新・ミナミの帝王 2016.01.14


・おぉ〜。
(大道芸人)あっあっありがとうございます。
りんごを回してますはいはい!・おぉ〜!
(ナレーション坂上竜一)
大阪ミナミ俺は人情味あふれるこの街が大好きや。
・大阪
せやけど面倒なことが多くて困ったもんやで。
・おぉ〜!・パチパチパチ…
(拍手)何何?はぁ〜。
(拍手)
(大道芸人)ありがとうございます。
大道芸は以上でございま〜す。
・おぉ〜!うわっちょっはとはと出た!
(拍手)びっくりした。
我々大道芸人は皆さんのお気持ちが頼りです。
これからもパフォーマンスが続けられますようにこの帽子の中に円〜いお気持ちか四角いお気持ちのほうをどうかよろしくお願いします。
・どういうことなん。
(大道芸人)あっあぁ〜ありがとうございます。
ありがとうございます。
頑張ってください。
(大道芸人)ありがとうございます頑張ります。
やった〜。
はははっすげぇ〜。
(大道芸人)頑張ります。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
ありがとうございますあぁ〜はははっ!頑張って!
(大道芸人)頑張ります!
(花森敬子)いい街ね。
私この街が好きになりそうだわ。

(松野)今日の分です。

(萬田銀次郎)まいど。
あれから何年になりますか?もう3年です。
どうですか?嫁の味に近づいたでしょうか?まあまあやな。
ごっそうさん。
いつもありがとうございます。
なかなか元金を返せなくてすいません。
たかだか10万円やのに。
利息はきっちりもうてるんで。
北新地に店を構えるいう嫁との約束なんて夢のまた夢や。
めっちゃおなかすいた。
よし。
どうする?これがいい。
これ?アボカド…。
あぁ〜いいな。
はっ。
あぁ〜寒い。
(藍)いらっしゃいませ。
あぁ〜藍ちゃん元気?はい。
あぁほんま良かった。
風邪ひいてない?はい。
ホットのねコーヒーをねちょうだい。
はい。
うんありがとう。
いや〜ミナミの街も変わりましたねぇ。
いや何かねワンコインランチいうてもうえらい行列ですわ。
あんなん見たことなかったわ。
あっそう。
兄貴あれ大道芸人ってえらいもうかるんですねぇ〜。
俺もなったろうかなぁいうてはははっ。
お前がやったって一銭も入るか。
何でですか〜?芸が終わってすぐに金が入ったか?いやまあちょっと間があってから…。
あっでも1人が入れたらもうじゃんじゃんじゃんじゃん続々と。
その最初の1人は大方サクラや。
サクラ?誰でも最初の1人になんのは勇気がいる。
けど1人でも動いたらそれに倣うのは簡単や。
はぁ〜そういうもんですかねぇ。
あっじゃああれと一緒ですか?ほらあのテレビショッピングとかでただいま注文が殺到してま〜すとか言われたらもうこっちも電話したくなる…。
いやいやあの…いやあの俺たまにたまにねちらっとちらっとうんほんとちらっとあのうん…あれ?あっこれ今日の回収分で〜す。
あっあのきっちんひとくちの松野さんあれ元金返しはったんですか?まだや。
あの松野さん借金してはるんですか?あら藍ちゃんあれお知り合い?昔毎日のようにオムライス食べさしてもらってて奥さんにもお母さんみたいに良くしてもらってたんです。
ふ〜ん。
あの2人に出会ってなかったらきっと私は…。
あれあの奥さんは何で亡くなりはったんかなぁ?脳梗塞です。
まだ若かったのに急なことで。
あぁほんまそうやったんや。
ほんで奥さんの喪が明けてもう1回店立て直すいうときに入り用なってな。
用立てたんや。
あっそうそうやて〜。
それで…あっ!何?すいません。
うん?私いきなり会話に割り込んだりして。
いやもう全然いい。
全然いいねんけど!あぁ〜。
あの人コーヒー持って帰ったんです。
(松野)いらっしゃいませ。
こちらどうぞ。
あぁすいません。
よいしょ。
あっおすすめは何ですか?オムライスです。
じゃあオムライスお願いします。
はい。

(松野)お待たせしました。
いただきます。
もったいないですね。
へっ?オムライス1人前800円。
このクオリティーにしては決して高くはない。
だけどこの辺りには500円でランチができるお店がたくさんある。
ええ去年くらいから急に増えましてね。
おかげで常連さんの足も遠のいてしもて。
あぁ…そうでしょうね。
何かお客さんが来てくれる方法考えんとあかんのでしょうけどそういう知恵はさっぱりで。
もしかしたらお力になれるかもしれません。
えっ?私経済心理学者の花森敬子と申します。
(松野)経済心理学?人の行動には決まった法則があります。
例えばこのハンカチ色は何色ですか?白です。
えっほんとにこれが白に見えるんですか?えっ?いや白やないんですか?黒ですよ。
えっ?えっご主人にはこれがほんとに黒ではなくて白に見えるんですか?おかしいですね誰に聞いてもこれは黒だっておっしゃるんですけど。
誰に聞いても?ええ。
今まで10人の人に聞いたら皆さんこれは黒だっておっしゃいました。
目がおかしかったんかなぁ。
黒です黒ですわ。
ふふっごめんなさい。
今のは実験でした。
ご主人がおっしゃるとおりこれは白です。
はぁ〜何やびっくりした〜。
ふふっ。
実際に心理学の実験でも同じ結果が得られています。
それだけ人の心は自分以外の物事にコントロールされやすいんです。
へぇ〜。
この心理学に基づく理論を経済に応用したのが経済心理学です。
商売を繁盛させたければ人の無自覚な行動を裏付ける法則を利用することです。
無自覚な行動?そうです。
その経済心理学いうのを使えばうちにもお客さん来てくれるようになるんでしょうか?はい。
でも何でそんなことを私に?このオムライスがおいしいから。
もしこのままお客さんが入らなければこのお店は続けられなくなるでしょ?そうなったらこのオムライスが食べられなくなる。
それはとても悲しいわ。
だまされたと思って私がお教えする方法を一度試してみてください。
えっ?えっえっ何?えっ急に繁盛して…これ何に並んでるんですか?あっスペシャルオムライス狙いです。
1日限定30食しかないんですよ。
スペシャルオムライス。
2,000円!?オムライスに2,000円えっ出すの!?はい。
こだわりの食材使ってるんやって。
お米は魚沼産のコシヒカリ卵は名古屋の珍しい卵を取り寄せてるらしいわ。
おいしいもん食べれるんやったら2,000円くらい安いもんや。
ねぇ?うんほんまですね。
ふ〜ん。
まっでも繁盛してるみたいで良かったですね。
せやな。
お待たせしました開店です。
(市川)はぁ〜長い間すんません。
確かに。
えらいもうかってるみたいですね。
はははっそれがねある人の言うとおりにしたら急にもうかるようになったんです。
ある人?経済心理学者の花森敬子先生いう人なんです。
いやそれまでは素材技術値段と三拍子そろてんのになかなか売れへんで困ってたんですけどね。

(ドアの開閉音)・邪魔するで。
あっすいません今日はもう閉店…。
沢木さん!
