救命病棟24時 #05【帰ってきた天才外科医!命と向き合う使命感とは…】 2016.01.11


突然、飛びかかりジャンプをしながら左でパンチ。

(神林)太田川。
(奈津)はい。
例のお茶入れてくれる?
(奈津)はい。
(神林)あの100g4,000円のヤツね。
(奈津)はい。
味よし香りよしすべてよしってヤツ。

(城島)俺もう48時間も病院から出てないな。
(馬場)俺72時間だぞ。
(小田切)なあ。
さっき運ばれてきた子どう?陸上部の練習中に事故に遭ったっていう。
脳圧がまだ。
あと頚椎損傷もあって気管支鏡を使って挿管しました。
「気管支鏡」ってどこから?麻酔科ですけど。
そうか。
でもインターハイ直前だったらしいですよ。
厳しい練習に耐えてきたんだろうに。
何か悲しすぎますね。
なっ!?痛っ。
何とか俺の力で助けてやんねえとな。
うっ。
何だよ。
馬場先生臭い。
「臭い」?あの医局に泊まるんでもシャワーぐらい浴びてくださいね。
夏なんですから。
俺シャワー嫌いなんだよ。
大体さアフリカじゃ水は貴重だからね。
ここはアフリカじゃありません。
それでなくても救命医なんてモテないのに安月給で忙しくてその上臭いとなったらもう。
あれ?やっぱりそう?救命に戻ってからウチの奥さんも変なんだよ。
いつ電話しても何か心ここにあらずみたいな。
何か僕との話に身が入ってないっていうか。
浮気かな。
浮気だ。
救命医ほど浮気されやすい夫もいないって言うしね。
忙しいし夜勤はあるしね。
(奈津)違いますよ。
多分神林先生の話がつまらないだけですよ。
だよね?そうだよね。
フッフッフ。
(城島)医局長のウチは大丈夫ですか?えっ?だってほら第一外科から急に救命でしょ?家族とか何も言わないんですか?ウチは大丈夫だよ。
うん。
大丈夫。
すごく理解あるし。
妻とも子供ともちゃんと会話してるし。
あっそうだ。
あっ。
医局長お茶。
(ナース)お願いね。
(ナース)はい。
(佐智)どうしても局所症状ばっかりに目がいってるのよね。
(みどり)全身状態の把握は内科にいるときからきちんと。
ここは救命センターなの。
はい。

(一重)婦長。
何?今度の土曜日有給を。
青木さんのサマリは?あっそれは今から。
古市さんの看護計画は?
(朋子)あっそれも今から。
看護研究の動機はまとめた?それも今から。
って思ってました。
お休みのことを考える前にまずやるべきことをやりなさい。
(一重・朋子)はい。

(早苗)婦長。
今週の土曜日。
あなたたちねえ。
婦長。
(佐智)はい?今度の土曜日久々に休みとるんだ。
えっ?もう3回ドタキャンしてるからさ。
ここらあたりできっちり家族孝行しとかないとなあみたいな。
うん?なっ何?・
(友部)あのう。
医局長の小田切先生ですよね?はい。
(たまき)山城さん。
(紗江子)はい。
胸部外傷の患者さんチェストチューブクランプしておいたから呼吸状態よく見といてね。
はい。
あっそれと中島さんには脳波とABRをオーダーしといたからあとお願い。
はい。
(北村)まだまだ残業?すっかり救命の一員って感じだね。
おかげさまで。
ああ。
そういえば知ってるかい?この前の学会で心筋細胞再生に関する発表があってね。
ああ。
城南大学の樋口助教授の発表でしょ?あれだったらもう先月号のサーキュレーションにパブリッシュされてたわよ。
ああ。
救命にいても専門の勉強はできるのよ。
簡単なこと。
人の二倍生きればいいだけ。
そしていつか実力で心臓外科にわたしは戻る。
(友部)我々医療法人こうあい会は先生のお力を高く評価しています。
今建設中の高級老人介護センターの医療部長どうかお引き受けいただけないでしょうか?
(小田切)ここの医療部長?給与は今の倍額は保証します。
救命とは違ってこちらは完全週休2日。
さらに研究日としてもう1日ご自由にお使いいただいてけっこうです。
いかがですか?医師としての第二の人生。
「第二の人生」?
(矢部)静注でトライさせていただきます。
あっ!痛ててて!
(矢部)あっごめん。
もう1回1回。
もう1回!
(たまき)何?
(進藤)専門書もいいが少しは患者との会話も勉強したほうがいいんじゃないか?クレーム入ってるらしいぞ。
「怖い」って。
ハッ。
わたしの笑顔は高いのよ。
そんな簡単に振りまけないわ。

