左から、小口桃子、竹中夏海、佐久間夏帆
東京で一人暮らし、マルキュー前で途方に暮れてた
小口桃百花(以下、小口) なっちゃん回して〜。
竹中夏海(以下、竹中) いきなり? えっと、元アイドル対談始めまーす!
小口・佐久間 いえーい!
竹中 元ぱすぽ☆の佐久間夏帆さん、通称むっちゃん(むっしゅ)と、元美脚時代でなでksジャパンメンバーの小口桃子さん、アイドルだった二人にアイドルになったきっかけとか卒業した理由とか、根掘り葉掘り聞いてきまーす。
小口・佐久間 はーい!
小口 むっちゃんは何歳でアイドルになったの?
佐久間夏帆(以下、佐久間) 何歳でなりましたっけ?
竹中 え、私に聞く? 16歳だと思うよ。あとさ、むっちゃんってPASSPO☆で唯一の地方出身者じゃん。上京のきっかけとか話したら?
小口 そーなんだ! どこ?
佐久間 福岡です。地元でモデル事務所に入ってたんですけど、そもそもは小学5、6年の時に地元の小学生が出演する「バリスゴボイガーセブン」っていうテレビ番組に出たのがキッカケで。
小口 バリスゴボイガーセブン? 天才てれびくん的な?
佐久間 近い感じです! 全部ロケの番組で。
竹中 いきなり天てれから離れた(笑)。天てれは基本スタジオだよ。
佐久間 そーでした(笑)。子どもの頃から芸能人になりたいと思ってて、その番組が出演したい小学生を募集してたのを見て応募したんです。とりあえずテレビに出ようって。
小口 すごい! やる気満々じゃん!
佐久間 けっこう出させてもらえるようになって、そしたら中学2年生のときに地元のモデル事務所に声をかけてもらって、地元の電気屋さんとかバス会社のCMとかチラシに出てました。
小口 東京にくるきっかけは?
佐久間 まだ地元でモデル活動をやってる時に、東京の事務所の方からオーディション出ない?って声をかけてもらって、高1から東京にきました。
小口 スカウトだったんだ。それがプラチナムだったの?
佐久間 いえ、最初はいくつか別の事務所さんに声かけいただいてたんですけど、全部ダメになっちゃって……。109の前で途方に暮れてたら、プラチナム・パスポートの林さん※に「ねえ、ちょっとやってみない?」って言われて、行きます!と。
※プラチナム・パスポートの代表取締役。
小口 へええ。PASSPO☆(当時は「ぱすぽ☆」)ってみんなプラチナム所属だったんだっけ?
竹中 うん。ただ、一応所属はしてるけど仕事は全然してないっていう子たちばっかで。ちょうど中高生くらいのアイドルグループを作ろうって企画が立ち上がった時に、そーゆう子たちを20人くらい集めてオーディションしたの。
小口 20人の中から10人決まったんだ! 倍率たかっ!
竹中 いや低いんだよ。
小口 あ、そっか。
佐久間 20人に絞る前も選考ありましたよね?
竹中 ふるいはかけてるね。正しくは19人だったかな。19分の10。
小口 倍率たかっ!
竹中 だから低いんだって(笑)。
小口 PASSPO☆やるっていうのは林さんが考えたの?
竹中 そう。AKB48が人気になり始めて、女子高生の間でアイドルブームがきてた時期に。でも当時のアイドルってAKBのほかに、ハロプロと電気屋さんでやってた頃のももクロくらいで。
小口 そんな早い時期だったんだ。アイドルブームが来ると思ったのかな。
竹中 そうみたい。
小口 アイドルはやりたかったの?
佐久間 最初は女優とモデルをやりたかったんですよ。沢尻エリカになりたくて。
小口 まさに女優とモデルだね(笑)。
佐久間 あと加藤ミリヤ。
竹中 それ今も言ってるよね(笑)。
小口 なれるよ! なっちゃいなよ!
佐久間 じゃあなろうかな!
小口 うんうん……あ、なに話してたんだっけ……アイドルは好きだった?
佐久間 アイドルはモーニング娘。くらいしか知らなかったです。アイドル自体はかわいいと思ってたんですけど、いざ自分がやってみたら違和感ありすぎて……。
小口 ほんとねえ、見るのとやるのじゃギャップあるよねえ。
解散する時は「やべえ給料なくなる」って思ってた
佐久間 桃子さんはなんでアイドルになったんですか? 元々ニコモ(雑誌ニコラのモデル)だったってお聞きして、私すっごい読んでたんですよ!
小口 そーなんだ! 誰の世代?
