午後のサスペンス「ブランド刑事3予備鑑定捜査員・桐原真実」 2016.01.13


待ておら!待たんかいおら!〜
(桐原真実)こっちよ。
(正太郎)アニキ!乗ってください!早く乗って!はいちょっと拝借。
おい早く車出せよ!
(正太郎)まぁまぁ…。
何やってるんだよ!タグのバランスが違う。
金具のつや消しが揃ってない。
はい2つ以上のポイントクリア。
間違いなく偽物よ。
14時37分!商標法違反で逮捕します!警察よ!大塚東署予備鑑定捜査員通称「ブランド刑事」。
あんたたちの悪事ここまでよ!何ぬかしとんじゃこのボケ!
(サイレン)おい!サツだ!逃げろ!〜
市場に氾濫する偽ブランドのバッグや時計など違法な商品を摘発するため2004年から導入されたのが予備鑑定捜査員通称「ブランド刑事」。
ブランド公認の正式な鑑定人に代わり専門知識を身につけた捜査員自らがその場で鑑定を行うという簡単で便利なこの制度は偽ブランドの摘発において著しい効果を上げています
西伊豆土肥温泉最高!
(正太郎)こんなことしてていいんでしょうか?こんなところでサボってるのがバレたらまた課長に怒られちゃいますよ。
静岡県警から協力要請があって来れたんじゃない。
こんなチャンスめったにないんだからね。
〜正太郎!今の時期ヤマメが最高なんだって!そんなの食べてたら今日じゅうに東京に戻れません。
せっかく来たんだから1泊はしないと。
全部経費で落ちませんよ。
ほら帰りますよ。
フンまたそんな…。
(花子)正ちゃん?あ…さっきの…。
ああの…どちらさまでしょうか?
(花子)やだ!忘れたの?私よ花子!あっ!花ちゃん?うん!正ちゃん見違えた!すっごく男らしくなって!男らしく?彼女?
(正太郎/真実)えっ!?まさか!先輩の桐原真実さん。
どうも。
こちら幼なじみの草野花子さんです。
えっ草野さん?草野って聞いたこと…。
うちこの近所で割烹旅館やってるんです。
あぁ!そうその草野さん!えぇと…あった草野!老舗の割烹旅館で美しい庭園や温泉もさることながらいちばんの目玉はこれ!
(正太郎)土肥牛のステーキ懐石?土肥牛といえば食べるダイヤモンド。
東京で食べるとステーキだけで一人3万円はするからね。
3万!?それが草野だとコースで土肥牛が1万5,000円で食べられるのよ!ね?あれ…ちょっと待って。
正太郎の幼なじみ?ってことはここあんたの…!ったく実家があるなら早く言いなさいよね。
どうせまた私が居座るとか思ったんでしょ?いやぁ僕もずっと居座りたい気分で…。
はい?そういうことか。
そうだ桐原さん!実家といえば言い忘れてましたけどうちってですね…。
(若尾)正ちゃん!正ちゃんじゃないの!
(若尾)正ちゃん!元気だった?何なの?いったい…。
(麗子)あら正太郎おかえり。

(麗子)名物のサザエ最中です。
どうぞ。
ありがとうございます。
うわぁサザエの形…。
いただきます!どうぞ召し上がれ。
おばあさまなんですね。
私てっきりお母さまかと。
いやですよ。
正太郎の母親もねうちで芸者やってたんですけど10年前パリに置屋を作るってあっち行ったっきりで。
へぇ!結局麗子さんや芸者のみんなが正ちゃんの親代わりだったんですよね。
弥生さんも若尾さんも!すべすべ!
(弥生)正ちゃんってほんと肌きれいよね!
(正太郎)助けて!
(若尾)ほんとかわいいんだから。
もう!桐原さんのお噂はかねがね。
ブランドもののバッグや時計ワインや宝石羽毛布団まで偽物は決して許さないって。
本当は予備鑑定捜査員の仕事は特定のブランドのバッグや時計を調べることなんです。
それがいつの間にか私たちはいろんなものの鑑定を頼まれるようになって。
ねぇ?そうですか。
あの…桐原さん!はい?草野を調べてもらえませんか?草野を?実は1か月前にこんな手紙が届いて…。
(正太郎)「草野の看板に偽りあり」どういうこと?意味はよくわからないの。
でも何か問題が起きてからじゃ死んだ父が遺した草野が…。
花ちゃんのお父さんは草野の先代主人でね。
板前としての腕も一流で伝説の料理人っていわれてたんですよ。
父は本当に草野を愛していました。
草野が有名になったのも父の料理の腕が評価されたからなんです。
なのに…。
(弥生)峰子!
(弥生)あんたよく私の前に顔出せたね。
(峰子)放してよ!
(若尾)やめなさいったら。
ちょっと何やってるのよ。
峰子が私のお客とったんです!峰ちゃん。
弥生ちゃんはあんたのねえさんよ。
そのお客をとるなんて許されないことなの。
あっちがちょっかい出してきたの。
弥生ねえさんには色気が足りないって。
あんた喧嘩売ってるの!?いいえ!弥生ねえさんみたいに暇じゃないんで。
ほないってきます。
峰ちゃん…。
(弥生)何よ!花ちゃん。
草野のことは僕に任せて。
ほんと?ほんと?ただ手紙を調べるってお姉ちゃんに言わないでほしいの。
変に噂になるといけないから人に言っちゃ駄目だって。
わかった。
もう何も心配いらないからね。
(麗子)あらやだ!雨よ雨!正太郎!ほら洗濯物!はいはい!〜何よあんたなの?どいて。
次のお座敷に遅れるじゃない。
〜そんな格好してどこ行くの?決まってるじゃないですか。
草野を調べにいくんですよ。
まだ朝の7時なんだけど。
あぁ…花ちゃんに惚れたわね?正ちゃん。
ななに言ってるんですか!いつもなら私が事件に関わろうとすると「桐原さん課長に怒られます」ってうるさいくせに。
僕はただ少しでも花ちゃんの役に立ちたくて。
だから惚れてんじゃないの。
あっそっか!なんで気づかないの。
最近恋愛とか遠ざかってましたから。
(麗子)正太郎大変だよ!峰ちゃんが!〜お疲れさま。
(正太郎)お疲れさまです。
〜あっ!大丈夫ですか?
(鍋島)話聞いとくように。
はっ!
(萩)鍋島さん。
被害者は久谷峰子22歳。
柳井屋の芸者です。
恐らく死因は頭部打撲による頭蓋骨折。
(鍋島)死亡推定時刻は?
(萩)昨夜8時半過ぎかと。
(萩)久谷峰子は草野の座敷に出ていましたが8時半頃この先の料亭松屋の座敷があるからと草野を出たそうです。
なるほど。
草野から松屋へはこの寺を通り抜けるのがいちばん早い。
近道しようとしたところ雨で濡れた階段で足を滑らせ転落したというところだな。
(鍋島)事故として処理を。
おかしいわね。
正太郎ここ歩いてみて。
えっなんで!?いいから早く!うわぁ〜!
