ニュース詳細
オウム平田被告 懲役9年の判決 確定へ1月14日 17時04分
オウム真理教の元信者で、公証役場事務長の拉致事件などに関わった罪に問われた平田信被告(50)の裁判で、最高裁判所は被告の上告を退ける決定を出し、懲役9年の判決が確定することになりました。
オウム真理教の元信者の平田信被告は17年近い逃亡の末に逮捕され、平成7年に起きた東京の公証役場事務長、假谷清志さん(当時68)の拉致事件や杉並区のマンションに爆弾が仕掛けられた事件、教団の東京総本部に火炎瓶が投げられた事件に関わったとして、逮捕監禁などの罪に問われました。
被告は拉致事件で見張りをしたことなどは認めましたが、「拉致の計画は事前に知らされず、爆弾事件には関わっていない」と主張しました。
1審の裁判員裁判で、東京地方裁判所は「いずれの事件も教団幹部から説明を受けて犯行に加わった」として被告の主張を退け、懲役9年の判決を言い渡しました。
被告は控訴し、2審では「共犯者に比べ刑が重すぎる」という主張もしましたが、東京高等裁判所は「共犯者の刑の確定は15年以上前で、その後、裁判員制度で一般市民の視点も取り入れられたので、刑は不当ではない」として退けました。
被告は上告しましたが、最高裁判所第3小法廷の岡部喜代子裁判長は14日までに上告を退ける決定を出し、懲役9年の判決が確定することになりました。
被告は拉致事件で見張りをしたことなどは認めましたが、「拉致の計画は事前に知らされず、爆弾事件には関わっていない」と主張しました。
1審の裁判員裁判で、東京地方裁判所は「いずれの事件も教団幹部から説明を受けて犯行に加わった」として被告の主張を退け、懲役9年の判決を言い渡しました。
被告は控訴し、2審では「共犯者に比べ刑が重すぎる」という主張もしましたが、東京高等裁判所は「共犯者の刑の確定は15年以上前で、その後、裁判員制度で一般市民の視点も取り入れられたので、刑は不当ではない」として退けました。
被告は上告しましたが、最高裁判所第3小法廷の岡部喜代子裁判長は14日までに上告を退ける決定を出し、懲役9年の判決が確定することになりました。
事件で亡くなった假谷清志さんの長男で、被害者参加制度を利用して1審と2審の裁判に参加した假谷実さんは、最高裁判所が上告を退けたことについて、「私としても正当なものとして受け止めています。法廷の中で彼が『償っていきます』と言っていたことを、しっかり実行してくれることを期待しています。判決は法廷の審理の結果なので、真摯(しんし)に受け止めてもらい、償いを行ってもらいたい」とコメントしています。
17年近く逃亡 大みそかに出頭
平田信被告は昭和62年にオウム真理教の「出家信者」となり、教団では麻原彰晃、本名・松本智津夫死刑囚(60)の警備などを担当しました。
平成7年3月、警察が全国の教団施設に一斉に強制捜査に入ると、平田被告は逃亡し、警視庁は、東京・品川区で起きた公証役場事務長の拉致事件などで特別手配しました。
その後、17年近い逃亡生活を続けていましたが、平成23年の大みそかの夜に警視庁に出頭し、翌日逮捕されました。
逃亡を続けていたことについて、平田被告は1審で「警察庁長官狙撃事件を取り上げた雑誌の記事を読み、自分が容疑者として扱われていたため、出頭できなかった」などと述べました。
また、出頭した理由については「松本死刑囚以外の死刑囚に対する執行は勘弁してほしいという気持ちがあり、自分が出頭すれば執行が延びると思った」と話していました。
平成7年3月、警察が全国の教団施設に一斉に強制捜査に入ると、平田被告は逃亡し、警視庁は、東京・品川区で起きた公証役場事務長の拉致事件などで特別手配しました。
その後、17年近い逃亡生活を続けていましたが、平成23年の大みそかの夜に警視庁に出頭し、翌日逮捕されました。
逃亡を続けていたことについて、平田被告は1審で「警察庁長官狙撃事件を取り上げた雑誌の記事を読み、自分が容疑者として扱われていたため、出頭できなかった」などと述べました。
また、出頭した理由については「松本死刑囚以外の死刑囚に対する執行は勘弁してほしいという気持ちがあり、自分が出頭すれば執行が延びると思った」と話していました。
裁判は2人に
オウム真理教による一連の事件では192人が起訴されましたが、平田被告の判決が確定することで、裁判が続いているのは、2審で無罪となった菊地直子元信者(44)と、1審で無期懲役を言い渡された高橋克也被告(57)の2人となります。
平田被告が出頭した半年後に逮捕された菊地元信者は、東京都庁の郵便物爆破事件で爆薬の原料となる薬品を運んだとして起訴され、1審で懲役5年を言い渡されましたが、2審で「テロ行為を認識していたと認めるには合理的な疑いが残る」として無罪を言い渡され、検察が上告しています。
また、4年前特別手配された元信者の中で最後に逮捕された高橋被告は、地下鉄サリン事件など4つの事件に関わった罪に問われています。被告は地下鉄サリン事件について無罪を主張するなど、すべての事件で起訴された内容を争いましたが、1審の東京地方裁判所で検察の求刑どおり無期懲役を言い渡され、控訴しています。
平田被告が出頭した半年後に逮捕された菊地元信者は、東京都庁の郵便物爆破事件で爆薬の原料となる薬品を運んだとして起訴され、1審で懲役5年を言い渡されましたが、2審で「テロ行為を認識していたと認めるには合理的な疑いが残る」として無罪を言い渡され、検察が上告しています。
また、4年前特別手配された元信者の中で最後に逮捕された高橋被告は、地下鉄サリン事件など4つの事件に関わった罪に問われています。被告は地下鉄サリン事件について無罪を主張するなど、すべての事件で起訴された内容を争いましたが、1審の東京地方裁判所で検察の求刑どおり無期懲役を言い渡され、控訴しています。