「きょうの健康」今週のテーマは「睡眠の悩みこれで解決」です。
今日と明日の2日間は漫画家の江川達也さんがご一緒です。
どうぞよろしくお願い致します。
ようこそお越し下さいました。
あの…睡眠については大変お詳しいんだそうですね。
詳しいほどじゃないんですけど…。
専門の先生と一緒に共著っていうんですかね本を出してたりはするんですけど。
今日本当教えて頂く事もあるかもしれませんけどよろしくお願い致します。
お願いします。
お話しして下さる方ご紹介します。
精神科医の…睡眠のスペシャリストとして診療と研究に当たっていらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
まずラインナップからご紹介します。
今日3日目になりますのでご覧のようにですね「睡眠薬を正しく使う」という事でお話を伺います。
江川さんは眠れなくて睡眠薬を使うなんて事今までおありですか?眠れない事はたまにあるんですけど睡眠薬までは使ってないですね。
はい。
中にはやっぱり夜中眠れなくて睡眠薬をうまく活用しなきゃいけない方もおられて。
今日はそういう方に安全に効果的に使って頂くためのお話をしたいと思います。
なるほど。
よろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
まずそもそもどのような時に睡眠薬を使わなきゃいけないのかという事をご紹介したいと思います。
こちらにありますのはその不眠症の診断の定義ですけれども眠りたいのに眠れない。
そしてそのために日中に眠気とかけん怠感とかいろんな心身の不調があって生活に支障があるというような症状が3か月以上続いた時には不眠症という診断になってきます。
治療法としては最初に例えば眠りにくい寝室環境含めて生活の環境を調整します。
それから睡眠習慣を指導します。
それでどうしても治らない時に必要に応じて睡眠薬を使います。
今日本の国内で使われてる睡眠薬大きく分けて4種類あります。
まずそのベンゾジアゼピン系の睡眠薬と呼ばれてる睡眠薬ですが長い事使われてきた種類も多い薬剤なんですがどうしても副作用が出やすい。
特に高齢者で出やすいという事とそれからやめにくいという問題点があって少し使いづらいお薬として今は認識されてます。
このような問題点を改良して登場したのがその下3つあります非ベンゾジアゼピン系それからメラトニン受容体作動薬あとは最近登場したオレキシン受容体拮抗薬と3つの睡眠薬が使用可能です。
今までは結構副作用があるものが結構主流だったけど最近はそうじゃなくなったんだなっていうのはちょっと新しい発見ですね。
一般的にお薬手帳など見ても何々系と書いてある訳ではないような気がするんですね。
だからどの薬がどれに属してるかというのはなかなか…。
やはり処方されてる掛かりつけの先生であるとかあとは薬局の薬剤師さんなんかは皆さんよくご存じですのでそのお薬を出してもらう時にお聞きになったらちゃんと答えてもらえると思います。
でも先ほどから出てますが副作用ですよね。
副作用も出ましたけども少し詳しく教えて頂けますか?主なものを4つここに出しました。
服用してから1〜2時間服用直後に出やすいのがこのふらつき。
ひどい時には転倒。
あとは健忘というのがあります。
ふらつき転倒は薬の体に回ってる量が多い時にのんだ直後はですねそれだけで体をうまく支える事ができなくなりますので気を付けなければいけないです。
あとはのんだあとですねベッドに入らないでいろいろ後片づけをしたりとか電話かけたりしてると朝になってその服用後にやっている事が思い出せないという事がありますのでやはり服用したらすぐに就床して余計な事はしないというのが大事…。
睡眠薬って服用してから効き始めというのは結構タイムラグがあるもんなんですか?大体体にぱ〜っと行き渡って効果が出るのに20〜30分くらいで効果が出てきます。
早い人だと10分くらいで出てきます。
そんだけすぐ効くのにのんでからウロウロする事がどうなんだろうという…。
しっかり薬で眠気が出てからベッドに行こうという考えの方がおられるんですね。
すごい早い時間にのまれる時がありますけどもそれはやっぱりこういう副作用で危険性が増しますね。
また服用してから翌朝に薬の効果が残ってしまう。
結局眠気がとれないとかですね。
それから日中になってもうまく能率が上がんないなんていう方もいらっしゃいます。
量減らすとそういう事ないとかそいう感じではないですかね。