(矢部)自分出ます。
はい。
港北医大救命救急センターです。
「救急指令センターです。
三次の患者の受け入れをお願いします」どうぞ。
メモ!「患者さんは胸痛を訴えたあとショック状態です。
なお数週間前から下血があったもようです」
(ナース)12Uで超音波用意して。
(ナース)はい。
分かりました。
「血圧74心拍数98呼吸数24意識レベル3…」心筋梗塞か。
下血もしてるとなるとちょっとやっかいね。
受け入れオッケーです。
(奈津)ストレッチャー入ります。
(救命士)胸痛が持続してます。
酸素投与してもサチュレーション85です。
名前年令は?
(救命士)柴田茂文さん60才です。
どうかした?いや。
何でもない。
行くわよ。
(一同)123!血ガス血算生化。
モニター。
はい。
失礼します。
血圧測りますよ。
左手ちょっとチクッとしますよ。
(ゆき)酸素6リットルでいいですか?うん。
何かおっしゃってます。
(柴田)無駄なことはよせよ。
何て?「無駄なことはよせ」って。
自分は末期がんだ。
(ゆき)「自分は末期がんだ」って言ってます。
EKGだ。

(オープニングテーマ)
(百合子)麻耶。
麻耶!麻耶ちゃん。
麻耶ちゃん。
反応ありません。
(百合子)「インターハイに行くんだ」ってあんなに毎日練習してたのに。
(馬場)マンニトール2001日3回投与。
(ゆき)はい。
いや。
4回にしよう。
(ゆき)分かりました。
あきらめずに頑張りましょう。

(進藤)柴田さん。
おかげんはいかがですか?ハァ。
悪いよ。
貧血が進行しますので輸血をします。
それとDIPの検査もさせてください。
(柴田)なるほどね。
無駄な検査をいくつもやって診察料を余分に稼ごうってわけか。
無駄な検査ではありません。
ああ。
失礼失礼。
俺が死んだときに「もう手の打ちようがありませんでした」って言い訳するためには必要な検査だ。
治療のための検査です。
きれいごとはいいよ。
医者ってヤツはよ。
とにかくきれいごとばっかりだ。
俺はもう死ぬんだ。
無駄な検査で無駄な人生をもうこれ以上無駄に延ばさないでくれ。
「無駄な人生」だったんですか?ああ。
無駄な人生だったよ。

(紗江子)進藤先生。
外来に熱傷の患者さんです。
ああ。
何かあったら呼んでくれ。
(ゆき)はい。
あの医者が好きなのか?えっ?目見りゃ分かるよ。
そんなんじゃありません。
医者にはホレるなよ。
特に救命の医者はいかん。
不幸になるばっかりだ。
何言ってるんですか。
ハァ。
俺の女房みたいにな。
(ナース)おはようございます。
(ナース)おはよう。
(ナース)おはようございます。
納得できません。
柴田さんは依然として危険な状態です。
心筋梗塞をいくら抑えても結腸がんを切除しなければ。
あの心臓では長時間の手術には耐えられない。
リスクが大きすぎるよ。
いやでもオペをしなければ出血は止まりません。
患者の命はもって2、3週間です。
第一外科の神宮教授はやらないって言ってるんだ。
なら我々でやりましょう。
そういう問題じゃないよ。
手術死とされるのが怖い。
第一外科の言いたいのはそういうことですよね?「手術死」?手術から1か月以内に患者が亡くなること。
ああ。
そうだった。
手術死が起これば病院の評判は落ちるし厚生労働省もいい顔はしない。
(馬場)最悪医療ミスだとかマスコミに騒がれたり。
でもそういうことは患者本人には関係ないだろう。
だってそれが現実じゃない。
わたしは手術見送りもしかたないと思うわ。
いかにも神宮教授的な判断で好きにはなれないけど。
これしばらく僕に預けてくれない?もう一度第一外科と話してみるから。
じゃあ今日のカンファレンスは以上!
(馬場)よし。
例のインターハイの谷沢麻耶ちゃん。
経過はどう?
(馬場)まだ意識戻んないですね。