(沢木)見せてもらうで。
(市川)あぁどうぞどうぞ。
(沢木)おぉ〜銀ちゃん来とったんかいな。
(クミコ)ねぇこれどう思う?ええやん。
ふふっ。
あっでもこっちもかわいいと思えへん?まあな。
花森先生のアドバイスで値段を全部3倍にしたんです。
そしたら途端に売れるようになって。
価格相応の法則いうていくら良さそうと思ってかばんを手に取っても値段が思ったより安いと品質もそれなりのもんやと思ってしまうらしいですわ。
安かろう悪かろういうて。
で逆に値段が高ければそれに見合うくらい質もええと判断するらしいです。
(クミコ)いや〜でも悩むわぁ〜。
あれ15万と9万でもともとは5万と3万で売ってたものなんです。
いや僕も最初半信半疑やったんやけど一か八かでやってみたら…。
両方買うたらええがな。
えぇ〜でも悪いし。
これ2つおくれ。
(クミコ)ありがとう!まいど!ほんますごいでしょ?経済心理学。
あぁ〜いつもすんまへんはははっ。
(沢木)はいこれな。
ありがとうございます。
(クミコ)お願いします。
(市川)ありがとうございます。

(成田)花森先生いうんやけどな。
うん。
まず最初にあんまりおすすめでけへん物件見せるやろ。
でもう1軒。
ちょっとこれは…いう物件見せてお客様のご予算やったらこの程度ですよって思わせんねん。
で最後に本命の物件を見せるとこの物件がどんだけええかわかってもらえるっちゅう寸法や。
へぇ〜。
比較の法則っちゅうらしいんやけどな。
まあそれでも渋るようやったら他にもこの物件欲しがってる人おるでっていうのにおわせる。
そしたらもう即決やで。
何かずるい感じしますけどね。
いえいえべつにだましてるわけやないよ。
ほんまにこれはええ物件やねん。
ただ商売はばか正直にやっとるだけやったらあかんっちゅうことがようわかったね。
そういうもんですかねぇ?そういうもんですわ。
ふ〜ん。
また元金返済ですわ。
何やみんな景気がええみたいで。
花森敬子の名前出ぇへんかったか?ちっそうなんですよ。
何やもうみんな花森先生のおかげやいうてもうすっかりファンになってしもて。
一体どういう人なんやろなぁ。
俺ももうかる方法教えてもらおかな。
へへへっ。
(市川)花森先生うちに寄ってください。
お茶でも出しますから。
(成田)いやいやいや先生先生先生うちにも寄ってくださいや。
いや先生のおかげで今月先月の倍の売り上げいきそうでっせ。
あぁ〜良かったですねぇうん。
皆さん頑張ってくれて。
良かったですねぇ。
・ほんまにありがとう。
・うちに来てくださいうちに。
(成田)何を言うとんねん。
・うちは3倍や。
(成田)3倍とかお前らの3倍とか…。
(回想)オムライスに2,000円出すの!?おいしいもん食べれるんやったら2,000円くらい安いもんや。

(戸の開閉音)すんませ〜ん。
今日はもう…あっ。
萬田さん。
えらい繁盛してるみたいですね。
ええ。
おかげさまで今度は元金も返せる思います。
結構なことですわ。
新しいメニューのおかげですか?ええ。
萬田さん人は自分の意思で動いているつもりでも実はある法則によって動かされてるて知ってました?何ですか?経済心理学者の花森先生に教えてもらったんですけどね。
希少価値の法則いうのに従って限定オムライス始めたんですよ。
限定30食とか期間限定みたいに希少なもんやていう情報があると人はええもんやって思い込んでしまうらしいですわ。
更に2,000円と値段を通常の倍以上にすることで人はそのオムライスを値段相応のおいしいものやと判断する。
さすが萬田さん。
そのとおりです。
あっいやもちろん材料もええもん使ってるんですけどね。
オムライスに2,000円も出すお客さんがおるなんて思いませんでしたわ。
行列の中にサクラがおったん知ってますか?えっ…サクラ?花森さんが仕込んだサクラです。
並んでる人がいるのを見て他の客も列に並んだんでしょう。
そうやったんですか。
まあでもべつにだましたわけやなしええんやないですか。
けど花森さん。
何でそこまでするんですかねぇ。
さあ?そういや謝礼を要求するわけでもなし授業料取るわけでもなしほんまに女神様みたいな人やなぁ。
講演会…。
(松野)はい私らの店が繁盛してるのを見て花森先生を紹介してもらえないかとあちこちで言われてまして。
(市川)地元の商店街だけやないんです。
遠方からも問い合わせが来てまして。
(成田)そこで先生に講演会を開いてもらわれへんやろかいう話が持ち上がりましてん。
あぁ〜せっかくですが不特定多数の方をお相手にお話しても効果はあまり。
あきまへんか?せやけど先生の指導を求めてる人間が列作ってますね〜ん。
何とかなりませんやろか?う〜んそうですね。
あっでしたら会員制セミナーはどうでしょう?それなら一人一人に目を配ることもできますし。
(成田)おぉ〜。
(市川)さすが先生。
みんなが求めてるのそれですわ。