佐久間 れいにゃんさん(日笠麗奈)とか見てました。
小口 れいにゃんの世代か〜。私はれいにゃんの2こ前だから、私が出てた時期とはかぶってないかもね。
竹中 桃子ってなんでモデルになったんだっけ?
小口 私すっごい田舎に住んでて、そこに初めて大きい本屋ができて初めて買ったのがニコラだったの。それで思い出のつもりでオーディション受けようって、お父さんが写真撮ってくれて。すごいダサいポーズしてたの覚えてる。
竹中 いい話じゃん。
小口 よく受かったなって思うもん。
佐久間 すごいですよ。わたし4年間くらいニコラ応募してましたもん。結局受からなかったですけど。
小口 それね、なんでかっていうと当時の副編集長の好みで、美人系の子より、顔が丸っこい素朴な子を選んでたの。
竹中 たしかに桃子も顔まんまるだもんね。あれ、新垣結衣ちゃんは?
小口 ガッキーも最初はまんまるだったよ。
竹中 そうなんだ!
小口 そんなところでモデルを続けてて、18歳で上京して、アイドルをやることになったのが、24歳。最初からアイドルやることはピンときてなかったけど。
佐久間 モデルやってたらそうなりますよね。アイドルになるきっかけはなんだったんですか?
小口 最初はエルセーヌっていうエステ会社の広告契約だったの。そしたら広告モデルが7人くらい集まって、ちょうど少女時代が流行ってた時期だったから、上の人が「美脚時代」作ったらいけんじゃねえかって考えたんだと思う。
佐久間 じゃあ元々はアイドルやるって集まったわけじゃないんですね。
小口 うん。オーディションでも歌とかダンスはやらなかったんだけど、いざ集まってみたら急にグループになって。その会社、資金はたくさんあったから自社レーベルも作れるし移動車もあったし、恵まれてたとは思うんだけど。
竹中 何が腑に落ちなかったの?
小口 だって24だよ? あと曲もピンときてなかったかなぁ。
佐久間 お給料ってそんなにもらえるんですか?
小口 うん。OLさんの2倍くらいはもらってたかも。
佐久間 えー! やります。やらせてほしい!
小口 やるよね〜。だから解散する時も、「ファンの人たちと会えなくなってさみしい…。」っていうのと同じくらい、「やべえ給料なくなる」って思ってた。
一同 (笑)。
女子グループ派閥問題
佐久間 けっこう忙しかったですか?
小口 めっちゃ忙しかった! 気付いたら円形脱毛症になってることもあった。
佐久間 え!
小口 みんなド素人だからダンスレッスンとかボイトレも一気に始まったし、ラジオも突然任されたりして。
佐久間 もう毎日休みなし?
小口 ほとんどなかった。あと、PASSPO☆ほど和気あいあいとはしてなかったかも。
佐久間 それは辛いですね(笑)。
小口 ダンス経験者とそうじゃない子の経験値の差で、レッスン中もけっこうピリピリしてたかな。
竹中 ある程度自分だけでやってきた子たちが集まってるからね。PASSPO☆の場合は、ほとんど仕事したことない子たちが集まって、みんなで一緒にがんばりなって雰囲気だった。
小口 みんなモデルで我が強いんだよね。プライドも高かったし。PASSPO☆は最初から仲よかったの?
佐久間 最初はもちろん今ほどじゃないけど、別に悪くはなかったですよね?
竹中 まあ初対面だしね。派閥ができないのは珍しいかも。大体女の子って多かれ少なかれ、そういう分かれ方ってするし。
小口 わー分かる! うちも6人の中でそういうのあった〜。
佐久間 わ〜〜。
小口 だんだん活動が進んでくと、握手とかチェキでちょっとずつ差が出てくるじゃん。それがまたね……空気が重くなっちゃって。
佐久間 やだあ(涙)。
小口 人気がない子で、「私モデルだし別にいい」って子もいれば、「なんで人気ないの? 意味分かんない」って逆ギレする子がいたり。でも、途中から自分なりに人気が出る方法みたいなのを考えて、Twitterでファンと交流したりチラシ配りに行ったりって頑張ってた子もいて。
佐久間 すごい!
小口 でもその頃はもうグループ活動の終盤で、しばらくして解散しちゃった。
「卒業」がよぎり始めた瞬間
小口 私は職業として割り切ってやってたし、自分から卒業しますっていうのはなかったけど、むっちゃんは自分で決めたじゃん。どうして卒業しようと思ったの?
佐久間 私もモデル志望だったので、「ん?」っていう想いは活動中あったんですけど、それが直接の原因ではなくて、精神的にいっぱいいっぱいになっちゃったというか。
小口 腰悪くしたっていうのをよく聞くけど、そういうわけじゃないんだ?
