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 ロシア陸上界の組織ぐるみのドーピング問題で、国際陸上競技連盟のラミン・ディアク前会長(セネガル)が、ドーピング違反が疑われたロシア選手たちが世界選手権に出場しないよう、ロシアのプーチン大統領の助けを借りようとしていたことが明らかになった。世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会が14日公表した報告書で指摘した。

 2013年にモスクワで開かれた陸上の世界選手権を前に、国際陸連は血液や尿のデータを継続的に採取して管理する「生体パスポート」と呼ばれる手法を用い、ロシアの9選手についてドーピング違反の可能性を指摘。ディアク会長(当時)が、「問題を解決できるのは、自分と親しいプーチン大統領しかいない」などとして、大統領と相談することを国際陸連の弁護士に求めたという。結局、9選手は世界選手権に出場しなかったため、違反は発覚しなかった。

 報告書は、実際にディアク前会長らが大統領に接触したかについては明らかにしていない。ロシアのムトコ・スポーツ相は14日、「大統領をドーピング問題で非難するのは、ばかげたことだ」と強く反発した。