(友部)給与は今の倍額は保証します。
救命とは違ってこちらは完全週休2日。
いかがですか?医師としての第二の人生老人ホームのお医者さんか。
(遠野)小田切先生。
あっ。
遠野部長。
誠に申し訳ない。
(馬場)謝ることなんかないですよ。
緊急時だったんだから。
大体全員が席外してるなんて悪いのは麻酔科のほうじゃないですかね。
馬場先生。
(遠野)君は規則を何だと思ってるんだ!?君があの気管支鏡を無断使用したおかげで今日のオペの予定がすべて遅れたんだぞ!じゃあどうすればよかったんですか?彼女は全身麻痺の恐れもあったんだ!それを気管支鏡もなしに処置するなんてことできるわけ…。

(佐智)医局長!
(遠野)規則に従ってきちんと手順を踏めと言ってるんだよ!ほかの麻酔科のスタッフはちゃんと病棟にいたんだから。
(馬場)その麻酔科のスタッフを捜す時間がもったいない。
規則ではね。
(馬場)お役所ですか?麻酔科は!俺はアフリカにいたとき…。
(遠野)ここはアフリカじゃない!
(遠野)部長会で問題にします。
ちょっと待ってください。
小田切先生もそのおつもりで。
あっいや。
馬場先生にはわたしからきつくもう一度。
遠野先生!
(佐智)ねえねえねえねえ。
どうしたのよ?いや。
・はい。
港北医大救命救急センター。

(小田切の妻)小田切の家内でございます。
何だお前か。

(小田切の妻)あっあなた。
あしたのお休みホントに大丈夫ね?うっうん?・
(小田切の妻)「パパの誕生日をお祝いするんだ」って二人ともすごく張り切ってるんだから。
お願いだからこの前の親子キャンプのようなことにはしないでよ。
分かってる。
大丈夫だよ。
切るぞ。
(佐智)うん?どうしたのよ?ちょっと薬剤部へ行って胃薬もらってくるわ。
もう。
ドンマイドンマイ!
(城島)ああ。
医局長。
ああ。
どうかした?あの。
(里子)のんちゃん。
はい?のんちゃんはわたしの娘。
この子具合が悪くて。
今ナースに老人科に行ってもらってます。
そう。
そうだね。
大事な娘が。
あっ。
大丈夫ですよ。
今老人科…。
えーあの専門の先生がいらっしゃいますから。
ホント?はい。
あっ。
相原君。
(早苗)はい。
この方を5階の第三診察室にご案内して。
(早苗)分かりました。
エレベーターのほうにご案内しますね。
のんちゃん。
大丈夫ですよ。
(里子)よかったねえ。
ゆっくり歩きましょうね。
(里子)のーんちゃん。
ああっ。
大丈夫大丈夫。
(たまき)S−8とS−6に小さなLOWあり。
おそらく転移してるのね。
この状況からだと写ってはいないけれど腹膜播種を起こしてると考えるべきでしょうね。
何が言いたいんだ?オペは不可能ということよ。
柴田さんだっけ。
どういう関係なの?個人的な知り合いなんでしょ?違うの?俺はただ後悔したくないだけだ。
「後悔」?どういう意味?がんは救命医の守備範囲じゃないわよ。
命に「守備範囲」なんてものがあんのか?輸血しますので針替えさせていただきます。
すいません。
抗生物質の皮内テストやらせてください。
随分段取り悪いな。
