ひるブラ「潜入!海の赤ちゃん養成所〜長崎・牧島町〜」 2016.01.13


生字幕放送でお伝えします
豊かな海に囲まれた長崎。
新鮮な海の幸の宝庫であります。
さらに近年は養殖も盛んです。
最高級のトラフグは生産量全国一。
そして、こちらは今が旬のカキ。
その味を求めて全国から人が訪れます。
きょうは、そんな養殖大国・長崎から私たちの食卓を支えるある施設に潜入します。
郁恵さん!分かりますよね、これ。
大きなヒラメです。
本番前まで右向いてましたけど本番に左向いてくれました。
助かります。
でも、主役は、この子じゃなくてこっちの…ヒラメの赤ちゃんです。
こんなの初めて見た。
生後3か月です。
きょう私たちが来ているのは長崎市の水産センターです。
ここはいわば海の赤ちゃん養成所ともいうべき場所なんですよ。
赤ちゃん、大集合です。
トラフグの赤ちゃん、シマアジ真ダイ、エビ、こっちにいくとちっちゃなサザエとアワビです。
このセンターでは14種類の魚介類の赤ちゃんを育てています。
人間でいうと、大体中学生ぐらいまで育てて九州各地の養殖場や漁協に卸します。
ここで、幼少時代を過ごした魚が私たちの食卓に上がってると。
まるでわが子のように愛情たっぷりにここの水産センターでは魚の赤ちゃんたちを育てています。
きょうは、水産センターの舞台裏お見せしますのでこうご期待ください。
海に面したこの水産センター広さは、なんと東京ドーム3個分もあります。
その中に100個以上の水槽が並んでます。
右のほうに見える丸いのもそして、左のほうの四角いのも全部、水槽。
さらに、この奥の建物にももちろんたくさん並んでおります。
僕たちいるのトラフグの水槽の前なんですがこのトラフグの水槽の中に生まれて1年のトラフグがこの中におります。
いわずと知れた高級食材・トラフグ。
実は、長崎はトラフグの養殖、日本一。
こちらでも年間8万尾の赤ちゃんトラフグを育てて各地の養殖場に送り届けております。
いっぱいいるじゃないですか子どもたちが。
こちらにトラフグ担当の方です。
お二方がやってらっしゃる作業はトラフグの赤ちゃんたちの生命、命を守るための大切な作業なんですが何か分かりますか?これ、実は歯を切ってるんです。
爪切りみたいに。
なぜかといいますと、郁恵さんこれ、見ていただいていいですか。
この部分、これ歯があるとお互いの歯でトラフグたちが傷つけあっちゃうんですよ。
これが原因で死んじゃうこともあるんですって。
だから、どうしても赤ちゃんのうちに歯を切っちゃわないといけないんですね。
やってあげなきゃいけないんです。
一回切ったらもう大きくならないものかしら?
みたいです。
おもしろいことにこの水槽の中をのぞいていただきたいんですがこの作業するためにこれ死んでるんじゃないんですよ。
寝てるんです。
これ、麻酔液なんですよ。
人間だって歯医者行くとき麻酔打ってもらうじゃないですか。
だから、この麻酔で眠らせて切ってあげる。
これ、痛いんだ?
痛いかどうかは分からないんですが…。
ただ、これもう一つ大切なことがあって手早くやってあげなきゃいけないんですよ。
なぜか分かりますか?
麻酔からすぐとけなきゃいけないとか?
違います。
なぜ早くやらなきゃいけないんですか。
人間と魚の体温の差があるのでやけど状態になってしまうんですよ。
郁恵さん、人間の体温では魚にとっては熱くてしょうがないんです。
だから、触ってるうちに魚が、やけどしちゃうんで手早くやってあげないといけないんですね。
だから、実際にはこのスピードじゃないんですよ。
本来のスピードで佐藤さんに見せていただきます。
このペースでやらないと…。
どの段階で麻酔を打ってもらってるの?この子たち。
これを切ってあげなきゃいけないんですね。
これを佐藤さんと、ほんださんは1日で3000尾やらなきゃいけないそうです。
大変な作業なんです。
急がなきゃいけないけど繊細な、すごく丁寧な作業なんですね。
これ大変だと思います。
佐藤君!
