黄金に輝く繊細な絹糸のようなこのスイーツ。
タイの伝統菓子…このスイーツを愛してやまないのが…。
雅楽をベースに新しい音楽を生み出し続ける…線の細さがふわふわ感を作っている。
すごく懐かしい味っていう感覚の甘さですね。
南国タイのエキゾチックなスイーツフォイトーンの魅力に迫ります。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末裔が暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
あ〜どうしたものか。
え〜だってあの…。
どうしたの?ちょっと何がどうしたものかってそんな何か深刻に…。
どうしたの?何か悩んでんの?いや姉ちゃんから頼まれたんだけどさちょっとこれ見て。
ダジャレだ!いや〜でもこれタイのスイーツが食べたいって事なのかな?何かタイっていうと辛い食べ物とかそういうイメージはあるけどスイーツがなかなか分かんないんだよな。
しょうがないね。
じゃあ今日はねヘンゼルのためにかまどが特別にすてきな方をお呼びしてますから。
ちょっといきますよ!かまど〜ん!
(せきこみ)サワディ−クラップ。
東儀秀樹です。
サワディ−…。
えっ?東儀秀樹さん。
えっどうしたんですか?いや〜僕はね実は音楽よりもタイにうるさいんですよ。
「よりも」って。
それでいきなりかまどさんに呼び出されて。
いや呼び出…。
えっかまど一体どういう事?これ。
ちょっとすごいでしょ華やかでしょ〜!いやすごいですよ。
いきなり…。
ちょっとびっくりでしょ?びっくりした…。
じゃあ早速そんな東儀さんとタイスイーツの出会いを見てみましょうか?はい。
…という事で今宵ひもとくのは東儀秀樹の黄金のフォイトーン。
ほほ笑みの国として知られる東南アジアのタイ。
東儀さんは何度もそのタイを訪れています。
実は東儀さんにとってタイは第二のふるさと。
父親の仕事の関係で幼少時代の7年間タイのバンコクで過ごしました。
当時の思い出で忘れられない事といえば市場での食べ歩き。
中でもタイ人のお手伝いさんが教えてくれたエキゾチックなスイーツの数々には今でも魅了され続けています。
タイのスイーツってすごく庶民的なものが多いんだけれどもでも…手間をかけるって事は作り手が一生懸命愛情を注いでる時間が多いっていう事だから…表現されるのかなって思ったりしますね。
こちらが東儀さんが市場で出会ったタイのスイーツたち。
タイのお菓子は宮中料理にルーツをたどる複雑な味わいや華やかな見た目が魅力です。
その中でもお気に入りだったのが卵黄をぜいたくに使った…フォイとは糸トーンは金を意味します。
金の糸という名のお祝い事には欠かせないスイーツです。
すごく懐かしい味っていう感覚の甘さですね。
ただの甘さっていうよりも…そしてフォイトーンの場合は…今度はそれが舌触りになっていく。
それが懐かしさを感じさせてくれてるんだと思いますね。
う〜んフォイトーンか。
初めて知ったな。
これ東儀さんは今もタイに行ったらタイのスイーツは食べられるんですか?大好きで片っ端からスイーツ食べまくります。
へえ〜。
タイにもうるさい東儀さんがフォイトーンにもうるさいですからすごく。
じゃあ教えてもらいますか?教えてもらいます。
東儀先生よろしくお願いします。
苦しゅうない。
任せて下さい。
はいはいじゃあ…早速作りますよ。
じゃあヘンゼルキメテどうぞ!はい!本場の味を目指します!地元のタイ人もタイへん
(大変)びっくりするようなフォイトーンを作りますから。
分かりました。
今日はこういう感じでいきたいと思います。
材料見て。
えっ?まさかでしょこれ。
東儀さんに来てもらった割にはシンプルなんだけど…。
これだけ?これ僕一人でもできるんじゃ…。
何言ってるんだ。
やってみれば分かる。
また難しさがあるって事ですね。
ほらほら怒られちゃうよちょっと。
じゃあまずグラニュー糖これ2キロです。
2キロ?鍋にかけてほしんだよね。
これ本当すごい量だな。
重いでしょ?日常あんまりこんな量見ないね。
見ないですね。
はいはいじゃあ次はこの大量の卵です。
いやこれすごいよ。
