めざせ!2020年のオリンピアン▽自転車勝利への疾走“グッと引きグッと踏め” 2016.01.12


最速80km!秒を競う自転車競技。
パワーもスピードも並外れた超大型選手が現れた。
高校で自転車を始め僅か3年。
その急成長に誰もが驚く。
去年アジアのジュニアチャンピオンを決める大会では圧倒的な走りで5種目を制覇。
しかし梶原完璧ではない。
敗れて悔いが残るレースがまだまだあるのだ。
その梶原をトップアスリートにすべく立ち上がったのがアテネオリンピック銀メダリスト…抜群の瞬発力でアテネオリンピック見事に銀メダルを獲得。
競輪選手としても切れ味鋭い走りで数々のタイトルを手にしてきた。
走りを知り尽くすその伏見が梶原を見て息をのんだ!世界に近づく高校3年生梶原。
厳しい勝負に生きる伏見!自転車の頂点に挑む2人を追った。
さあ今回は自転車競技。
スタジオは杉山愛さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
早速ですが自転車の方用意させて頂きました。
これロードとトラックで違いましてこれはトラック用のものという事で。
お〜。
まず持ってみます?早速ですが。
持ってみましょうか。
重そうですよね?パッと見は。
ねえ。
おっ!あっ軽い!本当?はい。
思ったよりも全然。
素材は軽くて耐久性に優れたカーボンファイバーとアルミ合金。
スピードを追求しているのでできる限り軽くなってるという。
一般的な自転車は重さ20kg前後。
はい。
この競技用の自転車は7.3kgしか。
7.3しかないんですか?ありません。
ちょうどうちの子ですね。
今何か月でしたっけ?今5か月半6か月なんですけど。
ちょうど。
ちょうど。
この重さです。
さあ今日のネクストエイジ梶原さんは高校に入ってから自転車を始めたのでまだ3年足らずという事なんですけどもなのに圧倒的な強さを誇ってるんですよね。
才能の塊なんでしょうね。
2014年15歳から18歳の全日本選手権。
このロードで梶原はまさかの走りを見せた。
レース半ばなんとまだ30kmを残す上りでスパートをかけた。
え〜。
そんな早く?誰もが後半ペースダウンと思ったが…。
(実況)後続の追随を全く許しませんでした。
まず最初にそのチャンピオンの名乗りを上げるのは筑波大坂戸梶原悠未が今フィニッシュで入った!2位に4分の大差をつけ圧勝。
4分。
すごいですね。
まさにモンスター怪物の走りだ。
梶原悠未が通うのは埼玉県筑波大学附属坂戸高校。
クラスメートと授業に向かう梶原。
こんにちは。
身長は155cm。
ふだんは笑顔を絶やさない明るい女子高校生だ。
実は梶原園芸コースを取っている。
(2人)へえ〜。
いい理由ですね。
いい理由でこの学校に入りましたね。
果樹園農家が夢だった梶原。
しかし夢は今オリンピックの金メダルとなった。
安達監督は初めてローラーマシンに乗った梶原を見て驚いたという。
その天性のすごさを男子部員と比べてみた。
あ〜本当だ!全然違う!梶原は全くブレていない。
これを可能にしているのは腹筋や背筋更に腰回りの筋肉が強く上半身が安定しているからだ。
梶原のもう一つの強みがペダリング。
右の男子部員はチェーンが大きく揺れているが梶原はほとんど波打たない。
あ〜きれい。
本当全然違う。
梶原は同じペースで踏み続けしかも足の裏全体がいつもペダルを捉えている。
きれいにくっついてるみたいですよね。
これは足首がよほど柔らかくないとできないのだという。
更に梶原の体の強じんさを象徴するのが太もも。
隣の男子部員は40cm台。
はるかに超えている。
毎日のトレーニングはハードだ。
スタミナをつけるため起伏のあるコースを60kmから100km走り込む。
もともと持ってるものもあるけどやっぱり努力家なんですね。
そして下半身を鍛えるためのスクワット。
入部してから1年間は毎日1,000回をノルマにした。
1,000回!?え〜!?すごいね。
しんどいよ1,000回は。
梶原の一番の応援団はもちろん家族。
母親有里さんの食事は心が籠もっている。
カロリー計算をし体力作りと疲労回復の両方を考えての献立。
プロ並みの腕前を持つ母親の食事は梶原の強い味方になっている。
梶原は1歳の時から始めた水泳を中学生まで続けてきた。
実はこの水泳が思わぬ効果をもたらしている。
日焼けしてんだ。
すごい日焼けのしかただ。
私もこうだった。
それはペダルを踏む時の柔らかい足首の動きだという。
水中でのこのキックで足首の柔軟さが自然と身についたのだ。
う〜ん。
う〜ん。
でも梶原さんの体幹の強さ。
そして足首の柔らかさっていうのはすごいものがありましたね。
いや〜もうね安定感がありましたよね。
こいでる時もブレがなかったですし体のね使い方っていうのも自然にもうできてるところがありましたよね。
スクワット1,000回やってましたけど。