(正太郎)あぁ〜!なにするんですか!この靴お気に入りなのに汚れちゃったじゃないですか!いい?昨日の夕方降り始めた雨は夜8時にはやんでいた。
そのころ地面はもっとぬかるんでたはずよ。
あっ!峰子さんがここを歩いたなら僕と同じように下駄に泥がついたはず。
なのに峰子さんの下駄には泥がついてない。
誰かが峰子さんを殺したあと事故に見せかけるために階段から遺体を落とした可能性があるわね。
(萩)なるほど。
萩君何を感心してるんです。
すみませんつい。
今の話は推測にすぎません。
だいたい何なんです?あなたたちは。
警視庁桐原です。
同じく柳井です。
(鍋島)もう出て出て!まだ捜査が!ブランド刑事だか何だか知りませんがここは静岡県警の管轄です。
そもそも生活安全課に用はありません!あっちょっと拝見。
何するんですか。
この腕時計…。
鍋島警部ご自慢の50万のロレックス。
うんブランド刑事だけあって物を見る目はあるようですね。
ロレックスのロゴが違う。
竜頭の王冠マークの形が違う。
かなり粗悪な偽物ですね。
んなわけないだろう!
(麗子)事件の手掛かりを探す?ええやっぱり単純な事故とは思えないんです。
峰子さん殺された可能性もありますし。
でもねどうして峰ちゃんが…。
(弥生)天罰よ。
人の男にばっかり手出して。
不倫よ不倫。
不倫してたの?峰子はね草野の有田さんとも関係があったの。
(弥生)結婚するだなんて言ってたけどどうせ遊ばれてたんだから。
弥生!よしなさい。
あこれ峰子さんの写真です。
(麗子)峰ちゃん写真が好きだったからね。
いっつも撮ってたんだよ。
何だろう?これ。
何かの数字?あっ!うわっ!わかったの!?僕草野に行かなくちゃ。
草野の看板に偽りありの手紙を調べるとはいえただで草野のランチにありつけるなんてラッキーよね。
桐原さんあくまでもこれは…。
わかってるわよ捜査でしょ捜査。
(正太郎)ここです。
いかにも老舗旅館って感じね。
(正太郎)あっそれから確認しておきますけどここでは僕らが刑事だってことは秘密にしといてください。
それもわかってるから。
それから。
まだあるの?これが何よりも大事なことなんです。
くれぐれも草野の皆さんに失礼のないように。
はい?ここは僕の親戚筋になる家かもしれないんです。
妄想に付き合ってる暇はない。
(女)おいしかった!やっぱ土肥牛は違うよな。
うわぁどんな味なのかしら楽しみ!
(正太郎)桐原さん聞いてます?こんにちは。
(雪子)いらっしゃいませ。
草野にようこそ。
(正太郎)お久しぶりです雪子さん。
(花子)正ちゃん!花ちゃん!うわぁ着物姿も似合うなぁ。
今ねうちで仲居見習いやらせてもらってるの。
へぇ。
雪子姉ちゃん柳井屋の正ちゃん覚えてるでしょ?あぁ花子と高校まで一緒だった?
(月子)正ちゃん!いい男になったわね。
月子さん!桐原さんご紹介しますね長女で草野の女将の雪子姉ちゃんと次女の月子姉ちゃんです。
はじめまして。
はじめまして。
(正太郎)相変わらず美人姉妹だ。
桐原さんもしかして対抗してます?え?別に。
(花子)草野は150年前江戸時代末期の慶応二年から続く割烹旅館なんです。
へぇずいぶん歴史のある旅館なのね。
土肥牛のステーキ懐石は3年前に始めたばかりなんですけどお客様にずいぶんとご好評いただいて。
なんたって超高級な土肥牛を使ったステーキ懐石がたったの1万5,000円で食べられるんだもんね。
しかも伊勢エビやアワビ旬な高級食材もどっさり。
ずいぶん詳しくなったんじゃない?将来草野をお手伝いするために勉強しておきました。
お食事処はこの先になります。
あっ正太郎。
なんですか?土肥牛佃煮。
(正太郎)おぉ!2,000円!?佃煮なのに高いですね。
うん。
(有田)俺見ちゃったんだよね。
(有田)ねえさんと織部がラブホテルから出てくるところ。
(仲居)ほんと!?
(有田)あぁ。
(有田)ちょっと意外だろ?でも有田さんこそどうしてそんなとこいたのよ?また浮気してたんじゃないの?月子さんに言いつけちゃうから。
えっ!?有田って…。
峰子はね草野の有田さんとも関係があったのどうかしました?あごめんごめん。
佃煮が気になっちゃって。
それうちのオリジナルなの草野でしか買えないのよ。
へぇ。
ねぇ花ちゃんあの人は?
(花子)あっお義兄さんですか?
(正太郎)お義兄さん?
(花子)ええ。
月子姉ちゃんの旦那さんで物産部でお土産物を担当してるんです。
さっどうぞどうぞ。
有田さんが花ちゃんのお義兄さん…じゃあ有田さんが言ってたねえさんって雪子さん?うん…ステーキが待ってるよ!はい!
(清恵)ごゆっくりお召し上がりくださいませ。
お待たせしました。
おぉ!土肥牛のステーキでございます。
おいしそう!こちら戸田の天然塩で味付けしておりますのでそのままお召し上がりください。
(正太郎/真実)いただきます。
うん!おいしすぎる!お味のほうはいかがでしょうか?
(正太郎)やっぱり土肥牛って違いますね。
ね?桐原さん。
う〜んなんていうか期待してたほどじゃないわね。
桐原さん!私の舌がそう感じたんだからしかたがないでしょ!じゃなくて空気読んでくださいよ!もうこんなときに。
(正太郎)あっ切れちゃった。
あっ!あのですね雪子さんこれはその…。
正ちゃん警察官になったの?っていうことはこちら様も?ええ。
警視庁大塚東署予備鑑定捜査員世間ではブランド刑事なんて呼ばれたりしています。
(正太郎)もう桐原さん!堂々と名乗ったほうがいろいろ調べやすいじゃない。
調べる?実は例の手紙の件で伺いました。
お姉ちゃん私が桐原さんにお願いしたの。
草野の看板といえばやっぱりお料理ですよね。
あとで板場を拝見させていただきたいんですが。
お断りいたします。
はい?草野の看板に偽りなどございません。
それに板場は聖域。
聖域…。
先代からも女は板場に入れてはならぬときつく言われております。
女将の私でさえ一度も入ったことがございません。
女将さんよろしいじゃありませんか。
清恵さん。
あっあの私仲居頭の瀬戸清恵と申します。
女将さん他のお客様方の手前もありますし。
でも…。
板長には私からもお願いしますから。
刺身あがったよ焼き物ぐずぐずするな!!伊勢エビ2匹だけじゃないだろう今日は!
(従業員)はい今持っていきます!全部ここへ持ってこい!注文したもの!
(従業員)はい!あの人が板長の織部さんです。
織部って…。
俺さ見ちゃったんだよね。
ねえさんが織部とラブホテルから出てくるところ…
(織部)これはこれはようこそおいでくださいました。
お仕事中すみません。
(織部)いや…こんな美人刑事さんなら大歓迎ですよ。
あらそんな!女性の方はこちらで見ていただくことになりますが男性はどうぞ中へ。
失礼します。

(正太郎)うわ〜おいしそう!これは今朝稲取で揚がったばかりの金目鯛です。
他にも伊勢エビやアワビ野菜は旬の竹の子やそら豆。
高級食材ばっかりですねあっあれ土肥牛ですか?
