歴史と文化の複合攻撃


 西尾
 今日はまず、お二人に問いかけをさせていただきます。歴史問題で日本が苦しめられている。靖国神社や慰安婦問題でアメリカ、中国、韓国から謂われなき罪で批判され続けていて、日本はそれに毅然と反論できないでいる。その構図は国際政治の文脈で語られることが多いのですが、少し角度を変えて考えてみたい。
 韓国はあまりにも荒唐無稽な自国自慢をします。日本語の仮名は韓国産だ、剣道も柔道も韓国起源だと呆れ返るようなことを言い出す。相撲も歌舞伎も韓国が日本に教えたとさえ言っています。対日本だけではなく、孔子も孫文も韓国人だと言い出して中国人を怒らせたこともある。ついにピッツァもイタリア産ではなく韓国由来だそうです。
 その中国も中国で、キリスト教は中国起源であるとか、『旧約聖書』も『新約聖書』も墨子から発しているという説もあります。十九世紀には世界の文化文明はほとんどが中国起源であるというお国自慢が広がったことがありました。中国人はまだ大人ですから、表では大声で言わなかったり、それをきちんと否定する人が出てきたりします。韓国の場合は否定する人は袋叩きに遭うらしいですから、救いがない。ただ、腹の中は両国はよく似ている。
 アメリカはどうか。今や自らこそがキリスト教文明の中心であり、ヨーロッパ文明の継承者だと信じていて、ヨーロッパもそれを認めている。だから堂々と「人道に対する罪」などという概念を持ち出し、人類の名において世界を裁くということに躊躇しない。
 一方のわが国は、もともと謙虚で、そういう原理主義をとらない。戦前から文明を他国に学ぶことを隠していない。第二次世界大戦で敗北した後、戦争裁判の結果をすんなり受け入れたのはそのせいでもある。賠償もすませそれなりの償いを完了させて講和条約も結んだ。にもかかわらず、というか今述べた国柄のせいか、どこかで罪悪意識を抱き続けてきました。これは日本人に罪の意識を植え付け、二度と立ち上がれない国にしようとしたGHQ(連合国軍総司令部)の「ウオー・ギルト・インフォメーション・プログラム」によって洗脳されたせいでしょうね。占領終了後も日本を「弱い国」のままにしておきたかった左翼勢力に騙されてきただけなのに、なかなか吹っ切れない日本人が多い。
 アメリカが日本との戦争に勝ったこと、中国や韓国が戦勝国の側に自分勝手な理屈で立っていること、あるいは戦争の犠牲国として日本より国際政治的に優位に立っていることと、文明の起源は自分たちにあるといって偉そうに日本に押しかぶさってくることとは本来は別の話です。後者に関しては、われわれはきちんと文化論的対応や反論ができます。先述したような馬鹿馬鹿しい自国自慢は放っておけば消えていくことも理解しています。
 日本対西洋というドラマは、長い付き合いの中で文明論的に成熟していて、西洋人は日本が古い独自の文明を持つことを理解していました。また日本人はある時代には自らを東洋の代表としてみて、東洋対西洋という対立図式さえ堂々と語っていた。
 ところが中国人と韓国人には、西洋との精神的な対話を通して、自らを分析することなど考えもしません。ことに韓国人は西洋との対話の伝統さえあるように思えません。一方的に自らが優越していると思っています。日本は優越しているなどと考えず、西洋とは異質であるが、そこから学んで自分のものにもしなければならない西洋文明の底深さを自覚してきました。
 日本はそうしてバランスをとりながらやってきたのに、突如として中韓の異様な日本攻撃が始まった。なんの根拠もなく自分たちを高みにおいて日本に上から目線でものを言う。そこに戦勝国、戦争の問題を重ねている。文明の問題と戦争の問題とは別なのに、それが折り重なって日本に二つのウソが覆い被さってきていて、日本人はたいへん分かりにくい局面に立たされている。区別すべきはきちんと区別すべきです。日本が古代中国から影響を受けたのは韓国経由ではありません。韓国経由はごく初期だけです。宋以後の中国からはさして決定的な影響を受けていません。戦争に関しては、日本は韓国とは戦争していません。日本も敗れて韓国も敗戦国なのです。日本が中国と戦ったのは国民党軍であり、中共軍ではありません。中華人民共和国は日本がアメリカに太平洋で敗れて、大陸を撤退してから、その後で大陸の覇権国家になったのです。日本人はここで一度、日本人としての自覚、歴史の自覚を突き詰めて考え、対決すべき時が来ていると思います。