佐久間 もちろん肉体的にも疲れてたんですけど、気持ちの部分が一番の理由ですね。さっきも話題に出ましたが、握手会の列の差なんかは正直きつかった……。
竹中 握手会は目に見えてファンの数が分かっちゃうから、アイドルの子には負担だよね。
佐久間 握手会で私のところには全然人がいなくて、となりのメンバーの列に並んでるファンの方に「あれ、ひましてんだ?」って声を掛けられたり。普通に辛いんですけど傷ついた顔見せる方がいやだから「ひまひまー!」って明るく返しちゃってて。
小口 そのファンに、悪気はないんだろうけどねえ。
竹中 で、楽屋もどってからよく泣いてたね。
佐久間 その時はまだなおみさん(安斉奈緒美)もファンが少なかったから、2人で楽屋の荷物片付けしながら(笑)。
小口 アイドルって不思議だよね。美人だからって人気でるわけじゃないし。
佐久間 それに堪えちゃって卒業の二文字がよぎり始めた時に、ちょうどViVi夏パニックも重なって体調も崩して、どんどん追い込まれちゃって……。
竹中 あれはそうなるよ。前のPASSPO☆対談でも話したけど、ViVi夏パニックにはみんな弱ってた。前作「少女飛行」のヒットで成功を確信した大人たちが、ひとりの人にたくさんのCDを買って貰う商法でいける、ってなっちゃって。
小口 「少女飛行」で1位獲っただけにね。
竹中 1ヶ月間に毎日リリイベ3本ずつ打つんだけど持ち曲20曲とかだし。メンバーもお客さんも大変だったね。
佐久間 お客さんも体調悪そうでしたもんね。
竹中 そういう商法が長続きしないって例はその時のぱすぽ☆が作ったようなもの。当時は前例がないからいける、と思ったんだろうか。
佐久間 楽屋で急に泣き出したりしてましたよね。なんで涙が出てるのか分からないけどって。
小口 情緒不安定になっちゃったんだ。
竹中 今振り返ってみてPASSPO☆の丸6年のなかで一番辛かったのは、間違いなくあの時期だったと思う。そこで体調も相まってむっちゃんの心がポッキリ折れちゃって。
芸能界は図々しさがなきゃ生き残れない
小口 卒業してからPASSPO☆観れなかったって言ってたよね。
佐久間 前は(卒業して迷惑掛けたという)申し訳なさみたいのがあったんですけど、今は観るとやりたくなっちゃうので、余計に観れないですね(笑)。
小口 戻っちゃえばいいのに。
竹中 むっちゃんは気を使い過ぎなんだよ。もっとわがままな子とか恥知らずの子とかいっぱいいるけど、むっちゃんはすぐ「申し訳ない」ってなる。
佐久間 そういうタイプだからやっていけなかったのかなとも思います。
竹中 芸能界は図々しさがないと、みたいなところはあるよね。でも今のPASSPO☆を観て戻りたいって思ってくれるのはほんと嬉しい。「はー卒業してよかった!」ってなるよりそっちのほうが全然いいよ。
佐久間 ……今のPASSPO☆を見ると、ほんとにマジ後悔なんですよ。
竹中 むっちゃんは当時からアメリカンなガールズロックをやりたいって言ってたから。
小口 いまのPASSPO☆が一番やりたいやつなのか(笑)。
竹中 むっちゃんさ、ViVi夏パニックが終わる頃に卒業を決めて発表しちゃったんだけど、年末の卒業予定日まで数ヶ月あって体調も精神的にも落ち着いてさ。そしたら卒業直前に「私ってなんで卒業するんですっけ?」ってこっそり言ってたよね(笑)。
佐久間 いろいろ落ち着いたらよく分かんなくなっちゃって。「マテリアルGirl」とか超楽しかったし。
小口 休業だったらよかったのかもね。
竹中 今になって思えばねぇ。けど落ち着いた頃には周りの大人は卒業に向けて動いてるし、「やっぱり卒業辞めます」とは言えなかったんだろうね。むっちゃんその辺も空気読み過ぎちゃうから。
小口 ちょっと引きずりながら卒業しちゃったんだ。
佐久間 そうですね……卒業する前の「マテガ」とか「キス=スキ」とか超好きで、衣装もかわいかったし。
竹中 もっと図々しく生きていいんだよ。
小口 いい子なのよ、すごく。
佐久間 OLになって気付いたんですけど、普通の会社って気を使うことにものすごくうるさいじゃないですか。それがほんとにキツすぎて。芸能界も別の意味でうるさいですけど、会社の気の使い度が窮屈すぎて、図太く生きたほうがいいなって最近は特に思います。
竹中 うんうん。図太くなったっていいんだよ。図々しすぎるのはどうかと思うけど、むっちゃんは空気読みすぎるから、それぐらいでちょうどいい。
佐久間 今年の目標は「図々しくなる」です!
