1月10日、上坂すみれのニューアルバム「20世紀の逆襲」のリリース記念イベントが東京・タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIOで開催された。
小比類巻かほる「Hold On Me」、Studio Bongo Mango feat. Likkle Mai「WE LOVE SHONAN」、Gamma Ray「Dream Healer」などがSEとして流れる会場には多くの上坂ファン、通称“同志諸君”が集結。彼らは「20世紀の逆襲」のオープニングを飾るインスト曲「予感02」が爆音で流れ出すと、“ゲバルトの赤い棒”ことウルトラレッドのペンライトを高々と掲げて、上坂をステージへと迎え入れる。その赤い光と大歓声に「ズドラーストヴィチェ!(こんにちは)」とロシア語で応えた彼女は「私は舌に口内炎があってサ行が言いにくい!」と近況報告もそこそこに、「20世紀の逆襲」のタイトル曲の1つ「20世紀の逆襲 第一章 ~紅蓮の道~」を投下。発表間もない曲にも関わらず「青い 青い 青い光の中で」という歌詞が出てくるや、“ゲバルトの赤い棒”の光をブルーに切り替える同志に驚きの表情を浮かべつつも、この日初披露となる「全円スペクトル」や「繋がれ人、酔い痴れ人。」とニューアルバム収録曲を畳みかけて、イベント序盤から大きな盛り上がりを演出した。
忘年会シーズンになるとキャンパスの最寄り駅前に「酔いつぶれた学生が屍のように転がって」いた大学時代を振り返り「あれは経済学部の学生に違いない」と憶測を巡らせたかと思えば、自身のアーティストグッズを「身に付けにくいじゃないですか」と一刀両断。グッズで「完全武装」する同志を「マジでヤバいですよ」と評してみたり、イベント翌日が成人の日であることから、古い友人のメールアドレスが軒並み不通になっていたため成人式に出なかったことに改めてヘコんでみたりと、縦横無尽のMCを繰り広げた上坂は、今度は2つのハードロックナンバーを連投する。アニメ「鬼灯の冷徹」のエンディングテーマ「閻魔大王に訊いてごらん」と、和嶋慎治(人間椅子)作詞・作曲・編曲の「冥界通信~慕情編~」をパフォーマンスして、フロアを大「ハイ! ハイ!」コールと“ゲバルトの赤い光”で埋め尽してみせた。
その後、2月11日と12日に東京・中野サンプラザホールでライブ「超中野大陸の逆襲」を開催することをアナウンスする上坂が「お越しになる方はいますか?」と尋ねると、多くの同志から「はーい!」の声が。これに「来すぎですよ」「1日目に来る方はわかるんです、祝日ですからね」「平日の2日目に来る方の意味がよくわからないんですよ」と続けた彼女は、「みんなが会社の休みを取りやすいようにライブの名前を『学会』や『祖母の祖母の祖母の通夜』にすればいいんですかね?」と提案。さらに大学生の同志が春期休暇に入っていることを知ると「いつもの一蘭(ラーメンチェーン)とかのバイトを休んでライブにお越しになるんですか?」と切り返してフロアの笑いを誘う。そしてそのまま同志とラーメントークに話を咲かせていたかと思いきや、突然「なんでこの話をしているか思い出しました!」とひと言。先日人生で初めて1人でラーメン店に入った、曰く「快挙」を成し遂げたことを報告して、フロアから巻き起こる拍手と「おめでとう!」「エラい!」の声に両手を大きく広げて応えていた。
この日のラストナンバーは「Inner Urge」。「これで6曲目だし、皆さん元は取れました?」と笑った上坂は、そのディスコビートにノリながら「S・O・X」コールを煽り、定番の掛け声である「Ура!」(ロシア語で「万歳」)を三唱してイベントを締めくくろうとする。しかしフロアの面々にこのあとの予定を尋ねたところ、彼女がノンナ役で出演する映画「ガールズ&パンツァー 劇場版」を観に行くと返ってきたことから、急きょ予定を変更。最近ネットで話題のフレーズ「ガルパンはいいぞ!」を3連発してステージをあとにした。
なお音楽ナタリーでは現在、アルバムのリリースを記念して、ロングインタビューとビジュアル企画という2つの上坂特集を公開している。
※音楽ナタリー Power Push 公開中!
上坂すみれ「20世紀の逆襲」特集 ロングインタビュー
上坂すみれ「20世紀の逆襲」特集 すみぺと浅草路地裏散歩