(成田)おうそやなぁ。
それでええわなぁ。
はははっ。
はははっ。
セミナーか…。
ええ。
参加希望者が殺到してるみたいですわ。
あっ俺も声かけられたんですけどははっまあ俺が行ってもねぇ。
はははっ。
えっ?恵まれない子供たちに愛の手を。
募金お願いします。
お願いします。
(市川)募金お願いします。
お願いします。
お願いします。
(市川)気持ちでいいんで。
気持ちで。
冷たい街やな大阪は〜。
ちっ。
スベってんちゃうか?スベってないスベってない。
スベってるやろこれ。
イケてるよ。
やめとけ。
やめとけ。
修業…修業やと思え。
修業やと思え。
おぉ〜いってみいってみ。
お願いしますこれ。
(松野)これもセミナーの一環ですか?もちろんです。
ではこれを使ってみましょう。
(松野)えぇ?はぁ〜。
恵まれない子供に愛の手を。
お願いします。
お願いします。
・お願いします。
(市川)あっ…お願いします。
募金か。
ご協力ありがとうございます。
・ありがとうございます。
じゃあ…。
ありがとうございます。
入った…入った。
入ったでおい。
俺…俺うれしい。
(成田)あぁ〜あっまた!
(松野)またや。
(成田)おぉ〜おぉ〜。
うわっうそやん!えぇ〜?ばらすごい〜。
ばら…ばらすごい〜。
何で?何か質問はありますか?はいはい。
はい。
あんなばらもらっても何にもうれしないのに何でみんな募金してくれたんですかね?それはお返しの法則です。
お返しの法則?私たちの生活の中には何かをもらったらお返しをするというのが常識としてあります。
お祝いをもらったときの内祝などがその典型です。
このお返しの法則は商売や恋愛などにも当てはまります。
(松野)えっどういうことですか?例えば営業マンが何度も足を運んでくれていたら一度くらいは試してみようとは思いませんか?
(一同)あぁ〜。
あっ。
店で使てるおしぼり。
あれ営業マンが何度も通ってくれてお試し期間いうの頼みましてん。
結局今もそのまま使てますわ。
うん。
例えば…う〜ん全くタイプではない異性でも何度も良くしてもらっていたら一度くらいはお礼にごちそうでもしようという気になりませんか?あっ!それめっちゃあるわぁ〜。
あっ俺全然モテへんかった。
はははっ。
いやいやお前割とモテてるやろ?お前よりはな。
はははっ。
皆さんこのお返しの法則を大いに活用して大金持ちになってください。
(拍手)
(成田)いやいやいや。
先生。
先生すごいわぁ。
すごいわぁ。
なぁなぁなぁ。
お疲れさまでした。
(市川)花森先生またセミナー開いてもらえませんか?あっわかりました。
では次回のセミナーでは更に実践的に皆さんを大金持ちにしてさしあげましょ。
(拍手)詐欺師やなぁ。
えっ…詐欺?セミナーは人を集めて洗脳する場所やったということですよね?いやいやいや…だってだって花森先生のおかげでみんな商売繁盛した言うてるし。
お前もか。
はっ…そんな…。
まあ見ててみ。
次は会員から金引っ張るはずや。
ここ空いたんや。
はぁ…。
(松野)1,500万か。
私は悩みました。
この不安定な日本でもっと確実にもっと安全にそしてもっと大きく皆さんをお金持ちにする方法はないかと。
・おぉ〜。
そしてここに決断しました。
この難問を解くには私が立つしかないと。
(一同)おぉ〜。
机上での論理はあくまでも空論でしかありません。
今こそ私が現実の経済社会に打ってでましょう。
(拍手)
(市川)先生が僕らのために。
(成田)そ…そんで具体的には何をしはるんですか?はいふふふっ。
メサイアコーポレーションという投資会社を設立しました。
メサイアでは年に30%の利回りを保証します。
・えぇ〜?・30%?しかも皆さんが投資した資金は100%元金保証します。
・えぇ〜?ほんまかいな?
(松野)あの何でそんなことができるんですか?私自身がこれと見込んだベンチャー企業に投資をします。
(松野)ベンチャー企業?特にIT系のベンチャーは急成長を遂げている企業が少なくありません。
今でも可能性を秘めた企業が数多く存在しています。
でも悲しいかな資金が足りず消えていくものが後を絶ちません。
ほう。
そして彼らを支援すべき投資家たちにもその資質を見極める眼力がありません。
これはお互いにとって不幸なことだと思いませんか?そこで先生の出番というわけですね。
せやけど30%利回りが可能になるもんなんですか?ふふっ低く見積もっていると言ってもいいくらいです。
・えぇ〜?・すごいなぁ。
なぜなら私はお金を出す代わりに口も出させてもらうからです。
(笑い)つまり私自身がこの手で経営のノウハウをその企業にたたき込むわけです。
(市川)あぁ〜なるほど。
花森先生の経済心理学を応用するならその企業の成功は約束されたも同然や。
(成田)ほんまやで。
こんな確かな話ないで。
ははっさあどうですか皆さん。
私と一緒にいい夢を見てみませんか?
