日本人の死因の第1位で3.5人に1人が亡くなっています。
その一番の対策は…胃カメラなど検査方法はいろいろ。
でも受診率は…。
分かります。
検診に丸一日かける時間ないですよね。
検査料金お金もかかる。
今もっと簡単に超早期でがんを見つける新技術が次々と生まれているんです。
その新技術はなんと…。
えっ血液1滴!?そして安い!おまけに痛くない!ではこれから唾液を取ります。
今日はがんの超早期発見技術をサキどります!「サキどり」本年も…。
(2人)よろしくお願いします。
片山さんいろんな試み始まってますね。
そうなんですよね。
安くて手軽しかも超早期のがんを発見できるというそういった技術が次々と生まれているんですね。
すごいなぁ。
その技術の一つがこちらなんです。
そんなにシンプルなものでいいんですか?実はこれこの金属の部分に血液を1滴垂らし3分それだけでがんかどうかが分かるというものなんですよ。
3分で分かるんですか?Really?ほんとに?神戸にある先端医療の研究拠点。
チップを開発したバイオベンチャーがこの一角にあります。
昼休みレジ袋を提げて歩くのは開発者の一人…お昼ご飯を待っていたのはもう一人の開発者…いやもうね簡単なものしか食べないんですよ。
こちらががんの超早期発見技術の研究現場。
あれ?他の社員は?
(取材者)息子さん。
はい。
5年の月日をかけて親子で開発したこのチップ。
どうやってがんが分かるのかというと…。
まずチップの金属部分にがん患者の血液から取り出した血清を1滴落とします。
待つ事3分。
顕微鏡で見てみると…。
画面には無数の斑点が。
比べてみるとがんではない人の血液にはがんの関連物質を示す斑点は現れません。
体の中にがん細胞が出来ると免疫細胞が攻撃。
微量のがんの関連物質が流れ出ます。
これを検出できればがんかどうかが分かるはず。
長谷川さん親子は金属の表面に特別な結晶を合成し血液の中のがん関連物質だけを吸着させる事に成功したのです。
これ世界で初めての画期的な技術。
日本はもちろんアメリカや中国でも特許を取得しています。
更に今力を入れているのががんの種類の判別。
例えば胃や大腸などがんの場所を特定できるようになるといいます。
研究室には親子二人だけ。
ぶつかり合う事もしばしば。
お前そんなやったらもう3分やどうやこうやいうてまた話がおかしな話になってまうわ。
ええわもう…俺は嘘つけともなんとも言っとるわけじゃないんや。
(克之)お前みたいなのいなくてええわ。
結果出えへんから。
結果出えへん人はいらない…。
情熱的な父。
そして冷静沈着な息子。
いや〜…お二人であれだけのものです。
すばらしいですね。
お父さん?
(裕起)やめてください…すごいじゃないですか!ずっと一緒なんですよね。
煮詰まらないですか?例えばお互いがぶつかり合ってうわ〜これは大変だここまでいってしまったそんなエピソードあったりするんですか?あのね…神戸に通うんですけど…えっちょっと待って下さい通うってどことどこの間ですか?姫路から神戸へ通うんですけどその時に途中どうしても今日こういう事しようかっていう話をした時にまあ「いや僕はこうする」って言うわけですよ。
これお仕事の件ですよね。
そうです。
いやそれは違うからこうだって言うたらそこでまあ言い合いになるわけですよね。
いやそれやったらもうお父さんしてよとかっていう事を言うのでそれお前の仕事だろと。
でなんとか言い合いになってじゃあもう知らんじゃあ降りろって言うて過去に降ろした事3回あるんですよ。
で携帯がありますから僕はそのまま行くし。
どうしたんですか?降ろされて。
降りたって事ですよね?降りたのは覚えてます。
自分から降りるわ!ですか?何なんでしょうね…なんか…気づいたら降りてた。
ほお〜!それはねほんとの初期ですね。
研究の初期の頃よくお互いに今はまだ比較的ぶつからないんですけど最初は多かったですよ。
やっぱり成果が出るまでは突破口が見えるまではやっぱりそういう非常に緊張した感じだったんですね。
(克之)そうですね。
研究って1000ですもんね。
できて始めて100ですけど例えば60%できましたとか50%で評価してもらえるものってないんですよ。
バイオベンチャーの場合はそうですね。
研究過程で評価してもらえる事はないので最終的には完成しない事にはゼロなんですよ。
目標を達成しないと意味がないって事なんですね。
そうです。
中小の町工場が集まる日本有数の工業地帯…この日克之さんはかつての仲間を訪ねました。
神戸に移る5年前まで克之さんはこの姫路で建設機械の工場を営んでいました。