 宮崎 中国と韓国が似ているところは、まったくのジコチューで独善的であることです。韓国は朝鮮半島の食いっぱぐれが日本だと考えている。また見栄っ張りで、映らないのにサイズだけは大きいテレビを置いたり、外箱だけで中身のない文学全集を本棚に飾ったりしている。一方の中国は、史上最大のベストセラーが清朝末期に公刊された『厚黒学』だというお国柄。腹黒くなければ出世しないという人生観に染まっているのが中国人です。
 この中国人と韓国人の共通点は、山賊の論理です。「人のものは自分のもの。自分のものは自分のもの」。西洋との違いといっても、西洋もアメリカも中東も一神教ですから、自分だけが正しいと考えるのも論理的には分からないでもない。ただ中韓は一神教でも何でもないんだけれど。

 西尾 朱子学は一神教に似ています。

 宮崎 一神教は他を認めませんが、朱子学の中では、さまざまな学派が百家争鳴、という時代もあります。彼らの規範はやはり中華思想でしょう。国際秩序を守れと批判されても、彼らは彼らで中華秩序という独自の国際秩序を守っているという意識だと思います。

 西尾 困ったものですが、最近は「鄭和の艦隊」を持ち出して、現在進めている海洋覇権戦略を正当化しようとしていますね。

 宮崎 六〇〇年前の明代に、東南アジアからインド、アラビア半島さらにはアフリカにまで至る航路を開いたのが「鄭和の艦隊」。習近平は二〇一四年九月にモルディブとスリランカを訪れた際、「鄭和がモルディブを訪れ、その答礼の使者がモルディブから中国に来た記録がある」などと発言しました。スリランカでも同じことを言っています。

 西尾 「鄭和の艦隊」は平和主義だった。だから自分たちも軍事覇権や軍国主義とは無関係だというようなことを言って回っている。

 宮崎 中国はモルディブとスリランカを「真珠の首飾り戦略」に組み入れようとしています。「真珠の首飾り」とは、南シナ海からインド洋を中東へと至る中国のシーレーン戦略で、沿岸各国の港湾インフラ整備を支援し、自国の艦船が寄港する足場として確保しようとしています。これまでは商業目的と語られてきましたが、習近平がスリランカを訪れた前日には中国の潜水艦が初めて寄港し、軍事目的があることも分かってきた。
 つまり中国は、自分の仲間になりそうなところでは鄭和を持ち出す。日本やインドでは語らない。語っても無駄だからでしょう(笑い)。

真珠湾・アリゾナ記念館 真珠湾攻撃を受けたヒッカム基地司令部のビルには当時の弾痕が生々しく残っている =米国ハワイ州オアフ島の米軍ヒッカム基地(鈴木健児撮影)

陸軍博物館の特別展示にみるアメリカの「正戦」論


 江崎 アメリカも独善という点では中国と変わらないと思います。最近ハワイのホノルルに行くことがあって、真珠湾のアリゾナ記念館やアメリカ陸軍博物館を見てきました。自分たちがホノルルを征服し、ハワイ王朝を絶滅させことについてはほとんど触れず、アジアの平和を乱したのは日本のエクスパンション、拡張主義で、アメリカはそれに立ち向かい、平和が訪れたという歴史観が語られていました。
 陸軍博物館ではちょうど戦後七十年にあわせた特別展示が行われていて、これもまた愉快ではありませんでした。戦時中の日系人によるインテリジェンス(情報収集・諜報)活動がテーマで、日系人たちがアメリカ国民として第二次世界大戦で日本を打ち負かすためにインテリジェンス活動に従事していたというんですね。日系人も最終的にはアメリカの文明に心服して、アメリカ国民として日本との戦いに加わった、彼らを称えようというストーリーです。米陸軍には当時、主に日系二世の将兵で編成された情報セクションまでありました。対日戦線で日本語能力を生かし、情報収集や分析、宣伝、捕虜の尋問などにあたり、在日占領軍でも活動しています。

 宮崎 アメリカの日系人は戦前から戦中にかけて、日米の間で揺れ動きます。アメリカ組と日本組に分かれ、日本に忠誠を誓った人たちは船で日本に帰った。戦争が始まるとアメリカ組は収容所に入れられますが、そこでもアメリカが勝つという組と負けるという組に分かれる。勝ち組は、「われわれはアメリカ人として戦う」と誓って日系人部隊に入った。アメリカ史上最も多く勲章を受けた勇猛な部隊として有名な四四二部隊も彼らですよ。

 西尾 戦後我々は、アメリカ軍に加わって日本と戦った日系人の行動を武士道として理解してきました。彼らは「郷に入りては郷に従えで、アメリカという国家に忠誠を尽くした」のだと。しかし、よく考えてみると祖国を裏切る卑劣な行動だったのではないか。そんな評価が近年出てきました。鈴木敏明さんという方が『逆境に生きる日本人』(展転社)で打ち出しています。アメリカには協力しないと背中を向けた日本人たちもいて、彼らは牢にぶち込まれた。彼らこそが立派だというんですね。