(拍手)・いいぞ先生!・頑張って!投資?これって兄貴の言ってたとおり金を引っ張りにかかってるってことですか?さてお手並み拝見といこか。
(成田)花森先生これからどうしたらええんですか?
(市川)どうしましょう?
(成田)何でも準備します…。
ちょちょちょ…。
(松野)あっ萬田さん。
あのすんませんこのセミナー会員制で。
あっ構いませんよ。
(松野)あぁ…。
萬田銀次郎先生ですよね?
(市川)せ…先生?ははっ兄貴のこと先生やて。
(成田)たかだがトイチの金貸しに何でや?ふふっ皆さんは萬田先生のことをよくご存じですよね?でもその本質を知る方は少ないかもしれません。
本質?私はこう理解しています。
萬田先生こそ当代最高の経済学者だと。
経済学者?萬田先生は幾度もせっぱ詰まった状況に対面し困難の山を乗り越え続けてこられたと伺いました。
私が萬田さんを先生とお呼びするのはその実績に対して敬意を表するからです。
(市川)花森先生が萬田銀次郎に…。
花森先生。
萬田先生の前では私の講義なんて子供の遊びのようなものです。
そうだ。
今日の講義は萬田先生にお願いできませんか?兄貴が講義やて?そうです。
是非ともこの会員の皆さんに…いえ私も萬田先生の生きた経済哲学を教えていただきたいんです。
勘弁してください。
はぁ…そうですか。
突然講義をお願いするなんて失礼でしたよね。
すみませんでした。
ではご挨拶だけでもお願いできませんか?挨拶?わかりました。
ありがとうございます。
えぇ〜萬田です。
花森先生は何人もの方を成功に導かれて実績も残してはる立派な先生ですので今日は話を聞けるのが楽しみです。
ふふっ萬田銀次郎先生に拍手を。
パチパチパチ…
(拍手)実は今のは実験でした。
・えっ?・えっえっ?実験?皆さんは今日なぜ萬田さんがこのセミナーに来られたと思いますか?・それは…。
萬田さんにとって私の講義など釈迦に説法でしょう。
目的はズバリ私の化けの皮を剥ぐことです。
それなのに萬田さんは私を認めるような発言をしてしまった。
なぜか?実は私が経済心理学を用いて萬田さんの精神をコントロールしていたからなんです。
はっ兄貴の精神をコントロール?そうです。
これこそが褒め殺しの法則です。
褒め殺しの…。
(成田)法則?人は褒められることに弱いものです。
しかも困ったことに実績のある自信家ほどこの傾向が強い。
褒めてくれるということは自分を認め自分に好意を持ってくれているんだと解釈します。
そしてそのお返しとして人は自分を褒めてくれた相手を好きになります。
この法則が強力なのはさっき実験でお見せしたとおりです。
萬田銀次郎さんは皆さんもよくご存じのとおりひとの意見や作為的な操作に乗せられるような甘ちゃんではありませんよね?でもその萬田さんですら私の褒め殺しに乗せられて花森先生は立派な先生だなんて私を認める発言をしてしまった。
ミナミの鬼さえも手玉に取ってしまう褒め殺しの法則とはそれだけ強力なんです。
兄貴…。
さすが花森先生。
参りました。
兄貴?
(市川)あの萬田銀次郎に完勝や。
さすが我らが花森先生やで。
いいえ。
相手は萬田さんです。
そう素直に受け入れてはいけません。
これは褒め殺し返しです。
褒め殺し返し?そうです。
萬田さんが敗北を認めたと有頂天になっていては足元をすくわれます。
ちっ。
ほな俺が負けを認めたという証拠をお見せしますわ。
(市川)証拠?花森先生に恭順の意を表して先生のリクエストにお応えしましょう。
あぁ…私のリクエスト?先生さっきおっしゃったやないですか。
俺に講義をしてほしいと。
先生の教えに従ってせん越ながらその講義とやらをやらしてもらいますわ。
せん越ながらその講義とやらをやらしてもらいますわ。
ちょ…ちょ兄貴。
はぁ…大丈夫やろか講義やなんて。
皆さんご存じのとおり俺はミナミの金貸しですから花森先生のような高尚な話はできません。
そのかわり皆さんに即役に立つ話をさしてもらいましょう。
講義のテーマは花森先生は信用できる人物か。
花森先生はメサイアという投資会社を設立する。
皆さんはその会社に投資をする。
ということですよね?ほなこの花森先生が皆さんの命の次に大事な金を預かるわけです。
さあこの先生信用できる人物かどうかこれは極めて非常に重要なテーマや。
皆さんは花森先生の何を信用して金を出そうとしたんですか?