全然医療界とかじゃないやん。
中学を卒業し町工場に就職した克之さん。
その後社長の娘だった幸子さんと結婚。
家族で会社を切り盛りしてきましたが8年前リーマンショックの余波を受け廃業を余儀なくされます。
(克之)どうしようっていう事で必死にやりながらその合間に…再起を懸ける克之さんが選んだのは畑違いのバイオテクノロジー。
教科書レベルから独学で勉強。
研究資金は経費を切り詰め捻出しました。
これ100均。
100均のコップ立てですよ。
100円ショップで購入した商品を改造して作った実験器具。
ゼロからの無謀な挑戦。
頼りにしたのが東京の大学に通っていた裕起さんでした。
…から多分誘われた時にうんという感じになったと思いますね。
親子力を合わせてバイオ分野に挑み3年。
毒物を検知するチップの開発に成功。
更にがん判定への応用を試みましたが失敗の連続でした。
克之さんには諦める事ができないある理由がありました。
抗がん剤の副作用で全身の皮膚がただれ苦しんだ母の姿が忘れられません。
つらいですよね…見てる方もね。
なのでそれがまた当然僕らもこれから家族女房であるとか子供とかね例えばそういういろんな場面で起きるかも分からない。
そういうのはやっぱりもうあまり経験したくないですよね。
手遅れ状態で見つかる人を1人でも減らせればね逆に…そんな中ある医師から毒物を検知するチップに問い合わせが。
外科医の…医療の現場で20年以上がんで苦しむ患者と接してきました。
チップに可能性を感じ共同研究を呼びかけます。
見た事もない自分が考えつかなかったようなものっていうのは単純に面白いと思ったんですよね。
がんの診断や治療につながるようなもっといい物質をこのチップなら見つける事ができるかもしれないっていうのは直感的に思ったんですよね。
開発の停滞を突き破ろうと3人は合宿を行います。
がん関連物質をチップに吸着させるため4種類の薬品を用意しありとあらゆる条件で試しました。
しかし全て失敗。
深夜実験ノートを読み返す伊藤さん。
ある事を思いつきました。
がん関連物質はプラスの電気を帯びています。
チップがマイナスの性質を持てば薬品がなくても吸着させる事ができるかもしれない。
翌朝早速試してみると…。
がんの関連物質が初めてチップに吸着。
血液1滴でがんを判定するチップが誕生したのです。
ああ…って感じでそのままみんなで廊下に出てみんなで握手したり抱き合ったりしましたよ。
もうあれはやっぱり苦労して苦労して苦労して…。
僕いつも必ず……という事を考えてやらないとできないですね。
さあここからはVTRにも登場頂きました医師の伊藤さんにも参加して頂きます。
お願いいたします。
どうぞよろしくお願いします。
合宿だったんですね。
合宿でした。
ターニングポイントは。
(伊藤)そうですね。
ちょっと考え方変えようという事でそもそも金属なんで僕らは子供の時から磁石でいろんなものくっつけて遊んだりしてたので恐らくこれも金属ならプラスかマイナスかどっちかにはできるだろうと。
がん患者さんの血液中の病気に関連した物質というのは大体プラスなんですよね。
…ってお願いしたんですよね。
そんな簡単にできるんですか?本来なら持ち帰って検討してまた作業してというところをこう…考えられて…「裕起あれ持ってきてるか?」って言ったんですよね。
その場で?はい。
で裕起さんびっくりして…こう探して…その場でねやって下さったんですよね。
これ技術があったからこそって事になりますね。
すごく工夫がその場でできるんですよね。
長谷川さんはもともと町工場にいらして知識は全くないところからバイオの分野に飛び込んだ。
すごいですね。
これどうしてなんですか?僕らが今やってるのはこれナノなんですね。
でナノテクっていうのは科学ですからそんなに設備はいらないんですよ。
一般的なそういう実験道具があれば作れるので。
でじゃあ逆にそういったものは零細企業の方が作れますよね。
大型の何千万するような工作機械が要るだとかそういったものは必要ないのですからね。
逆にそういった……ってのが僕の発想だったんですね。
何も経験がないからすごく面白かったんですよ。
(伊藤)長谷川さん独学でっていう話なんですけど確かに独学なんですけれどほんとのところはやっぱり一生懸命勉強して勉強して活字になってるようなあるいはインターネットで勉強できるような事はもう全て勉強して研究者の方に聞かないと分からないところはほんとに全国どこでも行く…全国どころか海外にも習いに…。
えっ?あのそれEメールで…?