すごいでしょ?これどんどん割ってくんです。
まず黄身だけを使うんだけれどとりあえずここに入れてって下さい。
はい。
よし。
タイではこうしてから…。
手で!?手でやるんですか?指から白身を逃してあげる。
何か優しい感じな気持ちになるんだよこれが。
うわ〜割れそう。
だって繊細ですよ黄身って。
よっしゃ。
全部終わりましたよかまど。
はいできましたね。
じゃあここでオキテお願い!どこがオキテなんだそれ。
東儀さんに怒られちゃいましたよ。
そんなセクシーな…。
オキテ破りだよ。
オキテ破りですよ!いい感じ。
オキテ破りだね本当に。
これ黄身を使うんだけど更に黄身の中身の純粋な液体の部分だけを使いたいの。
だからそのためにこの竹串があるんだけどこの皮の不要な部分これをいちいち取り除くの。
ほう〜。
これはすごいね。
スムーズな液体が必要なんです。
全然取れない…。
これでも難しそう。
お〜!ほれほれ。
やるじゃんか。
ほらほら。
これ混ぜ方は…。
これも優しく泡立てないように。
いいですかこれいいですか?すごい濃度ですよこれ。
はいここでもう一つオキテお願いします!俺が言うのに…。
これ今の「花の香りでよりタイらしく」っていうのは東儀さんのオリジナルですよね?そうなんです。
ここにタイらしくジャスミンの香りが漂ったらすてきだろうなと思ってやってみたら結構これが合ってたんです。
かなりいい香りですねこれ。
ジャスミンのエッセンス入れるように何かアレンジするのは好きなんですか?実験的にやってどうなるかなって。
そしてオリジナルが出来たらうれしいじゃないですか。
もう一つタイのポピュラーな伝統菓子をご紹介。
タイ出身のお母さんと日本育ちの子どもたちの集まりにお邪魔しちゃいました。
こちら来日18年目のナッタニさん。
日本人の夫と2人のお子さんと暮らしています。
今日作るのはこちら。
鮮やかな色合いと野菜や果物をモチーフにしたかわいい形で人気のお菓子です。
材料は蒸した緑豆とココナツミルク砂糖。
一気に混ぜてあんを作ります。
ココナツの甘みと香りはタイのスイーツでは定番の味なんです。
このあんを思い思いの形に仕上げていきます。
楽しそう!でこういう丸い…。
本場のタイに負けないくらいかわいらしくできるかな?面白い?本物に似てる。
すごい!更に…ついには…日本で育った子どもたちならではのアイデアですね。
仕上げに寒天をくぐらせて艶を出せば出来上がり!バラエティーに富んだルークチュップになりました。
では早速試食。
食べて。
うん。
おいしい。
パイナップル…。
ああパイナップル!いや〜ルークチュップすごく懐かしい。
何かかわいらしいお菓子ですねあれ。
味は同じなんだけどマンゴーやパパイアやバナナの形のままごと感覚で楽しむんで子どもにすごい人気なんです。
おすしとかがよかったね。
おすしすごかったねあれね。
はいじゃあフォイトーンを仕上げていきましょうか。
そのために東儀さんあれが必要ですね?あれがないとできません。
はい。
出てきなさい!ピムフォイトーン!あれ?急に…。
ちょっと道具が出てきたんですけど…。
これはねフォイトーンを作るためだけの器具なんですよ。
20年ぐらい前かな。
これ作りたくてタイで手に入れたんですよ。
僕のこれは…。
それねソース用のディスペンサーです。
専用器具がなくても代用できるように用意しておきましたよと。
家庭でも使えるね。
そうそうそうそう。
ちょっとやりましょう。
やっていきましょう。
じゃあオキテお願いします!はい!おっリズムで円を描く?それが一番大切なところでもある。
へえ〜。
いきますよ〜。
うわっすごい!すごい!中から外へグルグルだ。
うわっ何か面白い。
うんいい感じかな。
すごい金の糸みたいな。
フォイトーンですね。
いいんじゃないですかこれ。
火もうちょっと強くしてみて。
ちょっと強くした方がいいよね。
生っぽいので…。
へえ〜これ面白いな。
うわっきれい!何かきれい。
こんな絵初めて見た。
そしてここからがまた器用さを要するんだけれどこう…。
どんなの?うわっ。
うわっうわっ!お〜お〜。
うわっすごい!折り畳むんですね。