いや〜。
僕のイメージではもうほぼプロレスラーみたいなイメージなんですけど。
あれがあるからあの太ももを得る事もできて競技に直結するって事はあるんじゃないかなと思いますけどね。
確かに。
そんなつらい練習を毎日こなす梶原選手がめざすオリンピックですが大きく分けて自転車競技はトラックレースとロードレースの2つがあるんですよね。
オリンピックでロードは長距離。
トラックは短中長距離だ。
梶原の目標は250mから25kmまで6つのレースの合計ポイントで競うオムニアムでの金メダルだ。
同じ自転車ですけどもう別競技ですよ。
トレーニングのしかただって違うし求められる事が違うから。
さあオリンピックをめざすためには梶原さんが克服しなければならない課題がありました。
そんな梶原さんの課題を克服するためにアテネオリンピック銀メダリストが立ち上がります。
去年高校3年の夏。
自信を持って挑んだジュニアの世界選手権。
この大会の短距離レースで梶原は大きな壁にぶつかった。
オリンピックにあるオムニアムの500m。
梶原スピードに乗れず13位。
更に250mも10位。
2つの短距離レースで惨敗。
同世代の国際大会で初めて味わった屈辱的なレースとなった。
敗因はスタート。
短距離ではその出遅れは致命的だ。
なるほどね。
短いですもんね。
あの世界選手権のあと梶原と安達監督はスタートの改良に取り組んでいる。
ロードには自信のある梶原だが確かに秒を争うトラックレースではより高度で洗練されたスタートが必要なのだ。
梶原のスタート映像をオリンピアン伏見に見てもらった。
どこが悪いのか…。
何かもっとグッとこう引いてないですね。
梶原は腕とつながる広背筋をまだ十分に使えていないと伏見は言う。
踏むっていうのは分かりますけどね引くっていう感覚はあんまりないですね。
ではアテネオリンピックでの伏見のスタートを見てみよう。
中央が伏見。
確かにグッとハンドルを引きそしてグッとペダルを踏み込んでスタートしている。
確かに確かに。
全然違うね。
(実況)今のスタートどうでしょうか?スタートはいいですよ。
すぐにトップスピードに乗った伏見。
(実況)現在の伏見いいタイムで来ている。
銀メダルを獲得した。
いよいよ指導の日。
あっこんにちは。
こんにちは。
(伏見)こんにちは。
初めまして。
初めまして。
梶原悠未です。
どうも伏見と申します。
(梶原)よろしくお願いします。
お願いします。
早速課題のスタートを見てもらう。
1はいはいはいはいはいはいはいはいはいはい…。
(2人)あららら?あれれれ。
VTRで見つけた欠点のうちグッと引く上半身の動きが梶原はできていた。
伏見も驚くほど完璧なのだ。
しかしグッと踏む足の動きができていないと伏見は指導を始めた。
それが10時ぐらいか…伏見が指摘したのはペダルの位置。
これまではほぼ水平だった梶原。
よりグッと踏む力を伝えるにはどの高さがいいのか試行錯誤する。
決めたのはおよそ指3本分上の位置。
この僅かな高さの違いで力の入り具合が全く変わるという。
しかし踏み込む力が足りないとバランスが崩れトップ選手でも難しい。
梶原果たしてできるのか?
(安達)はい!はいはいはいはい…。
1歩目伸びてたと思いますよ。
ペダルの高さを変える前の走りと比較してみよう。
上半身も違う。
違いますね。
全然違うわ。
スタートから100mのタイムが0.3秒も縮まっていた。
うわ〜。
え〜。
すご〜い。
すごい事ですねこれ。
秒を争うトラックレース。
0.3秒はトップと最下位のタイム差に匹敵する事も!更に梶原伏見にこんな相談をした。
フライングスタートとはバンクと呼ばれる40度を超える傾斜を利用しおよそ70m手前から助走をつけスタートを切る方法。
いかにトップスピードに乗せるかが勝負だ。
梶原はこのスタートも苦手としてきた。
伏見さんの目に何が映るのか?うん。
オリンピアンの目には我々の分かんないものがね映りますもんね。
うん。
さっき「80%」って言ってたんで。
指示どおり50%の力でバンクを上り始めた梶原。
お〜。
ちょっとゾワゾワッとしますね。
何かちょっと出るんじゃないかなっていうね。
いよいよ加速。
お〜確かに。
何かいいんじゃないの?これ。
伏見さんもびっくりしてる。
僅か14秒で勝負が決まる250mで最初の100mのタイムが0.3秒もアップ。
梶原自身信じられない結果だった。
すごいね。
すごい。
(伏見)よかったです。
これはセンスですよ。
そつなくこなすっていうのは相当練習しているたまものとやっぱセンス問われるんで。
すばらしい。
ありがとうございます。
すごいですね。
すごいですね。
あっという間に自分のものにしちゃいましたね。
あんなにできちゃうもんですか?いやできないでしょう普通は。
あんなにすぐできないですよね。
ねえ。
もう自分で考えながら練習してできちゃってたっていう。
