20代前半の女が、未婚のまま出産した女性たちから子ども6人を買い取って自分の戸籍に入れていたという事実が発覚した。これまでも、養子縁組をめぐっては「新生児の闇取引」のうわさがあったが、このような違法な養子縁組市場が実際に存在することが明白になったわけだ。
本紙は6日、高校生を名乗る女性がポータルサイトに「妊娠8か月なんですが、両親に内緒で子どもを養子に出すことはできるでしょうか」と書き込んでいるのを見つけた。この書き込みには別の人物からコメントがつけられており「手助けしたいので連絡ください」というメッセージと共に携帯電話の番号が書き込まれていた。
記者が、この電話番号に「正式な機関を通さずに養子を迎えたいが、可能か」というショートメールを送ったところ、数分後に50代半ばの女性A氏から電話がかかってきた。A氏は「産婦人科の新生児室で看護助手として働いているが、捨てられる赤ちゃんがかわいそうなので、未婚で出産した女性を紹介したい」と話した。記者が「できれば女の子がほしい」と依頼すると、1時間ほどして再びA氏から電話がきた。A氏は「ソウル・江西区に住む『未婚の母』を紹介する」と言い、子どもを引き取る日時と場所を決めようと提案してきた。「紹介料はいくらほしいのか」と聞くと、A氏は「通常なら100万ウォン(約10万円)ほどもらっている」と話し「未婚の母たちは出産そのものの記憶を消したがっているため、彼女たちに謝礼を払う必要はない」と話した。
現行の入養(養子縁組)特例法では、養子縁組の際には正式な養子縁組機関に紹介を依頼し、家庭裁判所で許可を受けなければならないと定められている。この過程で実の親による出生申告書(出生届)が必要となる。しかしA氏が教えてくれた「養子縁組」の手続きは、家庭裁判所に行く必要がない。