生字幕放送でお伝えします≫風を目いっぱい受け海原を行くサンタマリア号。
こちら、おみこしですね。
そして、教会です。
≫スタジオの宮崎さん!≫はい、こんにちは。
≫これ、何で出来ていると思いますか?≫何か、紐?縄跳びの縄?≫宮崎さん、紐ではございません。
これはですね実は、おそうめんです!≫どうぞ、ご覧ください。
今が生産の最盛期ですよ。
これね、みんなおそうめんで出来ているんです。
なんとこれ飾りそうめんと申します。
≫だけど色がすごいですね。
≫色、すごいでしょ。
だってね、例えばこの黒いの。
これは竹炭を練り込んであるんですね。
そして、この黄色いのはウコン。
このピンクの部分は梅です。
梅を練り込んですべて食べられるもので色をつけてあるんですね。
≫初めて見ましたよ。
飾りそうめん?≫繊細な。
全部食べられるアートなそうめん今日はご紹介していきますよ。
今日来ているのはそうめんの生産が盛んな長崎県の南島原市です。
雲仙岳のふもとにある南島原市。
この山に磨かれた湧き水はそうめんの生産にぴったりなんです。
生産量は、なんと全国第2位。
300軒以上の工場が軒を連ねるまさに、そうめんの里なんです。
≫今日お邪魔しているのはそのうちの1つです。
ここの工場は江戸時代創業だそうです。
今日はここから飾りそうめんの魅力たっぷりご紹介したいと思います。
≫ここ、南島原では明治時代からそうめんを縄に見立てていろんな飾り物を作ってきたんですね。
その1つがこちら。
これ、縁起物のひょうたんを模したもので初めはとてもシンプルだったんですが30年くらい前からもっと複雑で大きいものを作ろうじゃないかということでこうしたものが生まれたということなんですよ。
≫これを作っていただいたのがこちらの方々です。
みそ五郎クラブの皆さんです。
よろしくお願いいたします。
≫南島原の守り神のみそ五郎の名前をもらっています。
皆さん作っていただいております。
ねじって、ねじって…。
そうめん作りも盛んですよ今の時期。
今、ねじって作ってらっしゃるものは実は宮崎さん、綱なんですよ。
以前は皆さん、綱をある方に贈られたんですね。
横綱の白鵬関に7年前、まだ大関のころに横綱になってほしいという意味を込めて皆さん横綱の綱をおそうめんで作って贈られたそうです。
≫どれだけのそうめんがそこに使われたんでしょうね…。
≫それはのちのちあとでまたご紹介しますよ。
きれいでしょう。
きれいなんだけど、切れない。
≫不思議です。
≫気付きました?切れないんですよ。
しかも今日、特別にその綱をめでたく紅白にしていただいていますので。
≫だから分かりやすいです。
編んでいるのが。
≫生放送中に今日は作ってもらうんですが番組残り20分ぐらい。
ちゃんと完成するかどうか楽しみに見ていてください。
≫邪魔しないようにね。
≫宮崎さん先ほど言いましたけどこれ切れてないでしょ。
≫切れていない。
やわらかいの、見ていると。
≫そうなんです。
その切れない秘密、実はねじっても曲げても切れない理由はここにあるんですね。
この建物の中の部屋の中にあるんです。
今からご紹介しますよ。
この部屋がどういうものか。
開けますよ。
≫なんだこれは…。
≫湯気です。
加湿しているんです。
これ、水蒸気なんですね。
なんのためにこのお部屋はあるんでしょうか?宮崎さん、クイズです。
どうぞ。
≫おそうめんをやわらかくしてますか?≫そうです!せっかく乾かしたものをやわらかくしているんです。
宮崎さん、半生そうめんってご存じですか?半生そうめん。
≫いや…。
どういうこと?そうめんは乾麺でしょ?≫今、言われたように乾麺をまたこうして加湿してやわらかくすることで独特のコシが出てくるんですね。
これが半生そうめんなんです。
見てください、このやわらかさしなやかさ。
≫本当、そうですね。
半生だ。