(正太郎)土肥牛ってすごく高いって聞いたんですけど。
(織部)えぇうちの食料庫には今全部で50kgほどありますから200万円にはなりますね。
200万!?土肥牛は卸値でも100g4,000円はしますから。
100g4,000円!?〜うわ〜さすが100g4,000円!肉汁がじゅわ〜っと。
織部さんせっかくだからブランド刑事さんの実力見せていただきましょうよ。
えっ!ではこの2つの出汁の違い当てていただけますか?あのですね僕らの仕事は偽のブランドバッグや時計を見分けることであって…。
〜えっと…甘口と辛口?
(笑い声)あっごめんなさいいくらブランド刑事さんでもお料理のお味までおわかりにならなかったかしら。
(笑い声)正太郎!貸しなさい。
〜いいんですのよ無理なさらなくてももう十分に。
こっちはインスタントの粉末出汁こっちは利尻昆布と田子節でとった出汁ね。
大正解!さすがブランド刑事さんだ。
出汁に使った昆布とカツオの銘柄まで当てるなんて料理人でもそうできることじゃありませんよ。
本当!私たちも負けないようにもっと修業しなくちゃね!!えぇそのためにもぜひ一度女将にお許しをいただいて秘伝の書を読ませていただきたいものです。
秘伝の書…?草野の主人に代々受け継がれてきた巻物です。
(花子)150年前草野の初代主人が記したもので草野の料理の奥義が書かれているとか。
伝説の料理人とまで言われた先代もずいぶんその書を大切にしておられたようですから。
へぇ〜どんな奥義が書かれているんですかね?見てみたいわね。
お断りします。
秘伝の書はこの草野を継ぐ者にしか見せてはならぬ。
先代からそう言われておりますので。
なんなのあの女将!感じ悪いわね〜。
お願いですから僕の未来を壊さないでください。
雪子さんね私たちを試したのよ。
えっ?ブランド刑事さんの実力を見せていただきましょうって私たちの舌が正しいかどうか試しただけじゃないのよ。
そうだったんだ…。
それに雪子さん。
私たちが刑事だってわかった途端態度を変えたの。
板場を見せたがらなかったのも何だか怪しいわよ。
板長と付き合ってるのを知られたくなかったんじゃないですか?社内恋愛っていろいろと面倒みたいだし。
とにかく!草野をもう少し調べるわよ!〜おいしい〜!さすが伊豆の金目鯛ね!桐原さん。
調査に来たんですよね?そうよ草野と言えば料理。
料理と言えば食材食材の宝庫市場で調べなきゃね!おにいさん!この車エビ試食できるかしら?はいよ!へいおまち!ありがとう!うわ〜!甘い〜!食べに来たとしか思えない…。
(正太郎)土肥牛ですよ!本当に100g4,000円もするんだ!!あれ?こっちはでも100g800円だしこっちは100g1,500円だし。
牛肉ってどうしてこんなに値段が違うんですかね?
(美濃部)牛肉の値段を決めるのはまずは肉の部位それにランクだ。
ランク?値札の横A−5とかA−4とか書いてあるだろう?本当だ!
(美濃部)そもそも牛肉はA5からC1ランクまで15段階に格付けされているんだよ。
数字は肉質を表す数値で「サシ」つまり脂身の入り具合や肉の色つやを表す。
つまりA5がいちばんよくて高い値段がつくってこと。
でもこっちの肉土肥牛と同じA5ランクで見た目もほとんど変わらないのに100g800円ですよ?そりゃブランド牛とノンブランド牛の違いだよ。
ブランド?あぁ最終的にいちばん値段を左右するのがブランドだブランド牛もいろいろあるがその中でも一番高いランクにあるのがこの土肥牛なんだよ。
そもそもブランド牛って何が違うんですか?例えば土肥牛の場合厳選された餌を与えるのはもちろん食欲を出すためにビールを飲ませたりもする。
ビール!?それにキメ細かいサシを作るために焼酎でマッサージして…。
牛になりたい…。
こうして育てられたブランド牛は見た目は同じでも味が違う。
なるほど…。
さしずめ高級エステで徹底的に磨き上げられた絶世の美女ってとこね。

(物音)月子!何やってるの!?そっちこそ何よ!帳簿を部屋に隠したりしておかしいと思ったらあんなにお客が来てるのに全然儲かっていないってどういうこと!?これじゃあお父さんがいたときの利益の3分の1もないじゃない!月子に言われたくないわよ!有田さんが始めた佃煮だってろくに利益が上がってないじゃないの!あの人は頑張ってるわ!だいたいお姉ちゃんが女将になってからおかしいわよ。
昔はお父さんの腕を信頼してくれるお客さまが集まってくれた。
なのに今は高級食材ばらまくみたいな真似して…。
草野を続けるにはこうするしかないのよ!女将は私なのよ月子は黙っててちょうだい!なによそれ…借金抱えるはめになっても巻き込まれるのはごめんですからね!月子姉ちゃん!ほっときなさい!本当なの?うちが危ないって…。
お父さまから引き継いだこの草野を私の代で潰すわけにはいかないのよ!草野は守ってみせるわ!何があっても…。

(正太郎)桐原さん!やっぱり駄目ですよ言いましたよね?ここは僕の親戚筋になるかもしれない家だって。
あのねあんたの妄想に付き合ってる暇はないの!秘密はきっとこの板場にあるんだから…。
〜佃煮?誰もいない…。
チャンス!えっ桐原さん!
(織部)何やってんだ!
(雪子)どういうおつもりですか!?いや不審者かと思ったら刑事さんだとは…。
いくら刑事さんだってこれじゃ不法侵入じゃありませんか!訴えたってかまわないんですよ!お姉ちゃんやめて!言ったでしょう!!私があの手紙のこと調べてほしいって頼んだんだから!草野の看板に偽りなんかありません!それに何より…何よりも板場は聖域!それなのに女が忍び込もうとするなんて絶対に許せません!あなた方は二度と草野の敷居をまたがないでください!
