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【大相撲】

幕下8枚目宇良 十両まっしぐら!! 全勝Vならいける!!

2016年1月14日 紙面から

竜電(右)の足を取って攻めた宇良は下手投げで2連勝=両国国技館で(川上智世撮影)

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◇初場所<4日目>

(13日・両国国技館)

 史上最速タイ、6場所での新十両昇進へ向け、西幕下8枚目の宇良(23)=木瀬=が、元十両の竜電(25)=高田川=を下手投げで破り2連勝。3横綱は安泰で、白鵬は宝富士を寄り切って4連勝とした。日馬富士は逸ノ城、鶴竜が松鳳山をそれぞれ寄り切って3勝1敗。大関陣は琴奨菊が安美錦を押し出して4連勝。稀勢の里は小結栃ノ心の下手投げに屈し、2敗目を喫した。勝ちっ放しは白鵬、琴奨菊、平幕の隠岐の海、高安の4人となった。

 若手注目株は御嶽海や遠藤だけじゃない。西幕下8枚目の宇良が今場所一層、熱視線を浴びている。十両経験のある竜電の右足を瞬時に取る。左下手も引くと低い体勢のまま一気に前へ。172センチの宇良が豪快な下手投げで、189センチの相手を転がした。

 「別にいつも通りにいっただけです。身長が高いのでどう攻めていいか分からなかったけど、自分の体が伸びたので投げられると思って、下に投げを打った」。自己最高位で2連勝。一瞬の判断が光った。

 奇手の居反りを得意とすることから、デビュー前からバラエティー番組で取り上げられるなど抜群の注目度を誇る。昨年春場所のデビューから気づけば幕下上位。前相撲から全ての取組後はほぼ必ず報道陣に取り囲まれる。「強くない段階で技術だけで注目されていた。頑張る糧にはなっている」。

 報道陣の質問に淡々と答えるが、部屋に戻れば23歳の若者だ。最近は「ラップバトル」にはまる。即興で歌詞を作ってラップを披露し、勝ち負けを競うというもので、兄弟子と対戦し、別の兄弟子に勝敗をジャッジしてもらうこともある。

 テレビでテクニックを見せたこともある腕前だが、「ダメだったっす」と“稽古”不足を露呈したという。「最近は兄弟子とスキルを磨いてます。またうまくなって披露したいですね。胸に響く言葉を『パンチライン』って言うんですが、『今のはよかったね』とか言い合ってます。語尾のつながりとかを聞き分けると…」。ラップバトルになると、話は止まらない。

 入門時に掲げた「2年で関取」の目標を前倒しできる勢いだ。幕下で全勝優勝なら新十両昇進の可能性がある。幕下付け出しを除く初土俵(年6場所制となった1958年以降)から所要6場所なら高鉄山、土佐豊、部屋の兄弟子・常幸龍に並ぶ史上最速タイ。「自分はエリートじゃないし、記録を狙えるところに来てる自分に驚きです。早く上がりたいですね」。ざんばら宇良が成長中、スピード出世で成り上がる! こんな即興ラップが現実になるかも。 (永井響太)

 

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