 宮崎 戦後、その問題を最初に書いたのが藤島泰輔の『忠誠登録』で、そのあと山崎豊子の『二つの祖国』がでた。日系人の心理の移ろいを描いています。
 一九八〇年にレーガン政権ができたときに、強制収容した日系人に対する補償がなされました。実はあの運動をやったのは民主党左派です。穏健な在米日本人たちは嫌がっていました。日本人のモラルとして、恥だと考えたんですね。

 西尾 あえて請求しなかったんだ。

 宮崎 従来の日本人は、そういう感覚なんですよ。

 江崎 帰属心とは別に、戦時中の在米日本人・日系人でアメリカ軍の諜報・情報活動に協力したのは、実はアメリカ共産党に属した在米日本人グループだったという側面に注目しておくべきです。有名なのはカール・ヨネダや木元伝一らですね。カール・ヨネダは筋金入りの活動家で、マルクスから名前を取っています。陸軍情報部で中国やビルマ戦線に従事し、『アメリカ――情報兵士の日記』『がんばって――日系米人革命家60年の軌跡』といった著作で知られます。木元は尾崎秀実・ゾルゲグループの宮城与徳を日本に送り込んだ人物とされ、日米戦争中はアメリカ戦時情報局(OWI)で対日心理作戦に従事しています。彼らにとっては日米戦争を煽ることこそ目的だったからです。アジア赤化のために日本をアメリカと戦わせて日本を弱体化させるのがソ連の戦略でしたから。

中国に警戒強めるアメリカ情報機関


 江崎 一方で、ハワイの海兵隊基地では、こんなこともありました。真珠湾攻撃でその基地に突っ込んだ零戦パイロットの飯田房太大尉の記念碑が戦後アメリカ陸軍によって突入現場に建立されていて、「日本人は非常に勇敢に戦った。自分たちも顕彰している。お前は日本人なのだから、そこに行け」と海兵隊関係者から勧められました。

 西尾 そういうこともあるんだね。

 江崎 軍人として忠誠心や勇敢さ、自己犠牲の精神は敵味方の区別なく評価する。そんなフェアな一面もありますが、米軍全体としては、日系人でさえ悪い日本と戦ったのだとアメリカの正義を強調するようなプロパガンダを戦後七十年に向けて展開しているわけです。

 西尾 アメリカは、日本との戦争の評価で文明の優位については譲らなくても、戦争の可否と動機の相対化、つまり日本にも一分の理はあったことを承認する目が出てきているのではないか。カナダ在住の歴史家、渡辺惣樹さんが報告されていますが、ルーズベルト大統領が日本を開戦に追い込んだことは、刑事裁判では認められなくとも民事裁判では認定されるというところまでアメリカでは研究が進んできているようです。学界や言論界レベルの話ですが。

 江崎 確かにアメリカでは保守派を中心に、「ソ連と組み、コミンテルンのスパイたちを重用したルーズベルト外交は結果的に中国大陸を共産党に奪われるなど、失敗だった」という議論が浮上してきています。

 西尾 日本人に日本人パイロットの顕彰碑を見に行けと勧める軍人がいるという江崎さんのお話もそれに通じるところがある。

 江崎 現在の国際情勢の中で国防総省、特に海兵隊は、着々と太平洋に進出してきている中国の軍事的脅威に対して、日米が協力して戦わないといけないという危機意識が高まっていると思います。そういう中で日本のプラス面は積極的に評価しようとしている印象を持ちましたね。

 西尾 ただそれはあくまで戦争の問題で、文明の問題ではありません。軍事利用の問題で、歴史の正義を認めるか否かの問題ではない。アメリカは戦後、中国や韓国、その他の国々に対して、経済的に豊かにさえなれば民主化して法治国家になるという見通しに基づいて外交政策を立ててきました。ところが現実はまったく逆で、中国は狂暴化するし、韓国は愚昧化した。アメリカは自ら犯してきた過ちに気付いているのでしょうか。

 江崎 一般人は中国への警戒心を持ち始めています。というのも中国が金にあかしてアメリカの不動産を買いまくっているからです。ハワイでは中国人が投資のためだけにコンドミニアムを高いカネで買い漁り、地価が急騰している。地元の人たちが住みづらい地域ができてきています。

 西尾 中国人は世界各地で同じことをやっている。

 江崎 実はアメリカの軍当局やインテリジェンス機関も相当、中国の対外工作に警戒心を強めています。中国の国営テレビ局中国中央電視台(CCTV)はアメリカ本土をはじめとして世界中で放送をしていますが、軍当局は「プロパガンダ放送だ」と神経をとがらせています。
 アメリカでは、中国が世界中で開設してきた中国語教育機関「孔子学院」を閉鎖させる動きが出ていますが、その背景にもアメリカの情報機関の意向があると聞いています。そのきっかけは、中国に留学するアメリカの大学生が、中国によってスパイにリクルートされる事件が起きたことです。FBIは二〇一四年春、中国に滞在しているアメリカ人留学生らが中国の情報機関に買収され、スパイになる危険性に警鐘を鳴らす留学生向けの動画を製作してネットで公開しています。『(チェスの)歩兵のゲーム(Game of Pawns)』というタイトルです。

