対のようですけど目的は一緒です。
命の大切さ守りたい。
冴子…。
わかりました。
ねえおみやさん。
宮村の手術が成功して意識を取り戻したら誰に突き落とされたのか証言するわけですよね?そうしたらもしかして…。
洋子…仮にたとえそうだとしてもそれはそれでいいんじゃないか?あの…。
あの見返り美人のジャンパー私が捨てました。
主人に確かめず私が捨てたんです。

(里香子の泣き声)吉川詳しい事情聞いて。
はい。
(里香子の泣き声)
(ノック)
(ドアの開く音)はは…若い頃は絵描きになりたいと思ったこともありました。
じゃあその絵は先生が?ははは…まあ私が描いた絵の中では最高の作品でしょうか。
モデルさんがすばらしいですもんね。
そうですな。
この時のままずっと時が流れていてくれれば私にとってこんな幸せな人生はなかったでしょう。
(公一郎の声)私達は家族でした。
家族?ええ。
3人の家族でした。
私が家族を守ってやるべきでした。
このままだと冴子さんが宮村一樹に復讐してしまう。
冴子さんにそれをさせないために先生…あなたが宮村を突き落としたんですね?許せない!そうです…。
冴子には犯人のことなんかもう忘れろと偉そうなことを言っておきながら…。
しかしあの男の写真を見せられた時から長い間抑え込んでいた父親としての性がよみがえったのでしょうか。
キャー!宮村一樹だな?篠原亜紀の父親だ。
事件は時効になった。
せめて亜紀の墓の前で謝罪しろ。
それぐらいできるだろ?何のことかわからないんですが。
お前は私の娘を殺した!墓の前で謝れ!だから何の話か…。
亜紀を返せ!私の娘を返せ!離せよ!もう時効なんだよ!時効!?そんなものは私にはない!冴子には恥ずかしいことをしてしまった…。
ですが宮村はこの病院に運び込まれた。
亜紀さんがこの病院に導いてくれたんじゃないでしょうか。
亜紀が…?冴子さんが今あの男を手術しています。
院長先生が冴子さんを立派な医師に育て上げたということじゃないでしょうか。
鳥居さん…。

(公一郎)あっご苦労さん。
よく頑張ったな。
お父さん悔しい…。
いいんだ。
いいんだよこれで。
(冴子)お父さん…。
ありがとう。
冴子のお陰で私はこの15年本当にいい人生が送れた。
ありがとう。
お父さん…。
ほら亜紀も喜んでるじゃないか。
お父さん…。
鳥居さんありがとうございました。
宮村は新たな犯行を重ねた疑いがあります。
必ず彼を罰します。

(ノック)
(ドアの開く音)医は仁術なり…。
父の意志を継いでこの病院を守ります。
お父さんと冴子さんとそして亜紀さんの夢…。
おたまさーん!
(おたま)はい。
何ですか?ここに座って。
肩もみするから。
まあまあまあ…。
早く早く早く早く。
はい。
あら…。
よし!あら…まあ気持ちいい。
ああ凝ってる凝ってる…。
毎日やりますからねこれ。
ちょっと…どうしちゃったんですかまあ坊ちゃま。
えっ?こんばんは!おたまさんにふたばの豆大福買ってきました。
まあ私に豆大福?うん。
あっおみやさんそれ代わりますね。
ちょっとちょっと…待ってくださいよ。
えっ?まあ…。
ああ…いやあのね「親孝行したい時には親はなし」っていうでしょ。
だから息子同然のおみやさんと娘同然の私とでおたまさんに親孝行しようって決めたの。
はっ?それじゃ私がさっさとあの世へ行っちゃうみたいじゃないですか。
まあそうとも言えるかな。
まあ…。
ちょっとあなた…。
坊ちゃままで…。
いやいや…違いますよ。
ホントに感謝を込めて。
長生きしてください!私長生きいたしますから。
ええ長生きしてください。
ホントにそう思ってますか?ホント思ってますよ!長生きいたします。
(洋子・鳥居)はい。
おしゃべりあるき目です
今日は日本で恐らくたった1人の2016/01/11(月) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
おみやさん6[再][字]

【第13話】14年前の殺人事件に繋がる服をボロ市で見つけたおみやさん(渡瀬恒彦)は被害者の父(平幹二朗)に会いにいく。時効成立15分前…運命の血液鑑定の結果とは!?

詳細情報
◇番組内容
京都鴨川東署資料課の窓際課長・鳥居勘三郎(渡瀬恒彦)が、部下の七尾(櫻井淳子)と迷宮入りした難事件に挑む!
◇出演者
渡瀬恒彦、櫻井淳子、七瀬なつみ、不破万作、林泰文、片桐竜次、小野寺丈、一條俊、相本久美子、菅井きんほか
【ゲスト】平幹二朗、中原果南

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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