(雷鳴)ごめんなさい…雪子姉ちゃんが失礼なこと。
ほんと普通敷居をまたぐなまで言う?桐原さん!雪子姉ちゃん…。
草野を守ろうって必死なんです。
そのために結婚をあきらめたくらいで…。
結婚!?どういうこと?雪子姉ちゃんうちの板前さんとつきあってたんです。
でも3年前父が亡くなってからめっきりお客様が減ってしまって。
そんなとき清恵さんのつてで板長として来てくれたのが東京の有名な料亭で働いていた織部さんでした。
女将…草野を立て直すにはウリが必要です。
ウリ?えぇ。
今人気の土肥牛が格安で食べられるステーキ懐石をやってみたいんです
(花子)ねらいは当たって土肥牛のステーキ懐石はテレビや雑誌に取り上げられ客足はずいぶん戻りました。
(花子)でも高級食材ばかりをウリにした織部さんのやり方に昔からいた板前さんたちは反発して…。
丹波:我々はもうこれ以上織部のやり方にはついていけません。
雪子さん織部をとるか我々をとるか二つに一つです
(正太郎)それで雪子さんは織部さんをとったんだ。
えぇ…草野のために。
でも結局それがもとで昔からいた板前さんたちが辞めてしまって…。
お姉ちゃんも恋人と別れることに。
はぁ…切ないですよね雪子さん。
こごみの天ぷら食べないなら私が!ちょっと駄目ですよ僕の大好物なんですから!この子昔から好きなもの最後にとっておく癖があって。
だから花ちゃんに告白しないんだ?それとこれとは関係ないでしょ!だいいち僕は少しずつ大事に関係を育んでるんですから。
恋も食べ物も好きなものはすぐにいかなきゃのんびりしてるととんびに油揚げさらわれ…。
失礼します。
げっ…。
ただいま電話に出ることはできましぇ〜ん。
(桜田)お前またよけいなことに首突っ込んでるだろう!はぁ?そっちこそどうしていつも人の行動把握してるわけ?わかった!ストーカー!?ハッ別れた女房のストーカーなんかするかよ!そっちの土肥署から苦情の電話が入ったんだよ!お前は俺が監視してないと勝手な捜査ばっかして!ストーカー規制法により「相手を監視している」と告げる行為は禁止されています。
誰が好きで監視してると思ってんだ!!おい!おい聞いてんのか?おいもしもし!もしも〜し!いいんですか?桜田さんですよね。
いいのいいのまったく人のこといつも見張ってるみたいに。
桜田さんっていうのは桐原さんの元ご主人。
警視庁捜査一課の刑事なんだけど…。
正太郎さん!桐原さんバツイチだったの。
えぇ私がブランドに溺れて借金を抱えたとたんに別れるって言い出した薄情者ですけどね。
私ブランドを見る目はあっても男を見る目がなかったんですね。
あら私はいい男だと思うけどね。
会ったこともないのに?私くらいになるとね会わなくたっていい男の匂いはわかるもんなんだよ。
夫婦は「比翼の鳥」っていってね。
あっ白居易ですか。
ハッキョイ?昔の中国の詩人。
比翼の鳥っていうのはねその詩の中に出てくる架空の鳥のことで二羽の鳥の体の片方ずつがこうくっついて一羽の姿をしてるのよ〜!二羽で一羽…いいなぁ〜。
僕と花ちゃんもいつかそんなふうに…。
夫婦は二人で一人。
誰だって相手を失うことは身を切られるようにつらいもんなんだよ。
でもね元ご主人はあえてそれを選んだんじゃないのかしらね。
桐原さんが自分の力で立ち直るのがいちばんだと信じて。
それは…。
噂をすれば花ちゃんだ。
もしも〜し!えぇ!?草野に保健所?賞味期限偽装…。
(花子)はい。
お義兄さん…有田さんが土肥牛の佃煮の賞味期限シールを貼り替えてたんです。
有田さんは認めてるの?えぇ。
きっと草野の看板に偽りありの手紙は賞味期限偽装のことだったんだと思います。
桐原さんたちを長い間お引き止めしてしまって…。
僕らが東京に帰ってもいつでも電話してよ。
ありがとう正ちゃん。
私今回のことで刑事さんってすてきだなぁって。
えっ?桐原さん本当にありがとうございました。
じゃあまた…。

(正太郎)花ちゃん大丈夫ですかね?花ちゃん…刑事さんすてきだって言ってましたよね。
あれって僕への告白だったんじゃ?だから早くいけって言ったでしょう。
あんたの恋はもう消費期限切れよ。
消費期限?そういえば消費期限と賞味期限ってどう違うんでしたっけ?えぇ!?もう…。
賞味期限は缶詰みたいな傷みにくいものに表示され期限が過ぎても食べられないわけじゃない。
一方消費期限は生ものに表示され期限内に消費する必要がある。
じゃあ僕の恋は消費期限切れってことはもう腐ってるってことですか!?ひどい…ひどすぎる!あぁなんかすっきりしないなぁ。
草野もそうだけど峰子さん…。
結局事故だったってことかな。
それにこの写真の意味もわからないままだし…。
勝手に持ってきちゃってよかったんですか?あ〜あ…ねぇ板長なんかこうすっきりする日本酒。
あぁ!
(常滑)な…何ですか!本物!?の常滑先生ですか?料理評論家の。
いかにも!私が常滑豊です。
あっ彼女ね姪っ子だから。
草野土肥牛のステーキ懐石。
絶賛されてますよね。
本当においしいって思いました?有田さんどうしてくれるの?申し訳ありません。
女将さん今後二度とこのようなこと…。
辞めていただきますからね。
謝ってすむことじゃないのよ。
伝統ある草野の看板に泥を塗るような真似…。
お客様に申し訳がたたない。
聞いてるの?有田さん。
これくらい何だっていうんです?お義姉さんは知らないでしょうけどね今は草野の中じゃもっと大変なことが起こってるんです。
大変なこと?何なの?知らないのはお義姉さんだけですよ。
〜有田さん!どうもごちそうさま…。
ありがとうございました。
私の舌が間違ってたのかな?えぇ!?有名な料理評論家の常滑先生が草野のステーキ懐石はおいしかったってはっきり断言したんですよ。
う〜んでもねぇ…。
(板長)丹波!
(丹波)はい。
(板長)草野ってお前が働いてた旅館じゃないのか?
(丹波)えぇ…。
えっ?そうだったんですか?早く言ってくださいよ!
(丹波)自分はもう草野から身をひいた人間ですから。
もしかして元雪子さんの恋人だったりして。
やだ!ビンゴ!?昔のことです。
ただ草野のことは…あのまま高級食材に頼るようなやり方で本当にいいのかって…。
あぁ…確かに…。
あれだけの食材を使えればやりくりも大変でしょうしね…。
(丹波)やりくりなんてできてません。
えっ!?通常飲食店が食材にかける費用はお客様にお出しする値段の30%程度です。
なのに草野は100g4,000円もする土肥牛を使ったうえに他にも伊勢エビやアワビなどの高級食材を使ったステーキ懐石を1万5,000円で出しています。
じゃあ…人件費やその他の食材の経費を差し引くとほとんど儲けは出ないってこと?いくらマスコミに騒がれても内情は火の車のはずです。
あ〜!僕これ食べたい!土肥牛の串焼きお願いしま〜す!はい!?串焼き1本3,000円!?あんたなに勝手に頼んでんのよ〜!痛〜い!だって土肥牛ですよ!ふだん「経費経費」ってうるさいくせに人のおごりとなるとずうずうしいね!お出ししてよろしいでしょうか?〜あっ!この写真!これだ!!
