生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
きょうの担当は島田敏男解説委員です。
テーマはこちらです。
安倍外交といえばとにかく安倍総理大臣は去年の秋以降、海外出張が多かったですよね。
野党が臨時国会を開くように求めたんですけれどもG20首脳会議などの外交日程を理由にしまして国会を開かなかったほどです。
そして去年最後の安倍外交の成果が慰安婦問題の解決を図る韓国政府との合意でした。
これを国民がどう見たか今週まとまりましたNHK世論調査をもとに詳しくお伝えします。
その前に、まずは今月の安倍内閣の支持率ですけれどもあまり変化はなかったようですね。
横ばいでした。
安倍内閣を支持するは先月と全く同じ46%支持しないは1ポイント下がって35%という結果でした。
安倍総理は去年9月に自民党総裁に無投票で再選されまして10月に内閣改造を行ったあと支持率40%台後半での水平飛行が続いています。
上がりもせず下がりもせずという感じなんですね。
安倍内閣の支持率と関係が深い経済政策に対する評価の数字です。
9月以降、こちらもほぼ水平飛行の状態が続いています。
一億総活躍社会の実現といった経済活性化のスローガンは掲げてはいるんですが国民の景気回復実感を一気に広げるというところには至っていないそのため、支持率同様にこの数字の水平飛行が続いているようです。
そういう中で、きょうのテーマは安倍外交ですけれどもとりわけ昨年末の日韓合意についてはどうなんでしょうか。
両国の政府が最終的な解決で合意にこぎ着けたことに対して評価の声が高いですね。
全体の63%が評価すると答えていまして評価しないという答えの2倍以上になっています。
与党の支持者ばかりではなく野党の支持者、無党派層でも6割の人が評価しています。
これは合意の内容も、それなりに評価されているということなんでしょうか。
そう言えると思います。
国家賠償ではないけれども元慰安婦の女性の支援のために韓国側が作る財団に日本政府が予算から10億円程度を拠出するという内容ですね。
この問題は30年近く前から日韓両国の間の懸案でして歴代政権が頭を悩ませ続けてきたいきさつがあります。
それだけに政府どうしで最終決着するという今回の合意に至ったのは大きな節目です。
ただこれで元慰安婦の人たちも最終的に納得して決着という形にはなるんでしょうかね。
確かに韓国の国内では日本の国家賠償でないのは問題だとの反発が出ていますよね。
日本国内の世論の動向を見ましても、今回の調査でこの問題が今後日韓の間で懸案となることがないかという質問に対して今後懸案になることはないと思うという人は8%にすぎませんでした。
これに対し、今後も懸案になることがあると思うという人が59%6割ですよねつまり合意は評価するけれども韓国側で着地がうまくいくかどうかここに疑問を持っている人が多いということです。
日本が表明しましたおわびと反省の気持ちを受け入れてもらうということが大事になってきますね。
パク・クネ大統領はきのうの記者会見で元慰安婦の女性たちから希望を聞き取って共通する内容を忠実に反映させた結果なんだと述べて韓国の国民に理解を促していました。
日本国内にも韓国側に譲りすぎだという声は存在していますけれども女性たちが合意を受け入れて落ち着いた日々を過ごせるようになることを第一に考えるべきだと思います。
朝鮮半島に関しては、北朝鮮が4回目の核実験を行ったということもありましたね。
早速、国連の安全保障理事会が非難声明を出して新たな制裁決議の検討に入っています。
これと並行しまして日本独自の制裁を強める検討も進んでいます。
この日本独自の制裁強化に賛成の声は全体の50%になっています。
これは、与党支持者でも野党支持者でも高い数字になっているわけなんです。
6割前後が賛成と答えていますね。
日本独自の制裁は、北朝鮮が拉致被害者などに対する特別調査委員会を設けたあといったん緩和しているんですけれどもその特別調査委員会から調査報告もないままですのでやはり国民感情が厳しいというのもうなずけますね。
外交について見てみますと与党支持者と野党支持者の傾向というのはそんなに違いはないんですね。
日本も政権交代を重ねまして外交安全保障については昔よりも対立が少なくなっているという面があると思います。
もちろん自衛隊の海外派遣といったことについては引き続き大きな議論がありますけどね。
違いが出やすいのは国内の経済財政政策の分野なんです。
消費税率を10%に引き上げるときに、税率を8%に据え置く軽減税率の導入について全体で評価するが40%評価しないが52%評価しないのほうが多いんですね。
与党支持者が55%5割強です。
野党支持者では、評価しないが6割を超えているという傾向なんです。
与党支持者は評価する野党支持者と無党派層は評価しないというのが多いわけですね。
消費税は社会保障の財源に充てることになっていますからその財源が不足することに対する批判がまずあります。
また所得が多い人のほうが結果として軽減される金額が大きくなるのは問題だという批判もあります。
国会論戦で引き続き大きな焦点になると思います。
また夏の参議院選挙に向けては野党の中で候補者の一本化を目指す動きがありますがこれに対して国民の見方はどうなんでしょうか。
全体では期待するが32%に対し期待しないが61%となっています。
与党支持者はやはり野党一本化には基本的に反対ですから期待しないが多いのは当然でしょう。
野党の支持者では6割を超えていますけれども問題は無党派層のところで統一候補に期待しないが3分の2を占めている点です。
統一候補を目指す野党各党にとりましては無党派層の人たちに歓迎される統一候補を擁立できるかどうかが大きな課題です。
一方で衆参同日選挙になるのかどうかという話も耳にします。
どうなんでしょうか。
安倍総理が参議院選挙の日程に合わせて衆議院の解散に踏み切れば同日選挙が可能になります。
安倍総理は全く考えていませんと言っていますけれどもこればかりは分かりません。
今月の調査で衆参の同日選挙に賛成と答えた人は34%反対が20%どちらともいえないが40%となっています。
賛成の人は与党支持者野党支持者、無党派層のいずれでも3割台でしてあまり違いはなかったんです。
衆参同日選挙となれば珍しいことですよね。
30年前に行われて以来その後、行われていないんです。
衆参同日選挙といいますのは解散権を持つ総理大臣が今ならば必ず勝てると確信して判断したときに行うものです。
ですから、したがってすべては情勢しだいとなりますから今から決めてかかるのはまだまだ早いということです。
その参議院選挙を控えて各政党の支持率は今月はどうなったんでしょうか。
自民党が37.5%で内閣支持率同様、赤いライン横ばいですね。
これに民主党以下が続いていまして大きな変化はありませんでした。
先ほど見ましたようにグレーのラインの無党派層の支持を野党側が受け止めることができるのかどうかそのための統一候補の擁立がうまく進むのかどうかというのが参議院選挙の大きなポイントになってきます。
参議院選挙に向けた今の国会での論戦が非常に大事になってきますね。
与党と野党の考えの違いそして安倍総理が憲法改正を訴えると強調していますので与野党の枠を超えて各政党ごとの憲法に対する考え方の違いも見極める必要がありますよね。
18歳の若者も参加する今度の参議院選挙です。
投票するときのために注意深く政治の動きを見守っていく見つめていく必要がありそうです。
島田敏男解説委員でした。
2016/01/14(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「安倍外交と国民の視線」[字]
NHK解説委員…島田敏男,【司会】岩渕梢
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【出演】NHK解説委員…島田敏男,【司会】岩渕梢
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