違法養子縁組:逮捕された23歳女性、乳児転売の形跡なし

 未婚の母に金銭を支払い、乳児6人を連れ出して育てていた女(23)を逮捕し、人身売買の疑いがあるとして調べてきた忠清南道論山署は13日、容疑者の女が子育てをしたいという一念で乳児を引き取ったとの見方で事件を検察に送致する方針を明らかにした。

 警察は犯罪心理分析の結果、容疑者は幼いころに母と死別した自分の置かれた状況と未婚の母の子どもの状況が似ていると感じ、引き取って育てようと考えたとの結論を下した。容疑者は知能指数が知的障害警戒線(71-84)で、社会適応が難しいという。

 捜査関係者は「容疑者が子どもを転売したという証拠や状況は見つからなかった」と述べた。警察は容疑者から現金40万-150万ウォン(約3万8900~14万5900円)を受け取り、子どもを手放した女性4人を在宅のまま取り調べるとともに、子どもの出生届を虚偽記載したとして、容疑者のおば(47)と弟(21)についても立件した。

 金銭は子どもの実母側が先に要求したことが分かった。実母は10代後半から20代後半で、中には既婚者もいた。うち京畿道平沢市に住む女性は、夫と別居中で、このままでは他の男性の子どもを産み育てることができないと思ったと説明したという。実母の大半は産後の経済的困難、周囲の冷たい視線のせいで子どもを手放したと供述したとされる。

 警察は容疑者が2014年3月以降に連れ出した6人のうち、5人の行方を特定した。その上で、容疑者が育てていた3人と容疑者のおばが育てていた1人を児童保護専門機関に引き渡した。残る1人は未婚の母が出産直後に20代半ばの既婚女性に子どもを引き渡し、さらに容疑者に子どもを委ねたが、既婚女性が再度連れ帰っていた。警察は行方が分からない残る1人は大邱方面にいるとみて行方を追っている。

論山(忠清南道)=ウ・ジョンシク記者
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