≫独特のコシと、のど越しがこれで生まれるそうなんですね。
まず、どんなのど越しかいただきたいと思います。
≫乾麺とは違う?≫プリプリなんですこれ、実は。
普通のそうめんのコシとは全然違います。
ご紹介が遅れました。
社長の本多祥彦さんです。
飾りそうめんをお作りになられてもう30年です、本多さん。
本多さんやっぱり飾りそうめんを作るにはこの半生そうめんが適している?≫そうですね。
乾かしたものを戻すことでコシがまた出るんです。
ちょうど宮崎美子さんみたいな九州の女性のように芯が強くて、コシがある。
≫宮崎さん、褒め言葉ですよ。
≫ありがとうございます。
≫本多さん、先ほど皆さんで綱を作っていただいていますけど今日、その綱作りにはどれが適していますでしょうか?≫これは昨日の夜から少しずつ戻して。
これをちょうど今いい状態で芯まで、中まで戻っているという状態だからできるかと思います。
≫よろしくお願いします。
おそうめんって言われてもちょっとわかんないですね。
しなやかでね。
≫そんなに時間がかかるって僕、初めて知りました。
昨日の夜からやっていたそうです。
今から、綱作りが始まります。
聡明な宮崎さんですからご存じだと思いますが横綱の綱、独特のまわしですよね。
あれ、分かります?端が細くて真ん中が太くて。
あれを今から作っていただくんですね。
胴回りといいます。
責任者というか、ここで指示を出してらっしゃるのが近藤さんなんですがこうやって真ん中を厚くしてみんなでまたねじっていく?≫はい。
≫これを何本作るんですか?≫これを3本作ります。
≫3本作って、より合わせて?≫しめ縄みたいにできます。
≫今のだけでも普通のおそうめんの何人分あるんだろうって思っちゃいますけどね。
こんな長いそうめんを見たことないですよね。
ここからが乾燥との戦いなので手早く始まります、ここから。
実は、皆さんこの中にそうめん屋さんは2人ぐらいしかいません。
実は皆さん本業は別の方たちなんです。
ちなみに先ほどの近藤さんは電気屋さんです。
あとは公務員の方とか設計技師さんとか結構いろいろです。
でもこの飾りそうめんに皆さん伝統を守るためにこの流れを守るために皆さん頑張ってらっしゃいます。
ほら、男の人が今5人がかりで2mある、このそうめんをねじっております。
時間との戦いです。
分かります?この美しさ。
よったことねじったことによって曲線が生まれるんですね。
これで1本、終わりです。
≫これ、3本作るの?この時間内にできるの?≫これ、3本作ります。
できます。
宮崎さん、今ぎゅぎゅっとねじってたじゃないですか。
全然やっぱり切れませんよね。
その切れない理由分かりますか?≫いや、分かんない。
半生だからくっついてるの?≫なおかつやっぱりコシなんですよ。
コシの強さ。
その秘密は島原そうめんのコシの強さにあるわけなんですよ。
ねえ、佐藤君。
そうなんですよ、宮崎さん。
コシの強さ、実は作り方にも秘密があるんです。
こちら、注目してもらいたいのは掛巻
(かけば)という作業なんですね。
生地を細く伸ばしてどんどん引っ張っていってすごい音がしますけど2本の棒に巻きつけていきます。
ここに麺を強くするポイントがあるんですがちょっと今、ゆっくり動かしてもらってますからちょっと見てください、近くで。
1本1本を見せてもらうんですがちょっと1回止めてもらいましょうか。
1本1本が、これちょっとねじれているのが分かりますかね?≫今、機械のところで分かりました。
ねじれてる。
確かに。
≫例えば、タオルなんかでも水にぬらしてねじるとピンと固くなるじゃないですか。
それと同じようにしてねじりを加えることで麺が引っ張っても切れにくいものになるんですって。
≫この機械すごいな…。
職人さんもすごいんですけど。
≫このコシの強さがこんな珍しいそうめんも生み出したんです。
その名も、白髪そうめん。
≫細いですね。