そうなんですよ。
で…。
うわっすごい!うわっきれい!すごいきれい!それでいってみよっか。
僕はこの道具で…。
使えるかどうか僕も楽しみ。
ちょっと待って…。
東儀さん笑ってるけど大丈夫?これ。
いきます!もっと速い方が細いのが出来る。
上手上手。
いやいけてるいけてる。
中心がどこだ?ちょっとでも東儀さんのやつより太いね。
ちょっと太いけどね。
いいですね。
じゃあすくってみましょう。
ここで失敗してもらっちゃあ困る訳ですよ。
クロスさせて…。
右に1本に掛けて…。
そうそうそう!そして左で丸め込んで…。
でっかいのよね。
でかい!全然違う!これがプロと素人の違いです。
繊細。
僕豪快って感じですね。
ここから更に僕流でここにココナツパウダーをかけるともうちょっと複雑な味になるし…。
うわ〜お!うわっきれい!見た目もまたよくなりますね。
これで東儀流フォイトーン完成!じゃあこのあと卵液とシロップが余ってます。
ちょい足しして簡単に出来るタイのスイーツがあるんですよね。
トーン・イップ!やりますか?作ってみよう!やりましょう。
よし。
よし!これかなり熱いんだけど。
かまど。
それね指で挟んで折り目を作りたいんだよね。
無理ですよこの熱いの。
いやそれをやってほしいの。
今じゃないと駄目だから。
氷で冷やした方がいいな。
氷水が…。
そのために氷水用意しておきましたから。
キンキンにして感覚がなくなるほど…。
ハハハッ…。
よし!これを花びらの形にする訳ですね。
5枚の花びらね。
トーン・イップってさトーンっていうのはさっき金っていう意味だったでしょ。
イップっていうのはつまむという意味があるの。
これもねすごいおめでたい日に作られるの。
へえ〜。
どうですか?先生。
あっすごくいい。
おっ!きれいね。
きれいきれい。
これせっかくなんでリビングでゆっくり食べませんか?いいね〜リビング!先生こちらです。
じゃあ今日はゆったり過ごしますか。
え〜っとえっとかまども行きたいな〜。
かまども行きたいな〜リビング。
ちょっと一息TeaBreak!アジアのめでたいスイーツの数々をご紹介!最初はモンゴルから。
いきなり揚げたパンを積み重ねてますよ〜。
何作ってるの〜?重ねて…積み上げたパンの上にはチーズやお菓子をてんこ盛り!お正月やお祭りに欠かせないヘビンボーブのいっちょ上がり!ちなみにこれは12345段。
モンゴルでは奇数は幸運を呼ぶんですって!うんめでたい!お次は台湾の旧正月。
ここにも特別なラッキースイーツがあるのよ。
それがこちら…おめでたい色真っ赤に染め上げたお餅であんこを包んだお菓子。
しかもよ〜く見ると模様には長寿の意味を込めた亀の甲羅。
めでたいわ〜ん
(台湾)。
どんどんいくわよ〜。
お次はインド。
こちら学問や繁栄の神ガネ−シャにお供えするおまんじゅう…あんはココナツ風味。
スパイスが利いていてインドらしい味わい。
インドのお宅では新学期やお店を始める時などこうしてモダクをささげるんですって。
(お祈りする声)は〜いかまどよ。
かわいい〜。
ちっちゃくなって…。
かまどねかまどちょうちん。
あっ違う違うかまどランタンか。
ランタンですよ。
ちょうちんじゃないですよ。
ところで東儀さん子どもの頃タイのスイーツに出会った事で音楽に影響してる事とかはあるんですか?ないね。
ない!?冗談冗談ですよ。
びっくりしましたよ今。
ダイレクトにこうだからこうなりましたっていうそういうのはないんだけれども日本人なのにいろいろな違う文化に触れている事でいろいろワクワクすると…。
日常がワクワクばっかりで味にしてもこれは面白いとかっていうそういうワクワクが結局自分の音楽観に自由さとかこんな事してみたらいいんじゃないかなとかチャレンジ精神も生んでいるところがあるかもしれない。
ふ〜ん。
何かいいですね。
いいですね。
あ〜聴きたいなかまどここで。
おっ何かこんな所に…こんな所に楽器があるよ。
わざとらしくない?うれしいよ〜かまど。
いいんですか?いいですよ。
今日は気持ちがいいから吹いちゃいますよ。
かまどこんな近くで聴けるよ!うれしいね。
吹いてみない?ええっ!ちょっと待って下さいよ。