自分でその一つ壁超えてから。
克服して。
すごいですね。
伏見選手のスタートの教えグッと引いてグッと踏むという。
先ほどもちょっと言ってましたけども力の連動がスポーツにとってとても大切なんですよね。
すごく大切ですね。
難しいスタートに北川も挑戦。
ペダルの位置は大丈夫か?引いて踏み込む。
引いて…。
あっここを引くんですよね?ここを引く。
こう引くって事。
こう引く。
あの…。
ここですここ。
これもう広背筋っていうんですかもう既にバキバキです。
本当?もう痛い。
もう?あの…すいません。
許してくれませんか?自転車競技の難しさを実感。
北川リタイアだ。
でもすごく感じやすいというか感じる力がある選手ですね梶原選手は。
ですね。
自分の体に日々問いかけてるんじゃないかなっていうぐらいすぐ体と会話できる選手なんじゃないかなと思いますね。
ふだん追い込んで練習してるからこそ「じゃあこうやってみて」って言った時にすぐにできちゃうというか。
そうですよね。
まさにねふだんのトレーニングが生きてるなっていうのは感じますよね。
さて梶原さん指導のあとトラックの全日本選手権に出場しました。
どうなったでしょう?梶原はこの大会オリンピックと同じオムニアムに挑んだ。
リオデジャネイロ・オリンピックに向けて代表選手を選ぶレースの一つ。
さあどうなった?あの惨敗から3か月。
伏見に教わったスタートを何としても成功させたい。
指3本分高いペダルでスタートを待つ。
指3本分。
ハンドルをグッと引く。
できた。
踏み込みは?ペダルをグッと踏む。
本番にも強いんだ。
できちゃうんだもんな。
はいはいはいはい…。
掛け声もいいですね。
「はいはいはいはい」ってね。
掛け声やりたいですね。
お〜。
お〜どうだ?なんとこれまでの記録を0.26秒更新!自己ベストをたたき出した!本番で?これはすごい。
もう一つ雪辱を期す。
250m。
フライングスタートはどうか?上りは力を温存。
さあ来た来た!ガ〜ッていっちゃいそうだもんね。
そして下りで一気に加速!これも速そうだな。
お〜速いぞ!これは速いんじゃない?きれいですね。
走りが何か。
安定感がね。
これはすごい選手になるんじゃないかな。
これまでの記録をなんと0.36秒更新!これも自己ベスト!
(2人)すごいね!6つのレースのうち3つでトップを取り優勝!高校生にして日本一の座を射止めた!これで今年の夏のリオも夢ではない。
伏見選手に教えて頂いたポイントをしっかりレース前にもイメージしてここに入ってからも調整してそこの点を何度もイメージトレーニングしてきてその成果が本当にベストタイムとして表れた大会だったので一つの自信にもつながりました。
これからも自転車競技を極めていきたいなって思います。
(拍手)よかった〜!すごい。
ねえ。
強烈。
いや〜。
結果出るんですねこんなに。
しかも本番で。
めちゃくちゃ短期間ですよ?そうですね。
何秒…ものすごい…。
ねえ。
0.26と0.3以上。
よく…本当に自分のものにしましたね。
こんなにいくんだ。
ちょっと今日びっくりしましたね。
いいもの見せてもらいました。
鳥肌がちょっとね。
立ちましたね。
立ちっ放しでしたね。
さあもしかしたら梶原さんリオデジャネイロ・オリンピックをめざせるかも。
見えてきてますよね。
是非これ日本中で注目していきたい選手だと思います。
これからも梶原選手頑張って下さい。
はい。
2016/01/12(火) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
めざせ!2020年のオリンピアン▽自転車勝利への疾走“グッと引きグッと踏め”[解][字]

最速80キロで競う自転車でパワーもスピードも超高校級の梶原悠未18歳の課題は短距離のスタート。五輪銀メダル、競輪の伏見俊昭が秘策を伝授。世界を目指す2人に密着!

詳細情報
番組内容
最速80キロ、100分の1秒を競う自転車競技でパワーもスピードも超高校級の走りを見せる梶原悠未18歳。天性の才能から3年で数々の国際大会に優勝しているが、短距離のスタートが課題だ。その梶原をトップアスリートにとアテネ五輪銀メダリスト、競輪の伏見俊昭が立ち上がった。自転車を知り尽くした伏見は「グッと引き、グッと踏め」と理想のスタートを伝授。梶原はどんな成長を見せるのか、世界の頂点に挑む2人に密着だ!
出演者
【司会】北川悠仁,【ゲスト】杉山愛,【出演】競輪選手…伏見俊昭,筑波大学附属坂戸高等学校3年生…梶原悠未,【語り】山上智

ジャンル :
スポーツ – オリンピック・国際大会
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:12587(0x312B)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: