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 独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題を受け、仏自動車大手ルノーが仏当局から立ち入り調査を受けたと、欧州メディアが14日報じた。同日の欧州株式市場では、ルノーの株価が前日の終値に比べ一時、20%超値下がりした。

 報道を受けてルノーが発表した声明で、立ち入り調査を受けたことは認めたものの、当局の調査では、VWが規制逃れのために搭載していた不正ソフトウェアは、ルノーの車では確認されていないとした。

 声明によれば、当局などがルノー車の25台を含む約100台について試験をしており、昨年12月にうち11台(ルノー車は4台)の試験を行ったという。この関連で、当局からルノーの本社や技術センターなどの3カ所の拠点で、立ち入り調査を受けたとしている。ルノーは、当局の調査には全面的に協力するとしている。

 VWはディーゼル車に不正ソフトを搭載し、当局による試験の間だけ窒素酸化物の排出量を少なく抑えるようにして規制を不正に逃れていたとされる。

 VWの不正は昨年9月に発覚し、世界で約1100万台のディーゼル車に不正ソフトを搭載していた。欧米の当局は、ほかのメーカーでも同じような不正がないか調査を進めている。

 仏プジョー・シトロエングループ(PSA)も14日に声明を発表し、「試験の結果、PSAの車に問題がないことが証明された」とした。同社は仏当局による立ち入り調査は受けていないという。(ロンドン=寺西和男)