連休の最終日だった今月3日、韓国の仁川国際空港で手荷物の処理が遅れ約160便の出発が遅延した問題で、国土交通部(省に相当)とソウル地方航空庁、仁川国際空港公社による合同調査団は12日、手荷物処理システムの運営の不手際などが招いた人災だったとの調査結果を明らかにした。航空専門家らは「国際ハブ空港では考えられないような呆れたミスがトラブルにつながった」と批判している。
調査団によると、3日午前7時50分ごろ、搭乗棟と旅客ターミナルをつなぐ手荷物搬送ベルトのモーター制御装置にエラーが生じた。手荷物処理システムではこうしたエラーは空港の担当部署に伝えられ、担当者が遠隔操作で「リセット」するだけですぐに復旧する。だが、空港公社の担当者がシステム画面にエラーメッセージが出てから30分後になってようやくリセット処理をしたため、その間に複数の箇所で手荷物が流れず滞った。
その後の対応も後手に回った。一般的に手荷物が正常に処理されなかった場合は手作業で荷物を処理するが、空港側はこの日の午前10時ごろになってやっと手作業の実施を決定。そのため、最初にエラーが発生してから8時間後の午後4時にようやく荷物の滞積がある程度解消された。
国土交通部の関係者は「空港公社側が適切な対応を取らなかったためにトラブルが大きくなった面がある。手作業での処理の決定がなぜ遅れたのかなどについては現在調べている」と説明した。空港公社は5日に報道資料を出し、トラブルの原因について、過去最多となる17万3852人の乗客が殺到し、規格外の手荷物も多かったためと釈明していた。
国土交通部長官の姜鎬人(カン・ホイン)長官は「全てのシステムは、結局は人が運営するもの。空港公社に責任感を持って運営するよう強く要求する。(現在空席となっている)公社社長の人選も手続きに従い早急に進め、指揮の空白を解消したい」と話している。また、空港公社は手荷物システムのエラー処理に関するマニュアルの整備、システム運営訓練の実施、手荷物管理スタッフの充員、乗客急増時のスタッフ増員といった再発防止策を実施する計画だと明らかにした。