この病院は。
(柴田)下手だな。
君ら研修医か?すいません。
もうすぐ終わります。
楽しいかい?この仕事。
「楽しいか」って言われると。
いやでもやりがいありますから。
こういう話知ってるかい?「救急車で病院に担ぎ込まれる人間のうち8割は大したことない。
だからよほどのヘボでないかぎり助かる。
残りの2割はもう寿命の尽きた連中だ。
だからどんな名医が診ても助からない」あ痛っ!下手くそ!
(矢部)ごめんなさい。
すいません。
まあな。
神様じゃねえんだから。
死ぬと決まった人間助けることなんかできやしないんだ。
でもう一度聞くけど君らの言う「やりがい」っていうのは何?《開腹。
そしてまず左結腸動脈根部を処理。
そしてそこから…》無駄な検査で無駄な人生をもうこれ以上無駄に延ばさないでくれ
(ワープロを打つ音)
(小田切)「私馬場武蔵はこの度…」何書いてるんですか?始末書。
そうじゃなくて何で僕の名前の始末書を医局長が書いてるんですか?じゃあお前書けよ!麻酔科のメンツも立ててやらんといかんだろ?自分は悪いことをしたとは思ってません。
「今後は規則を順守し…」医局長!失礼します。
医局長!今日のカルテの検印です。
あっち置いといて。
(矢部)はい。
麻耶ちゃん。
麻耶ちゃん。
(奈津)退院処方箋持ってきました。
(神林)ああありがとう。
はい。
よっしゃ。
終わったあ!じゃあお先です。
あっ。
それから俺あした休みなんで皆さんよろしく。
よい休日を。
はっ。
家族孝行してください。
へい。
お疲れさまでした。
お疲れです!お疲れさまでした。
はい。
・はい。
港北医大救命救急センター。
「こちら救急指令センター。
ブランコの鎖が切れて受傷した患者さんを二人お願いします」
(みどり)あっ。
ごめんなさい。
大丈夫大丈夫。
大変です。
ICUの柴田さんが。
分かった。
ICU俺行くからみんな急患のほう行って。
(奈津・矢部)はい。
(城島)はい。
どうぞ搬送してください。
(神林)公園のブランコでケガした人?
(救命士)はい。
この方です。
ああ。
ぶつかられたんだ。
(救命士)いえ。
この方が乗っててもう一人の上に。
えっ?よくブランコに乗れたね。
(矢部)もう大丈夫だよ。
泣かないでね。
(女の子の泣き声)
(神林)えっ。
この子の上に!?神様残酷だなあ。
(小田切)どうしました?鈴木さん?ペットの猫捜してるうちに迷子になったらしい。
あっ。
のーんちゃん。
鈴木さん。
あのお宅ののんちゃんは5階にいますから。
ねっ?今ご案内します。
賀茂さんお願い。
(みどり)はい。
のーんちゃん。
鈴木さん行きましょう。
目離さないように言っといて。
はい。
(里子)のーんちゃん。
あんたここの責任者?はい。
あのご婦人何か歩いていくうちにどんどん右へ寄っていくみたいだね。
えっ?
(里子)のーんちゃん。
(柴田)この病院は新しいくせに床傾いてるのかな?それとも検査を怠っているのかな?
(里子)あっ。
医局長。
すぐにCT撮るぞ!
(ナース)はい。
あっ。
(里子)のーんちゃん。