≫よく見ると、本当にこれ髪の毛みたいに細いでしょ。
≫そこまで伸びるということですね、細く。
≫おっしゃるとおりなんですよ。
それがまさにコシがあるからなんですが。
普通のそうめんと比べてみるともっとよく分かると思うんですが向かって右が白髪そうめん。
こっちが普通のそうめんなんですが大体、普通のそうめんの3分の1なんですって。
極細。
極限まで伸ばす技というのをちょっと白髪そうめん作りの達人の高橋さんに見せていただきます。
今ね、宮崎さん60cmの長さのそうめんを伸ばしてもらうんですがどれくらい伸びると思いますか?≫3m!ってことはないねもっとですね、すいません…。
≫3mっておっしゃいました?宮崎さん、もうちょっと低めに言ったほうがよかったかもしれませんが。
こうやって絶妙な力加減で伸ばしていって3倍以上、2mまで伸びるんです。
≫細いから、ポロポロポロッととけるというか折れていきそうですよね。
もうこれだけで怖いです。
見ていると。
≫本当ね、力加減が微妙な力加減でなかなか作れる人、いません。
お値段も普通のそうめんの大体5倍。
高級品です。
≫技術のお値段ですね。
≫ここまで細く伸ばせるのもコシが強くて切れにくいからです。
0.3mmの細さ。
この島原そうめんのコシの強さお分かりいただけましたか?≫分かりました。
≫宮崎さん!再び加湿部屋に来ております。
今の白髪そうめんの細さに負けない繊細な技を今からご紹介いたします。
今ね、これ、本多さんが先ほどの綱の後ろとセットで後ろに飾るすだれそうめんを編んでいただいているんですがこの作業は、本多さん外ではできないんですね。
この部屋の中でしかやれない?≫切れたらつなげませんから。
こうやって結ぶときってほとんど息を止めて切れないようにっていう感じである種、怖いですね。
≫外ですと乾燥が早いので。
この中でしかできないという。
これ、複雑かつすごく繊細な作業だと思うんですが本多さん、僕、特別に今日はチャレンジさせていただいてもいいですか?≫いいですよ。
器用な西村さんだったらできると思います。
≫本多さんは本数を数えてらっしゃるらしいんですがえっとね…。
もう、怖いんですよ!触ったら切れちゃうんじゃないかと思って。
本多さん、やっぱりやめときます怖いんで…。
こうやって本多さんはひょうひょうとおっしゃってますけどね手元を見てください。
非常に繊細な手元を。
力を入れるわけでもなく抜くわけでもなく。
≫絶対もつれると思うの。
長いから下のほうはぐるんともつれたりとかそうすると、もうだめですよね?≫そうですね。
だから乾燥したら元に戻せないと思うんです。
だから中でやってるんですね。
残り時間がおよそ7分だそうなので僕、綱の製作過程がどうなっているのか見てきます。
本多さんあとはよろしくお願いします。
≫西村さん、こっちこっち。
ラストスパートです。
編んでます、編んでます。
≫私も参加します。
≫西村さんも体験することになってます。
≫絞って、絞って…。
≫今、3本のものを1つにより合わせているんです。
≫きれいですね、切れないし。
≫結構力入れてねじってますよ。
≫息を合わせるのが大事なんですね。
≫もうだいぶ出来てきましたよ。
太い部分もきれいにいっています。
≫これ、見事な紅白になってきました。
≫よく切れないな。
しなやかですね、重そうですしね。
もう一息ですね。
≫だんだんコツをつかんできたころに終わります。
宮崎さんこれめっちゃ楽しいです!≫重そうですね。
≫でもね、触ってるとおそうめんなんです。
やっぱり。
触ってる感触はおそうめんなんです。
出来ました!いや、すばらしい!≫出来ましたね!≫そしてこれを胴回りに合わせて丸めていきます。
≫本多さん、お願いします。
直接持っていってこの台の上で丸めます。
≫出来上がりです。
≫見事ですね!≫すばらしい!≫どうですか?≫最高の出来栄えですね。