やっぱり量減らすとこういう持ち越しは少なくなりますけども量を調整するのかそれとも持続時間の短いものを選ぶのかというのはここはやはり症状と併せて選んでいく事になりますね。
そういう睡眠薬を服用してもそれでも眠れないんだってねそういう方もいらっしゃると思うんですよね。
おられますね。
注意しなきゃいけない点がありましてですね効かないってご本人はおっしゃってるんだけども実際には脳波上きちんと眠れて睡眠時間は長くなって不眠症状は改善してるんだけどもご本人が熟眠感がない。
満足感がないっていうケースもかなりあるんですね。
特に絶大な効果を期待してのんだら8時間ぐっすり眠りたいとか気が付いたら朝になってたとかですねそういう過大な期待を抱かないで安全に使って頂きたいと思います。
また不眠の原因としてその痛みとかかゆみとか頻尿とかですねこういうのが原因として多いんですけれどもこれが症状が残ったままだとやっぱりいくら薬を足してもやっぱり目が覚めてしまいますのでこういう持病というか基礎疾患もちゃんと対処した上で残った不眠症状を治すという考え方が大事ですね。
自分が一番気にしてるのはその習慣性というのかやっぱりこう睡眠薬のみ始めると睡眠薬ないといられなくなってどんどん量が増えてきちゃうんじゃないかって依存症になるのがちょっと気にはなるんですけど。
睡眠薬の何が怖いのかというここには代表的な3つの心配事というか疑問が取り上げてあります。
順番にご説明をしたいと思いますが効かなくなるというのは最初はその量をのめば眠れていたのが同じ量では効果がなくなって追加しなければいけないという状態です。
それから今度やめる時にですね例えばひどい不眠がぶり返すとか動悸が出てくるとか。
そういう体の不快な症状が出てきてやめるにやめられないと。
この2つについてはですねベンゾジアゼピン系の睡眠薬で特に長期使用時に生じやすいというふうに…。
やっぱあるんですね。
あります。
このような症状がリスクがぐっと減らしたのが先ほどご紹介した新しい3つのタイプの睡眠薬という事ですね。
覚醒剤とか麻薬のようにその薬が欲しくて欲しくてたまらなくなるというイメージが…。
ないと不安でしょうがないみたいなね…。
薬が欲しくてしょうがなくなるという事は睡眠薬の場合にはないんです。
ですけれどもやっぱりのんで眠れてるのでなければ眠れないという手放したくないという。
そういう不安感を持ってる患者さんがおられてそれでなかなか薬離れができないというケースがあります。
それは覚醒剤麻薬のような薬物依存とはちょっと違う心の問題という事になります。
2番目の睡眠薬に対する疑問としては睡眠薬をのみ過ぎると死んでしまうんじゃないかという。
でもよくドラマでね睡眠薬多量に入れて殺しちゃうとか自殺する時に睡眠薬で…。
実はお薬をまとめのみをして睡眠薬をまとめてのんで自殺を図ったなんていうのは今はもうほとんど使われない古いタイプの…。
今日はご紹介してませんけれども古いタイプの睡眠薬で起こってた事です。
今睡眠薬ガンガンのんでもなかなか自殺できない…。
お薬を大量にのんだ事で例えば吐いてしまって喉に詰めたりとかですねそういう危険性はあるんですが睡眠薬をのんで呼吸が止まって亡くなるというそういう危険性は今の薬はなくなりました。
手に入らないという事ですね。
そういう薬は…。
実は処方はできるんですけれども今不眠症に使うという事はもうほぼなくなりました。
次にですね睡眠薬をのんでると認知症になってしまうんじゃないかというのがあります。
つい最近フランスでかなり大規模な調査が行われてます。
1,000名くらいの70代の方をですね15年間追跡をした調査です。
このベンゾジアゼピン系の薬をのんでいた高齢者の方この方たちは平均6年程度服用されてましたけれども100人あたりでその期間中に4.8人認知症を発症しました。
一方で服用してない高齢者の方がおられてその方たちは100人あたり3.2人発症したと。
ただどうしても症状がひどい時には逆にそれを我慢してる事が認知症のリスクになるという指摘もあってですね。
やはり私たちも処方する時に年齢とかそれから体のコンディションとか症状の重さとかみんな考え合わせて必要な方にお出ししてるという事です。
ただやみくもに恐れなければいけないような差ではないんじゃないかと個人的には…。
3人はね…3人4人の差ですからね。
人によってこの1.6人の差というのはだいぶ考え方も違うと思うので患者様とご相談した上で使うか使わないか判断する事になります。