(正太郎)ほんとだ!!土肥牛シールのことですか?…土肥牛シール?土肥牛は品質を保証するため1頭1頭に個体識別番号の付いた土肥牛シールが貼られるんです。
個体識別番号ってその番号のことですか?最近は食の安全が問題になってるでしょう?それで牛肉の場合は数年前から牛1頭ごとにそれぞれ10ケタの番号を付けるようになったんです。
(丹波)その番号をホームページで検索すれば誰でも牛の産地や出荷農場の情報が手に入れられるんです。
(正太郎)このページですね…。

(正太郎)出た!あっ!土肥牛!これは…正真正銘土肥牛シールの写真だ。
(正太郎)美濃部畜産って僕らが聞き込みしたお肉屋さんですよ。
あっ…その卸店なら草野がいつも使ってる店ですよ。
えぇ〜っ…!?でもどうして…。
はい?どうして峰子さんわざわざ土肥牛シールの写真なんて撮ったのよ?峰子さん…事故じゃなくて殺されたんだとしたら…この土肥牛シールが原因?すべての問題の始まりだったかも…。
(桜田)確かに問題だらけだ…。
(正太郎)桜田さん!げっ!ストーカー!誰がストーカーだ!ここは俺の行きつけの店だ!人の縄張りを荒らすんじゃない!
(笑い声)もとはあなたの行きつけでも今は私の行きつけなの。
お前はいつもそうだ!人の縄張りを荒らす。
そのくせ自分の縄張りは一切守らない!私が料理しなかったことまだネチネチ言いたいわけ?っていうか今お店の話ですよね?いいか?お前は結婚している間一度たりとも料理を作ったことがないんだよ!やっぱり料理の話…。
でも料理しないわりに桐原さん出汁の味とか結構詳しかったですけど…。
俺が作ってたんだ!味噌汁も出汁からきっちりとってな!それで舌は肥えてるんだ…。
台所はあなたの縄張りだから踏み込まないようにしてあげてたんでしょ!はっは〜!なら今すぐこの店から出ていけ!また店の話!?だから今は私の縄張りなんです!!もうやめてください!!話が前に戻ってますよ!
(桐原/桜田)うるさい!!なんで僕…?あぁ…重い…。
大変だな君も…。
そんな人ごとみたいに…。
桜田さんが「出ていけ!」なんて言うから桐原さん意地になって飲み続けたんですよ。
あの…前から不思議だったんですけどそもそもどうしてお二人は結婚されたんですか?会うたびに喧嘩してるところしか見ないし…。
人生最大の過ちだな。
そう言うと身も蓋もありませんけど…。
こいつはやたらと戦闘的だし礼儀知らずでおまけにぶっちゃけ系だ!あっそれ僕らの間じゃ頭文字を取って「野生のセレブ」って言われてます。
セントウ的でレイギ知らずでブッチャケ系。
はい。
でも…信用できる。
桐原真実ってやつは…言ったことは必ず守る。
人の信頼は決して裏切らない。
(正太郎)あの〜。
飲みすぎだな。
はい?今のはよけいな話だ。
忘れてくれ。
…あっ!って桜田さん!僕がこれ…一人で送っていくんですか!?ねぇ!〜やだぁちょっと…。
マーくんくすぐったいから!
(笑い声)おいどうした?〜
(悲鳴)うぅ〜頭痛い…。
(正太郎)桐原さん!頭に響く声…出さないでくれる?すみません!草野の有田さんが自殺したって…。
えぇ〜っ!?有田…有田さんって…月子さんの?はい…。
今花ちゃんから電話があって…。
行くわよ!〜そのロレックス偽物だって言ったじゃな〜い。
まだ信じてないんですか?な…なんです!?東京に帰ったんじゃないんですか!?有田さん自殺の件の詳細は?そんなことあなたたちに報告する義務はありません。
萩ちゃ〜ん!峰子さん…検屍の結果は?はい…久谷峰子の頭部の傷の形状と階段のブロックの形状が一致しないことがわかったんです。
やっぱり!峰子さん殺されてたんじゃ〜ん!萩!お前よけいなことベラベラしゃべるんじゃない!すみません!でもこの人の顔見てるとつい…。
顔?峰子さんは事故かと思いきや殺人だったし。
有田さんもほんとに自殺なんでしょうか?今回は間違いありません。
根拠は?手紙ですよ!草野の三女花子さんの証言によると久谷峰子は1か月前草野に届いた「草野の看板に偽りあり」との手紙の存在を知っていたそうなんです。
峰子さんが?えぇ。
つまりこういうことです!有田は手紙を読んだ久谷峰子に佃煮の賞味期限偽装の件で脅されたため峰子を殺害。
ところが保健所の立ち入り検査が入って賞味期限偽装が公になり追いつめられて自殺した。
その証拠に遺体のポケットから遺書と思われるものが見つかっています。
〜ちなみに筆跡は本人のものと鑑定されています。
こんなの…始末書か何かを遺書に見せかけただけかもしれないじゃない!しつこい人ですね〜!なら最後の切り札です!久谷峰子が殺された夜有田の不審な姿が目撃されてるんですよ!!不審な姿?仲居頭の瀬戸清恵が証言しました。
峰子さんが殺された夜8時半頃私…食器庫でお皿の入れ替えをしてたんです。
そしたら…偶然見てしまって…。
見たって何を見たんですか?有田さんが…裏の木戸から出ていくのを…草野の裏木戸は久谷峰子が殺された寺につながっています!ここまで状況が揃っているからには逃げおおせない!有田はそう判断して自殺したんですよ!!以上!!月子…。
お姉ちゃんのせいよ…。
お姉ちゃん…佃煮が売れないからって責めたじゃない!あの人必死だったのよ!だから…賞味期限の偽装までして…最後には…。
お姉ちゃんがあの人を殺したのよ!!月子姉ちゃんやめて!〜納得いかないわね…。
(正太郎)えっ?有田さんが佃煮の賞味期限偽装を隠ぺいするために峰子さんを殺した。
確かに筋は通ってるけどそのことと峰子さんが土肥牛シールの写真を持っていたこととは何の関係もないじゃない。
たしかに!峰子さんが殺された裏には必ず土肥牛シールが関係してるはずよ。
もう一度草野と土肥牛のこと調べる必要があるわね。
(美濃部)確かにうちは草野に土肥牛を卸してるけどね。
他に土肥牛を卸してる店で草野みたいに安い値段で料理を出しているお店ありませんか?ないな。
え?うちが卸してる店じゃ草野以外はどこもいい値段だ。
ほんとに一軒もありませんか?うん。
でもうちが卸してる店じゃなきゃ一軒あるよ。
最近土肥牛のステーキが安く食べられるってえらく人気の店。
ここね。
うわでかぁ〜。
(正太郎)200グラム8,000円。
ってことは100グラム4,000円だから卸し値と変わらないじゃないですか。
(砥部)いらっしゃいませ。
どうぞ。
え〜と…私はレアで。
はい。
僕はミディアムレアで。
はいかしこまりました。
よかった〜!人気のお店って聞いてたから入れなかったらどうしようかと思っちゃった!わざわざ東京から来た甲斐あったなぁ。
でもでもどうしてこのお店だけ土肥牛がこんなに安いのかしら?
(砥部)それはもううちは儲け度外視でやってますから。
まさかニセモノ…なんてことないわよね?正真正銘の土肥牛ですよ。
(正太郎)土肥牛シール…。
(砥部)お待たせいたしました。
おいしい。
ほんとだ!口の中に入れた瞬間にとろけますよ。
間違いない。
これは本物の土肥牛よ。
おかしなこと言いますね。
本物に決まってるじゃないですか。
う〜ん…でもそれならやっぱり安すぎない?ねぇいったいいくらで仕入れてるの?ねぇねえったら〜!おねえさんにはかないませんね。
じゃここだけの話ですよ。
実はこれくらいで…。
半額?ウソ…どこで買えるの?私も買いたいから教えて!