(成田)何て…。
いや花森先生はあんたもさっき言うたとおり立派な経済心理学者やないか。
そや。
おう。
そうです。
経済心理学者です。
これですわ。
皆さんこの肩書にやられてますねん。
(市川)肩書にやられとる?私らが?人は誰でも肩書に弱いもんです。
あぁ花森先生風に肩書の法則とでも言うときましょか。
肩書の法則?国会議員大学教授医者弁護士社長。
こういう肩書を名乗られただけで萎縮して無条件に信用してしまう傾向にありますやろ。
けどここに1つ問題がある。
肩書を得るのは難しいが肩書を語るのは簡単や。
肩書を語るのは詐欺の常とう手段や。
(市川)えっ詐欺やて?経済心理学者まあこれも皆さんの信用を得るためにはかなり役立ってる肩書でしょう。
けどこれ肩書としてはだいぶ弱いほうですわ。
医者や教師のように免許があるわけでもない。
つまり早い話誰でも経済心理学者と名乗れるいうことです。
こんなあやふやな肩書の持ち主に皆さん虎の子の銭預けるんですか。
(市川)いや僕ら花森先生の肩書に操られたんやないんや。
(成田)おうそうや。
先生はその手腕を見せて結果を出してくれたんやないか。
なぁ。
・そのとおりや。
兄貴。
そうですか。
けど皆さん大きな勘違いしてはりますわ。
(松野)勘違い?医者は病気は治すが泥棒は捕まえられへんいうことですわ。
花森先生は経営者でもなければ投資家でもない。
皆さんの商売が軌道に乗ったんはこれ皆さんの実力ですねん。
僕らの実力。
花森先生が果たした役割はまあそうですねあの〜あれですわ競馬のコーチ屋みたいなもんですわ。
成功したらよし失敗したかて何の責任もあれへん。
ましてや花森先生は投資に関してはずぶの素人や。
そうですよね?花森先生。
それとも何か投資実績でもあんねやったら証拠見せてもらいますけど?さすが兄貴や。
それともう1つ。
皆さんに商売のアドバイスをしたとき花森先生はコンサルタント料を取りましたか?
(市川)い〜や取ってへん。
せやから立派な先生やと。
おう。
皆さん前回のセミナーである1つの法則を教わったと聞いてますけど?お返しの法則です。
それですわ。
皆さんは花森先生のアドバイスによって商売を軌道に乗せることができたしかもそれはタダやった皆さんの心ん中に花森先生にお返しせなあかんそういう気持ちがありませんか?こうなることを見越して最初から全部計算してたんやないでしょうか。
(心の声松野)確かに花森先生は投資の専門家やない。
それは萬田さんの言うとおりや。
(成田)萬田の指摘にひと言も反論せぇへんし。
(市川)確かに危険なことかもしれん。
皆さん。
金を出す前にもういっぺん冷静なってよう考えてみてください。
以上で俺の講義を終わります。
パチパチパチ…さすが兄貴。
へへっ。
花森先生ぐうの音も出ぇへんみたいですわ。
それとも何か反撃の手でもありますか?萬田さん含蓄のある講義ありがとうございました。
痛いところを突かれてしまいました。
どう出る?それでは以上で今日の講義を終わります。
えっ。
(成田)えっ。
えっえっ!?何の反論もないんか。
これ完敗やいうことですかね?
(成田)先生。
先生。
そうそう。
最後に1つ。
講義の最初に発表したメサイアへの投資家を正式に募集します。
はっこのタイミングで投資家を募集するやて?募集は1口100万円から何口でも可能とします。
口数などの子細は後ほどということにして。
今日は投資をされる方の人数を把握したいと思います。
それではメサイアへ投資される方挙手お願いします。
ははっ。
ほんなもん誰が手挙げんねん。
投資します。
何やて?
(成田)わしも。
わしも。
じゃあ私も。
・私も!・俺も。
・私も。
私も。
・じゃあ俺も。
私も投資します。
んなあほな。
いいでしょう。
今手を挙げた方全員私が責任を持ってお金持ちにしてみます。
(成田)おぉ〜おぉ〜先生頼みまっせ。
わしら先生に命賭けますわ。
なぁなぁなぁなぁ。
(拍手)萬田さん今日はお疲れさまでした。
何でなんですか!あれだけ花森の信頼をたたき潰したのに何で松野さんたちはメサイアに投資したがるんですか。
俺にはさっぱりわかれへんわ。
どうやら投資を決意する最後の一押しをしてもうたんは俺やったようやなぁ。
いや兄貴は花森にぐうの音も出させへんかったやないですか。
ちっ。
そのぐうの音も出させへんかったんが悪かったんや。
どういうことですか?こういうことですか?花森のセミナーを聞いて洗脳されてきた会員たちは投資する決意をおおかた固めていたとはいえ多少の迷いはあった。
まあそりゃそうやろ。
そのタイミングで萬田さんの講義を聞いて危機感が生まれた。
危機感?会員たちはこんなふうに思ったんやないでしょうか。
(市川)このまま2Hに5”ったらEj;qせぇへんかもしれん。
(成田)金持ちになるチャンス逃すんちゃうやろか。
会員の危機感はあのとき絶頂に達しとったんやなぁ。
そこで花森はすかさず投資家を募集した。
だからあのタイミングで…。
そう考える以外花森がひと言も反論せぇへんかった説明がつきません。
いやそれどころか俺のセミナーに参加するのを認めたときからこの結果を読み切っとったんや。
えっまさかミナミの鬼萬田銀次郎をだしに使たいうことですか?俺は花森のシナリオの上で踊らされとったんや。
肩書を語るのは詐欺の常とう手段や。
ましてや花森先生は投資に関してはずぶの素人や。
いやそんなはずあらへん。
(松野)利息の1万円。
それから元金の10万円。
はぁ〜ありがとうございました。
まいど。
ちっ。
え〜っと。
1234…。
確かに。
ははっ。
ついに元金返済ですねぇ。
はははっ。
例のあれで。
メサイアですか?今日利息が入金される日でして。
実は萬田さんが言わはったことも気になってたからだまされとったらどうしよいう不安もないことはなかったんやけど。
ちゃんと入金されてたんですか?はい。
きっちり。
はぁ〜。
あっいや…ははっそりゃ良かったですね。
ははっ。
やっぱり花森先生は詐欺師なんかやなかったんですよ。
ははっ。
ありがとうねえちゃん。
ありがとうございます。
どうぞ。

(成田)良かったな。
最高やな花森先生。
(市川)萬田銀次郎の言うこと聞かんで良かったわ。
(成田)いやほんまやで。
あそこで投資やめとったらこんなおいしい話みすみす逃すとこやったで。
ははっ。
(市川)やっぱり花森先生は女神様やったんや。
(松野)せやなぁでも臨時のセミナーって何なんやろ?