 西尾 経済発展しても期待していたようには民主化されず、逆の効果が出てきたということですね。そもそも豊かになれば民主化するというアメリカ人の発想の根拠は日本です。ファシズム国家だった日本を負かし、占領して民主化し、立派な国に育て上げたと考えています。アメリカが勝手にそう考えているだけですが。

 江崎 イラク戦争でブッシュ大統領が言っていましたね。

 西尾 アメリカの文明で日本を覆い尽くしたのだから、他国も教化できると考えていた。私に言わせれば、とんでもない勘違いですよ。かつての日本には確かに民主主義などという言葉こそありませんでした。しかし古の時代から、民を大事にし、他人の意見をよく聞き、相和して生きていくという、モラルあるいは一種の習俗があった。ただ戦後は、その上にアメリカの明るさとパワーを学んだ、という程度のことだと理解しています。もちろん日本からの輸出に門戸を開いてくれたことには感謝しています。
 ですから、アメリカが日本に民主主義を与えたという理解は誤りなのだということを、アメリカ人に分からせることができるのかという問題なんですよ。

巨額不良債権の隠蔽共同体


 西尾 それにもうひとつは中国の未来です。中国が共産主義をやめて、言論の自由のある国になるか否かで日本の未来は変わってきます。あんなデタラメな経済政策をやっていて今でも何とか持ちこたえている。いつまでこんな状態が続くのですか。

 宮崎 米中は通貨や金融に関しては共犯です。紙くず同様の人民元がドルと交換できるようになって、中国は外貨をどんどん積み上げ、政治資金として使ったり、海外に投資したりしてきました。アメリカにとっても、ドルが流通するから利益になる。
 ところが西尾先生が御指摘のように、中国の経済は滅茶苦茶でバブルも破裂しているのに、なぜかまだ成長が続いている。これはアメリカも荷担して、中国の銀行がまだ機能しているというフィクショナルな虚像を世界に見せているからです。中国の銀行は破綻しています。預金準備率を引き下げ、シャドーバンキングなどを使って資金を供給し、今度は利下げです。貸出の上限利率は五・六%であるのに、一年物定期は二・七五%にまで下げて利ざやを大きくしている。これで海外からの投資が続く。年間ドル換算で九〇〇億ドルから一〇〇〇億ドルの投資がある。

 西尾 今でもまだ海外から?

 宮崎 そうです。日本からの投資は、二〇一二年の尖閣問題に端を発した反日デモ・日本企業焼き討ち以降減り始めて半減したけれども、まだ一〇〇億ドル近く投資されています。台湾からも一〇〇億ドル、ドイツも大金を投資しています。海外からの投資は相対取引で人民元になるから、銀行に資金が供給できるという仕組みになっています。
 しかもアーンスト・ヤングなどアメリカの代表的監査法人も中国に現地法人をつくり、銀行の監査に入っているのに、実態を明らかにしない。銀行が相当な不良債権を抱えていることはわかり切っているのに公表しないんです。中国の当局に握り潰されているんでしょう。その結果、中国の金融が機能しているかのように世界中が錯覚する。この不良債権問題が弾けると、ドルも連動して相当暴落してアメリカも困る。米中は隠蔽共同体ですよ。

 西尾 中国版サブプライムローンが限界に近づいているということですね。

 宮崎 おそらく円換算で一千兆円ぐらいでしょう。日本のバブル崩壊は四十兆円でしたから、その二十五倍の規模です。そうなったときは日本の反撃の最大のチャンスですけれども。

 西尾 しかし日本経済も攪乱されるでしょ。

 宮崎 一割程度は攪乱されますね。中国に大工場を持つメーカーや手広くビジネスをやっている商社は株価が大暴落するでしょう。トヨタ、コマツ、ダイキン工業、伊藤忠などです。

 西尾 アメリカも日本もそれが分かっていて半身を抜いているけれども、中国経済が破綻して自分たちもやけどを負うのが怖いから協力して投資もするというハーフ・アンド・ハーフのスタイルで付き合っているわけですね。

