【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が13日に発表した国民向け談話のキーワードは「経済」と「国会」だった。
談話は北朝鮮の4回目核実験を機に発表されたが、安全保障面だけでなく経済面でも危機にあるとの認識の下、北朝鮮に対する強力な制裁とこれに関する中国の役割を強調する一方で、経済危機の克服に向けた重要法案の成立を繰り返し訴えた。
特に、国会に関する話が出ると、ため息をつきながら法案の処理が進んでいないことにもどかしさを見せた。
談話の発表は午前10時半から30分ほどにわたって行われ、1時間余りの質疑応答が続いた。
朴大統領はこの日も赤いジャケットを着用した。何かに対する決然とした意志を示したいときによく着ている色だ。
談話では「国民」という言葉が38回、「経済」が34回、「雇用」が22回、「改革」が21回、それぞれ登場した。また、「北(北朝鮮)」は19回、「国会」は18回、それぞれ繰り返され、労働市場改革の重要性を訴える部分などで「労働」という言葉も16回登場した。
朴大統領は冒頭、やや明るい表情で新年のあいさつを述べたが、談話の本文に入るや決然とした面持ちに変わった。
特に、労働市場改革の重要性を強調するのに多くの時間を当てた。勤労(労働)基準法改正案を「労働時間の短縮で雇用創出を目指すもの」、派遣法改正案を「再就職の難しい中高年の雇用機会を拡大するもの」などと、労働改革関連法案を一つ一つ説明した。
その上で、労働組合の全国組織・韓国労働組合総連盟(韓国労総)が改革に向けた労使政(労働者、雇用者、政府)の合意を破棄する可能性を先ごろ表明したことに対し、「合意は国民との約束であり、一方的に破棄することはできない」と語気を強めた。
国会に対しても鋭い批判を浴びせた。朴大統領は特に「経済活性化法と労働改革関連4法を1月の国会で必ず処理してほしい。今回も成立させずに放置するなら、国会は民意の殿堂ではなく個人の政治を追求しているとの批判を免れないだろう」と強い語調で述べた。
また、談話の末尾で「国民の皆さんが力を合わせてくれれば、必ず改革の結果が皆さんに返ってくる1年にする。皆で一緒に変化と希望の韓国を築いていこう」と呼びかけたときには、感情がこみ上げたのか声を震わせた。
続く質疑応答はややリラックスしたムードで進められた。旧日本軍の慰安婦問題をめぐる日本との合意について批判的な質問が出ると、朴大統領は「与えられた状況での最善の選択」だったと述べ、交渉結果を積極的に説明した。
また、国会の状況について問われると、主要法案が成立しない状況にあからさまにいら立ちを示した。
会見場には李丙ギ(イ・ビョンギ)大統領秘書室長、金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長らが同席した。青瓦台(大統領府)は、会見場の全景を国民に詳細に見せるため、朴大統領の記者会見では初めてレールカメラを設置したと説明している。