郁恵さん。
次は、冬の味覚・カキですよ。
この部屋に、おいしいカキをたくさん生み出す秘密があるんです。
そして私の格好の秘密も…。
きょう、外、大変寒いんですがなんでこういう格好をしているかというとこの部屋だけ夏みたいに暑いんです。
この部屋、大体、部屋の温度29度近くあるんですがこの暑さが、カキの産卵にとっても大切なんです。
こちらに産卵を控えた親ガキがおります。
網の中に入っているのが産卵を控えたカキ。
ただ、実はカキの産卵って本当はこの時期じゃないんですよ。
本当は夏なんです。
暑いときです。
だから温度を、ぐっと上げてカキたちに、夏きたんだなって勘違いさせるということで産卵を促してるわけなんです。
水温だけ上げるんじゃなくて室温も全部、上げなくちゃいけないんですね。
そうなんです。
夏だけじゃなくて冬も卵が取れれば私たちの食卓にも安定してこのカキを供給できるそういう工夫になってるんですね。
ここで生まれたカキの赤ちゃん。
この水槽の中にいるんですけれども。
郁恵さん、分かりますかね。
全然分からないですよね。
どこにいます?
います。
たくさんいるんですけれど…。
これを使うと分かるんですよ。
懐中電灯を使って。
売ってる懐中電灯なんですけれどちょっと見てもらいましょう。
電気、お願いします。
どうですか、ちょっとぐーっと寄っていくとほら、光の近くに小さいのキラキラしてるの分かります?小さい粒がゆらゆらっと。
これがカキの赤ちゃんなんですよ。
幼生っていいます。
ということは、これ何万っているってことじゃないですか。
数、数えられませんよね。
この水槽だけで500万匹ぐらいいるらしいです。
そんなに驚いてもらえるとこっちもうれしいんですがこれ、1週間前に生まれたばかり。
大きさが大体0.07mm。
ちっちゃい。
ここから3か月ぐらいで大体、養殖場に出せる2cmの大きさまで育ちそうだということです。
これをカキの殻にくっつけるってことですか?
これが、すでにカキの殻のもとになるものでこれが、そのまま大きくなっていくんですよ。
カキのことはよく分かってない、私。
これが殻になって…。
ただ、3か月ぐらいで2cmになるといいましたけれどやっぱりちゃんとごはん食べないと大きくなりませんよね。
この子たちのごはんって何?
プランクトンなんですけどそれを、ちゃんと食べているか職員の皆さん毎日チェックしています。
使っているのが、顕微鏡です。
どうやって調べてるんですか?
その隣、分かりやすくきょうモニターつなぎました。
ちょっと動いてる丸いものがカキの赤ちゃんですよ。
見えますか。
透明な…。
この中にちょっと茶色っぽいもの見えますよね。
これが、さっき言った餌のプランクトン。
つまりちゃんと食べてる証拠なんです。
中には、食べない子もいますからどうするんでしょうか。
カキを担当している近松さん。
餌を食べなくなったときにはきれいな水に変えて新鮮な餌を与えるようにしてます。
餌をフレッシュなものに変えると食いもよくなるんですって。
きれいな水に取り替えるその作業大変ですね。
お水の中に5万匹もいるんですよ。
だから、それをちゃんと一回すくってから水、替えるって本当、いろんな苦労があるんですよ。
こうした工夫があるからこそぷりぷりのカキが育つんです。
郁恵さん!私は、先ほどのトラフグの水槽の隣の建物に来ているんですがこちらに日本のエビ事情をがらりと変えるかもしれないある実験が行われております。
その主役は、彼らです。
彼らはクマエビといいます。
脚が赤いんでアカアシともいわれてるんですがアカアシクマエビ郁恵さん、ご存じでした?
