きょうの健康 睡眠の悩み これで解決「寝床にしがみつかない」 2016.01.12


「きょうの健康」今週のテーマは「睡眠の悩みこれで解決」です。
今日も昨日に続いて風見しんごさんがご一緒です。
どうぞよろしくお願い致します。
どうもよろしくお願いします。
早速今日はですねラインナップからご覧頂きます。
今日は2日目になりますね。
「寝床にしがみつかない」。
眠ろうとするのにどうしても眠れないという方多いと思うんですが不眠の対策です。
教えて下さいますのは…精神科医の…睡眠のスペシャリストとして診療と研究に当たっておられます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
風見さんあまり不眠でお困りになるという事はありませんですか?考え事とか心配事がある時は眠らなきゃいけないのに眠れないという事はありますけれどもふだんはどちらかというとベッドに行くとすぐ眠りに就けるタイプだと思います。
今日はですね何か月間も続けて眠れないそういう慢性的な不眠症の方の治療に関するお話になります。
ではお話よろしくお願い致します。
まずそもそも不眠というのは何なのかという事なんですが寝つけないそれから途中で目が覚めてしまう。
そして朝早く目が覚めて二度寝ができないと。
これが代表的な不眠症状になります。
でもこういう不眠症状を経験する方というのはかなりおられてほとんどはですね数日から長くても2週間くらいで自然によくなっていく。
でもこれが長引いてしまう方がいらっしゃいます。
3か月以上続くというのが一つの目安になります。
そうすると日中に眠気が強くてもしくはだるさがあっていろいろなその心身の不調が出てくるんですね。
結果的に仕事や家事なんかがうまくできないという。
この昼と夜と合わせて問題がある時に不眠症という診断が出てまいります。
不眠からですね不眠症に慢性化していきますがどんな形でこうなっていってしまうんですか?一つはですねこの不安や焦りが出てくると。
今日は眠れるんだろうか寝てから目が覚めたら朝までどうしたらいいのか。
それこそ舞台の初日を迎える前日でありますとか迫ってきたごろは「セリフは全部覚えてるだろうか」「失敗はしないだろうか」なんて思うと寝なきゃいけないのに寝れない。
その事ばかり気になって。
どんどん寝れない自分に対して焦りが起きてくるというのはそれはすごく分かりますね。
まさにそのような舞台がなくてもですね毎日そういうふうな悩みを抱えているというのが一つのポイントです。
そのような状態になると不思議な事に多くの患者さんがかえって不眠症を悪くさせるようなそういう独特な睡眠習慣をとり始めると。
この2つが相まってですねなかなか治りにくくなってくるという事が分かっています。
そのような問題のある睡眠習慣を考える時にですねまず最初に優等生として風見さんの睡眠のパターンをまず見てまいりたいと思います。
これは夜の11時から翌朝9時までの時刻です。
縦に1週間分の睡眠のパターンが書いてありますが例えば月曜日をご紹介すると1時半ころでしょうか。
寝床に入ってこの青で示したのはまだ眠れてない時間帯ですが10分くらい。
そうですね。
大体自分10分から15分ぐらいの間には眠りに落ちてると思います。
そのような短い時間で寝ついてあと朝まで6時過ぎまで寝ておられてまたちょっと短時間目を覚ましてますけどもう一度二度寝をしてそして朝の8時に起床すると。
こういうようなパターンになっております。
この1週間は特に寝不足を感じたりという何か不安を感じたりという事はなかったですね。
一方ですね不眠症の方のこれは典型的な睡眠パターンを一つ持ってまいりました。
何が問題なのかというのをお分かりでしょうか。
ベッドの中にいるのに何か…寝た緑の部分が少ないといいますか。
具体的にご説明しますと一つはですね寝つけるのはどうせ23時ころなのにとにかく早く寝れば早く眠れるのではと思って9時ころからまさにベッドにしがみついてしまっていると。
眠れないいつ眠れるんだという不安が最初の2時間くらいで非常に強くなってしまう訳ですね。
それから途中に目が覚める。