 宮崎 アメリカは、製造業は中国からかなりが撤退しましたが金融ではまだズブズブの関係です。

「共産主義に汚された歴史」を問え


 西尾 アメリカが金融を握っているのは、いざとなれば中国の弱点をカネの面でつかんで抑えにかかれると思っているからではないでしょうか。アメリカ経済への波及も恐れているのでしょう。各国が金融面で痛い思いをしたくないがために、中国の独裁と腐敗を許しているという国際社会の現状をどうみるか。これは北朝鮮への対応と似ていますね。北朝鮮は規模こそ小さいけれども、暴発されたり無秩序に崩壊されたりしたら困る。その一点で国際社会が一致していて、あれほどデタラメな国に手出しをせず、そっとしておいている。暴発されたら韓国は甚大な被害を蒙るし、いざ統一となると経済的な負担が大きい。アメリカも力を行使する状況は避けたい。中国も緩衝地帯がなくなるのは嫌だし、日本だってとばっちりはごめんだと思っている。勝手なことやれるのはロシアだけでしょうが、責任は取りたくない。だから北朝鮮のような国がここまで残存してきた。同じことが巨大な規模で中国にも言えるということでしょう。
 戦後七十年で、米中が歴史戦争を仕掛けてくる。アメリカには日本の味方をする勢力もあるかもしれないというのが今日の江崎先生のお話ですが、やはりファシズム国家日本をアメリカ文明で教化したという認識原則は変えないでしょう。しかし、日本は三百年余の歴史的由来から――「東インド会社」以降の――日本の正しさを弁明すべきです。
 西洋の植民地主義は、スペインからポルトガル、オランダ、そして英仏へと主役が交代しながら侵略を拡大してきました。この大きな流れの終着点が大東亜戦争だったんです。日本は中国に対して、協力して西洋植民地主義と戦おうと呼びかけた。ところが、そこまでの認識を持てない中国と韓国が深い眠りに入ったまま動けなかった。
 そのことをアメリカに納得させたい。アメリカだけを責めているのではないのです。地球を覆い尽くしたキリスト教文明と、孤立無援の中で戦ったのが日本だった。われわれはそうして立ち上がった先人を誇りに思っていて、戦争犯罪人として断罪されるなどとんでもない。靖国神社を首相や閣僚が参拝するのは当然なのだと理解してほしい。これは大東亜戦争肯定論ではあるけれども、修正主義でもないし右翼でもありません。そもそも「修正」ではなく最初から正しかったと言っている。それをどうやったら一歩でも実現できるのか。

 江崎 ソ連と組んだルーズベルトが「悪」だったと考えるコンサバティブな人たちにも、「日本が正しかった」ということまでは理解されないでしょうね。アメリカは日本の正しさを永遠に認めないと思います。

 宮崎 絶対に認めませんね。

 西尾 認めなくてもそこに日本の「意志」があることを機会あるごとに訴え、知らせるだけでもいい。

 江崎 ただしソ連と組んだ民主党のルーズベルト外交は間違いだったというレベルまでは認めさせることは可能かもしれない。第二次世界大戦にいたる国際政治の中で、ソ連と組んだルーズベルトは外交的にも戦略としても間違っていたと理解させることはできるのではないかというのが、私の見立てです。
 アメリカ政府が一九九五年にヴェノナ文書を公開しました。第二次世界大戦期にソ連の暗号電報を傍受、解読した文書で、ルーズベルト政権にソ連のスパイである秘密アメリカ共産党員が大量に入り込んでいたことを立証する文書です。それをアメリカ政府自身が公開した。ルーズベルト政権内部にソ連のスパイがいたことがアメリカの歴史学会で話題になってきたためか、今年に入ってイギリス政府もが、アメリカの対日占領政策に全面的に協力したカナダの外交官ハーバート・ノーマンが少なくとも学生時代にはソ連のスパイだったというMI5の秘密文書を公開しました。
 ベルリンの壁崩壊から二十五年、アメリカの首都ワシントンDCに本部を置く共産主義犠牲者追悼財団が、第二次大戦後の共産主義との闘いを映像にまとめ、公表しましたが、そこでは、いまだに中国共産党や北朝鮮が人権弾圧を繰り返し、国際社会の脅威となっていることを批判しています。英米の指導者たちの中にも、自分たちがソ連と組んだことで、アジアにおいて共産主義勢力を大きくしてしまったことについて忸怩たるものがあるでしょう。その意味で、ルーズベルトの間違いを認める可能性はあると思います。
 ですから「大東亜戦争で日本は正しかった、悪くなかったのだ」と主張するのではなく、「日本は防共戦争、共産主義の膨張・南下に対する防護をしていたのだ」という形で英米諸国に対してアピールすべきだと思います。東京裁判では、日本側が弁明のための証拠として準備した共産主義関係の資料はすべて却下されています。連合国の側にソ連が入っていたからです。この対共産主義という視点を戦後七十年という節目に打ち出すべきだと思いますね。アメリカでもイギリスでもソ連や中国共産党と組んだことは間違いだったと認められ始めているではないか、と訴えるべきです。
 アジア太平洋地域に限って言えば、共産主義の問題はなにも終わっていないし、中国の脅威という形で進行形だという認識がアメリカに広がってきていますから、タイミングとしてもいい。