あんまり食べる機会ないというか。
食べる機会ないですよね。
でも、実はプロの料理人にいわせると車エビに匹敵するぐらいの味を持っている。
なおかつ、値段が3分の2らしいです。
ということは安くてうまい。
エビの救世主なんですが実は、クマエビ非常に養殖が難しいらしいんですよ。
温度変化に非常に弱いということで一年を通して温度を調整して養殖すると非常にコストがかかるということでなかなか養殖には向かないということなんです。
ただ、この水産センターはこのクマエビをちゃんと安定供給できるようにある実験をしております。
その実験が、これです。
クマエビノーコストです。
注目、ノーコストです。
ローコストじゃないです。
ノーコストです。
全くお金をかけない。
それが、このクマエビをここまでにする実験なんですが私、潜入したいと思いますのでついてきてください。
特別な許可をいただいております。
潜入しました。
こちらにいらっしゃるのが担当の植田さんです。
怪しい施設の中で、どうも。
郁恵さん、今、この下の階に下りてきたんですがこの中にいるのが先ほどのクマエビの子どもです。
ここで質問なんですがだいぶ小さいです。
これは何か月ぐらいですか?
7か月ぐらいです。
7か月のクマエビの子どもたちなんですがこの水槽の中にいる理由があります。
この水槽の水がなんの水なのかを当てていただきたいのですが郁恵さん、どうでしょうか。
この水は、なんの水でしょうか。
分かったら、みんなできることですよね。
分かりません。
実は、これさっきノーコストと言いましたよね、私。
要するに、これ排水なんです。
捨てる水なんです。
実は上にあったのはヒラメの稚魚を飼育している水だったんです。
温度を一定にしていた水なんです。
ヒラメの稚魚を飼育するために。
その水を捨てずに使ってるんです、ここに。
ごみとか、いろんなもの混ざってないんですか。
それを今から植田さんに説明していただきます。
この排水を使うメリットがあるんですよね。
基本的に温かい水を得られてるのと魚の食べ残しの餌が少しありますのでその食べ残しの餌も再利用して一石二鳥の効果を得ようかなということで試験をしています。
要するにこの排水を使うことで彼らは、家賃も払わなくていい食費も払わなくていいという家賃ゼロ、食費ゼロ、ノーコスト。
それがうまくいったら…。
水産センターとしてはこの水をむだにしなくていいので一石三鳥になるわけなんです。
ここでもう一つ質問です。
植田さんがクマエビの赤ちゃんたちに毎日やってらっしゃることがあります。
それはなんでしょう?人間の子どもにもすることですがそれはなんでしょうか。
あいさつ。
それも大切ですね。
ヒントを出しましょう。
♪「はしらのきずは」♪「おととしの」
「背比べ」。
ということは…。
身長、体重。
そうです身体測定をやるんです。
体重計です。
10g。
11から12ぐらいですかね。
まだ、おとなしい。
なんで、毎日毎日はかられるんですか?
成長記録をとっておくことが大切ですのでそこらへんと初めての試みなのでぜひ成功させたいなと思って。
実は、これ、ことしから始められた試みということでもし、育ちが悪かったとしても餌を与えるみたいなことは…。
しないです。
基本的にローコストということですので餌も与えず、排水のみで冬を越させるという試験です。
人間の子どもと一緒ですね。
ある程度分かってて、自力で頑張ってもらえるように突き放す。
それも大切だということですね。
君たち!君たちに日本のエビの未来がかかってるんだ!頑張ってくれよ!