覚めた時に非常に長く目が覚めてまたその時間にモンモンとしてしまう。
それから朝に一回目が覚めてもまだ未練があって長く寝床にいると。
まんじりともせず夜が白んでくるのを待ってるという事…。
まとめて言えば寝床に長〜くいる割に実際にそこで眠れてる時間が短くて眠れずにモンモンとしてる時間が逆に言えば非常に長くなってるというのが不眠を悪化させる睡眠習慣だというふうにいわれてるんです。
どのようにして改善していくんでしょう?認知行動療法という治療法がありましてこの眠りに対する…強迫観念というか思い込みを治してあげる。
その上でその人の体質に合った寝やすい睡眠習慣を徐々に見つけていく。
今日はですね簡単にアレンジして分かりやすくご説明をしたいと思います。
まずですね睡眠の記録をできれば2週間程度は記録してもらいたいんです。
このような記録をとってですね先ほどの睡眠パターンの表のようにまとめていくとその方の睡眠習慣の問題というのが見えてくる訳ですね。
自分なりの…問題が分かりました。
そしたら今度はどうしたらいいんでしょう?3つの作戦というのをご用意しました。
一つは寝床にしがみつかない。
なかなかでも寝なきゃいけないという気持ちが大きいとその寝床から「もういい起きよう」というのはなかなかできないですよね。
でももうそうじゃなくてしがみつかない。
眠りというのは追いかければ追いかけるほど逃げてしまうという事なので。
恋人のような。
まあそうですね。
一生添い遂げなければいけないものですので。
具体的な方法としてはですねこのたった2点だけで大丈夫です。
眠くなるまで寝床に入らない。
もう一つは10分眠れなくて目がパッチリしてたらもう諦めると。
寝床から出る。
寝室から出るという事ですね。
例えばその日の晩ですね眠れないと。
「朝まで眠れなかったどうしてくれるんだ」と言われる事もありますが別に構わないです。
それはその日の晩は眠れなくても翌日翌々日に必ず必要な睡眠がやって来ますので。
これもちょっと発想が逆の感じがしますね。
これがなぜ有効なのかという事をご紹介したいと思うんですが。
そもそも不眠症を長く患ってる方は寝床が非常に苦しい場所になってます。
そういう苦しい時間を毎日経験してるとですね寝床に行こうと考えただけでも緊張感で目が覚めてくるんですね。
そこで本当にもうばたんきゅうになる時間帯まで寝床に行かなければですね寝床ではほとんどの時間眠れるようになりますので。
それで「寝床に行けば眠れるんだな今日も」って。
そのような安心できる場所だという事を体の方に条件づけていくという事なんですね。
自分も時々こう…眠れない時というのはやっぱり何か心配事とかあってでも僕の場合はその心配事が取り除かれたらベッドに行ったらまた寝れる生活に戻れるんですけど。
やはりそれが長く続くともう心配事があるなしじゃなく…そのとおりですね。
今度は2つ目ですね。
「睡眠効率アップ」。
この睡眠効率という計算法がありますけれどもこれは風見さんのですね頂いた睡眠パターンから計算した実際に眠っていた時間と寝床に入っていた時間。
これから電卓で計算をして頂きたいのですがまずですね眠っていた時間6時間24分。
384と入力をして下さい。
384。
それから寝床にいた時間6時間36分。
割る396と入れて下さい。
割る396。
いくらになりましたでしょうか。
このように出ましたね。
0.9696。
97%。
これはもう高校生並みのすばらしい睡眠だと思います。
もうこんなにいい年になったのに。
高校生みたいに寝ちゃってましたね。
でもこれは非常にすばらしい数字でこれだともう先ほどの「今日は眠れるのかな」なんていう事はほとんど頭にイメージしないで眠れてると…。
あの…記録をとったこの1週間に限ってはもう何も不安事はなかったです。
次に不眠症の患者の方の例をお示ししますけれども眠っていた時間が正味で5時間半。
それから寝床にいた時間は9時から朝の6時ころまで9時間も寝床におりました。
結局睡眠効率は61%という事で非常に低いんですね。
少し上げていかなきゃいけないんです。
そこでこの寝床にいる時間を眠っていた時間プラス30分。
先ほどの例では5時間30分眠っていましたので寝床にいる時間を6時間に制限します。