(砥部)そりゃできませんよ。
なにせ特別なルートですから。
これって捜査経費で落ちるんですかねぇ?一応領収書はもらったんですけど…。
桐原さん?桐原さんどこへ行くんですか?〜桐原さん…桐原さん!シーッ!結局特別なルートは教えられないの一点張り。
このままじゃ何もわかんないじゃないの。
でもまた見つかったりでもしたら今度こそ課長に報告されて始末書じゃすみませんよ!え…?土肥牛佃煮…。
なんでこんなとこに?草野から佃煮仕入れたんじゃないですか?メニューに佃煮はなかったしこの佃煮は草野でしか買えないって花ちゃん言ってたじゃない。
じゃいったいどうして?〜もしかして…。
桐原さん?草野に行くわよ!ちょっと待ってください!僕らは草野の敷居をまたげないんですよ!なのにどうやって?猛ダッシュ…!
(三味線)たぁさんおひとつどうぞ。
ああありがとう。
あの僕までこんな格好する必要あるんでしょうか?なかなか似合ってるわよ。
私ほどじゃないけどね〜。
・おねえさんこっちもお酌。
はい〜どうぞ!
(雪子)お待たせいたしました。
土肥牛のステーキでございます。
おっ待ってました!さっどうぞ。
さすが土肥牛色艶が違うね!
(雪子)ありがとうございます。
さっどうぞ…温かいうちにお召しあがりくださいませ。
ちょっと待った!大塚東署生活安全課です。
この土肥牛本物かどうか調べさせていただきます。
あなたたちは!芸者じゃなかったのか?何だ?警察がいきなり!すみません!つまりですね…今ここにある土肥牛は偽物の可能性があるかもなんです。
いいかげんにしてください!お客様の前で口からでまかせを!雪子さん…あなたには真実を明らかにする義務があります!この土肥牛を巡って二人の人間が殺されたかもしれないんですよ。
殺された?私の推理を証明するために鑑定をしていただきましょう。
先生お願いします!料理評論家の常滑豊先生です!
(常滑)いかにも私が常滑豊です。
まぁこれはこれは!常滑先生には私どものステーキ懐石を召しあがっていただいてたいへんおいしかったとお褒めのお言葉をいただいております。
ねぇ先生!ですからこの土肥牛が本物かどうか見極めていただくのに最適な方だと思いまして。
とにかく調べてもらおうか!このままじゃ俺たちだって気分がわるい。
ああそうだよ。
ではでは失礼して…。
〜土肥牛は…とろけるような舌触り。
桃やココナッツを思わせるような豊かな香り。
これが特徴なんです。
この肉は…。
正真正銘土肥牛に間違いなし!〜待ってください。
〜おいしい。
この前食べたときと全然違う。
なんだ?それ…警察が偉そうに…。
さんざん大騒ぎしてせっかくの土肥牛が台無しじゃないか!どうしてくれるんだよ!
(雪子)まことに申しわけございません!すぐに代わりのお肉はご用意いたします。
本日のお料理のお代は結構ですのでどうぞこの私に免じましてお許しくださいませ。
(雪子)悪ふざけがすぎるんじゃございませんこと?ご迷惑をおかけして申しわけありませんでした。
有名なブランド刑事さんだか何だか存じませんけれども所詮お料理は素人。
お名前に傷がつかないうちにさっさと退散なさったほうがよろしいんじゃございません?〜この前は悪かったな。
少し騒ぎすぎた。
あいつといるとどうも調子が狂ってね。
何を考えてんだか。
いつも言い争いだ。
女性の考えることはいくつになってもわかりません。
あいつら別の生き物だからなヘッ!でもだから気になるのかもしれません。
草野で何かあったんでしょうか?完全にお手あげわけわかんない!てっきり草野からマタドールに土肥牛横流ししてると思ったのに私の勘違いだったのかな?若尾さん?峰子にね。
あのこの好物だったの。
なんだかんだ言って峰子は私にとって妹みたいな存在だったから。
それで写真も二人で写ってたんですね。
写真?これ。
そうそう。
(若尾)素顔はこんなにあどけなかったのよね。
でも芸者姿は誰よりも色っぽくて。
え…えっ!?峰子さんの横に写ってるのマタドールのオーナー!?そうよ。
ずいぶん峰ちゃんひいきにしてくれてね。
えっ…気づかなかった。
間違いありませんよ。
やっぱり峰子さんとマタドールと草野3つはつながってたんです!でも私がさっき草野で食べたのは間違いなく本物の土肥牛だった。
いったいどうなってんだわかんない!あら正太郎また来たのかい。
お邪魔してます。
おばあちゃん!そうだこの前僕が残してたコゴミの天ぷらあのあとバタバタ東京帰って置いて帰っちゃったんだけど。
今天ぷらの話する?
(麗子)とっくに食べちゃった!そんなぁ…。
あとで食べようと思って残してたのに!
(麗子)残ってるわけないじゃないか。
相変わらずだね正太郎は。
残す…。
あっ!そうか!残してたんだ!はい?でかした正太郎!わかった!今度こそ本当に事件のカラクリがわかった!
(鍋島)いきなり呼び出したと思ったらこれなんです急に?「草野の看板に偽りあり」の手紙の意味。
峰子さん殺害有田さん殺害の犯人がわかりました。
殺人?芸者の久谷峰子はともかく有田は自殺だと…。
しっ。
静かになさい。
今回の事件の最大のカギを握るのは高級ブランド牛土肥牛。
だから土肥牛の肉と殺人どう関係がある…。
(咳き込み)正太郎持ってきて。
(正太郎)はい!こちらが草野で出しているお肉。
(正太郎)そしてこちらが市場で買った土肥牛のお肉です。
私には同じお肉にしか見えないけどねぇ。
確かにこのままじゃわかりません。
でも少し手を加えると2つの違いははっきり見えてくるはずです。
それでは鑑定を始めます。
〜ごたいそうに何をするかと思えばただ焼いてるだけじゃないですか。
これがどうして鑑定だなんて。
そろそろね。
え?違いに気づかない?ほら!市場で買ったこっちの牛肉のほうだけ脂身が溶けてますよ!ほんとだ!