(成田)先生のほうからメンバー指定してくるてなぁ。
(市川)少数精鋭ってわけやな。
こら多分どえらいネタでもあるんとちゃうか。
(市川・成田)ははははっ。
(市川)あっ先生。
ふふっおそろいですねぇ。
(市川)それで今日呼んでもらったんは?ええ今日は特別な皆さんに特別なお話をしたくて。
と…特別ですか。
皆さんはあの程度の利息で満足ですか?えっ?私は最初に皆さんを大金持ちにすると言いました。
私は今日ここに集まった特別な皆さんを年収1億稼ぐ人間にしたいんです。
何やと?1億でっか?そんな夢みたいな…。
夢ではありません。
私がこれまで実現もしないような夢物語を語ったことがありますか?私が口にした言葉は全て現実のものとなって花開いてきたはずです。
でもどないしたら年収1億も稼げるようになるんでしょうか?簡単なことです。
メサイヤに投資すればいい。
あっあの投資やったら既にやってますけど。
今お話している投資はこれまでの投資とは違います。
今ここにいる特別な皆さんが本物の大金持ちになるためのプラチナ投資なんです。
プラチナ投資?100%元金保証はこれまでどおりです。
違うのはその利率です。
今回は…。
100%の利息を差し上げます。
つまり投資した金額と同じだけ利息が付くいうことですか?そうです。
1億投資したら年収1億稼げるわけです。
1億!?勢いのある企業は毎年10倍20倍と成長しています。
100%の利息の確保くらい赤子の手をひねるようなものなんです。
とはいえ投資金として1億用意するのは簡単なことではないでしょう。
ですから今回は1口1,000万から受け付けることにします。
1,000万。
(市川)けど経営の女神様が言うんや。
投資した額が高ければ高いほどもうかるのは確実やろ。
店たたき売ってでも…。
おうおう。
(市川)借金してでも金作って1億作れまっせ!
(成田)うんうん作れる作れる。
作れるわ!
(市川・成田)ははははっ!
(市川)1億投資して1億もうかって…。
松野さん。
萬田さん。
なんぼですか?1,000万都合してもらえませんか?お願いします。
後で店に届けますわ。
兄貴…。
ありがとうございます。
ありがとうございます。

(ドアの開閉音)いいんすか?兄貴。
松野さんあの金花森に投資するつもりですよ。
貸した金はきっちり回収するそれだけや。
いやそらそうかもしれないですけど。
何か松野さん変わっちゃいましたね。

(ドアの開閉音)萬田さんちょっと都合してほしいんですけど。
ふふっほんとにここはいい街。
でもそろそろ潮時ねぇ。
松野さんまで…。
そこまでしてもうけたいんですかね?せっかく経営が軌道乗ってきたのにそれをほっぽりだして投資やなんて。
そりゃ楽して大もうけできたらそりゃ夢みたいな話ですけど。
あれ?松野さん。
あっ。
ここもしかして松野さんが…。
(松野)嫁がね北新地で店をやるのが夢やったんです。
一緒になってからもず〜っと苦労のかけどおしで。
あいつ不器用で料理も上手なほうやなくて。
熱っ…。
(松野)手にはいつもやけどの痕が絶えんくて。
それでも一緒になって試行錯誤してくれました。
やったね〜やった。
いただきます。
(松野)そうやってあのオムライスが出来て…。
おいしい。
うん!*うまいなぁ。
うん…おいしい。
(松野)やっとここまでこれたんです。
今更やけど俺がしてやれるのはこのぐらいしかないんです。
花森先生から利息が振り込まれたらすぐに返しますから。
(沢木)ちゃうがなクミコ。
うん?
(沢木)銀ちゃん好みの乳でかい子呼んだってくれや。
そうなん?ごめん。
ごめんね。
さっちゃん呼んできて。
わかりました。
失礼します。
(沢木)えらいもうけてるらしいな。
(沢木)あの花森とかっちゅう女とひともんちゃくあったって聞いたけど。
だしに使われましたわ。
(沢木)銀ちゃんがか?ははっ。
沢木さんあんとき買うたかばん2週間前なんぼやったか知ってますか?あんとき…。
おぉどういうこっちゃ。
3分の1ですわ。
売れへんくて困ってる市川さんに花森が値上げするよう入れ知恵したらいきなり売れるようになったそうです。
ふっわしも知らん間にあの女の手に乗せられとったっちゅうわけか。
はっ。
この男の分や。
・あぁどうも。
「バンクオブドリーム」?
