忠清南道論山署は今月6日、未婚の母に金銭を支払い、乳児6人を連れ出して育てていた女(23)を児童福祉法違反の疑いで逮捕した。
容疑者の女は過去2年間にわたり、乳児6人のうち3人を祖母、父(60)、弟と同居する論山市内の他世代住宅3部屋で育ててきた。3人のうち2人は未婚の母が出産する際、自分が妊産婦であるかのように産婦人科に名前を登録し、新生児を自分の戸籍に登載していた。
容疑者は残る3人について、2人は実の親が、1人は乳児の親戚が連れ帰ったと説明している。警察は1人については親戚が実際に育てているのを確認し、残る2人の行方を調べている。
容疑者は未婚で、金銭を払って子どもを引き取って育てた動機について、「子どもが好きだったから」と話すだけで、具体的なことは明らかにしていない。警察は容疑者が子育てをする未婚の母に支給される政府の養育費(子ども1人当たり月15万ウォン=約1万4600円)を受け取るのが狙いだったか、養子縁組を希望する他人に子どもを売ろうとしていた可能性を視野に追及している。容疑者一家が昨年まで暮らしていた地域の隣人も容疑者の父が「娘が金もうけのために子どもを引き取って育てている」と話していたと証言している。
しかし、容疑者家族は金銭を払って、乳児を連れ出した行為が違法である点は了解しながらも、動機については、「容疑者は子どもが好きだっただけで、金銭狙いではない」と主張している。容疑者のおばの夫は警察の事情聴取に対し、「捨てられた子どもがかわいそうで育てていたが、こんなに問題になるとは思わなかった」と話した。
容疑者の弟も本紙取材に対し、「違法なのは知っていたが、姉は『結婚せずに子どもだけ育てたい』と話すほど子どもが好きだった。子どもたちは(家族の)疲労解消剤のような存在になっていた」と語った。容疑者のおばも「子どもには満1歳の記念写真を撮ったり、自分たちにはできないような記念の指輪を準備したりした。警察は子どもを売買していたのではないかと疑うが、それならば子どもたちにそこまでよくするはずはない」と反論した。