27人死傷の換気口崩落事故、施工業者とイベント主催者に実刑

施工業者、無登録の建設会社に丸投げ
設計図を無視し手抜き工事
イベント主催者、フェンスの設置や安全管理要員の配置が不十分

 2014年10月、京畿道城南市盆唐区の板橋テクノバレーで換気口のふたが崩落し、27人の死傷者を出した事故をめぐり、換気口の施工業者とイベント主催者に対する一審で、一斉に実刑判決が下った。裁判所は、施工会社の違法な下請けや大雑把な計算に基づく手抜き工事、イベント主催者の安全に対する意識のなさなどが重なり合って発生した事故だと判断した。この事故で起訴された10人のうち、5人に実刑、4人に執行猶予付きの有罪判決が言い渡され、1人は無罪となった。また、施行会社3社に対し罰金200万-1000万ウォン(約19万5000-97万4800円)が命じられた。

 事故は板橋テクノバレーの野外公演場で行われていた公演の最中に発生した。市民27人が換気口のふたに乗って公演を観覧していたところ、鉄製のふたが崩落し、18メートル下の駐車場に転落、16人が死亡し、11人が重軽傷を負った。

 水原地裁城南支部刑事3部(カン・ドンウォン裁判長)は12日、換気口設置工事の元請け業者の現場責任者K被告(49)に対し禁固1年6月、罰金200万ウォン、工程管理責任者J被告(49)に対し禁固2年、罰金200万ウォンを言い渡した。また、工事を請け負い実際に施工した業者の代表A被告(48)に対しても、懲役10月、罰金200万ウォンを言い渡した。一方、イーデイリー・テレビの統括本部長M被告(50)などイベント主催者の関係者3人に対しても有罪判決が下された。

 判決文によると、事故は荷重を考慮しない手抜き工事が引き金になったという。金属構造物の設置工事を請け負った施工業者は、無登録の建設会社に工事を丸投げし、この建設会社は監理を経た詳細な設計図を無視し、漠然とした経験や推測だけで自分勝手な施工をした。現場の作業員が工事に際し、「強度が不足しているため補強が必要だ」と求めたものの、無視されていたことも分かった。

 一方、イベントを主催したイーデイリー・テレビの関係者も、多くの人出が予想されていた中、十分な安全管理対策を講じていなかった。後援・協賛企業が予想を下回ったため、予算を削減し、安全管理要員など70人の人件費を含め3億2000万ウォン(現在のレートで約3100万円、以下同じ)を提示した当初の業者ではなく、別の業者と4400万ウォン(約430万円)で契約していた。

 このため、イベント当日、用意した観客席500席を上回る約2000人が集まったにもかかわらず、フェンスの設置や安全管理要員の配置が十分にできなかったことが分かった。

城南=権祥銀(クォン・サンウン)記者
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