(麗子)でも草野の牛肉の脂身はまだ溶けてないわね。
どういうことですか?土肥牛の特徴であるとろけるような舌触り。
その舌触りを生み出すのはサシつまり脂身の部分。
その脂肪融点が低いからなの。
脂肪融点?脂身が溶ける温度のこと。
調べによると他の和牛の脂肪融点が26度前後であるのに対し土肥牛の脂肪融点は17度でした。
9度も違うの?しゃぶしゃぶ用の薄い肉なら手のひらに乗せただけで体温で脂身が溶け出すこともあるそうです。
ということは…。
〜2つの牛肉脂身が早く溶け出したほうは間違いなく本物の土肥牛。
そして草野の牛肉は…土肥牛じゃない!草野の牛肉が土肥牛じゃない!?つまり草野は土肥牛だと偽ってノンブランドの牛肉をお客に出してたんです。
まぁ…。
待ってください!料理評論家の常滑先生は草野の土肥牛は本物だっておっしゃっていました。
そう。
それこそが今回の事件の最大の謎だったの。
私が最初に草野でランチを食べたとき…。
う〜んなんて言うか期待してたほどじゃないわねぇあのステーキは本物の土肥牛とはほど遠い味だった。
なのに潜入捜査のときに食べた牛肉は…。
おいしい…。
この前食べたときと全然違う…いったいなぜこんなことが起きたのか?私は最初草野が仕入れた土肥牛はすべてマタドールに横流しをしてると考えた。
でも実際は違ってた。
犯人は残してたの。
本物の土肥牛を。
残す?そう事件のカラクリ真相はこういうことだったの。
真相はこういうことだったの。
白い碁石を本物の土肥牛。
黒い碁石をノンブランド牛とします。
草野は土肥牛を仕入れたあと一部を残してマタドールに横流しをする。
そして横流しをした分を別に用意したノンブランド牛にすり替える。
こうして一見のお客には土肥牛と称してすり替えたノンブランド牛を。
常連客や常滑先生のように食べなれたお客には残した本物の土肥牛を出してたってわけ。
なるほど。
それならすべてのつじつまが合うわね。
えぇ。
ちなみにこのすり替えで犯人が手に入れた利益は正太郎。
はい。
調べによると草野は土肥牛を卸値の半額で横流ししていました。
マタドールが1か月に使う土肥牛は200kgですから1か月の横流しで手に入れる金額はおよそ400万円になります。
1年間で4,000万以上も!?草野がステーキ懐石を始めた3年前そこから犯行が行われていたとすると1億以上になるはずです。
つまりこの牛肉のすり替えが今回の殺人につながったわけですか!?えぇ。
マタドールのオーナーにひいきにされていた峰子さんはこの土肥牛すり替えの計画を知ってしまった。
そして何らかの方法で土肥牛シールの写真を撮った。
それがこの写真です。
(正太郎)この個体識別番号は草野に卸された土肥牛だという裏もとれました。
峰子さんはこの写真を使って犯人を脅そうとして殺されたんです。
じゃあ有田さんはどうして?有田さんの自殺の原因だと思われていた佃煮の賞味期限偽装は隠れ蓑だったの。
土肥牛すり替えこそが有田さん殺害の本当の動機でした。
有田もすり替えを知っていたということですか?有田さんと峰子さんは愛人関係にありました。
有田さんもこのすり替えの計画に気づいて峰子さんと同じように犯人を脅そうとしたとしても不思議ではありません。
それで犯人は有田さんの口も封じようとして…。
有田さんを殺害すれば峰子さん殺しの濡れ衣まで着せることができる。
犯人にとっては一石二鳥の計画だったんですね。
なんて人かしら…。
牛肉の偽装をごまかすために二人も人を殺すなんて。
で肝心の犯人はいったい誰なんです?
(月子)あっお姉ちゃん!月子…。
何やってるの?勝手に板場に入るなんて。
ちょっと…。
放して!お姉ちゃん!一連の事件の発端である土肥牛すり替え。
これを実行するには板長の織部抜きには考えられません。
それに…あともう一人。
まさか…。
雪子さん?花ちゃんに真実を告げるのは酷かと思ったんだけど…。
いえ…私がお願いしたことですから。
でもどうしてお姉ちゃんはそんなことを?伝説の料理人とまで言われたお父様が亡くなったあと草野の客は激減した。
そこで雪子さんはお客を呼び戻すため格安のステーキ懐石を始めた。
でも土肥牛は卸値だけで4,000円。
その他にも高級食材の経費や人件費を差し引くとほとんど利益は出ない状況だったはずよ。
(鍋島)間違いない!女将の草野雪子は私腹を肥やすため板長の織部と共謀して土肥牛のすり替えを行った。
そして事実を嗅ぎつけた久谷峰子と有田元信を殺害したんです。
すぐに草野雪子の身柄を確保しますよ!女将はどこです?何かあったんですか?久谷峰子殺害および有田元信殺害の件で女将に重要参考人として署まで同行していただきます。
姉が?そんなまさか。
いいから女将を呼んでください!それが…さっき板場から飛び出してきたと思ったらそのまま姿が見えなくなってしまって。
板場から?桐原さん!女の人は板場に入っちゃ駄目なのに!おかしい…。
何がおかしいんです?雪子さん冷蔵庫を調べてたのよ。
でも雪子さんが牛肉すり替えの本当の犯人なら今更冷蔵庫を調べるはずなんてない。
けど雪子さんと織部が共謀してた可能性は捨てがたいですよ。
だって…。
有田:俺見ちゃったんだよね。
ねえさんが織部とラブホテルから出てくるとこお姉ちゃんは織部さんとつきあったりしてないわよ。
でも有田さんは確かに「ねえさん」って。
あの人が言ってた「ねえさん」っていうのは雪子姉ちゃんのことじゃないわ。
置屋だって先輩芸者のことをねえさんって呼んだりするでしょ?そういえば…。
峰子が私のお客とったんです!峰ちゃん弥生ちゃんはあんたのねえさんよそれと一緒でうちの従業員の間でも古株の人をねえさんって呼んだりするのよ。
じゃあ有田さんが言ってたねえさんって…。
なに!?なに!?桐原さん!〜
(正太郎)今度は何ですかいったい!?やっぱり…。
さっきから何をやってるのか説明していただきたい!真犯人がわかった。
なに!?秘伝の書がないんです!雪子姉ちゃん秘伝の書をすごく大事にしてて今まで持ち出したことなんて一度もなかったんです。
なのに…。
雪子さんが危ない。

(織部)嬉しいな。
女将さんが呼び出してくれるなんて。
織部さん本当のことを教えてください。
本当のこと?ごまかさないで!私は今日父の言いつけに背いて初めて板場に入りました。
そうしたら冷蔵庫の土肥牛は5kgもなかった。
昨日30kg仕入れたはずなのにいったいどういうことなんですか?あの刑事さんたちが言うようにお客様に偽物の土肥牛を出していたのね。
あなた草野の看板に泥を塗ったのよ!おやおや…どうやら女将はお見通しのようだ。
どうしてあなたが?約束どおり秘伝の書は持ってきてもらえたみたいですね。
さぁそいつを渡してください。
これからはその書に書かれた料理をウリにして俺たちがもっともっと客を集めてあげますよ。
これは草野を継ぐ人間だけが…。
草野は俺たちがいただきます。
あぁ!