(進藤)城島先生。
はい?外来の鈴木さん。
老人科に回しただろう。
鈴木さん?ああ。
ああ。
あの子猫抱いたおばあちゃん。
ちょっとこれ見てくれ。
鈴木さんの頭部CTだ。
慢性硬膜下血腫だ。
えっ?かなり危険な状態だ。
もう少し気づくのが遅かったら危なかったぞ。

(城島)柴田さんですよね。
城島といいます。
ああ。
ここはうるさい病院だな。
もう少ししたら勝手に寝るよ。
ありがとうございました。
えっ?もしかして同業の方ですか?自分は鈴木里子さんを最初に診た者です。
おかげさまで患者さんを死なせずにすみました。
バカなマネはよせよ。
えっ?自分のミス認めるようになったら救命医はおしまいだ。
俺のミスだよあれは。
俺が城島先生に許可を出した。
鈴木さんの片麻痺の兆候は見えていた。
俺この目で見てた。
なのに。
ハァ。
自分で自分が信じられないよ。
疲労と目先の忙しさで頭が回らなかった。
フッ。
体力には自信があったんだけどね。

(久美)暗いの嫌だよ!大丈夫。
先生ついてるから。
公園で遊んでたら急に暗くなったの。
(神林)うん。
それからずっと痛くって重たかったの。
(男)うっうん。
(ナースたち)どっこいしょ!あのブランコデブ。
ったくなあ。
よし。
じゃあね。
久美ちゃんが寝られるまで先生がお話をしてあげよう。
本当?
(神林)うん。
(医師)お疲れさまでした。
「暑暑っ!うわあ!暑い暑い!こりゃたまらん。
洋服脱いじゃおう」それを見た太陽さんは「やったあ!」大喜び。
というわけで北風さんと太陽さんの戦いは太陽さんが勝ちました。
もう寝てるよ。
逃げられるな。
嫁さんに。
はっ?逃げられるさ。
逃げられたんですか?何っ!?
(神林)フフッ。
何を…。
俺はな仕事が好きだったんだ。
女房ももちろん分かってくれていると思ってた。
まあ少々体調が悪いときでも気合いを入れて毎日働いた。
で気がついたときには家族は誰もいなかった。
代わりに今俺はがんと暮らしている。
すてきな話だろ?
(柴田)仕事はもちろん引退。
今はもう俺がそういう仕事をしていたなんてことすら誰も覚えちゃいない。
柴田さんのお仕事はもしかして?そういう宿命の仕事だったんだな。
なのに俺は何も気づかずに…。
柴田さん?柴田さん。
柴田さん。
大丈夫ですか?柴田さん。
太田川!はい。
(神林)柴田さん。
大丈夫ですか?柴田さん!
(神林)柴田さん。
柴田さーん。
どうしたの?また下血です。
(奈津)柴田さん。
しっかりしてください。
血圧80に低下。
(神林)酸素!はい。
輸血。
誰か急いで。
はい。
医局長!ちょっと待ってください。
柴田さん。
結腸がんを取らなければ止血できません。
でもあなたの心臓はその手術には耐えられないかもしれない。
でもがんを取らなければあなたにはあしたはない。
進藤先生!わたしに執刀させてください。
バカ言うな!俺が死んだら責任問題になるぞ。
やらせてください。
いいですね。
お前に任せた。
責任はわたしが取りますから。
オペ室準備だ。
進藤先生。
ストレッチャー持ってこい。
はい。
レントゲンCT一式回してくれ。
はい。
術前に心電図撮りますか?頼む。
オペ室には俺が連絡する。
太田川。
はい。
(矢部)ストレッチャー入ります。

(佐智)ちょっと医局長!小田切です。
神宮教授。
夜分に失礼します。
例の柴田さんの件ですが救命措置には不可決と判断しまして今からがんに対して結腸左半切除を行います。
がんの手術に関しては第一外科と救命の取り決めがありましたので一報を入れさせていただきました。
責任はわたしが取ります。
それから!「夜中夜中」ってウチの医者たちは全員丸3日は寝てないんだ!!医局長。
言っちゃった。
ええ。
聞いちゃった。
いいの?いいんだ。
これでいいんだ。
(たまき)進藤先生。
患者の状況から考えて全身麻酔のオペは30分が限度よ。
30分しかないのよ。
たったの30分。
それでもあなたはオペするの?30分しかないんじゃない。
30分もある。
そう考えるのが救命医療だろ。
このオペは俺の独断だ。
あとで内規違反に問われる可能性が高い。
降りたいヤツは降りてくれ。
出た。
お役所。
君たち正気か?リスク分かってんのか?それに全身麻酔のオペを行う場合規則では…。
(神林)患者の前で「規則」なんて口に出すな!そういうの下品じゃないかな。
全く命と規則どっちが大事なんだか。
始末書ぐらい何枚でも書きますから。
な…な…。

(エレベーターの音)ハァ。
あーあ。
もう。
あきれてものが言えないわ。
じゃあ何で乗るの?うるさい。
君たち部長会で問題にするからな!
(たまき)見事なオペだったわ。
さすがね。
(進藤)やっぱり腹膜播種だったな。
お前の予言どおりだ。
それでも切除可能なものは30分ですべて切ったわ。
少なくともあの人の残り時間は延ばせたわ。
ほんの数か月かもしれないけど。
できることはすべてした。
これで後悔はないでしょ?どうかな。
それは俺が決めることじゃない。
どういうこと?もう大丈夫そうですね。
よし。
あしたになったらママのとこ帰れるからね。
うん。
かわいいなあ女の子は。
何か欲しくなっちゃったな。
太田川にもこういうときあったの?もちろんです。
ふーん。
まだ生きてんのか?俺は。
はい。
あれからずっと考えてました。
どうして自分は医者になろうと思ったのか。
小学校1年生のときでした。
同じ部屋に入院してた一つ年下のメグちゃんと遊んだときのことでした。
おいおい。
そのときメグちゃんがお母さん役で僕がお父さん役で。
で僕の仕事を何にしようかって話になって僕はそのときはまだプロ野球選手かパイロットになりたかったんですけど。
だけどメグちゃんは…。
おい!はい?そんなこと今まで延々と考えていたのか?はい。
やっぱり物事は最初からきちんと考えないといけないと思いまして。
ハァ。
ここの救命はよっぽど暇なんだな。
大体な…。