 西尾 私もずっとそう言ってきました。中国共産党は日本が大陸から手を引いた後、アメリカが作ったんですよ。中国戦線米軍総司令官だったウェディマイヤーの反対を押し切って国民党を排除し、毛沢東を全面支援したのは国務長官のマーシャルでした。その一、二年後に毛沢東軍は朝鮮半島を南下し、アメリカの正面の敵となりました。マーシャルの失敗はいまだに批判されていません。アメリカは余りにも愚かです。私はこうしたことをきちんと日本国民に伝える国民教育も大事だと思います。たとえば、なぜ講和条約というものがあるのか。講和条約は戦勝国にとっては報復の手段だけれども、敗戦国にとっては二重の謝罪、三重の賠償をしないための防衛策です。それが国際的ルールのはずなのに、それを今でも言い募ってくるのは、もう一回戦争しようとしていることと同義です。中国や韓国とは、講和条約と同じ意味を持つ平和条約、基本条約を結んでいるのに、そのことをいくら言っても分かろうとしない。
 従って、中国や韓国と歴史の問題を討議することはまったく意味がないということを国民に知らしめる。最近のいわゆる「嫌韓本」の出版ラッシュはいいことなのです。これ以上歴史問題を議論しても、お互いに理解しあえる言葉がもうないということを国民も分かり始めている。朝日新聞やNHKや自民党の左半分はそれでも和解ができると思い込んでいるかもしれないけども、できません。中国も韓国とまったく同じだということは、日本人も分かってきていると思います。一方で、アメリカは多少なりとも違うでしょう。他のアジアの国々も話せばわかる。
 日本人が国内で見ている戦争観と、世界が見ている日本の戦争観と、この落差があまりに大きいということについて申し上げたい。ドイツの場合にはこの落差がありません。ドイツ国内のナチス観と世界のナチス観は一致しています。そのため今のドイツ人は、ナチスは自分たちとは違う存在だ、というウソをついて逃げています。しかし日本人はウソをつく必要がありません。国民と天皇と軍は運命共同体として戦ったのです。世界の世論はそのことがまだ良く分かっていません。そのため日本国内との落差が大きい。日本国民は戦後もあの戦争自体を犯罪だと思っていない。失敗だとは思っていますが。ですから、外国の力で口を封じられると、日本人にも復讐心が燃え上がってきます。ですが、たとえばアメリカには一部だけれども分かってくれている勢力がいて、理解が少しずつでも広がっているという希望があれば、復讐心を燃え上がらせたり、恨みに思ったりはしない。正義の心に風穴を開けておくことが大切なのです。そうしないと内向化して鬱積する。
 ドイツ在住の作家、川口マーン惠美さんの『住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち』という本に同じようなことが書かれています。「謝罪の問題は既に謝りましたではなく、なかったことについては謝りませんということをはっきりと皆にわかるように言ったほうがいい。そもそも日本人が不誠実なら、日本はこれほど健全な発展は成し得なかったはずだ。皆が思いやりを持ち助け合ってきたからこそ、戦後の経済発展の果実が一人の人間の手だけに落ちることなく、国民全体の富として行き渡ったのではないか」。
 にもかかわらず、歴史問題の克服が「うまくいかないのは、先方が終止符を打つことをひたすら拒んでいる」からだと。先方というのは中韓のことで、「その上哀しいことに、日本人の罪はますます水増しされていく。ここまですべてがうまくいかないということは、日本人のこれまでのやり方、つまり穏便に控えめにというやり方が間違っていたと考えたほうがよい」「こちらが退けば退くほど、突進してくるのがあの国の人たちのやり方のようだから、このままでは和解のチャンスは永久に巡ってこない」。

 江崎 その通りですね。

 西尾 おとなしくしていてはダメなんですよ。突っ込まれるばかりで、罪はどんどん水増しされていく。

 江崎 やはり日本からアメリカに向けて働きかけていくことです。繰り返しますけど、アメリカの軍や情報機関は現在、中国のプロパガンダに警戒心を高めていて、対抗策をとろうと考え始めています。「慰安婦も南京事件も、共産中国のプロパガンダなのだから、疑問視すべきだ」と彼らに働きかける絶好のチャンスを迎えているのです。問題は、アメリカ内部のこうした動きを、日本政府がどこまで理解しているのか、ということです。

 宮崎 問題は日本に情報機関がないことでしょう。情報を取ってくる人もいるけれども、統合された情報戦略として官邸なりに上げていく組織がないことは、大変な問題だと思いますよ。

 江崎 第二次安倍政権が発足した平成二十四年当時、官邸に戦略情報室を創設する動きがあったと聞いていますが、実現しなかった。公明党や親中派の自民党政治家たちの反対を押し切れなかったようです。

日本の世界戦略と歴史観をアピールするために


 西尾 ちょうど新しい安倍政権が発足します。何を期待しますか。

 江崎 官邸に設置した日本版NSCの下にインテリジェンスと対外広報と分析を担う実働部隊を組織すべきです。安倍政権は対外広報戦略として、これから五〇〇億円を使って米ニューヨークと欧州・東南アジア国家の主要都市に「ジャパンハウス」なるものを作るそうですが。

 西尾 なんですか?