だんだん減らせる事ができるのかという…。
睡眠薬を使って不眠症を一定期間治していくと睡眠薬を徐々に減らしていく事でお薬離れできる方も少なからずおられるんですね。
国の方でまとめた「睡眠薬の適正使用ガイドライン」というのがございますがそこでも睡眠薬はきちんと使ってそして減薬を心がけるというふうに明記されてます。
睡眠薬を減薬休薬する時の基本条件というのがありまして不眠がある程度改善してる事。
これは必ずしも全部の症状が消えなくても大丈夫です。
大事なのは不眠がある程度改善してそして日中のけん怠感や眠気やうつ気分とかですねそういう心身の調子が不調が改善するという事がとても大事で。
減らす時にはやっぱり大原則は徐々に減らすという事です。
例えば1錠2錠の薬でも少量だからというのでポンとやめてしまうとリバウンドが出てしまいますので。
例えば半錠とかですね例えば3/3錠ぐらいまで慎重の方は割ってそしてその減らしたらワンステップに2週間から4週間くらい様子を見てから次の半錠を減らしていくというような。
急いで減薬をするとですね時にはこのひどい不眠がぶり返したりとか動悸吐き気などのようないわゆる禁断症状が出る時もありますのでそのような事を起こさない。
もしくは起きた時の対処のためにもですねご自分で判断するんではなくて主治医と相談しながら計画的に減薬していくというのが大事です。
というのも以前に私たち全国調査をした時にですね睡眠薬を服用してる患者さんの実に4割くらいの方がこっそりとご自分で断薬をしてかなり失敗されてるんですね。
それは急に行かなくなるとかじゃなくて行きながらも…。
主治医はのんでると思い込んでるんです。
じゃあお医者さんをだましてる訳ね。
言うに言えなくてでも心配でやめて失敗して…。
あ〜なるほどね。
そうすると上のような問題が出てきますので是非医師と相談して自分は減薬を希望していますと伝えた上で計画を練って頂きたいと思います。
なるほど。
これ実際には長くのんだ方がいい方というのもおられて。
一例ですけれども高血圧や糖尿病などの生活習慣病を抱えてる方だとかあとは心臓病の発作があったりとかですねてんかんのようなけいれんの病気を持ってる方の場合は不眠の症状がやっぱりある程度以上強い場合はきちんとのんでそして不眠をコントロールした方がその不眠だけではなくてもともとのその基礎疾患持病のコントロールも容易になりますし。
それから生活の質も非常に改善して健康生活を送れるという事で無理にやめる必要はないというふうにされています。
どんな感想お持ちになりました?いやあの〜…。
将来使う事になるかもしれないんでちょっと不安感は和らぎましたね。
最近はその副作用が少ないものも出てるし。
正しい知識を持つという事が必要になってまいりますよね。
不眠症先ほども申し上げたとおり自然に治らなくて結構長くつきあわなきゃいけない方がおられます。
やっぱり睡眠薬というのはその時の強力な援軍の一つなんですね。
ですので副作用も作用も含めて正しく理解してそして安全に使って頂きたいというふうに思います。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
2016/01/13(水) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 睡眠の悩み これで解決「睡眠薬を正しく使う」[解][字]
古くからある睡眠薬は、ふらつきなどの副作用があり、やめようとすると以前に増して眠れなくなりやすい。そこを改良した新しい睡眠薬も3種ある。睡眠薬の最新情報を紹介。
詳細情報
番組内容
古くから使われているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、ふらつきなどの副作用が多くやめにくい。そこを改良した新しい睡眠薬も3種類ある。睡眠薬を使っても眠れない場合、実際は眠れているのに「もっと長く眠るべき」と思い込んでいるだけのこともある。不眠症が改善すれば少しずつ減薬を試みる。ただし自己判断でやめると不眠の再発などが起こりやすい。必ず医師の指導で行う。睡眠薬の正しいのみかたを紹介。
出演者
【ゲスト】漫画家…江川達也,【講師】国立精神・神経医療研究センター部長…三島和夫,【キャスター】桜井洋子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:13159(0x3367)