カレーチェーン店「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋(愛知県一宮市)が廃棄を依頼した冷凍ビーフカツが愛知県内のスーパーなどに転売されていた問題で、県は14日、新たに温度管理の不備で廃棄予定だったカツの転売を確認した。異物混入を理由に処分した4万枚とは別の時期に製造されたもので、県は壱番屋から処分委託を受けた産廃業者「ダイコー」(同県稲沢市)が以前から転売していた疑いもあるとみて調査を進める。
県と名古屋市は同日、県内のスーパーや卸業者など20以上の業者が問題のカツを取り扱っており、新たに小売り5店舗で販売されていたことが判明したと発表した。県警は同日夜、「ダイコー」など数カ所を廃棄物処理法違反容疑で家宅捜索した。県警は、ダイコーがカツを転売したのに、廃棄したとマニフェスト(産廃管理票)に虚偽記載したとみて調べる方針。
県によると、新たに転売が発覚したカツは昨年8月の製造。冷凍施設の不具合で、壱番屋がダイコーに約4トン(2万枚以上)を処分委託した。このカツが同県愛西市の精肉店で昨年11~12月に販売されていたという。購入者の女性から県に連絡があり、発覚した。
また、県などの調査で異物混入のカツ4万枚は、ダイコーから岐阜県羽島市の製麺業「みのりフーズ」が購入。その後、段ボールを入れ替えるなどし、仲介業者ら6~8社が関わり、名古屋市のスーパーなどで販売されていたことも分かった。
みのりフーズは岐阜県の調査に対し「ダイコーの依頼でカツを購入し、転売した」と説明。また、同社の実質的経営者の男性は14日の取材に「以前も2、3回、壱番屋のカツを取引した」と話している。【山口朋辰、岡正勝、谷口拓未】