 江崎 日本の漫画・ゲーム・アニメ・料理などを紹介する施設を世界各地に作ろうという計画です。そんなことでお茶を濁さずに、戦後七十年なのですから、日本の世界戦略と歴史観を堂々と問うてほしいですね。ソ連と組んだルーズベルトがどれだけ罪深いのか。ルーズベルトが日本を叩いたお陰で、アジア太平洋地域では共産主義の防波堤がなくなり、中国は共産党政権となり、朝鮮戦争が起きた。そしてアジアはいまだに中国共産党と北朝鮮という全体主義陣営に苦めらていると考える欧米の学者や政治家たちと積極的に連携すべきです。

 西尾 おっしゃるとおり。政府がやるべきなのはもちろんですが、それを言うと、その前にお前たち言論人がやれと言われるんです。だからかつては新しい教科書をつくれ、となったわけですけども、改めて教科書も大切になるのではないでしょうか。

 宮崎 長期的には、教科書は一番大切です。短期的に言えば、日本に天安門事件の記念館をつくりたい。

 江崎 天安門事件は中国共産党政権の残虐さを世界に知らせた事件ですし、戦後七十年の一つの記念事業として世界的な発信になりますよね。

 宮崎 もう一つ、二〇一五年四月十七日は下関条約締結百二十周年です。日清戦争勝利国民大集会を開催する。

 西尾 であれば、日露戦争のポーツマス条約締結日も祝日にすべきだよね。

 宮崎 諸外国なら当然、祝日ですよ。

 江崎 アメリカにとっても、日露戦争は、日米で連携してロシアの南下を食い止めたという意味を持ちます。今度は、日米で連携して中国の拡張主義を食い止めようという世界戦略をアピールすることにもなる。
 地道な作業ですが、長期的に取り組むべきことは、防衛研究所にあるような日本軍に関する基礎的な資料を英訳し、インターネットで公開して全世界の研究者が利用できるようにすべきです。慰安婦問題でもそうですが、アメリカの学者たちは、日本は、戦争に関する資料を隠蔽していると考えているんですよ。

 西尾 日本語を勉強しないからいけない。

 江崎 そうなんですが、欧米の学者たちに、日本軍がどれほど厳格に軍規を守って行動していたのかを示す資料が山ほどあることを知らせるべきです。そうした膨大な文献を英訳すれば、日本軍が南京大虐殺をしたり、女性を強制連行したりする軍隊ではないことが自然と世界に伝わっていきます。

 西尾 それは大変なお金が必要でしょう。

 江崎 ジャパンハウスなどに使う予算五百億円をあてれば十分です。法的根拠なく、外国人に支給している生活保護費が年間一千二百億円ですから、それを適正化すれば、英訳の予算などいくらでも捻出できます。

 西尾 それは私も大賛成で、確かに慰安婦問題をこのままで終わらせてはまずい。朝日新聞が誤報を認めたから議論は終わりとなるのが怖いですね。国内的にはよくても、国際的にはまったく効果は出ていません。一説では、韓国が国連安保理に慰安婦問題を訴えるという話もある。潘基文が事務総長ですから議論が進められる可能性があります。
 もう一つ心配なのは、憲法九条のノーベル平和賞です。戦後七十年という節目だからなどいう理由で受賞しかねませんよ。
 江崎 憲法九条がノーベル平和賞をもらってしまったら、「正論」連載の漫画「それゆけ! 天安悶」が描いていたように、安倍総理がノーベル賞のメダルなりをオバマ大統領に贈呈したらどうですかね。「立派な憲法をつくってくれてありがとう」ってね(笑い)。受賞者はアメリカだとアピールすればよい。痛烈な皮肉ですが、それくらいのことを言ってこなかったから、日本は国際社会から舐められるのです。
 西尾 ただ現実問題として、日本人には愚かなノーベル賞信仰があります。憲法改正はできなくなるでしょう。外務省はこれを阻止するための活動をしているんですかね。安倍総理には、外務省の尻を叩いてほしいですね。
 安倍総理は外交面では本当によくやってくださっていると思います。よく体がもつなと思うくらい精力的に海外を回られて、国際社会での日本の存在感は確実に高まりました。インドやオーストラリアとの関係が深まったことも、対中抑止を考えると非常に大切です。不運だったのは、関係を深めようとしていたロシアがウクライナ紛争を起こしたこと、北朝鮮の問題がなかなか進まないということですが、頭が下がる思いです。
 しかし、肝心要のところでミスをしているのではないかと思えてなりません。メイドとして外国人移民を受け入れるとか。

 江崎 それは安倍総理の問題というよりも、周囲にそうしたおかしな政策を止められる人間がいないということではないでしょうか。かつての悪しきリベラルな自民党の体質はいまだに色濃く残っていますから。
 宮崎 党内にも反安倍派がごろごろいます。衆院選が終わったら真っ先に靖国神社行ってほしいね。常に問題を起こしてほしい。

 江崎 平成二十五年十二月の靖国参拝をアメリカが批判したことに対し、日本側が反発しましたね。衛藤晟一総理補佐官や萩生田光一・自民党総裁特別補佐がアメリカを批判し、アメリカ大使館には抗議メールが殺到した。日本がそれほど反発するとは思っていなかったアメリカは慌てて、ひそかに調査団を派遣してきたんですよ。

 西尾 靖国のことで?