(ゆき)麻耶ちゃん!お母さん!
(ゆき)お母さん!すぐ来てください。
えっ?急いで。
(ゆき)麻耶ちゃんが反応したんです。
ええっ?麻耶。
麻耶!麻耶!やりました!おおっ。
(矢部)馬場先生。
馬場先生!麻耶ちゃんの意識レベルが上がってきました。
何っ!?
(百合子)握りました。
またわたしの手を握りました!
(ゆき)はい。
(百合子)馬場先生。
麻耶がわたしの手を握りました。
麻耶ちゃん。
麻耶ちゃん。
分かるかい?僕は君の担当医の馬場です。
分かる?ICT正常に戻りました。
GCS22。
意識改善しました。
(馬場)よかったなあ。
よかった。
よかった!お目覚めですか?手術は成功しました。
どうして俺助けた?あんな危ない橋渡って。
成功したとしてもせいぜい死期を数か月延ばしたぐらいのもんじゃないのか?学生のころあなたの講義を受けていました。
「30分しかないんじゃない。
30分もある。
それが救命医療だ」あなたはそう言った。
わたしは大教室の片隅でその言葉をノートに書いた。
今でもよく覚えています。
先生。
ひとつお伺いしてよろしいですか?わたしも今先生と同じ救命医です。
やはり無駄でしたか?無駄な人生だと後悔していますか?君はバカだ。
「バカ」?そう。
バカもんだよ。
君たち全員極め付けの救命バカだよ!じゃあ先生もバカものですね。
なめるな。
俺は大バカものだよ。
クックック。
城島先生。
(城島)うん?
(子猫の鳴き声)おお。
のんちゃん。
のんちゃんいた。
ここにいたのか?お前。
(紗江子)のんちゃん。
(城島)うわあ。
かわいいね。
(久美)どうしたの?お姉さんがね元気になったんだよ。
フフフ。
かわいいなあもう。
小さい子は。
ねっ?ああ。
よかったあ。
馬場先生。
サンキュ。
よかった。
ズズーッ!・
(佐智)あっ。
矢部先生。
丸山さんの点滴オーダーは?あっ。
やべっ!全くもう!んもう。

(たまき)柴田さんもついてないわね。
あなたみたいにおせっかいな人が教え子で。
よし。
終わった!さあ。
帰ろうかな。
今ならまだ夕飯間に合うし。
医局長。
お疲れさまでした。
(神林)お疲れさま。
お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
(城島)お疲れです。
お疲れさま。
ほい。
・はい。
港北医大救命救急センターです。
「救急指令センターです。
繁華街で若者のケンカ。
重軽傷者5名。
受け入れよろしいでしょうか?」ちょっと待ってください。
医局長。
俺たちだけで大丈夫ですから。
今日はあがってください。
そうだよ。
医局長。
受け入れオッケーって伝えて。
初療室準備。
早く!受け入れオッケーです。
(矢部)よし!よーし行くか!・
(進藤)いいんですか?お子さん待ってるんでしょう。
別に家族との夕飯をあきらめたわけじゃないよ。
今日が終わるまでまだあと3時間もある。
フフッ。
バカだな。
俺。
・『いつのまに』2016/01/11(月) 14:55〜15:50
関西テレビ1
救命病棟24時 #05[再][字]【帰ってきた天才外科医!命と向き合う使命感とは…】

「最後の授業」

詳細情報
番組内容
 多忙を極めて家に帰ることも家族サービスもままならない医局長の小田切(渡辺いっけい)の元に、老人介護センターから引き抜きの話しが持ち込まれた。思いがけない条件と待遇のよさに心ゆれる小田切。
 そんな中、救命センターに「末期癌」と自己申告する患者が運び込まれた。進藤(江口洋介)は、可能性ある限り延命手術をするべきと、いつになく熱く、その柴田茂文(谷啓)という患者に手術の許可を求める。
番組内容2
その様子をみて、二人には個人的関係があると気付くたまき(松雪泰子)。二人の間にどんな関係があるのか?そして柴田の素性とは?
 だが、それからしばらくして、柴田が進藤に執刀の許可を出した。病院側が医療過誤問題に発展しはしないかと危惧する声が上がる中、進藤らはオペ室へとむかった。その姿を見つめる小田切は・・・。
出演者
江口洋介 
松雪泰子 
伊藤英明 
須藤理彩 
田畑智子 
小日向文世 
宮迫博之 
谷原章介 
田根楽子 
木村多江 
唐木恵子 
君嶋ゆかり 
三宅恵美 
山崎めぐみ 
谷啓 
津嘉山正種 
渡辺いっけい
原作・脚本
【脚本】
秦建日子
監督・演出
【プロデュース】
和田行 
中島久美子 
樋口徹
【演出】
田島大輔 
水田英成
音楽
佐橋俊彦
【主題歌】
「いつのまに」DREAMES COME TRUE
【挿入歌】
「flow」bird

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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