(三日月)ヘブン島に本社を置く国際的マネーコンサルティング会社です。
ご承知のようにヘブン島はノンタックスの島です。
ええ税金が一切かからないとか。
あっどうぞ。
どうも。
その利点を甘受しながら世界中の投資家の資金を管理運用しております。
あぁそれで今日のご用件は?勝手ながら花森さんのことを調査させていただきました。
あなたの実績を我が社は高く評価しております。
あぁ光栄です…と言うべきなんでしょうか。
単刀直入に申し上げます。
メサイアコーポレーションに融資をさせてください。
私に融資を?ただし私どもが提供する資金は半端な額ではない。
…とおっしゃいますと?最低でも500億円。
500億?ええ。
それは最初の取り引き金額です。
その後の実績いかんによってはその上の桁のご融資も可能です。
それだけの資金があれば花森さんあなたの実力を遺憾なく発揮できるのではありませんか?あぁ…500億なんて大金私には…。
ご謙遜を。
成長が見込まれるベンチャー企業に投資をするのに資金はいくらあっても困ることはないでしょう。
あぁ…その500億の利息は?私どもの顧客は短期間での利益を望んではいません。
したがって僅か1%の利息です。
1%…1年で5億。
ただし最低でも2年の融資期間となっておりますので花森さんには10億円の利息をお支払いいただくことになります。
10億。
融資する額が額ですので利息は前払いいただくことが条件です。
あぁ…。
厳正な審査をさせていただいたとはいえ他の役員を納得させるためにはその程度の資金力があることを証明する必要がありますので。
なるほど。
10億円の入金が確認できましたら500億円が即花森さんの口座に振り込まれます。
そのお金と私の経済心理学があれば…。
待ってそんなうまい話があるわけない。
この手の話はどこかで聞いたことが…。
三日月さんこれはM資金詐欺ではありませんか?ははははっ。
確かにそのような巨額融資詐欺事件が発生していることは承知しております。
私どものような国際的投資会社にとってははた迷惑な話です。
証明できますか?御社がM資金詐欺とは無関係だと。
花森さん我が社はそれを証明しなければならない立場にはありません。
もしご心配でしたらそちらで調査されてはいかがですか?あぁそれはそうですね。
ご納得いかれましたら連絡をください。
2週間後には香港にたちますのでそれまでには。
香港ですか?ええ。
実はもう1人融資先の候補者が香港にいます。
花森さんとのお話がまとまらなければそちらに。
そうですか。
最後になりますがこの商談が成立することを祈っております。
お互いいい話ですので。
(飯山)調査結果ですがバンクオブドリーム社はヘブン島に実在してました。
確かなのね?投資顧問会社いうのはわかってます。
しかし業務内容については何もわかりませんでした。
トップシークレット扱いです。
トップシークレット…。
でその三日月という男は?役員の中に名を連ねてます。
でも私が会った男がその三日月かどうかは…。
本物ね。
バンクオブドリームは実在する。
三日月が役員であることも確か。
500億この話が本当なら他の人には渡したくない。
でも前払いの10億はリスクが大きすぎる。
(沢木)おおきに。
おおきにおおきにははっ。
ほんまお礼はきっちりとさしてもらいますよって。
あっもう1人いらっしゃるんですね。
ええ。
花森さんにも是非懇意にしていただきたいと思いご紹介をするんです。
あぁ…。
一体どなたを?・先生がお見えです。

(戸の開閉音)
(中尾)ありがとう。
あっ。
おう。
(三日月)衆議院議員の中尾寿太郎先生です。
先生本日はありがとうございました。
ご存じですよね?もちろんです。
(三日月)こちら投資会社メサイアの花森社長です。
(中尾)うんよろしゅううん。
こちらこそよろしくお願いいたします。
よし。
うんあぁ〜よいしょ。
あの500億円も自由に日本に持ち込めるというのはやはり現職の財務大臣とお親しい先生のお力なんでしょうか?
(三日月)花森さんこの場で生臭い話は…。
これはたいへん失礼いたしました。
三日月が提示してきたものは全部本物だった。
ドリーム社を疑う余地はないわね。
この街のカモからかき集めたお金が7億。
私の貯金を合わせても9億。
あと1億どうしても足りない。
でも逃すのは…。
欲しい。
決断されましたか?はい。
お世話になりたいと思います。
ただ1つ困ったことがありまして。
困ったこと?利息の前払いの件なんですが…。
実は今手元に9億しかないんです。
ほう。
今すぐ1億用意するのが難しくて。
何とか融通を利かせていただくことはできないでしょうか?なるほど。
それは弱りました。
当方としては前例のないことですので。
そうですか…。
残念ですがこの話はなかったことに。
待ってください。
我が社としてはこの契約をできうる限り成立させたい。
でもない袖は振れません。
でしたら1億円の借用書を別途書いていただけますか?それをもって利息の支払いといたしましょう。
それがぎりぎりの妥協案というわけね。
でも500億の入金があれば1億払うくらい簡単なこと。
どうされますか?借用書を書きましょう。
うちもありませんねん。
(市川)じゃあ2回目の利息の入金は誰にもないんすね。
(成田)れ…連絡も取られへん。
(市川)もうどういうことや。
まさか…。
(市川)まさか…まさか何や?花森にだまされたんじゃ…。
そんなはずないでしょう。
そんなはず…。
(成田)花森!どこ行ったんや!萬田さん。
貸した金はきっちり返してもらいまっせ。
すんません。
でも私にはもう…。
取られた分は自分で取り返すんや。
えっ?あっどうして?あなたには感謝していたのに全部私たちをだますためやったんですね。
えっだますって人聞きの悪い。
皆さん商売が繁盛して喜んでたじゃないですか。
セミナーを開いてくれって言ったのも皆さんですよ。
投資だってご自分で決めたんでしょ。
あれは大切なお金なんです。
お金を返してください。
はぁ〜。
そんなに大切なら大事にしまっておけば良かったんじゃない。
欲をかいてもうけ話に乗っかっておいて今更そんなこと言われてもねぇ〜だ。