郁恵さん!水産センターが起こそうとしている革命エビだけじゃありませんよ。
こちらでは、アワビがもっと身近になるそんなアワビ革命が起こるかもしれません。
その主役、水槽の中にいます。
これ、そんじょそこらの貝じゃありませんよ。
これね、その名もハイブリッドアワビというんんですね。
少し小さいですけれど。
これね、ハイブリッドってかけ合わせってことなんですけど高級品のクロアワビとたくさん数が取れるエゾアワビをかけ合わせた全国でもここだけ。
完全オリジナルのアワビなんです。
クロアワビに近い味をもっと安く楽しめるんじゃないかということで期待をされているものなんです。
お安くクロアワビ級のお味が楽しめるってことですね。
私たちの食卓がまた変わるかもしれませんからね。
この中にハイブリッドアワビの子どもがいます。
見えます?一個一個、全部小さいのがハイブリッドアワビの子ども。
大体、これ生まれてから1年ぐらいで人間でいうと小学校上がる前くらいだそうです。
ここまで大きくなればあとは、すくすく育ってくれるそうなんですが大事なのは、ここまで育つまでにどうこう死なないように育てていくかということ。
そこで、職員の皆さん新しいもの考えました。
死なないように作ったのがこちらでございます。
これが手作りのお助け管です。
どうですか、郁恵さんこの手作り感。
どうですかって言われてもさっぱり分からないので感想が、なかなか出てこないんですよ。
いろんなパイプなんかをつなげたものなんですけどちょっと、どういうものかまず見てもらいましょう。
この水槽の中の小さい色つきのビーズ。
これ、アワビの赤ちゃんだと思ってください。
これ、沈んでたのが浮き上がって…。
だんだん浮いてきて回転してきましたよね。
水の流れを作るんですよ。
こうやってアワビの赤ちゃんをうまく泳げるように浮くようにしてるんです。
そのためのお助け管なんですけどこれ、どうして、こういうもの作ったか。
郁恵さん、これ実はアワビの赤ちゃんってやっぱりなかなか流れのないところだとうまく泳げません。
だから、水槽の下に下に沈んでしまうんです。
そうすると酸素が薄いから息ができなくなるんですよ。
それで、死ぬのを防ぐためにこういうものを作ったということです。
こうやってパイプに穴を開けてしかも、いろんなところ動きますよ。
ねじるといろいろ水流を変えてアワビの成長度合いに合わせたベストな水流を作れるということなんですね。
富永さん、なかなか新しいアワビだから大変でしょう、これ作るのも。
このアワビは新種ですので職員みんなで知恵やアイデアを出しながら試行錯誤を重ねて大事に育てていきたいと思います。
アワビ革命起こるかもしれないですね。
佐藤君!目と鼻の先でした。
この水産センターから巣立った魚たちが絶品グルメとしてかえってきてくれました。
私、本当に申し訳ないですけど…。
このカキです。
いただきます。
一生懸命、職員さんが餌を上げたこのカキ。
育ちがいいです。
育ちがいいカキだなという感じが本当にします。
おいしいです。
これがハイブリッドアワビ。
きょうは特別に用意していただきました。
コリコリです。
クロアワビに負けない味。
うまい!おいしい!郁恵さん水産センターの皆さんの頑張りが、今後の魚事情、変えていきますよ。
食卓に革命が起きるかもしれませんからね。
楽しみにしててくださいね。
(あさ)来た来た来た来た〜!2016/01/13(水) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
ひるブラ「潜入!海の赤ちゃん養成所〜長崎・牧島町〜」[字]

フグやエビ・カキなど、さまざまな魚介の赤ちゃんを育てる長崎市の水産センター。大事に育てられる飼育の舞台裏をご案内!未来の食卓を彩るかもしれない新アワビも登場!?

詳細情報
番組内容
【ゲスト】西村和彦,【コメンテーター】榊原郁恵,【司会】佐藤誠太 〜長崎県・牧島町から中継〜
出演者
【ゲスト】西村和彦,【コメンテーター】榊原郁恵,【司会】佐藤誠太

ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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