いきますよ。
はい。
(笙の音)
(笙の音)長くだんだん強くしていって吹ききったら吸う。
(笙の音)
(笙の音)中の空気を吸う。
そう。
お〜!できました!すごいよ。
セッションしよう。
えっ?ちょっとジャズっぽい感じで。
長〜く。
長〜く。
分かりました。
さんはい。
お〜!いやすごい!いやすごい!何か異国に行けました今。
ドキドキした。
一瞬で違う所にふわ〜っと行けますね。
いやものすごくやっぱ日本の伝統的な楽器なんで懐かしい感じもするしジャズを加える事でまた違った要素を…。
そう。
可能性がいっぱい秘められてる。
可能性が…。
そうですね。
さあさあそろそろフォイトーンも食べ頃よ〜ん。
そうですね。
頂きましょうか。
どうぞ!うんうん!うん?タイで食べる感じですか?アロイマーク。
これタイ語なんだけどとってもおいしいって。
僕も頂きますよ。
う〜ん!どう?アロイマーク。
合ってるの?今の。
合ってる。
大丈夫。
結構な量のグラニュー糖入れたじゃないですか。
めちゃくちゃ甘いと思ってたんですけど何かそんなにしつこい甘さじゃない。
癖になるでしょ。
はい。
もう一つのトーン・イップもいってみましょう。
頂きます。
何かもっちりしてそうでしょそっちは。
どう?もっちり?触った感じはもっちりしてるんですけどね。
ふわふわっとしてる。
口に入れるとふわっと…卵の甘さがこっちの方が分かりますね。
いやこれお姉ちゃん絶対喜ぶよ。
いや絶対喜ぶこれは。
タイのめでタイ・スイーツ出来ちゃったじゃん。
おいしい!何個もいけちゃう。
東儀さんありがとう。
いけちゃうでしょ?黄金に輝くタイのおめでたいスイーツ。
口いっぱいに広がるジャスミンとココナツの香り。
しっとりした食感が楽しいフォイトーン。
そしてかれんに咲いた花のようなトーン・イップ。
ふんわりとした口触りで繊細な味を召し上がれ。
最近はバイオリンアコーディオンとコラボしている東儀秀樹さん。
ルーツの異なる楽器と共演すると心がとってもワクワクするんだそうです。
「何者にもとらわれず自由な想像力で作り上げる事」。
東儀さんのオキテです。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?いろいろな文化に触れ影響を受けアレンジを加えながらもオリジナルを追求している姿が印象的でした。
東儀さんはスイーツ作りや音楽を通して僕にそういった事を教えてくれました。
僕も型にはまらないオリジナルな人間になりたいと思います。
何か決めてるね。
東儀さんどうしたんだろう?あっそうなんだよかまど。
東儀さんねライブがあるって言って帰っちゃいました。
帰っちゃったの?いやもう本当にね幸せなひとときだったからすごい残念。
自由だねやっぱり。
しかもね姉ちゃんもライブ行きました。
えっ?本当に勝手だよね姉ちゃん。
僕はこれを食べて東儀さんのあの音楽を思い出そう。
2016/01/13(水) 10:30〜10:55
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど「東儀秀樹の黄金のフォイトーン」[字][デ][再]
黄金に輝く、絹糸のような繊細なスイーツ、フォイトーン。卵黄と砂糖で作る、南国タイの伝統菓子の味わいを、フォイトーンに縁深い雅楽師の東儀秀樹さんと再現します!
詳細情報
番組内容
黄金に輝く、絹糸のような繊細なスイーツ、フォイトーン。卵黄と砂糖で作る、シンプルながら濃厚な味わいで、お祝い事には欠かせないという、南国タイの伝統菓子です。このエキゾチックなお菓子をこよなく愛するのが、雅楽師の東儀秀樹さん。幼少期をタイで過ごし、フォイトーンに一家言持つ東儀さんと、スタジオでタイの味を再現します!さらには伝統楽器の演奏まで!フォイトーンをはじめ、アジアの祝い菓子の魅力を満喫します!
出演者
【出演】瀬戸康史,【語り】キムラ緑子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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