どうしても返してくれないんですか?オムライスでもうける方法教えてあげたじゃない。
あれでちまちま稼ぎなさいよ。
あの貧乏くさいオムライスで。
あんなの出しておいて2,000円なんてそれこそ詐欺だわ。
お前に何がわかる。
お前に何がわかるんや!あんたたち貧乏人のことなんてわかりたくないわよ。
だまされるほうが悪いんじゃない。
・その言葉そっくりそのままお返ししますわ。
萬田銀次郎…何で。
どうしてその借用書をあなたが。
ここの債権うちが買い取りましたんや。
えっ待ってどういうこと?あの世界的な投資会社があなたみたいな人と?まだ焦げ付いたわけでもないのに。
世界的な投資会社ねぇへへへっ。
まさか…。
三日月さんやったら今頃ラスベガス行きの飛行機の中ですわ。
久しぶりやなぁ。
三日月さん。
仕事ですわ。
銀ちゃんが出てきたっていうことは当然でかいヤマなんやろなぁ。
はははっ…。
あんたたちぐるだったの?三日月さんのギャラ1億円でした。
でも確かにドリーム社は実在するって。
三日月さんが立ち上げた会社ですわ。
まあいろいろ動き回りやすいように社長やなくて役員いうことなってますけど。
でもその実態は…。
巨額融資詐欺?でも中尾寿太郎議員は?まさかあなた中尾議員と知り合いなの?面識はありません。
ただつてを頼ってちょっと口利いてもらいましたんや。
ほんまお礼はきっちりとさしてもらいますよって。
ははっ助かりますわ中尾先生。
政治家は芸者と一緒や。
お座敷がかかったらひょこひょこ出てきよる。
そんな…。
まあ花代として1,000万包んだけどな。
でもそんなことしたら中尾議員だって…。
中尾は純粋に飯食うただけで込み入った話には加わってないはずや。
せやから詐欺に利用されたとしても何の罪にもならん。
そんな…。
とにかく私の10億は返して。
それはできませんわ。
あれ?確かだまされたほうが悪いんとちゃいましたっけ。
わかった。
この人たちのお金は返す。
だから残りのお金は私に返して。
借用書も無効にして。
んなことできますかいな。
お願い。
ミナミはね鬼がすむ街ですねん。
鬼…。
経済心理学でも何でも好きにやったらよろしいわ。
けどミナミの街で好き勝手やられたら黙ってられへんねん。
俺の客に手ぇ出されたらうちへの返済が焦げ付く。
さぁ〜て1億円どうやって返してもらいましょかね。
そんなの返せるわけないじゃない。
全財産つぎ込んだんだから。
何をナメたこと抜かしとんねん!金の作り方やったらなんぼでも教えたるぞ。
ただしあんたと違て俺のやり方は少々手荒いかもしれんけどなぁ。
逃げようなんて思わんことや。
俺は地獄の果てまででも追い込みかけるから。
ほな。
ミナミの鬼だしに使おうなんて相手が悪かったな花森先生。
はぁ〜。
・お出かけですか?
(市川)萬田さん。
(成田)見つかってもうた。
(市川)すんません金を返す当てがないんです。
堪忍してください。
(成田)すんません!これ…。
金なら花森から取り返したわ。
(市川)えっ?ただし貸した分と利息は引かしてもらいました。
どうやって。
ミナミの鬼ナメたらあかんで。
(市川)せやなすいませんでした。
僕もう一度一から出直しますんで。
私も地道にやり直します。
資金が必要やったらいつでも融資しますわ。
ただし利息はトイチですけどね。
・「愛の花」う〜ん。
んっ!あの物件どないしたんですか?ほら奥さんの。
解約しました。
払った手付金は授業料や思うことにしますわ。
高つきましたな。
おかげさんでほんまに大事なことに気付かせてもらいましたから。
大事なこと?私がやるべきことはお金持ちになることでも北新地に店を構えることでもない。
嫁の味を毎日お客さんに食べてもらうことです。
松野さん。
どうですか?味のほうは。
まあまあやな。
2016/01/14(木) 02:40〜04:12
関西テレビ1
新・ミナミの帝王[再][字]

「経済心理学者」を名乗る美女・花森敬子(三浦理恵子)がミナミに現れた!萬田銀次郎(千原ジュニア)は心理学を武器に商店主らに取り入る敬子の“裏の顔”を見抜くが…!

詳細情報
出演者
千原ジュニア(千原兄弟) 
大東駿介 
赤井英和
 / 
中村靖日 
奥村佳恵 
石田剛太 
永井秀樹 
六角精児 
三浦理恵子
番組内容
 萬田銀次郎(千原ジュニア)は「ミナミの鬼」と恐れられる大阪ミナミの金貸し。ある日、銀次郎の顧客・松野茂樹(中村靖日)が営む洋食店に「経済心理学者」を名乗る花森敬子(三浦理恵子)が現れる。経営不振に悩む松野に、敬子は心理学の“法則”を使って客を増やす方法を指南する。松野が敬子のアドバイスを実行すると、たちまち店は大繁盛。敬子はミナミのさまざまな店に現れ、客の心を操る“法則”を助言しては商売を軌道に
番組内容2
乗せ始めた。
 敬子にすっかり心酔するミナミの商店主たち。だが、銀次郎は謝礼も受け取らない敬子に、何か裏の魂胆があるのでは、と疑っていた。
 そんな折、敬子が商店主たちを集め、会員制のセミナーを行うことに。銀次郎は竜一(大東駿介)を潜入させて中身を探り、会員たちから金を引き出そうとしていると見抜く。その読み通り、敬子は自ら投資会社を設立したと発表し「皆さんを金持ちにする」と投資を呼びかけた。
番組内容3
 銀次郎はセミナー会場に乗り込み、化けの皮をはがそうと、敬子のやり口を詐欺の常套手段だと暴き立て、投資を思い止まらせようとする。しかし、敬子はひと言の反論もせず、何事もなかったように投資を募り始めた。銀次郎の話に納得していたはずが、なぜか金を出すと競うように名乗りを挙げる会員たち。信じられない光景に銀次郎は言葉を失い…。
スタッフ
【原作】
『ミナミの帝王』原作:天王寺大/劇画:郷力也
【脚本】
ひかわかよ
【プロデューサー】
東田元(関西テレビ) 
神山明子(メディアプルポ) 
増田幸一郎(メディアプルポ)
【演出】
瑠東東一郎(メディアプルポ)
【主題歌】
ET−KING
【音楽】
PE’Z 櫻井真一

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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