それから朝起きる時間を決める。
朝6時に起きたいという方の場合には朝6時からその寝床にいる時間が6時間ですからそこから遡って寝る時間を決めるという事になります。
そうすると夜の0時ころにならないと寝床に行かないというような指導になります。
これでまずは1週間経過を見て頂きます。
その間は就床時刻寝床に入る時刻も起床時刻も一定のまま1週間を過ごして頂きます。
1週間のまた平均をとります。
睡眠時間とそれから今度は寝床の長さが6時間になってますので先ほどのように電卓で計算して頂いてそれがもし0.8585%以下であればですねこれはまだ寝床が長すぎるという事で寝床に入る時間をですねまた30分くらい遅くします。
もしこの睡眠効率がですね90%以上であればこれはもう十分な合格点になりますのでこの場合には逆にですね寝床に入る時間を30分くらい長くして要するにベッドタイムを長くしてですね。
また1週間様子を見てこういう事を繰り返してるとこの85から90%の間に睡眠が収まっていきますのでここの間の数字であればですねそのまま継続して見て頂く事になります。
作戦の3つ目ですね。
今度は「リラックス」。
筋弛緩法と呼ばれる方法があります。
今日は是非ご一緒に試してみたいと思います。
少し浅めに椅子に腰掛けて下さい。
浅めに。
それでですね足の幅を肩の幅に大体合わせて。
そして膝を垂直にしてリラックスして下さい。
指をですね手を7分くらいの力でぎゅっと握って体に引き付けて下さい。
その上で肩をぎゅ〜っと上に上げます。
これで5秒間やります。
12345。
だらん。
はは〜。
そして手の先にですね少しほんわかとした感覚が出てきたりしたらそれを少し味わって20秒間リラックスします。
もう一回やってみます。
ぎゅっと握って体に近づけて。
そして肩をぎゅっと上げて12345。
ストン。
次に今度は脚をやってみたいと思います。
今度深めに座ってですねそして背中を背もたれにつけて頂きます。
それで脚を伸ばします。
これ上げられるとこまでで十分です。
足の指先をですね前に倒します。
これで12345。
ストン。
これで少し足の先の感覚を味わって。
20秒間くらいリラックスします。
今度もう一度いきます。
上げて伸ばして12345。
ストン。
こういうのを体のパーツごとに行っていきます。
何回ぐらい繰り返せばいいんですか?これは最初は1回ずつでもいいですけど慣れてきたら3回くらい繰り返して頂ければいいかと思います。
単に筋肉のリラックスだけじゃなくて副交感神経を優位にさせたりとか脈拍を落としたり血圧を下げたりといった体全体の影響がかなり強くあるものでこの不眠治療でもですねとても効果のある訓練法の一つだというふうにいわれています。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
2016/01/12(火) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 睡眠の悩み これで解決「寝床にしがみつかない」[解][字]

不眠症の改善には寝床にしがみつかず「眠くなるまで寝床に入らない」「10分間眠れなければ寝床から出る」と割り切る。寝床にいる時間は眠れる時間プラス30分に制限。

詳細情報
番組内容
不眠が慢性化し日中の眠気や体調不良で生活に支障が出るのが不眠症。改善するには、寝床に長時間いないで、「眠くなるまで寝床に入らない」「10分間眠れなければ寝床から出る」と割り切ることが大切。また寝床にいる時間を、実際に眠れる時間プラス30分に制限する。気持ちの中で、寝床が「眠れない場所」から「眠れる場所」へと変わり、効率の良い睡眠もとれるようになる。寝る直前に筋肉をリラックスさせる筋弛緩法も紹介。
出演者
【ゲスト】風見しんご,【講師】国立精神・神経医療研究センター部長…三島和夫,【キャスター】桜井洋子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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