卒業メンバーも全部ひっくるめてPASSPO☆
小口 OLになってからってどうしてたの?
佐久間 それまで遊ぶ時間がなかった分、OLになった一年目はめっちゃ色んなところに遊びに行きました。海とかスノボとか。ビーチでプラチナムの社長に会った時はビックリしましたけど(笑)。
竹中 そこにいる社長もプラチナムだな!っていうね(笑)。
小口 一通り満喫したあとは?
佐久間 満喫した後は、今のPASSPO☆を観て「やっぱいいなあ」って思い始めたら止まらなくて。なんかやりたいやりたい!って思ってるなうです。
小口 まだ23でしょ? やりなよ〜私がアイドルになったのだって24歳だからね。なちゅ(岩村捺未)はひとつ年上だっけ?
竹中 そうそう。むっしゅの年齢が一番多くて、あいちゃん、もりし、ゆっきぃ、なおみさんも。
小口 そうなんだ! なちゅが最年長って最高だね。
竹中 高木ブーみたいな立ち位置。みんなの精神安定剤。
佐久間 ほんとに仲いいですもんね。いいなあ。
小口 戻りたいって思えるグループって素敵。私も次アイドルやるんだったら、PASSPO☆みたいなグループがいいなって思うし、自分がいい歳なのはわかってるけど、ライブとか観るとちょっと羨ましくなる。
佐久間 いい歳だなんて全然! やっちゃってくださいよ!
小口 いやいやいや、もういいんだけどね。もしその歳でアイドルをきちんとやるんだったら、PASSPO☆みたいなアイドルがよかったなって。仲良くてわちゃわちゃしてて、楽曲も良くて。
佐久間 PASSPO☆みたいなグループって珍しいですよね。
竹中 色んな意味でね。
佐久間 ほんとに恵まれてると思います。みんなに言っといてください。素敵なグループだよって。
竹中 言ったよ。去年の春に久しぶりにライブに来てくれた時に、むっちゃんがすげーPASSPO☆いいって、戻りたい、「HONEY DISH」歌いたいって言ってたよって。みんなすごい喜んでた。
佐久間 だってあれすごくかわいいんだもん。
小口 PASSPO☆ってずっと新メンバー入れないできたじゃん。普通は欠員が出たら新メンバー入れようって考えると思うんだけど、それはこれからもない予定?
竹中 そうだねぇ、その決意表明としてのカラーフュージョン※でもあるしね。
※PASSPO☆卒業メンバー3人が担当していた色を、現メンバーの安斉奈緒美、増井みおが受け継いだ。「赤色」担当の安斉は 奥仲麻琴の「ピンク」を引き継ぎ 「パッションピンク」担当に、「水色」担当の増井は 佐久間夏帆の「緑」・槙田紗子の「黄緑」を引き継ぎ 「ミントグリーン」を担当することになった。
佐久間 どうしてカラーフュージョンしようって決まったんですか?
竹中 きっかけは7人になってメンバーカラーのバランスが偏ってるねってPASSPO☆と話してたの。でもじゃあ安易に、青系担当が2人いるからってどっちかを緑担当に移行、みたいなのは私がファンならぜったいに嫌だと思った。PASSPO☆の緑担当はむっちゃんしかいないし、黄緑はさこちゃん、ピンクはまこっちゃん。それ以外にはないと思ってるから。だったら3人の想いもメンバーカラーも背負ってくという意味で、現メンバーとフュージョンするのがいちばんみんなが幸せなんじゃないかと思ったの。それは普通ならどうやったって感動的な表現になっちゃうんだけど、そこはどこまでもPASSPO☆らしくやろうよってことで、あんな茶番映像になりました(笑)。
佐久間 最高です(笑)。
小口 いいな、PASSPO☆。私もそのくらいの世代で渋谷いたらな〜。
竹中 桃子もPASSPO☆感あるからな〜〜。目に浮かぶもん、あいつらとわちゃわちゃしてるとこ。
佐久間 桃子さんPASSPO☆いたらやばいっすよ多分。めっちゃフィーバーしますよ。
小口 ん〜歳だね! でもいまは私よりむっちゃんが活躍してるの見たいから頑張って!
佐久間 は〜い(笑)。
(おわり)
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