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検挙率低迷32.5%

 認知件数が戦後最少を記録する一方、容疑者が摘発された件数の認知件数に対する比率を示す「検挙率」は32.5%にとどまった。検挙率が50%以上で推移した1980年代との比較では低調が続いており、体感治安の回復に向け検挙率の向上が課題になっている。

     検挙率の低さが目立つのは窃盗で、28%とほぼ4件に1件の比率にとどまる。警察庁によると、容疑者の取り調べで余罪事件の供述を得られにくくなったことや、地域社会のつながりの希薄化で聞き込み捜査が難しくなっていることが背景にあるという。

     犯罪の認知から検挙までにかかった平均日数は2006年の37日間から15年は55日間に延びた。犯罪を裏付けるための捜査項目が増加していることが一因で、検挙率向上の壁になっているとの見方もある。

     ストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)事案、サイバー犯罪、特殊詐欺などの被害も深刻化。警察は防犯カメラやDNA型鑑定など科学技術の力で環境の変化に対応しようとしている。警察幹部は「捜査への信頼を維持するためにも、検挙率の引き上げに努めたい」と話している。【長谷川豊】

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