(克之)いえいえもう調べて電話を直接かけて「すいません先生お時間を下さい」…。
やっぱりじかに会って聞きたい。
はい。
しかも今のしぐさ見ると車ですか?もう車です。
僕は全国どこでも。
姫路から…九州?はあ〜…。
驚きます。
実はこの長谷川さんと伊藤さんの技術もすごいんですが他にも超早期発見の研究進んでいるんです。
一部ですがご紹介しましょう。
さあいろいろございます。
まず長谷川さんの研究は血液を使ったものでしたが同じく血液1滴を使ってがんを見つけ出そうという研究進んでいるんです。
どういったものかといいますとこちら特徴は血液内のマイクロRNAという物質に注目しました。
それでがんを検出しようというものなんですね。
他にも…。
唾液を使った研究なんですね。
特徴まあ唾液ですから注射針など使いません。
無痛です。
そして…はい。
尿1滴。
尿からがんを判別する研究も進んでいます。
これ判別に使うのは機械じゃないんです。
生き物線虫です。
こちら実験の様子です。
シャーレの左端2か所にがん患者の尿を1滴ずつ垂らします。
そして中央に100匹の線虫。
小さいですね。
すると…線虫が動きだしがん患者の尿に寄っていきます。
30分後線虫の半分以上が尿に集まればがんと判定できるんです。
というものなんですね。
はい特徴…線虫の嗅覚を利用しているもの。
そしてどこにでもいますので値段も安く抑えられるというわけなんですね。
この特性が分かるって事自体がすごいですね。
匂いが好きなんですっていう。
カビラさんまだあります。
おっ何か出てきましたよ。
センサーとスマートフォン。
このセンサーさまざまな匂いを分析する事ができるんですね。
カビラさんちょっとここに息を吹きかけてやってみましょう。
まさか…。
こちらがセンサーです。
これがセンサー。
こうですか?この小さい部分がセンサーになっています。
ここに一息かけてみて下さい。
一息…じゃあいきますよ。
ん?息を吹きかけるとこのようにスマートフォンに匂いの成分が表示されるんですね。
このグラフを分析する事でがんの発見に応用しようというものなんです。
ちょっとドキッとしますけどなんか黄色いグラフがボーンと上がってますが…。
まだ試験段階なのでこれでがんだというわけではないんです。
なるほどなんか僕の息の特性を一つ捉えてグラフが上がってるわけですね。
がんというわけでも臭いというわけでもございません。
ええっ!?大丈夫です大丈夫です。
ただ今の段階では知りたくないとか知っちゃってどう対処していいか分からないとかそういう事ってありえますよね?超早期なわけですもんね。
こういう最先端の技術でどうも体の中にがんがあるらしいと分かっても今一般的に病院で行われている検査ではあまりにがんが早すぎて見つけられないという可能性があるんですよね。
従来の検査には出てこない。
そうするとどうも体の中にはがんがありそうなんですけど検査はしても見つかりませんでしたって患者さんはそういうふうに言われると非常に不安になりますよね。
そうですね。
必ずお医者さんがきちんとそのあともフォローして絶対ほったらかしにしないで患者さんと一緒に歩んでいくという事ができれば少し不安も和らげられるんじゃないかなと思うんですよね。
ただより早い段階で見つけられれば少なくても命が助かるがんで命が取られないという可能性は高まるのでやっぱり総合的に考えてメリットの方が大きいんじゃないか。
やはり更に知りたくなるのが実用化はどうなんでしょうか?これもう受けたいと思ったら検査は受けられるんですか?長谷川さん。
あの今準備をしていまして技術的にはもう確立をしています。
今はその臨床のそういった精度を上げるために今検体を増やしてデータ取りをしているところです。
先月沖縄を訪ねた長谷川さん親子と伊藤さん。
人口4,700の離島伊江島にチップの実証試験への協力を依頼します。