 江崎 そうです。なぜ安倍総理は参拝に踏み切ったのか。アメリカが批判したことになぜ日本は反発したのか、調べて回ったんです。
 ところが、残念ながら日本の外務省や政治家の対応は、ピントがずれていたと聞いています。「靖国はアメリカのアーリントン墓地と同じ位置づけだ」、「慰安婦を強制連行した証拠は見つかっていない」といった言い訳しかせず、アメリカ側はがっくりきたそうです。「俺たちは戦略の話をしているんだ。中国の台頭に対抗するためにも韓国と連携してもらいたいから、靖国に参拝して韓国との関係を悪化させることは止めてくれと言っているのに、何の戦略もなく靖国に行ったのか」と。
 私なら、「中国や韓国から言われて靖国に参拝しないのであれば、中国の言い分に屈する日本になります。中国に屈する日本になって困るのは、あなた方アメリカではないのですか。逆に靖国神社に参拝すれば、中国の恫喝に日本は屈しないという政治的メッセージをアセアン諸国やインドに送ることになります。それは、アメリカの国益にもつながるのではないか」と言いますよ。アメリカは戦略を語っているのに、日本の側は外務省も政治家たちも、弁解するだけで、戦略を語っていない。
 西尾 仰有る通りで今の貴方の論理の立て方でアメリカに訴えるのは説得力があります。アメリカは韓国が太古から支那の一部だという歴史が分かっていないのです。日本は歴史も宗教も、言語も人種も大陸とは異なり、一貫して独立した別の文明であったということが理解されていません。
 安倍総理の靖国参拝に「失望した」といった米大使館に数千通のメールが届いて、国務省はびっくりしました。ケネディ大使は人気がガタ落ち、あわてて調査団を寄越したところ外務省は無能で、日本人の真意が分からずじまいだったというお話ですが、アメリカ代表はなぜ外務省なんかに頼ったのでしょう。国民の心が分かる人、なぜ言論人の何人かに会って、日本人が何を考えているのかを知ろうとしないのでしょう。日本の言論の主なものは翻訳されていて、アメリカ政府はつかんでいるはずです。日本の外務省に聞くなんていうのは下策の下で、アメリカ外交も焼きが回っているのかもしれませんね。
 今日は外人部隊の話が出ました。日系人がアメリカのために血を流したあの一件から、日系人でさえ悪い日本と戦ったのだ、と単純なアメリカ人は一直線に考えるようですね。そんな風に考える今の日本人は一握りの左翼しかいません。こういうアメリカの戦争観をどう変えさせるか。江崎さんが中国共産党に疑問を持ち始めた新しいアメリカの空気にしっかり訴えよ、と仰有ったことはとても印象的でした。慰安婦も南京も中国のプロパガンダが基本ですから、そこを疑問視せよ、とアメリカ人に向けて言っていく戦略が必要だというのは本当にそう思いました。とりわけ慰安婦問題はこのまま放って置くわけにはいかないはずです。ウソで抑えられてきた積年の思いをぶつけるべきでしょう。

 江崎 日本人にとって靖国神社に参拝するということは、引き続きアジア太平洋の平和と安全に日本は責任をとる覚悟がある、ということです。そうした国家意思に裏打ちされた具体的な対外戦略をぶつけるとアメリカも初めて、「ああ、日本の言い分聞かなきゃ」と思うんですよ。

 西尾幹二氏 昭和10(1935)年、東京生まれ。東京大学文学部独文学科卒業。文学博士。著書に『歴史を裁く愚かさ』(PHP研究所)、『国民の歴史』(扶桑社)、『GHQ焚書図書開封1~9』(徳間書店)など多数。『西尾幹二全集』を国書刊行会より刊行中(第十回「人生論集」まで配本)。

 宮崎正弘氏 昭和21(1946)年、金沢生まれ。早稲田大学英文科中退。日本学生新聞編集長などを経て、昭和57年、『もう一つの資源戦争』(講談社)で論壇へ。中国ウオッチャーとして活躍。著書に『中国・韓国を本気で見捨て始めた世界』(徳間書店)など多数。近著は『吉田松陰が復活する!』(並木書房)。

 江崎道朗氏 昭和37(1962)年、東京都生まれ。九州大学文学部卒業。日本会議専任研究員、国会議員政策スタッフなどを経て現在、評論家。著書に『コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾――迫り来る反日包囲網の正体を暴く』(展転社)、共著に『世界がさばく東京裁判』(明成社)など。