よく縛ってます。
≫すばらしいですね。
もう、この太い部分もしっかりねじられていて。
≫これが乾燥すると、こういうちょっと1本くらいこれ、出ているやつが乾燥するとポロッととれて完璧な形になるそうです。
すばらしいですね。
乾燥して完成ということで。
宮崎さん、完成したんですがこのあとこれをどうするでしょう?≫どこかに飾るというか奉納するんじゃないですか?≫飾りますけど今日は今から食べます。
≫だって今、出来たばっかり…。
≫何言ってるんですか。
宮崎さん、これそうめんですよ。
≫えー、もったいない!≫先ほどの飾りそうめんもきました!≫すだれそうめんが今、到着しました。
これで、完成だそうです。
今も言いましたがせっかく完成したんですが食べちゃいましょう。
≫うそでしょ…。
≫食べるのが習慣なんですって。
≫でも、どうやって?≫お願いします。
≫調理してくださるのは本多さんの奥様ですよ。
≫豪快ですね、これまた。
≫そのまま沈めました!≫ここでもうゆでちゃうんですね。
大胆。
さっき作ってたのに。
≫ちょっと太いのでゆで上がりまで時間がかかりますのでその間に南島原のとっておきの冬のそうめん料理をちょっと見ていきましょうか。
まず、もう熱々に出来ています。
その名も地獄煮といいますよ。
野菜や肉を入れたもの。
そして、そのお隣はもっと麺の味をシンプルに味わえる、地獄炊きもグツグツいっています。
土鍋から直接食べるのが地元流。
そして、長崎といえばちゃんぽんなんですがこれはそうめんで出来たそうめんちゃんぽんです。
≫宮崎さん、この3つだったらどれがおいしそうですか?食べてみたいですか?≫ちゃんぽん!≫分かりました!じゃあ、地獄炊きを…。
なんで聞いたのかは基本的に段取りですね。
私、いただきたいと思います。
熱い!宮崎さん、全然グツグツ炊いていたのにコシが残っています。
全然、煮崩れない。
おいしい!≫そうめんは南島原の食卓に欠かせません。
≫さすがだね。
≫温まりますよね、体がね。
≫そしてさっきの綱ですよ。
そろそろ、ゆで上がりそう。
ちょっとお湯のほうが梅の色が…。
≫これって何?このまま食べちゃっていいの?≫土鍋から直接いってください。
≫この長さを見てください!長いです!いただきます!≫作っていた皆さんも一緒に今、来て。
≫うまい!見てもよし、食べてもよし島原のそうめんです。
うまい!≫これは楽しそう。
≫宮崎さん、すごいでしょ。
飾ってよしですよ。
食べてもよしですよ。
この長さが、ほら。
ぜひ宮崎さんも島原に来たらおそうめんをご賞味ください。
≫皆さん、仲よくちょっと熱さに悶絶しながらいただいてますよ。
≫皆さんこれ豪快でいいですね!多分皆さんも作ってゆでてすぐ食べるのって初めてですよね。
≫今日はみんなで食べちゃいます。
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(千代)何で…何でだす?何でお母ちゃんは2016/01/12(火) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
ひるブラ「コシが生み出す“飾りそうめん”〜長崎・南島原市〜」[字]
手延べそうめんで知られる長崎・島原。自慢のコシを生かして、そうめんが何とアートに変身!島原文化として伝わる飾りそうめんをご紹介。冬においしいそうめん料理も登場!
詳細情報
番組内容
【ゲスト】西村和彦,【コメンテーター】宮崎美子,【司会】佐藤誠太 〜長崎・南島原市から中継〜
出演者
【ゲスト】西村和彦,【コメンテーター】宮崎美子,【司会】佐藤誠太
ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
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