(織部)女将さんはここですべての責任をとって自殺する。
そういう筋書きなんですから!誰か!誰か!やめて…誰か!やめなさい!やっぱりあなたね。
土肥牛すり替え峰子さん有田さん殺害。
一連の首謀者は瀬戸清恵さんあなたね。
ブランド刑事の名前はだてじゃなかったみたいね。
あ…。
お姉ちゃん!そこをどけ!近づいたら女将を殺す!やめなさい!もう逃げられないぞ!清恵さんあなた自分が東京から呼び寄せた織部と共謀して土肥牛のすり替えを行っていた。
仲居頭のあなたなら客を見て偽物を出すか本物を出すか簡単に指示できたはずよね。
でもあなたはそのすり替えの事実を峰子さんに知られ脅されていた。
それであの夜…。
なによあんたなの?どいて!次のお座敷に遅れるじゃない峰子さんを待ち伏せして殺害。
遺体を階段から突き落として事故に見せかけた。
そして更に峰子さんと愛人関係にあった有田さんも土肥牛すり替えを知ってあなたたちを脅そうとした。
それであなたは匿名で保健所に以前から気づいていた佃煮の賞味期限偽装をリーク。
有田さんが自殺しても不自然でない状況に追い込んだ。
〜遺書に見せかけた始末書を遺体のポケットに忍ばせ…。
有田さんがすべての罪をかぶって自殺したかに見せかけたのよ。
なに言ってんだか…。
私がやったっていう証拠でもあるんですか?清恵さんあなた警察に証言したわよね。
峰子さんが殺された夜8時半頃私食器庫でお皿の入れ替えをしてたんです。
そしたら偶然見てしまって。
有田さんが裏の木戸から出てくのをでもあれはあたかも有田さんが犯人だと思わせるための偽の証言…。
あなた肝心なことをミスしたのよ。
それは食器庫の窓よ。
やっぱり…あそこから裏の木戸は見えないの。
少し前までは見えていたんでしょうね。
でも今は間の木の葉っぱが生い茂って木戸から出て行く人を見ることはできないの。
つまりあなたは嘘をついてる。
なぜ嘘をつく必要があったのか?理由は一つ。
あなたが犯人だからよ!清恵さんなんでそんなことを…?お金のために決まってるじゃない。
私の実家も草野と同じように古くからの割烹旅館だった。
でもね草野の料理が評判になってからお客を全部奪われた。
結局旅館は倒産…父親は自殺したわ。
私は草野のせいで何もかも失ったのよ!父はそんな清恵さんを心配して草野に…。
情けをかけられて喜んだと思う!?冗談じゃないわよ…草野の仕事は屈辱でしかなかった!でもね1つだけおもしろいことがあったわ。
客のバカさ加減よ。
みんな…土肥牛って名前だけで大騒ぎ。
本物かどうかもわからないバカな客相手に高い土肥牛を出す必要なんか初めからなかったのよ。
そんな…。
それは違う!確かに土肥牛が本物かどうか見抜ける人は少ないかもしれない。
でもみんな土肥牛というブランドそれに草野というブランドを信じてるからこそ高いお金を払う。
ブランドはね…ただの看板じゃない。
そこに関わってる人が信頼に応えようとして誇りを持ち長い時間をかけて血の滲むような努力をして作り上げたものよ!そのブランドを踏みにじり人の信頼を平気で裏切るような真似絶対許さない!!雪子さん!!うわ〜っ!逃がしませんよ!織部久恭!瀬戸清恵!久谷峰子及び有田元信殺害及び殺人未遂現行犯で逮捕する!土肥牛偽装についてもあとで取り調べさせてもらいますよ。
雪子姉ちゃん…これ見てもいいかなぁ?うん。
(月子)これだけ?何が書いてあるのかと思ったらこれじゃ何の役にも立たないじゃない。
そんなことないです。
それってすごくすてきな言葉ですよ。
「雪月花の時最も君を憶う」雪子さんはご存じだったんじゃありませんか?雪と月と花の美しいとき人はいちばん大切な人を憶う。
そんなふうにお客様をもてなそう。
おそらく初代はそう願ってこの秘伝の書を遺したんでしょうね。
えぇ。
そして父は私たちの名前にその願いを託したんです。
雪子さん月子さん花子さん。
姉妹3人力を合わせて草野を守ってほしいって…。
そのとおりです。
父は私に「草野と妹たちを頼む」そう言って秘伝の書を渡してくれました。
私は父のおもいに応えようと必死で…。
だけど…なにひとつ守ることはできなかった。
雪子さん…これからなんじゃないですか?お父様が望んだように3人で本当に力を合わせることができれば…。
お姉ちゃん…これからはもっと私にも手伝わせて。
私も!〜丹波さん…お願いがあります。
私たち3人に力を貸してください。
私でよければ喜んで。

(鍋島)あのあとステーキハウス・マタドールオーナーの砥部に任意同行を求め聴取しました。
でどうだったの?砥部は清恵と織部に抱え込まれていました。
マタドールの売り上げの一部を2人に流していたそうです。
3人ともグルだったってわけか。
そのようです。
東京に発たれる前に伝えておこうと思いまして。
では…。
では!鍋ちゃん!鍋ちゃん?今度は正真正銘本物のロレックス買いなさいよ。
あっ…。
その節はご同行願います!喜んで!では!では…。
(正太郎)花子さん!花ちゃん…。
(花子)正ちゃん!お待たせ!花ちゃん…僕はこれから大事な話をしようと思います。
えっ…私も。
えっ…花ちゃんも?でも僕は男です。
僕から言います!草野花子さん僕は…僕は…あなたのことが…。
(萩)花子さ〜ん!花子さん!あのね正ちゃん…私萩さんと結婚するの。
け…結婚!?えぇ。
今回の事件をきっかけに知り合って急なんですけど…。
えっ!?じゃあ刑事さんがすてきだって言ってたのは…。
これからは彼と2人でお姉ちゃんを助けて草野を守っていこうって…。
そう決心できたのは正ちゃんのおかげだから…。
本当にありがとう。
〜・正太郎!何です?笑いにでも来たんですか?どうせ僕は駄目ですよ。
桐原さんの言うとおりさっさと告白しないから…。
行くわよ!この先にねもっと景色のいいとこ見つけたの。
桐原さん…。
そうだ!桐原さん桜田さんにお土産買って帰りましょうよ!なんであんたが言うのよ。
いいですから!西伊豆の名産といえば土肥牛でしょ?2016/01/13(水) 13:00〜15:00
テレビ大阪1
午後のサスペンス「ブランド刑事3予備鑑定捜査員・桐原真実」[字][解]

予備鑑定捜査員こと“ブランド刑事”桐原真実が難事件を暴くシリーズ第3弾!!

詳細情報
番組内容
ブランド刑事の真実(東ちづる)は、静岡県警の捜査協力のため、西伊豆を訪れた矢先、後輩刑事・正太郎(金子貴俊)の幼馴染・花子(井上和香)から、実家の老舗割烹旅館の調査依頼を受ける。一方、正太郎の実家、置屋『柳井屋』の芸者・峰子(田口寛子)が変死体で発見される。2人は旅館の調査をする一方、峰子の死の真相を追うが…。

出演者
桐原真実…東ちづる
 柳井正太郎…金子貴俊
 草野雪子…黒田福美
 草野花子…井上和香
 柳井麗子…銀粉蝶
 織部久恭…山田明郷
 常滑豊…小野武彦
 鍋島有朋…飯田基祐
 瀬戸清恵…立石凉子
 桜田文明…山崎一    ほか
原作脚本
【原案】戸田山雅司
【脚本】岩村匡子

監督・演出
【演出】都築淳一

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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2/0モード(ステレオ)
解説放送あり
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