皆さんようこそ伊江島まで。
向かったのは島唯一の診療所。
長谷川と申します。
親子で…。
ああそうですね…。
実証試験には多くの血液が必要ですが血液は個人情報の塊。
その収集は容易ではありません。
(看護師)ちょっとね外に検査出すから多めに取らせて下さいね。
克之さんたちは村長と診療所の所長に島民に対し血液提供を呼びかけてほしいと訴えました。
医療設備が限られる離島。
がん検診を受けるには船で本島の病院に行くか年に一度の検診車を待つしかありません。
「島民の負担を減らせるかもしれない」。
チップの可能性に村長と所長の心が動きました。
私は外科医としてがんの手術ずっとしてまして早いうちに治療する事が一番大切という事と早期発見がすごく大事だという事なんですがこの研究が成果を見るようにですね…この日伊江島が血液提供に協力してくれる事が決まりました。
離島とか病院が近くにないという所にとってはこれかなり有用な技術ですね。
これ実用化になったら日本国内にはとどまらず世界から…。
そういう事ですよね。
注目されますよね。
…できればこれは一番いい事だと考えています。
気付いてないだけなんですね。
僕らがやってる世界ってすごく狭くて長谷川さんがやってらっしゃる世界もそれなりに狭くてやっぱり…だから僕らも僕らの世界だけでこうやってるんじゃなくて…小さな工場というか我々の研究所なんですけどね……でやればいろんな事を僕はできると思いますね。
あとは伊藤さんバイタリティーですね。
ああそうですね。
これ絶対長谷川さんから今ほとばしり出るこのアイコンタクトで何となく熱い感じが伝わってくるんですけれども。
やっぱりそれがないと…。
この二人を見てて最初は……って思ったんですけどすぐけんか始めるしまいったなと思って…困っちゃったなと思ったんですけどだんだん慣れてきてすごく羨ましいんですよね。
僕は父親がもういないのでけんかしながら何か一つのものに打ち込めるなんて…っておっしゃってますが…。
裕起さん。
いやまあまあまあ…分からないですけど…それはあります。
片山さん驚きですね。
超早期発見の技術ここまで来ている。
それも親子で。
飽くなき探究心そして扉をどこででもノックして開いていくっていうあの気概ですよね。
ですね。
日本いける!でも皆さんエンディングナンバーは検診を受けて下さいね。
LowellFulson「CheckYourself」。
外観になります。
想像していた以上にすばらしいです。
(克之)お前はもう…ええわもう。
お茶でもお前飲んだら何で1人でお茶が3つもあんねん。
これ捨てやお前。
2016/01/12(火) 01:30〜02:00
NHK総合1・神戸
サキどり↑「がんがわかる!〜親子で挑む がん超早期発見〜」[字][再]
日本人の3人に1人が亡くなる病。今、がんを手軽に高精度に超早期に発見する研究が進む。番組はある親子が挑む夢の新技術開発過程に密着。がん超早期発見の開発秘話に迫る
詳細情報
番組内容
日本人の2人に1人がかかり、3人に1人が亡くなる病・がん。最大の特効薬は「早期発見」。しかし日本の検診受診率はわずか3割。体への負担や金額、精度の低さが原因だ。今、がんを手軽に高精度に超早期に発見する研究が進んでいる。血液1滴で、あるいは尿や唾液を使ってがんを判別することが可能になる。番組では、ある親子が挑む夢の新技術開発過程に密着。がん超早期発見の驚きの手法と新たなビジネスの可能性に迫る。
出演者
【ゲスト】有限会社マイテック…長谷川克之,長谷川裕起,昭和大学医学部准教授…伊藤寛晃,【キャスター】ジョン・カビラ,片山千恵子
ジャンル :
情報/ワイドショー – その他
ニュース/報道 – 経済・市況
バラエティ – その他
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